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〜子供ビデオ12章〜

ここは、ママやパパが上手に子供をビデオで撮れるようになるためのガイダンスです。

1章 カメラのすべてを愛して

一番最初は、買ったカメラの取り扱い説明書を読んで全部の機能を使いまくりましょう。
例え一つでも残してはなりません。
このノルマを達成してください。
この時期に量を撮り、失敗もたくさん経験してみましょう。
いきなり、パンはこうして・・・
なんて難しいことを言う優等生は、簡単に師匠を飛び越しそうで嫌いです。
いや権威です。
この章の目標は、カメラを楽しむこと、そして慣れること、
この二つです。
ビデオカメラに嫌気がさすぐらいになったら次に進みましょう。
刺激を与えます。


2章 広角だけ

広角だけで撮ります。
刺激を与えるというので、いよいよスーパーテクニックだな、と思ったあなた、
騙したなんて言わないで下さい。
はやる気持ちはよ〜く分かります。
しかし、これは重要なお勉強です。
まじめに正しく健やかに学習してください。
お願いです。

えっ?
「広角」なんて食べたことがないから知らない?
前章でのノルマは達成できましたか?
そのときにウンザリするほどズームレンズを動かしたと思います。
もし、ズームレンズにまだ未練があるのなら、1章からやり直してください。
ズームレンズが使い過ぎて壊れるか、
ズームしていた手にマメができて痛くてもう触れないか、
それともズームがなくても自由に感じられるようだったら、
そうっと、お教えしましょう。
「広角」とは、そのズームレンズで一番「広く」写るところです!
それでこの章では、それだけで撮る。
決してズームレンズで、ズ、ズ〜、なんて動かしてはいけません。
どうしても被写体を大きく写したかったら、カメラごとそれに近寄って撮ってください。
ほうら、
子供の存在感がでて面白いでしょう!
迫力満点の絵。
ズームスイッチが錆び付いてしまったら次へ進みます。


3章 フィックスだけで撮る

ますます地味です。
どうしてかと言うと、カメラを動かさないで撮るからです。
カメラを動かさない?
それじゃ、カメラワークではないじゃないか・・・
そうですねぇ、ワークって動くことだと普通思いますよね。
しかし、動かさない。
カメラを動かさないカメラワークを、
「フィックス」と呼びます。
かっこいい名前でしょう?
そう思えばこれがだんだん好きになる。

広角でしかもフィックスのみで撮る。
何もしないんだから簡単さ、と思うでしょう。
でも実際はとっても、とっても、難しい。
だって、撮ろうとすると、子供があっちへ、こっちへ、
行ってしまう。

そこでママやパパは考えます。
子供が動き出すときに撮るからいなくなっちゃうってね。
そう、だからそこから動き出す、ず〜と前から撮ればともかく写せるんだな。
いや、待てよ。
今度はおもちゃに夢中で全然動かない・・・
それでしたら、一度カメラを止めて角度を変えて、
また広角、フィックスで撮り始めてみましょう。
こうしてカットをいくつもつなげて撮ってみましょう。

どうですか? 見やすいでしょう?
つまり、ビデオの初心者が必ずやるミステイクは、
カメラの振り過ぎにあったのです。

広角でフィックスにして撮る。
これでたくさんお子さんを撮ってあげてください。


4章 フレームを考える

ズームを使ってはいけません。
それでもなおズームしているあなた!
後ろを向いてもだれもいません。 あなたのことです。

ふんむ、確かにズームレンズは使っていないのですが、「人の目」でズームしてますよ!
????? ERROR ERROR ERROR ・・・
ウッソォー、と思うでしょう?
それがしているんだな。

写した絵を見てください。
自分の子供が小さく写っていませんか?
ファインダーの中にいる自分の子供をじ〜と見つめていると、
自分の「目」でそこにズームしているんです。
ちょうど高速道路を走ると視界が狭くなって遠くのものを大きく見ようとするのと同じ原理が働くんですね。
それで我が子が写っていることは事実なんですが、
ほうらフレームの真ん中にちっちゃくなっているでしょう?
できたらもっと被写体に寄ってフレームいっぱいにでかく撮って欲しいなぁ。
カメラがもっともっと近寄れば子供の声だってハッキリ録音できる。

覗き込むようにカメラが寄っていって子供を大きく撮ろう!


5章 カットのおしり

たいがいの場合、おしりは魅力的でなければなりません。
1カットの最後の瞬間を「カットじり」と呼びます。
著者のスケベで決めたことではなく、どこかのエッチが発見したことです。
そのカットじりが、実は非常に重要な意味になるのです。

子供を撮っていて(もちろん、広角・フィックス、ですよ!)、
フレームからいなくなったら、とりあえず一度カメラをポーズにします。
そして、新たに構えてまた撮り始めます。
こうしてカットをいくつもつないで撮るところまで練習をしました。
ここではさらに、フレームから子供が出そうになるけど飛び出さないうちにカメラをポーズにします。
そして角度を変えてまた撮ってみてください。
子供のアクションを予測しなければならない分、ちょっと難しくなります。
こうしてフレームから完全に出ないうちに何カットか撮ってみましょう。

プレビューしてみましょう。
今までは完全に子供がフレームからいなくなっていつも逃げ出しているような感じだったろうと思います。
でも今度は、見ていてとってもテンポがよくて面白くなっていませんか?

子供をフレームから完全に出してしまうと、文章での「。」で、
カットじりで出し切らなければ、文章での「、」になります。
カットの最後がどうあるかで見た印象が違うでしょう。
マジック!!

実は、フレームから子供を出し切ると、カットじりが「なにもない」ので「終わり」の印象がでるのです。
カットじりは、そのカットの目的なのです。
それを意識して撮ってみましょう。


6章 あなたのウソが魅力

もし、お子さんが女の子だったら、
前章の撮り方で、歩き回っているところを撮りながら、
5〜6カットに1度ぐらいに花のアップを撮ってみてください。
つまり、
子供、子供、子供、子供、子供、花、子供、子供・・・
という具合です。
同じ花ではなくいろいろな花を散りばめるように撮ると、
ア〜ラ不思議。
とっても子供が綺麗に写る感じになるでしょう。
実際には子供と花は何の関係もないのですが、ビデオでこうして撮ると美しくなる。
花のイメージがいいですね。

エッ? 男の子?
それでは同じように「花」を「おもちゃ」にして写してみましょう。
そのときにおもちゃをフレームいっぱいに撮ってください。
そのおもちゃのクローズ・アップでも面白そうです。
余計なものが見えてはいけません。

ついでにそのように撮ったら、最後に本当にそのおもちゃで遊んでいるところを撮ってみましょう。
その男の子は、おもちゃが大好きで、おもちゃに夢中、といった具合のイメージができそうです。

始めのうちはちょっとギクシャクしますが、
慣れてくるとこのように絵と絵の組み合わせで、いくらでもウソがつけます。
そのウソを上手に使ってビデオで「作文」をしてみましょう。


7章 お話しにする

さぁ、6章ではどんな作品ができましたか?
だいぶ不思議なイメージがあるビデオができたことでしょう。
これなら何回見ても面白い。
もしそこにBGMが入れられるようでしたら、やってみてください。
それを田舎のおじいちゃん、おばぁちゃん、に送ったら涙を出して喜ぶことでしょう。

今度は、「お話し」にしてみましょう。

子供をフレームいっぱいに撮るのがこれまでの課題でした。
ここでは、そのフレームサイズに対して、
そこの場所全体が分かる大きさの絵を最後に撮ってみます。
フレームの隅に子供が小ちゃくなるサイズ。
いつか撮っていたサイズ・・・・

5章での練習と同じようにいくつもカットを撮って、
最後だけその全体が分かるカットにしてみます。

プレビューしてみましょう。
今までは子供を大きく撮っていて、
子供があっちへ、こっちへ、動き回っている、というビデオでしたが、
最後の1カットで全体が写っていると、どこかまとまりのある印象がでるでしょう。

子供をフレームいっぱいに撮るのを「フル・ショット」と言いますが、
それに対して子供がいる場所が分かる絵を「ロング・ショット」と言います。
これは、フレームサイズを変えて撮る技術です。

ここではたくさんのフル・ショットに対して1カットだけロング・ショットを撮ってみましょう。
そのロング・ショットを最後ではなく始めに撮るとどういう感じになるでしょうか?
また、ロング・ショットをいくつかのカットの真ん中にするとどんな風になるでしょうか?
いろいろ試してみましょう。
それぞれにちょっとイメージが変わると思います。


8章 お話しを具体的に

フル・ショットとは、そのシーンの「視点」のサイズです。
それに対して前項は、ロング・ショットを練習しました。
これはそこのシーンに客観描写だと考えてください。
ロング・ショットは、視点しているものが、
どんな場所にあり、
場合によってはいつごろかが分かります。
また、全体の作業の様子も分かると思います。
視点のものに「舞台」を与えるサイズです。

さてここではそのことをよく考えて、
フル・ショットに対してもっと大きく写す「アップ・ショット」を撮ってみましょう。
アップ・ショットは、ロング・ショットの反対で「主観描写」です。
フル・ショットが何を使って(道具のアップ)
どうやって遊んで(使い方をアップ)
そしてそれがどうしたのか(子供の顔のアップ)
このような具合にアップを使ってみましょう。

この章では、広角だけではアップが難しいと思います。
ズームレンズを望遠側にしてアップを撮りましょう。
しかし、だからと言ってズームで、ズ、ズ〜、とレンズを動かしながら撮ってはいけません。
カットは必ずフィックスを使いましょう。
そして、
フル・ショット、ロング・ショット、アップ・ショットをつないでみましょう。
フル・ショットを撮ったら、アップ・ショットで詳しく説明してロング・ショットで締めくくる。
こんなビデオ言語の使い方のリズムを覚えましょう。

ここまで出来るようになれたら、あなたはもうビデオマンの初級終了です。
これが基本中の基本でした。


9章 いくつかの文

ビデオは、文章と同じ性格を持ったところがあります。
1つのカットを一つの単語と思うと、
8章では、いくつかのカットで一つの場面、つまり一つの文を作りました。

さて、「あなたが好きです」と、
「好きです、あなたが」では伝わるニアンスが違います。
ビデオでも当然のことながら、フル、ロング、アップ、の順番次第で意味やニアンスが変ります。
どういうふうにカットを組み合わせれば、どういう感じになるのか、
作っては見て、見ては撮り、
それを何回も繰り返しているうちに次第にビデオ語が流暢になることでしょう。

さぁ、そうしたら今度は、それぞれの場面、つまり文と文を組み立ててみましょう。
公園で遊んだ子供、
お部屋でおやつを食べる子供、
疲れてお昼寝する子供、
パパと一緒にお風呂に入る子供、
このようにいろいろなシーンをつないで、その一日をビデオにパックしてみましょう。

それぞれのシーンの始まりで、いつもロングから、いつもフルから、
というのではなく切り出し方をいろいろと変えてみましょう。
そして慣れてきたらどこかに何かを象徴するようなものがあったら、ポンっと1カット入れてみましょう。
象徴は一つぐらいがカッコいいですよ。


10章 作品のグレードアップ

作文に題名を付けるようにビデオにタイトルを入れましょう。
まず白い紙を2枚用意してください。
一枚に何の話か分かる絵や題名をクレヨンで書き込みます。
そしてもう一枚には、「おしまい」とでも書いてみてください。
それらを子供たちに作らせるのもいい手です。
準備が出来たら、まずタイトルの紙を10秒以上撮ります。
あとは鍛えたウデを発揮させて日常の子供なり、七五三なり、旅行なり、
撮りましょう。
そして最後に「おしまい」の紙を撮ります。

どうですか?
これでまとまりのある一本のドキュメンタリービデオの出来上がりです。

さてここまでは、まだフィックスのカットだけで作りましょう。
作品全体で、だいたい10分ぐらいが妥当です。
長いと見る人に飽きさせてしまいますよ。


11章 技 法

さて、今までビデオで撮ってきたこの撮り方は、「ポーズ・つなぎ」と呼ばれる撮影技法です。
これは結婚式を撮っている業者が編み出したもので、「編集」をしないで作るものです。
撮りながら構成をして、しかも一発必中でビデオの絵を決めるのですから、本当はとっても難しい技法なのです。
だけど普通家庭ではビデオを編集することがあまりないのでこれを学んできました。

フィックスでここまで出来るようになりましたら、
「現場音」や「声」も注意して記録できるようになりましょう。
場合によっては、あなた自身が撮りながらしゃべれば「ナレーション」になりますね。

ところでこの撮り方は、子供の発表会でのものとは違います。
発表会では、できたら三脚を使ってパン・ズーム、をして切らずに記録しましょう。


12章 ビデオ言語

フィックスで十分に撮れるようになったら、それを基本に他のカメラワークを覚えましょう。

@ パン
  カメラを横方向に振ることを指します。
  他のカットでもそうですが、カットの初めにその環境などを撮って、最後に目
  的の絵になるようにします。(カットじり)
  動くものに合わせてパンをするのは、被写体にとってフィックスと同じです。
  つまり、子供が止まっていて、その子を乗せている地球が走っていると考え
  てください。
  パンの意味は、
  「こんなに広いところで」
  「このようにたくさんある中で」

A チルト
  カメラをタテ方向に振ります。
  下から上へチルト・アップすると、
  「こんなに高いもの」
  「こんなに立派なもの」
  上から下へチルト・ダウンすると、
  「このようなところで」
  という意味が出ます。

B ズーム
  ズームレンズで次第に大きく写すと、
  「このような場所にあるこれは」
  ズームレンズで次第に広く写すと、
  「これは、このようなところにあって」
  という意味に使います。
  また、ズームレンズで次第に広く写すと「終わり」の印象が出ます。

これらカメラに動きがあるカットは、「意味」がありますから、その意味にしたいときだけに使うようにしましょう。
また、動きのある絵同士を連続してつなげないようにしましょう。

この12章をマスターすると、「卒業ビデオアルバム」でのチョイ撮りができるようになれます。
非常に実効性の高いトレーニングですので、ママやパパもトライしてください。