Maintenance Note No.29
2000年11月23日 シーズンオフのメンテ&カスタム計画
もうすぐバイクはシーズンオフ。冬の間はメンテに勤しむ
特にSRXのブレーキ周りは問題山積で早急に手をつけたい

 今回はちょっと趣向を変えて,この冬に予定しているSRXとYZF-R6のメンテナンス&カスタムの計画と,不具合のレポートをまとめたいと思う。さっそく,SRXで発見してしまったいくつかの問題点を挙げよう。

フェンダーに何かが干渉している
 SRXのフロントフェンダーには長さ1cm程度の小さな傷が付いている。フェンダーの後半部分なので,工具を当ててしまったかなと思って,随分長いことそれ以上気にしていなかった。ある日,ガレージで一服しながらフェンダーとホーン,オイルクーラーの位置関係を見ていて,ふと気が付いた。もしかして,オイルクーラーがフェンダーに当たっているのでは?
 静止状態でフォークを全屈させることができないので,定規を当てながらよくよく見てみると,フォークが沈み込んだ時にオイルクーラーの下端が当たりそうな位置に傷が付いている。まず間違いあるまい。

オイルクーラーがフェンダーにヒット
 ただ,傷を見つけから既に数年がたち,その間に著しく傷が深くなった様子はない。いつもぶつかるわけではなく,フォークがフルボトムした時にコツンと当たる程度のようだ。もちろん,ノーマルのオイルクーラーならこんなことは起きない。ボクのはEARL'Sの13段コアなので,クーラーの高さがノーマルよりもはるかに長く,しかもコアが厚いため,フェンダーとの干渉という事態になってしまったのだ。これに気付かず安易にフォークの突き出しを増やしたりしたら,危ないところだった。
 現状ではすぐに大きな問題に発展するわけではないので,取りあえずオイルクーラーの下端に固めのスポンジテープを貼ってごまかした。このクーラーは結構気に入っているのだが,少々能力過剰なこともあるので,もう少し小さいものに交換した方がよいのかもしれない。
ブレーキに亀裂を発見
 SRXで現在最大の懸案はフロントブレーキだ。このところ,ブレーキのフィーリングがよろしくない。入力に対するリニア感がいまひとつで,効き方がやや不安定だ。レバーを握り込むとゴリゴリという感触が返ってくる時もある。ローターの一部分で効きが弱くなるような印象もあり,とにかく気持ちのよいものではない。
 SRXのフロントブレーキは,マスターが純正の1/2インチ,ホースはGOODRIDGE(販売はプロト)のステンメッシュ,キャリパーがブレンボ鋳造4ポット,ローターは伊BRAKINGのSTREMEX01という組み合わせ。ローターは交換してからまだ4500kmほどしか走っていないが,ほかは6年前に交換してから3万3000kmも使っている。そろそろガタがきてもおかしくない時期だ。
 キャリパーを外してピストンを出してみると,1つだけ同調していないものがある。きれいに掃除してピストン側面にシリコングリスを塗り,押し込んだり出したりしてなじませると,感触はだいぶ良くなった。今までよりもピストンがちゃんと動いているようで,リニア感がだいぶ戻ってきたが,それでもまだ満足できるものではない。1個だけ同調しないピストンも相変わらずだ。ブレンボの鋳造キャリパーはオーバーホールすると新品を買うのと変わらないくらいコストがかかるとの話なので,思い切って交換してしまった方がよさそうだ。
 キャリパーを掃除していたら,さらにショッキングなものを見つけてしまった。ホースのフィッティング部分に亀裂が入っていたのだ。アルミのフィッティングなので,ある程度使うと壊れることがあるとは聞いていたが,実際に見ると背筋が寒くなる。もし走行中にブレーキフルードが漏れ出したら…。できるだけ早く交換すると同時に,次回は耐久性重視でステンレスのフィッティグを選ぼうかなとも思う。同じようなアルミフィッティングを使っている人は,定期的に点検することをお勧めする(特に表側から見えにくい部分は要注意)。
 ローターとパッドとの組み合わせも検討の余地がある。また,STREMEX01のローター表面が周方向の筋ができるような形で(つまりバームクーヘンのように)凸凹になっているのも気になる。今までのローターでは見られなかった現象だ。
 このようにブレーキは問題山積なので,まずマスター,ホース,キャリパーを新調してフィーリングを確認した上で,満足できる状態にもっていこうと思っている。鈍感なライダーのボクだが,ブレーキに関してはむしろエンジンよりも性能やフィーリングを重視している。バイクを確実にコントロールするにはちゃんとしたブレーキが不可欠だからね。
simple greenでキャリパーは美しく!
simple greenでキャリパーは美しく!


しかしフィッティングには亀裂が…
しかしフィッティングには亀裂が…
チェーンもそろそろ寿命だ
 以前にメンテナンスノートでレポートしたタイヤのミシュランMACADAM100Xは,幅の広さが災いしてリアタイヤにチェーンが接触していることが発覚した。サイドウォールの最外周の部分に,チェーンが当たった跡が断続的についていたのだ。
 チェーンを横方向にめいいっぱい押し込んでみると,確かにわずかながらサイドウォールに当たる。危険なほどではないが,良いこととは言えない。チェーンが横方向にガタがでてきているので,交換すれば解消しそうな気がする。RKのゴールドチェーンとはいえ,もう1万5000kmも走っているので換えないとまずいだろう。当然,前後スプロケも交換となるので,かなり出費がかさみそうだ。
 とまあ,SRXにはこんな具合に次々と問題点が見つかり,この冬はやることがいっぱいある。まとめてみると,
マスターシリンダーブレンボのOEM 13mmあたりがいいかな
ホースプロトのスウェッジラインでステンレスフィッティングのタイプがあればベスト
キャリパーブレンボ鋳造が無難だが,ちょっと飽きてきた。しかもブレンボは鋳造の新型を発表したので,いま旧型を使うのは損かも…
チェーンRKエキセルのゴールドチェーン。ちなみに,今のサイズは520だ
前後スプロケ基本は純正だが社外品も検討中。合うのがあるかな
と,こんな感じ。さらに,摩耗してパターンの消えてきたハンドルグリップも換えたい。できるだけ自分でやるつもりだったけど,これだけまとまるとショップに頼んだ方が効率良さそうだなあ…。
R6は消耗品交換のタイミングが微妙
 これに比べると,R6の方は消耗品の交換だけなので気は楽だ。ただし,そのタイミングが難しい。7000km近く走行したタイヤは完全に終わっている。すぐにでも交換すべきなのだが,ダンロップが独インターモトで発表した「D207RR」が気になっている。D207GPに近いハンドリング性能とD207並みの耐摩耗性を実現したという。うたい文句からすればボクの理想に近い。国内販売が始まれば即交換だ。
 チェーンは,性能的にはまだ問題ないが,純正装着品はすぐに錆びてカッコ悪いので,近いうちに交換の予定。でも,532なんていうサイズのチェーンはあまり見たことがないなあ。ついでに,ドライブスプロケットを1T落とすことも考えている。だって,270km/hの最高速なんていらないもんね。
 オイルも交換時期だが,いま換えても春まではほとんど乗らないので意味がない。冬に交換しても,クランクケース内の露が混ざって春になる頃には劣化している恐れがあるので,暖かくなったら添加剤の使用も含めてオイルを吟味しよう。
 ほかには,エアクリーナーの掃除(simple greenを試すつもり)やヘッドライトバルブの交換なども考えている。次のシーズン開幕までは長いので,ぼちぼちやっていこうと思う。そんなわけで,ここに書いたメンテ&カスタム関連で耳寄りな情報をお持ちの方は教えてください。よろしくお願いします。