Maintenance Note No.53
2001年12月2日 全く減らないリアパッドの不思議
SRXとR6のブレキーパッドを交換した
それはともかく、SRXのリアパッドは5万km近く走っても新品同様。なぜだ?

 今回はブレーキパッドの話題をいくつか。YZF-R6のフロントローターは、外周部に3mmほどパッドが当たっていない部分がある。パッドはRKエキセルの「ウルトラアロイ70 RK-835 UA7」というセミメタルタイプを使っていたが、パッドの当たり面が純正よりも少し狭いようだ。ローターを指で触ると、わずかながら段差が出来つつある。このまま使い続けると完全に段が付くのではないかと心配になり、交換することにしたのだ。
外周部にパッドが当たっていない
外周部にパッドが当たっていない



AP Racingのブレンボキャスト用パッド
AP Racingのブレンボキャスト用パッド



全く減っていないSRXのリアパッド
全く減っていないSRXのリアパッド
 ちなみに、RK-835 UA7の効きは申し分なかった。230km/hからのフルブレーキング(のつもり)を繰り返して、ローターが青黒く焼けるほどになっても、音を上げることはなかった。約5000kmを走行して、まだ半分くらいの厚みが残っていたから、もちも純正並みと言えるだろう。
 交換したパッドは純正品だ。もちろん、交換時にはキャリパーピストンを清掃して、流動性の低いシリコングリスを塗ってやる。パッドは面取りして、裏面にグリスを薄く塗る。たかがパッド交換でも、まじめにやるとそれなりに手間がかかる。SRXと違ってダブルキャリパーだから手間もコストも2倍になるし…。
 少し慣らし運転をしたら、新しいパッドはすぐになじんだ。ローターの段差は気にするほどのことはなかったようだ。それにしてもR6のブレーキはよく効く。体感的にはSRXの2倍くらい。スピードが出るから、きちんと止まれるということは重要だ。
5万km近く一度も交換せず
 お次はSRXだ。こちらはフロントのパッドが残り2mmちょっとになったので、AP Racingの「166RR」に替えた。基本的にはコンペティション用ということらしいが、街中で普通に使っていても特に不満はない。タッチは以前の「RK-850 FA5」(RKエキセル)よりも硬質に感じる。「ジィ〜」という鳴きが格別大きくて耳障りだが、ローターとなじめば改善するかもしれない。
 さて、今回の本題は、実はリアブレーキのパッドだ。ボクのSRXは、新車で買って以来、一度もリアのパッドを替えたことがない。一度もである。何km走ったかって? 約4万8000kmだ。試しにリアキャリパーを外してみよう。写真を見れば分かるように、パッドはほとんど減っていない。5万km近くも走ったのに? さすがにそれは変だと思う。しかし、少なくとも自分でパッド交換をしたことはない。
 もしかすると、車検整備を頼んだ際に、ショップの方で交換してくれたということがあるかもしれない。しかし、パッドの料金を請求された覚えはない。仮に交換作業があったとしても、それは最も近い時期でも4年前であり、それから1万5000km余りを走っている。また、メンテでパッドの厚みをチェックするたびに、新品同様の厚みがあることを自分で確認している。一体これはどういうことか。まさか、夜中に小人がパッド交換してくれているわけでもあるまいが…。
 ボクはリアブレーキをほとんど使わない。もちろん、極低速でバランスを取る時や、進入したカーブが思ったより回り込んでいてスピードを落としたい時などにはリアを使うが、普段は少しペダルを押さえる程度(踏むまで至らない)で済ませている。
 ちょっと話はずれるが、SRXのリアは効きすぎる。強く踏むと、速度が出ていても簡単にロックしてしまう。パニックブレーキでは、何メートルも滑走してタコ踊りをする原因になる。特に、タイヤをMACADAM100X(ミシュラン)に替えてから、その傾向が強くなったように思う。
 そんなこともあって、リアはあまり使わないようにしている。それはR6でも同じなのだが、こちらはリアが元々あまり効かないから(ローターはSRXより小さい)、SRXよりもむしろ気を使わずに済む。ちなみに、R6のリアパッドは、約1万1000kmを走って、やはり8割くらいの厚みが残っている。このペースなら、あと3万kmくらい交換せずに走れるだろうか…。