Maintenance Note No.56
2002年1月20〜21日 トラブルはあったものの性能には満足
TBRのマフラー装着は、予想外の事態で少々手間取った
しかし、そのルックスやトルク感は十分満足できるものだった

 Tow Brothers Racingサイレンサーの期待以上のクオリティにニヤニヤしながら週末を待ち、土曜日にはさっそく取り付け作業だ。スリップオンだから30分もあれば作業は終わり、午後には息子を公園に連れていけるはずだったのだが…。
パイプが入らない!
 ノーマルのマフラーを外して、TBR X-Metalを仮組みする。が、サイレンサーに中間パイプが差し込めない。パイプの外径が大きくて、はまらないのだ。そんなバカな…。背中に冷たい物が当たるような嫌な感触に襲われる。パイプの口をよく見ると、なんとなく楕円に見える。ノギスで測ると、驚いたことに長径と短径で1mmも違いがある。つまり真円ではなく楕円なのだ。これでは、サイレンサーに入るわけがない。
 国内メーカーのマフラーなら、即座にクレームとして送り返すところだが、相手は米国カリフォルニア州にいる。返送の手間や時間、英語でのやり取りを考えるだけでうんざりする。何とかならないかとプラハンで叩いたりしてみたが、意外に頑丈で効果なし。仕方なく近所のYSP浦安にSOSを出して持っていく。店長は親切にも大きな万力を使って修正し、なんとかパイプが入るようにしてくれた。いやあ、助かった。店長、ありがとう!
 それにしても、なぜ中間パイプは歪んでいたのか。輸送中の事故という可能性もあるが(なにせ船便だし)、きちんと梱包されたステンレスのパイプがそう簡単に潰れてしまうというのも、ちょっと考えにくい。せっかくサイレンサーの品質が高いのに、つまらないところでミソをつけたものだ。
力強さを感じる
 トラブルはあったものの装着は完了。液状ガスケットの硬化を待って、翌日は待ちに待った試走だ。エンジンをかけると、久しぶりに野太い排気音が戻ってきた。案の定、継ぎ目からは少し排気漏れがあるが、水抜き穴の代わりになるから、まあいいか。あまり気にしないことにする。
 排気音はアイドリングでは低音が響く。音量はリプレイスマフラーとしては平均的だろう。アクラポヴィッチよりは少しうるさい。センターパイプが太いことを考えると、消音性能はまずまず。中回転域までその傾向が続き、高回転では音量が増して4気筒らしい音になるが、極端にうるさくなることはない。4000rpm以下で車の流れに合わせていればノーマル+αくらいだが、共鳴するような音は多少気になるところ。
 性能はどうか。まだ少ししか走っていないが、ファーストインプレッションはとても良かった。抜けが良くなる分、低回転域のトルクが細るかと心配したが、そんなこともなく、2速のアイドリングでもちゃんと走る。3000rpmあたりでシャクる癖('99R6に共通か、個体の問題かは不明)が増長されるきらいはあるが、実用性の面では全く問題ない。
 印象的なのは4000〜8000rpmの中回転域での力強さだ。トルクの盛り上がりがノーマルよりもはっきりと感じられる。実は低回転でわずかにトルクが減っているためにそう感じるという可能性もあるが、フィーリングとしては悪くない。公道では最もよく使う回転域だから、感触の良し悪しは重要だ。1万rpm以上の高回転では…、例によってよく分からない。十分速いからノーマルより落ちることはないと思う。たぶんね。
 ちなみに、カーボンサイレンサーと中間パイプの重さは約2.9kg(体重計で計測)。アクラのチタンより1kg近く重いが、ノーマルよりも2kg軽く、軽量化の効果もある。
カーボンなのにチタン風の色合い
カーボンなのにチタン風の色合い


サギリギリまで内側に追い込まれる
サギリギリまで内側に追い込まれる


自宅前にて
これはノーマルと同じ取り回しだが、
アップタイプもチョイスできる