Maintenance Note No.57
2002年2月23日 ニューカラーでオトナになったSRX
走行5万kmの記念にSRXはニューカラーに生まれ変わった
同じブルーメタリックでも落ち着いた雰囲気を身に纏う

 我がSRXがブルーメタリックのペイントを纏ったのが1996年の春。それから約6年が経ち、美しかった塗装にも疲れが見え始めていた。そんな折、ふと思い立ったのが再塗装だ。
 間もなく走行5万kmを迎えるに当たり、エンジンのオーバーホールを考えていた。ところが、エンジンはいたって快調で、バラす理由が見当たらない。その代わり、新しい色に塗り替えようということになったのだ。
 前回、ボクのSRXを塗ったのはペインターのK氏。彼のセンスによって、パールの入った独特のブルーメタリックにペイントされたSRXは、言うまでもなくボクの宝物だ。今回はほかのペイントハウスに頼むこともチラッと考えてはみたものの、やはりボクのSRXを塗るのはK氏しかいないと思い至ったわけだ。
 色を決める打ち合わせでは、イメージを伝えるための写真などを持参して、しばし議論。ボクの希望は、もっと濃いブルーにすること、メタリックであること、SRXのロゴを入れることくらいで、あまり厳密に色を指定したりはしない。前回もこれでうまくいった。特に濃い色のメタリックは塗装技術に精通していないと、余計な指定をするのは逆効果。プロのセンスに任せた方がよい結果が出ることがあるのだ。
 オールペイントといっても、もちろんフレームはゴールドのまま手は付けない。タンクとフェンダーは純正の中古品をゲット。シートカウルは、使わなくなっていたスラクストンのカーボンカウルを利用する。つまり、今回は「塗り替え」ではなく「新外装製作」なのだ。現行の外装は大変気に入っているので、外したら(できれば表面をリペアして)大切に保管しておくつもりだ。
オトナのSRXに変身
 仕事に追いまくられているうちに約1カ月が過ぎた。作業を頼んだAAAから電話があり、ペイントが終わったという。週末を待ち、勇んでショップへ向かう。奥から出てきた新しいタンクを見ると、思ったほど濃い色ではなく、今のタンクとさほど違わないように見える。う〜ん、ちょっとイメージと違うかなあ。
 さっそくその場で外装を取り替えてもらう。まさに着せ替え人形状態だ。新しいタンクとフェンダーが付くと…、意外なことにバイクの雰囲気はガラリと変わった。タンク単体ではさほど違わないように見えた新しい色は、バイクに載せられてゴールドのフレームと組み合わされることで、全く違う表情を見せる。そしてボクのSRXは、ぐっとオトナ雰囲気のバイクになったのだ。
 濃いブルーメタリックは、バイクでも車でも少し赤が入った、つまり若干紫がかった色が多いのだが、今回のブルーは見る角度によっては少し緑っぽく見えるような独特の色だ。特に色の深みがあり、周りの人や友人も、深い色だと感心していた。暗くなった色に合わせて、メタリックのフレークは大きなものになった。このあたりに塗料や塗装技術のノウハウがあるのだろう。シートカウルはSRXのロゴを抜き文字にして、下のカーボン地が見えるようにした。
帰り道でまさかの悲劇が…
 ショップからの帰り道は、信号で止まるたびにタンクを覗き込んではニヤニヤしていた。誰かが見ていたら、変なやつだと思ったことだろう。ガソリンが少なかったので、自宅そばのセルフスタンドに立ち寄る。
 いつものようにおカネを入れて給油ガンをタンクの上へ持っていく。すると、ガンの先からドバドバとガソリンが出てきて、タンクの上にかかってしまった。新品のタンクなのに! ガンの先にガソリンが残っていたのだ。パニックになるが、セルフスタンドなので拭いてくれる店員もいない。仕方なく給油してからウエスを探し、ようやくガソリンを拭き取った。が、タンクには薄く白い跡が残っているではないか。ニューペイントが1時間でパアなのか? さらにパニックになり、慌ててガソリンスタンドを飛び出す。自宅までは、あと100メートルだ。
 ガレージに着くと、急いで洗浄したがそれでもダメ。祈るような気持ちで「花咲かG」で磨く。おおっ、きれいになった。ホッと胸をなで下ろすとは、こういうことを言う。あっ、ガソリン代のおつり取るのを忘れた…。
磨いた石のような深い色
独特の艶は、ガラスや七宝焼のような陶器、
あるいは磨いた石のような印象を与える

写真では質感が出にくいのが残念
「渋くなった」というのが初めの印象
写真では質感が出にくいのが残念

ニューカラー
以前の色
上がニューカラーで、下は以前の色

SRXのロゴは純正と同じ
SRXのロゴは純正と同じ