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Cell_雀 不定期コラム 第八弾!
 
 
作ってヨカッタ…エクセル麻雀!
 
 
 
 
 
 
 八十年代の、最大の遺産ってなんでしょう?


ドキドキCクラブ © GEN MUTO

 
 次々と新しいものが登場しまくって、古いメディアを駆逐していく…。八十年代はすさまじくエネルギッシュで途方も無くいい加減な時代でした。

 企業はちょっとでも商品化の可能性があるものを見つけると、潤沢な経営資本を武器に
 「ひょっとしたら売れるかもしれんから…とりあえず商品化しとけ!」
 と、わけのわからないものまで商品化して販売し、また消費者も
 「なんかよくわからんけど…とりあえずオモシロそーだから、買っとけばイイじゃん!」
 と、その意味不明なモノをためらうことなく買ってました。
 本当にいい時代だったと思います。
 
 でもちょっと考えてみてください。八十年代ってインターネットもなければ、メールもないしデジカメもない、携帯電話すらなかったんですよ…。これで一体どうやって生活をしていたのでしょーか? 我ながら不思議でしょうがありません。(笑)
 青春のド真ん中、一気に八十年代を駆け抜けてきましたが…そんなもん無くたって、ちーっとも困りませんでした。毎日が、楽しくてしょうがなかったし、不自由を感じることもなかった…。
 つくづくテクノロジーが人間を幸せにするわけではないんだなあ…と実感します。
 
 八十年代の特筆すべき事象は、なんと言ってもオタク文化の台頭でしょう。そういえば、「オタク」という言葉が誕生したのもこの頃からでしたね。
 野村総合研究所が二〇〇四年にオタク市場が二九〇〇億円にのぼるという試算を出してますが、この時代のオタクは文字通り「お宅」、世間一般からは日陰者扱いでした。それでも彼らは、そんな世間の風当たりなどモノともせず、ひたすら自らの快楽の追及に猪突猛進しておりました。
 コミックマーケット、通称コミケが一般の人に認知されるようになったのもこの頃からです。名古屋の地下鉄に紙袋いっぱいの同人誌やらポスターやらをつっこんだ、銀縁メガネの長髪&肥満体の方々の団体さんを見かけるようになったのもこの頃からです。
 かくゆう私もアニメやマンガは大好きで、今でも月に二回はマンガ喫茶に行って週刊青年誌はほぼ全て読破しています。さすがにアニメを見ることは少なくなりましたが、八十年代の頃は毎日のようにテレビにかじりついて見ていたものです。
 (映画ガンダムの封切時には、しっかり徹夜組で並びました! 笑)
 
 思えばあの頃、数少ないメディアや情報機器を駆使し、我々は立派にオタク文化を築き上げ、それぞれの青春を謳歌してました。
 ジャパニメーションだなんだと海外メディアに取り上げられることもなかったあの時代、サークル同士が年に数回発行する会報をお互いに郵送し合い、テレホンカードで公衆電話からアポをとり、カーナビの無い車で見ず知らずの土地を訪れて、それなりにコミニュケーションをはかる。それでいて別段、不自由を感じることも無く、やりたいことをやりたいだけ…思いっきり満喫する毎日を送っていました。
 
 きっとあの時代、我々が無茶なことをやれる土壌が世の中にあったのだと思います。少々バカをやっても、笑って許してくれるおおらかさが社会全体にあったのでしょう。そして新しい文化は、そういった土壌を元に花開いていくのかもしれません。
 
 今、すさまじい勢いで進化を遂げるテクノロジー。そのわりにそれを彩るコンテンツがあまりにも貧弱に見えるのは、現代社会にそういったキャパシティが不足しているせいではないでしょうか?
 「汚れているのは土なのよ! 誰が世界をこんなにしたの!!」
 風の谷のナウシカではありませんが、思わず世界の中心でそう叫びたい心境です。

 「黄金の八十年代よもう一度! 旧き良き時代よカムバーック!」
 とは言いません。でも胸を張って、
 「二十一世紀ってスバラしいね! 今の時代、サイコーだね!!」
 と言えないのは、正直…ツライものがあります。
 世の中を明るく楽しくする。今、日本が真っ先に取り組むべき課題だと思います。
 
 Cell_雀を開発し多くのサイトに紹介していただいて、一番嬉しかったコメントが、
 「お仕事中に遊べる麻雀ゲームなんておバカなものを、本気で考えて、本当に作ってしまうおバカな技術者がいたんだ」
 というものです。
 これは、私にとって最高の誉め言葉です。なぜなら、おバカなものは世の中を明るく楽しくします。
 猫も杓子もマジメくさったことばかりやってたら世の中、ちーっとも面白くありません。
 
 本当にたくさんのサイトに紹介していただきました。そして数多くのコメントをいただきました。
 おバカな人間がおバカなことを一生懸命やる。そしてそれを見て笑ってくれる人がいる。応援してくれる人がいる。
 
 明るくて楽しい世の中がその延長線上に必ずあると、私は信じて疑いません。
 

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