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Cell_雀 不定期コラム 第十一弾! |
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あれから三十年近くたった今でも、映画に登場するコンピュータのシーンでは、相変わらずキーボードをカチャカチャさせてます(笑)。 マウスオペレーティングでは絵的に迫力不足なんでしょうね。 アニメ「攻殻機動隊」では、オペレーターの指先がムニョと開いてさらに細かい指が出て、超高速でキーボード・タイプ入力してましたが、あそこまでやるなら視覚・聴覚情報をそのまま言語認識させてコンピュータに直接送る方がてっとり早いと思うのですが…(笑)。 その昔、最もカッコイイと思ったのが、映画「エイリアン」に出てくるマザーと呼ばれるコンピュータのコンソールです。 「コンピュータ」というより「電算機」と呼ぶ方がふさわしいそのインターフェイスは、一見DOS画面のようですがよく見ると細かい動きがまるで違い、カタカタカタという効果音も超かっこよくて、あの映画の臨場感を高めるのに最高の演出効果を果たしていたと思います。 さて私がその昔、社内SEとしてシステム開発&管理をしていた頃のお話です。 内線電話がけたたましくなり、受話器を取ると向こう側で何かわめいています。どうやらウィルスメールが出た模様です。 すぐに現状維持のまま、絶対に何もさわらないで下さい。と念押しした後、その御仁のデスクに飛んでいきました。 英文で書かれた件名のそのメールは、間違いなくウィルスメール。確か当時流行していた「I LOVE YOU」ウィルスだったと思います。とりあえずメール本体を削除し、御仁に他に何かしなかったか尋ねます。 「添付ファイルがどうたらメッセージが出たので、デスクトップに保存しておいたよ」 そのファイルを見せてくれるようデスクトップを表示してもらうと、そこにはまさに、ついさっき保存されたばかりのウィルスファイル本体がドーンとあるではあーりませんか!! 「いいですか、そのファイルを絶対ダブルクリックしないで下さい。そのままゴミ箱に削除してくださ…」 私がそう言い終わるやいなやのうちに、 「んー、これかーー??」 そう言い放つやその御仁!なんと、おもむろにそのファイルをダブルクリックしたのです!! 「ダアーーーッ!!」 猪木のようにそう叫ぶと、私は彼のデスクトップのLANケーブルを引っこ抜きました(笑)。幸い大事には至らず、他に被害が及ぶこなくその御仁のPCだけで感染は止められました。 私がこの一件で学んだことは、 「大事な操作を人任せにするな!」 ということです。 最初から私が操作していれば何の問題も無かったはず。それを横着して人任せにするからこういうことになるのだなあ…と猛省しました。 それからは、ウィルスメールが届いたら、 「ハイ! キーボードとマウスから手を離してくださーい! そのままゆっくりとPCから遠ざかって…十メートル以内に近寄らないで下さーい!」 こう言えばたいていの人は、まず言ったとおりにしてくれます。 本人がPCから離れてから、ゆっくりと私がウィルスを削除すればそれでOKです。本当に懐かしい、イイ思い出だなあ(笑)。 話は戻ってキーボードカチャカチャですが…。 仕事の関係で、客先のRDBサーバーをリプレースしたことがありました。 その中には一千万件を超える莫大な発注データがあり、全国数十社の支店から常時すさまじい数のアクセスがあります。このサーバーをリプレースするのですが…、正直イヤでした。 リプレースしたサーバーがまともに動く保証など…どこにもありません。それにバックアップをとっていても、正常に現状復帰できるかどうかもわからないのです。 一千万件超のデータというのはそういったレベルです。マニュアルに書いてあることなど何の役にも立ちません。 正直、この作業はビビリました。スイッチングハブがめまぐるしい勢いで明滅し、十数台のサーバーのファン音がブンブンと唸り声になって響いているのです。 緊張の一瞬です。作業工程は、事前に綿密な計画を立て全てドキュメント化してあります。本番ではそのとおり行えばよいハズです。 しかし、こういった作業ではどんなトラブルが発生するか予想もつきません。一瞬の判断ミスが命取りです。 ハブのけたたましく明滅していたLCDが消えました。今この瞬間、誰もこのサーバーにアクセスしていないはずです。 電算室、室長が厳かに、 「武藤さん、全ての支店・営業所で端末停止の確認をとりました。作業開始していただいて結構です」 そう告げます。 ここから作業完了まで、私はただの一度もマウスを使いませんでした。 確実な作業はキーボードから行った作業のみです。マウスのような信頼性の低いデバイスは、こういった作業には不向きです。 全ての設定を終え、最後にEnterボタンを押下します。 このとき、力が入りすぎるとチャタリング(二度押し)してしまうので、できるだけ力を抜いて確実に押す必要があります。 ですので私は、頭の中で「タイムボカン・シリーズ」のボヤッキーを思い浮かべ、 「ポチッとな…」 そうつぶやきながら押すようにしています(爆)。 コレが実にイイのです。私だって本当なら「ポチッと」押したくありません。押した結果どのような事態が待ち受けているか、誰も想像できないのですから…。 でも仕事なのでやらなければなりません。そんなとき、最高にアシストしてくれるのがこの、 「ポチッとな…」 です。 この言葉のおかげで、今までどれだけ救われてきたことか…。本当に感謝しています。 「ポチッとな…」 でも願わくば、寿命を削るようなこの「ポチッとな…」。あまりやりたくない…というのが本音ですね♪ |
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