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Cell_雀 不定期コラム 第十八弾! |
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作者は現在のソフトハウスに転職する前、十年程とある製造メーカーに勤めていました。 そのメーカーには、コンピュータのシステム管理を行うという話で入社したのです。当時はまだオフコン全盛の時代、COBOLで組まれた社内システムを管理・開発を行うべく様々な研修を受けました。 入社から二年が過ぎ、さあこれからいよいよシステムの本格的な管理&開発に携わる!という頃、一つの大事件が起きました。 それは同期入社した営業のホープで最も成績優秀だったヤツが、いきなり会社を辞めてしまったのです。 そしてその穴埋めとして、急遽白羽の矢が立ったのがなんと私です。一体、今までの研修はなんだったのか…。 これがいわゆるオトナの都合ってやつかよ!チクショウ! そんなふうに腐っていた私に更なる追い討ちが加わります。 それは配属された営業部で私の直属の上司となる営業部長が、当時社内でも有名だった超変人だったのです(笑)。 やり手で愛想のカケラもない彼(部長)は、社内一のキレ者で出世コースのトップ街道をバク進中でした。 そんな彼の下、はたして営業経験ゼロの私がうまくやっていけるのでしょうか!?ワクワク♪ その部長と初めて昼飯を食いに行ったとき、交わした会話はこんなんでした。 無言で歩き続ける部長に、なんでもいいからとにかく話題を振ろうと思い、 「そーいえば部長の息子さん、有名大学に合格されたそうですね。おめでとうございます!」 と話しかけた私に返ってきた言葉が、 「…オレの家族とオメーになんの関係があるってゆーんだヨ!」 私、嫌われているんでしょーか(泣)?? それからも、この上司のメチャクチャな指導の下、様々な手法を学んでいったのです。 いわく、 「相手に嫌われたら、嫌われついでにもう一つ無理を通せ!」とか、 「安い商品をいかに高く(ごまかして)見積もるかが営業の腕だ!」とか、 その見積もりが通るまで客先から帰ってくるなと言われ、夕暮れの客先ロビーで窓の外が真っ暗になるまで座っていたら、さすがにお客さんの哀れみをかって 「あーもう!今回だけだぞ!!」と見積もり通してもらったりとか(笑)。 いやー、もう思い出してたらすんごいエピソードがこれでもかとワンさかよみがえってきます(笑)! そんな彼との最高の想い出は、そろそろシーズンも終わろうかという初冬の日曜日。大切な客先の課長を呼んだ接待ゴルフのときでした。 まだあたりが薄暗い早朝、少し早めに部長の家に到着した私は玄関のインターホンに向かって白く曇る息を吐きながら話しかけました。 「部長、おはようございます。私です」 しばらくしてインターホンから、例の無愛想な声が返ってきました。 「おう、早かったな。課長が来るまでまだ時間あるから…外で待っちょれや」 …まあ、部長のことだからまさか家にあがってお茶でも飲めや。なんて口が裂けても言うはずないか…。私もそんなこと全く期待していませんでした。 でも五年間、部下として部長と付き合ってきたけどただの一度も家に入れてもらったことないなあ…。 そんなことをボンヤリ考えてた私の下腹部に突然、鈍い音が響きます。ゴロゴロゴロ…。 やべえ!急いで準備してきたせいか、なんか腹具合がおかしいぞ…。 どうしようかなと迷っていましたが、これはもうどうしようもありません。 意を決して、もう一度インターホンのボタンを押しました。 「…おう!?(ちょっと不機嫌)まだ、なんか用か?」 「あの、すんません部長。ちょっと腹具合おかしくって…。…トイレ貸してもらってイイっすか?」 「…前の通りを北に百メートルくらい行くと左手にコンビニがある。そこで貸してもらってこいや」 がっちょーーん。トイレすら貸してもらえないんっすか…私(泣)。 いやーさすがに、このときは寒い風が心の中をピューッと吹き抜けていきましたね。うん。 とりあえず小走りでコンビニに向かった私。十分ほどで用を済まして帰ってくるとすでに客先の課長さんがおみえになってました。 「バッキャーロー!なにモタモタしてやがんだオメーわよー!」 部長に説教くらいながらお客さんの荷物をいそいそとトランクに積め込み始めた私です。 いやー本当にイイ想い出だなあ…(涙)。 結局その後、再び社内のシステム管理に戻るのですが、約七年間ほどこの上司の下で営業として徹底的に教育されました。 今にして思えば、このとき学んだことの多くが私のサラリーマン哲学の中核をなしています。 他の人からは決して学べそうにない貴重な経験の数々、私の大きな財産です。 そうそう、その部長の接待ポリシーと言えば、 「接待は仕事を取れたときにするモンじゃない。取れなかったときにこそしろ!」でした。 これは結構、心理作戦として効くみたいです。特に尽力したけどスンでのところで取引を逃がしたときなんか、かえって相手が恐縮し、 「…仕事とれんかったのに…なんか悪いなあ…」 なんてバツの悪そうな顔をします。ここでコレでもかと接待の大判振る舞いをすると…。 「…いやー次は必ずお宅に仕事回しますから…」 となるんだそうです(笑)。 私の接待ポリシーと若干異なりますが、上手い方法だなあと感心したものです。 では作者の接待ポリシーってどんなんでしょう? それは、 「できる限り自然に、できる限りお客さんに喜んでもらう」です。 麻雀でもゴルフでも、あからさまに「接待してま〜す」って感じで手抜きをすれば当然、それは相手に伝わります。(あたりまえですね) ですので、「お!こいつ本気でやってやがる…。くっそー負けられん!!」とお客さんをその気にさせ、最後に花をもたせて勝ちを譲る…これが最高です。 (くれぐれも真剣になりすぎてお客さんに勝っちゃったらダメですよ) 接待道は奥が深いですが、Cell_雀の接待モードはお気楽に遊べちゃいます♪ (もちろん、あなたが接待される側ですヨ!) このモードを思いついたのは、ベタオリルーチンを開発したときです。 ベタオリルーチンは文字通りCOM側がベタオリしてくるルーチンですが、要するに人間側の安全牌を読むわけです。ではこの逆をやらせて、危険牌ばかり捨てさせたら…!そのときヒラメいたのが接待モードです。 他にもリーチをかけるタイミングや鳴きの仕方など接待っぽくなるように工夫してますが、なかなか自然に勝たせる。とういうのは難しいものですね。 ちなみにCell_雀の接待モード、COM側が勝っちゃうこともままあります(笑)。人間に例えると新人の営業マンといったところでしょーか? これからの成長を温かい目で見守ってやってくださいネ(笑)。 |
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