「カタン」日本語版発売に対応して、はじめての方のためにゲームの紹介や流れなどを書いてみます。
「カタン」は、カタン島を開拓するゲームです。プレイヤーはサイコロを振って材料を入手し、手に入れた材料を使って街道や開拓地、都市を建設することで開拓を進めていきます。開拓の進み具合によって得点が入り、決められた得点に一番早く到達したプレイヤーが勝者となります。
開拓を進めるのに必要な材料は、基本的にはサイコロを振って開拓地や都市から入手できるのですが、他のプレイヤーと材料を交換することもできます。うまく交渉することによって、サイコロだけで材料を手に入れるよりも格段に早く必要な材料が入手できますす。ときには協力し、ときには妨害しながら開拓を進めるわけです。
勝利を収めるためには、計画的な建設や他のプレイヤーとの効果的な材料の交換、そして多少の運が必要になります。初心者から上級者まで幅広く楽しむことができると思います。
この「カタン」は 1995年にドイツで発売されました。ドイツではボードゲームを楽しむという習慣があるらしく、昔から良質のゲームが数多く販売されています。なかでもこのゲームは、優秀なゲームに送られる数々の賞を受賞し、シリーズで 500万セットも販売されたという名作中の名作です。
このゲームはドイツ国内だけでなく、フランス語版や英語版など数か国で販売されています。また、日本でも 1995 〜 1996年頃に紹介されて、輸入盤が販売され日本語化もされました。今回の日本語版は、日本では 3バージョン目の「カタン」になるわけです。
ドイツ国内だけでなく、さまざまな国で愛されているゲームも珍しいと思います。また、それだけ良くできたゲームだということでもあるでしょう。
ここからは、ゲームの紹介というよりちょっとだけゲームの内容に入った話になります。実際のゲームがなくても、ある程度まで分かるように書くつもりですが、実物があるとより分かりやすくなると思います。
「カタン」では材料を集めて建設を行い、開拓を進めていきます。材料と建設できるものを簡単に紹介します。
カタン島には、森、丘陵、耕作地、草原、山脈、砂漠の 6種類の土地があり、それぞれの土地から対応する材料が生産されます。森からは木材が、丘陵からはレンガが、耕作地からは麦が、草原からは羊が、山脈からは鉄が生産されます。ただし、砂漠からは何も生産されません。
建設をするためには、建設したいものに必要な材料を必要な数だけ使わなければなりません。材料を入手することなしに、開拓を進めることはできないわけです。
開拓を始めたばかりの頃は 5種類すべての材料が安定して入手できることはまずありません。また、欲しい材料がちょうど生産されないということもあります。こんなときは、他のプレイヤーや海外と材料を交換します。
海外と交易する場合は確実に交換できますが、効率はあまり良くありません。他のプレイヤーとの交換は両者の同意が必要ですが、利害関係が一致すれば海外との交易よりはるかに効率よく材料を入手することができるわけです。
開拓地は材料を入手するために必要です。開拓地のまわりにある土地から材料が入手できるのです。各プレイヤーは、ゲーム開始時に開拓地を 2つ所有しています。この 2つの開拓地をもとに開拓を進めるわけです。
開拓地を新たに建設することで、新たな土地から材料を入手することができます。これにより、今まで入手できなかった材料を生産したりすることができます。また、海沿いの港に開拓地を建設することで、海外との交易が効率よくできるようになります。
開拓地を 1つ所有していると 1点の得点になります。このゲームは、一番早く 10点になったプレイヤーが勝者です。得点の面からも材料の面からも、開拓地を新たに 1つも建てることなく、ゲームに勝利することはまず無理です。
都市は、すでに建設してある開拓地を拡張することでできます。開拓地を都市にすると、材料の生産が 2倍になります。一度に大量の材料を入手することができるわけです。
また、都市を 1つ所有していると 2点の得点になります。カタン島は意外と狭く、開拓地だけではすぐに土地が埋まってしまいます。そういった意味でも都市の 2点はかなり大きいです。
開拓地や都市は隣接しているところには建設できないので、新たな土地に開拓地を建設するためには、もとの開拓地や都市からその土地まで街道を引かなければなりません。
街道自体には材料を生産する能力も得点もありませんが、ある程度街道を作った時点で、一番長い道を所有するプレイヤーには「最長交易路」の称号として 2点が与えられます。
開拓地や都市、街道とは異なり、ボード上には残らないのですが、経済力を用いて自分の開拓を有利に進めることができる発展カードを引くことができます。
チャンスカードの中には、騎士を派遣したり、重要な建設物としてそのまま 1点になったり、特殊な効果があるカードが入っています。ある程度騎士を派遣した時点で、一番多く派遣したプレイヤーには「最大騎士力」の称号として 2点が与えられます。
カードの中身は引いてみないと分からないのですが、強力なものがあったり、ゲームをコントロールできるものがあったりします。
5つの材料に対して、5つのものが建設できるわけですが、それぞれに密接な関係があります。いかに効率よく建設できるかがこのゲームでは重要なポイントになってくるわけです。
とりあえず、ここまで読んだ時点で実際にルールを読んでプレイしてみてください。やってみると面白さが分かると思いますから。もっと詳しい戦略などが知りたい方は、戦術論へお進みください。