■ おまけコーナー ■

 本編のレポートでは書ききれなかった、ちょっと入り込んだ内容のお話や終了後の宿舎での出来事などを、このおまけのコーナーで書きたいと思います。こちらは、比較的「濃い」話になるかと思います。

- 公開できなかったカード -

 人数が 10人以上いればやる予定だった「モンスターパーク」(キングスコートのアレンジ)ですが、9人では 4人のテーブルができてしまうということで断念しました。実は新カードを引き連れての登場だったので、ここでこっそりと公開します。

● 公開予定のデッキ

 今回は、時間の都合やルールの簡易化もあって、Expansion から All Draw 1 と Amplify、各色の Skip と Reverse を外し、新カードとして Sleep と Return を各 3枚ずつ入れる予定でした。新カードの効果は、以下の通りです。

● Sleep [スリープ] (3枚、20ポイント)

 このカードは「捨て札になるカード」です。場札の色に関係なく使用することができ、使用後は捨て札になります。ただし、手札が1枚のときは使用することができません。
 次のプレイヤーの順番を飛ばします。

● Return [リターン] (3枚、20ポイント)

 このカードは「捨て札になるカード」です。場札の色に関係なく使用することができ、使用後は捨て札になります。ただし、手札が1枚のときは使用することができません。
 プレイの進行方向を逆周りにします。
[コメント]
 簡単にいえば、Skip と Reverse の無色版です。これまでは得点の高いカードであることから、とりあえず Skip や Reverse が使われていたのですが、これによってより戦略的な使い方ができると思います。
 無色のカードということは、出せなくなるまではずっと温存できるわけですし、基本的にいつでも出せるので、相手を飛ばしたいときに狙って使うことができます。
 導入したときの問題は、色つきのカードの数が少なくなってしまうことです。Chain と Escort がちょっとだけ弱くなります。あと、残り 1枚では出せないのでご注意を。

- メルティングポットのポストモーテム (検証) -

 「メルティングポット」のもうひとつのお楽しみは、すべてが分かったあとのポストモーテム(検証)です。今回の投入数、順位、得点から、いろいろと検証してみようと思います。制作者サイドからのコメントや、ルールについての話もするつもりです。今回のすべての記録はこちらです。

  R1 R2 R3 小計 残兵力 合計 順位
兵力 順位 得点 兵力 順位 得点 兵力 順位 得点
OKAZU 25 2 30 30 2 12 43 6 -45 -3 2 -1 5
kei 17 7 0 23 6 -50 50 4 0 -50 10 -40 7
koba 15 8 0 30 2 12 40 7 -90 -78 15 -63 8
たけ 26 1 30 24 4 12 0 8 -90 -48 50 2 4
近場の鈴木さん 23 3 30 24 4 12 53 1 45 87 0 87 1
つかC 19 5 0 18 7 -50 51 3 0 -50 12 -38 6
ねーぽん 18 6 0 17 8 -50 53 1 45 -5 12 7 3
風船 21 4 15 31 1 25 48 5 0 40 0 40 2
合計 (平均) 164 (20.5) 197 (24.6) 338 (42.3)  
敵兵力 (強さ) 120 (15) 200 (25) 360 (45)  

● 1ラウンド目

 1ラウンド目は様子見ということで、全員がかなり力を入れてきました。こんなに力を入れていれば、勇気の 0 を 1人書いていても勝敗は変わりませんでした。このラウンドの情報が、実は 3ラウンド目の行動に大きく影響していたのです。どうして長考になったのかは、あとで解析をして始めて分かりました。
 ちなみに、勝利の場合は強さの 2倍の得点が入るので、強さの 2倍までは、0 を投入した人よりも得点が上になります。逆にいうと、強さの 2倍以上を投入してもあまり意味がありません。ぎりぎりで上位のボーナスを取るのが一番効率のいい方法です。
 1ラウンド目は、あまり投入数に差がなかったので、ポイントをうまく獲得したプレイヤーが有利になるくらいで体勢にそんなに影響はありません。ただ、計算してみるといろいろと分かってきます。このトピックはちょっと「濃い」話題になります。
 平均値ボーナスの場所はかなり重要です。順位は公開されているので、それより上と下で投入した兵力の範囲が確定します。今回の場合、平均値は 20.5で、平均値ボーナスは 4位の風船さんがとったことから、5位のつかCさんの投入数がは 19兵力以下であることが確定します。
 それと複合して、自分の投票数と順位が分かるので、さらに範囲を狭めることができます。6位のねーぽんさん(18兵力を投入)から見ると、それ以上の順位のプレイヤーは 19兵力以上を投入していることが分かります。平均値の情報と統合すると、ねーぽんさんにはつかCさんの投票数が 19であることが分かってしまうのです。
 もっとあからさまに分かるのは、同順位の時です。同順位の場合はお互いの投票数が正確に分かります。これが今回の勝負を分けることになったわけです。

● 2ラウンド目

 話を本編に戻して、2ラウンド目の検証です。前回圧勝したことから、腹のさぐり合いになるだろうというのが全プレイヤーにあったらしく、投入数がかなり微妙になっていました。
 風船さんの 31兵力は、30にすると同順位になりそうだからという意図なのでしょう。それがうまくいって 1兵力の差で単独トップになっています。30近辺の微妙なところが勝負の場になったのは、兵力を大量に使って勝利してもしょうがないという雰囲気があったからでしょう。
 ちなみに、このラウンドのペナルティなしの安全圏は 34兵力です。34兵力で 6位ならば、どんなことがあっても勝利します(詳しくは計算してみてください)。
 中位の方に目を移すと、今回は負けそうだという言葉をよく耳にしていました。ぎりぎりで負けるとなると平均は強さのちょっとしたくらいになるだろうという予想から、2人が 24 を書いたのでしょう。
 ペナルティー対象の下位に移りますが、下位の 2人は明らかに力を抜きに行ったのでしょう。勝利さえすれば、最終ラウンドに大きな兵力を残すことができるという考えですね。ぎりぎりで敗北になってしまいましたが、勝利すれば、最終ラウンドがかなり楽になることは間違いないです。
 ここで、今回のルール上のミスを白状します。プレイヤーが 6〜8人の場合は、得点/減点対象のプレイヤー数は 3人ではなくて 2人です。もともと参加者 11人の予定が、前日から当日にかけて欠席などがあり 8人にまで減ってしまったのと、私自身をあわせてプレイヤーが 9人という認識があったからです。
 特にペナルティー対象者が 8人中 6位まで入ってしまうと、平均値近くまで出したプレイヤーにまで、ペナルティーのとばっちりが来てしまうことがあるからです。減点はもともと、兵力をセーブすることに対してリスクを与えようとして作ったので、対象人数はかなり注意していました。
 プレイ中に、どうしてここまでペナルティーが届くのかと思ったのですが、オフが終わって帰るときに気づきました。2ラウンド目と、あとで紹介する 3ラウンド目はこの影響を大きく受けています。被害を受けてしまった方には申し訳ないことをしたと思っています。
 あと、次回から変更予定のルールですが、敗北のときの得点対数は、勝利の時と変わらないようにします。6〜8人のときに、得点者が上位 1人だとまずいことが起こるので。
 2ラウンド目は、kei さんがこのミスの影響を大きく受けています。2兵力よけいに入れているだけで 75点上がりますからね。本来平均値 -2 のあたりはペナルティーの範囲に入らないと想定していましたから。

● 3ラウンド目

 さて、気を取り直して 3ラウンド目の検証に入ります。最後のラウンドの敵兵力数は 360 にしました。この数値はもうちょっと落としてもよかったかもしれません。
 このラウンドはけっこう投票までに時間がかかりました。これは、いろいろな情報をプレイヤーが持っているからです。例を挙げて検証してみましょう。
 2ラウンド終了時点で同点トップの近場の鈴木さんとたけさんは、2ラウンド目で 4位タイでした。1ラウンド目の順位はたけさんが 1位、近場の鈴木さんは 3位ということは、この時点の残兵力は近場の鈴木さんのほうが多いことになります(実際には 2兵力の差ですが)。
 あとは、最後に逆転を狙うねーぽんさんと、つかCさんですが、2ラウンドともねーぽんさんの方が下位にいました。ということは、ねーぽんさんの方が 2兵力以上残兵力が多いことになります(実際には 2兵力の差ですが)。
 前者の情報は、たけさんも気づいていたようで、いろいろと思案した結果 0 兵力の投入になったそうです。他のプレイヤーの動きを仮定する必要があるので、これについての検証は避けておきます。ただ 0 投入の影響力の大きさを実感することができました。
 フタを開けてみると、0 投票の影響で敗北になってしまいました。トップはタイで、ねーぽんさんと近場の鈴木さんでした。鈴木さんがトップタイに入れたのは、全体のトップ条件の残兵力の関係ででしょう。
 OKAZU さんの平均値ボーナスかつペナルティーというのも、ちょっと理不尽なものがあるかもしれません。今回は設定人数のせいで引っかかったのですが、それ以外にも対策が必要かもしれません。ルール案なのですが、次のルールを追加する予定です。
 「平均値ボーナスをもらったプレイヤーの順位以上にいるプレイヤーはペナルティーの対象から外れる」
 人数が減ったときのペナルティーについては 2つの案があります。極端に少ない投入数を抑制するのであれば、本来撮られるはずの合計点を対象者で頭割り、抑制しないのであればそのままです。私としては、抑制する必要はないので、そのままにしようと思っています。
 ただ、このルールを入れると安全圏がはっきりと分かってしまうという難点があったりします。まあ、相手の残り戦力は滅多なことがない限りは確定しないはずなので、影響はないと思うのですが。
 いろいろとありましたが、以上で検証は終了です。順位と人が分かるルールだと、計算すれば意外と見えてくるものが多いですね。

- 宿舎 -

 宿舎には、Hammer、OKAZUさん、つかCさん、風船さんの 4人が参加しました。私が未プレイだった「ヴィラパレッティ」もやってみたかったのですが、くずしたときの音が厳しいので、他のやつをやることにしました。ここでは、プレイしたゲームを簡単に紹介します。

● フリンケピンケ (23:00 〜 23:00)

 オフの宿舎用に作ってきた、秘密兵器の一つです。もとは市販ゲームですがいまでは絶版なので、手作りをするしかありません。
 内容を簡単に説明すると、5色 0〜5までのカードとチップ 5枚ずつを使って、得点を稼ぐゲームです。プレイヤーはカードを1枚出し、出したカードと異なる色のチップを 1枚とります。各色について一番最後に出されたカードが、その色のチップの価値になるわけです。
 どれかの色のカードが全部出た時点で、チップの価値の合計を計算し勝者を決めます。単純なゲームですが、ジレンマがありますね。ちなみにこれは、ライナ・クニツィーアの作品です。

● ドン (23:30 〜 0:00)

 もうひとつ作ってきたのは、去年あたりに出たゲームなのに日本にはほとんど出回っていない「ドン」です。同じ色のカードを集める競りゲームですが、カードには数字が書いてあり、下一桁がその数字の値段が競りのときにいえなくなってしまいます。
 競り落とせば競り落とすほど、競りがしにくくなるというなかなか変わったゲームです。ちょっと分かりにくいゲームではありますが、これまでにないパターンの競りゲームですね。20分程度で終わるので、この手のゲームが好きな方にはお勧めです。

● ワードバスケット 100番勝負 (0:00 〜 3:00)

 アナログオフの後半は、重いゲームが続いていたのでまったりとしたゲームをということになり、「ワードバスケット」をプレイしました。最初は軽くやっていたのですが、持ってきたチップで勝ち数をカウントしようということになり、どうせならチップがなくなるまでやるかという感じになりました。
 こんなに数多くプレイすると、面白い単語も出てくるものです。覚えている範囲で紹介しましょう。残り 2枚からの Wild 7+ と Wild 5 のコンボで「メンソレータム」→「村おこし」。イヤな村おこしですね。
 カタカナ語の上がりも結構ありましたね。Wild 6 から「コールスロー」、ア行のラインワイルドから「ツアーコンダクター」などなど、長めのワイルドはカタカナ語も使えますね。
 変化球で面白かったのは、Wild 6 で最後の 1枚のときに出てきた言葉「ルール違反」ですね。「ん」で終わるのは文字通りルール違反で上がれません。
 なんだかんだで、結局 100戦を 3時間程度で終わらせました。ここまでまったりとプレイできるゲームは、「ピラミッド・カードゲーム」以来ですね。


 以上が、今回のオフで表にならなかったおまけでした。最後に、私が持っていったゲームをすべて列挙しましょう。
 6ニムト!、ブラフ (手作り)、モンスターパーク (リメイク)、メルティングポット (オリジナル)、カタン (旧日本語版)、砂漠を越えて (英語版)、カルカソンヌ (英語版)、ババンク、マジェラン、操り人形、ギャンブラー (手作り)、グリード (手作り)、ピラミッドカード、ワードバスケット (製品版)、赤箱ニムト、ブクブク、ガルゴン、リミット、テイク・ゼム・オール (オリジナル)、王と枢機卿 (英語版)、キングダム、フリンケピンケ (手作り)、ドン (手作り)
 以上の 23タイトルを持ってきていました。時間が余ったときのためなど、いろいろと持ってきていたわけです。


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