義肢装具の費用について

患者さんに装具をお渡しした時に義肢装具代金を頂きますが、高いと言われることがあります。個人的に一消費者として見ると確かに高い印象を受けますが、製作者側から見ると材料代もありますし、結構 手間 暇 掛っているんです。

装具の価格構成と費用の保険請求(償還払い)について。

装具の価格構成は以下の通りです。

厚生労働省告示の基本価格及び製作要素価格は「使用材料費」「製作加工費」によって構成されています。

1、使用材料費
@素材費 :装具材料リストによる素材購入費
A素材のロス :素材の正味必要量に対する割増分(ロス分)
B小物材料費 :個々の要素加工に対して使用料を決め難い材料費(糸、釘、ビス、ナット、油脂等)
2、製作加工費
@作業人件費 :製作を遂行するために必要な正味作業時間相当人件(給与、賞与、退職手当、法定福利費等)
A作業時間の余裕割増 :製作の準備、段取り、清掃、作業上の整理及び生理的余裕等の作業時間相当の人件費
B製造間接費 :光熱水費、冷暖房費、減価償却費等
C管理販売経費 :完成品の保管、販売に要する経費
3、装具の価格の構成は次のように構成されています。
 装具の価格=基本価格+製作要素価格+完成用部品価格
@基本価格 :採型(又は採寸)使用材料費及び装具の名称、採型区分別に設けられている基本工作に要する加工費の計
A製作要素価格 :材料の購入費及び当該材料を身体の形態に適合するように行う加工、組合せ、結合の各作業によって発生する価格の計
B完成用部品価格 :完成用部品の購入費及び当該部品の管理に要する経費の計           
装具は身体障害者用物品として消費税が非課税であるため、基準額の内訳はいかなる場合も本体価格のみである。
「100分の103に相当」3%加算の趣旨は、装具を製作するに当たって必要な材料及び部品等の購入には消費税が課税されるため、当該仕入れに係る消費税相当分を考慮したものです。

装具の費用は療養費払いという方法です。
障害者自立支援法で手帳をおもちの方は、お住まいの区、市役所、福祉事務所へ申請してください。

各種健康保険をお使いになる方は、病院で医師の装具が必要と認める診断書、製作業者の領収書、保険証、印鑑、銀行の口座番号(御自身の口座に振込みで返金されます。)その他老人の医療証などを御持ちになって各種健康保険へ提出してください。

御不明な点は、医療機関又は製作業者までお尋ね下さい。

◎詳しくは以下に記します

義肢装具の製作及び修理の代金が公費(保険利用を含む)の場合のお願い。価格のすべては厚生労働省の告示価格に従っています。

1.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)

@補装具の購入(修理)を希望する者は、市区町村に費用支給の申請を行う。
(併せて、低所得世帯に係る利用者負担額の減免申請を行う。)
A申請を受けた市区町村は、更生相談所等の意見を基に補装具費の支給を行うことが適切であると認   めるときは、補装具費の支給の決定を行う。
(併せて、利用者負担の減免対象者には減免の認定を行う。)
B補装具費の支給の決定を受けた障害者は、事業者との契約により、当該事業者から補装具の購入  (修理)のサービス提供を受ける。
C障害者が事業者から補装具の購入(修理)のサービスを受けたときは、
ア)障害者は、事業者に対し、補装具の購入(修理)に要した費用のうち、利用者負担額を支払う
イ)事業者は、市区町村に対し、補装具の購入(修理)に通常要する費用から利用者負担額を差し引いた額を請求する。(請求の際に代理受領に係る委任状を添付する。)
D市区町村は、事業者からの請求が正当と認めたときは、補装具費の支給を行う。

補装具の申請に際しては、解りずらいと思いますが身体障害者福祉法の時と同様と思ってください。
1、お住まいの福祉事務所に製作・修理の申請をしてください。
2、新規製作の場合、障害者センター等で判定が必要になります。
3、再交付の場合は装具の種類が前回と全く同じならば判定は必要ありません。福祉事務所に申請してください。(初回判定から長期期間が経過している場合、再判定が必要になる場合があります。)
4、修理の場合も福祉事務所に修理申請してください。(この場合、修理対象は福祉事務所で製作した装具に限られます。保険製作分の修理は対象外で、自費修理となります。
5、製作・修理の見積もりが必要になります。業者に連絡してください。
6、支給券が届きますので、その旨業者に再度連絡してください。
7、通常はここから製作に掛かります。採型・採寸・仮合せ・完成と続きます。
8、製作が完了して納品適合になった時点で@補装具の購入、修理費の支給券(記名、捺印が必要)A代理受領の委任状(記名、捺印が必要)B利用者負担額、以上と引き換えに補装具を受け取ってください。

2.生活保護法のお取り扱い
@福祉事務所へ治療材料給付の申請をなさって下さい。
A医師の処方に従いまして、製品の見積書を業者から受けてください。
(用紙に指定があります。様式 第18号の1)
*小社の場合、見積書は直接福祉事務所へ提出しています。
B治療材料券が交付されましたら業者にお渡しの上ご注文下さい。
*小社の場合、治療上早期装着が必要な場合には先に製作する場合があります。

3.結核予防法のお取り扱い
@保健所へ装具治療の必要を申請なさって下さい。
A製作代金の1/2額を予防法にて業者に支払われます。
B命令入院の患者さんは特に全額予防法にて支払われます。
C地区によりまして製作内容の内、備考の扱いを認めない所があります。この場合は、患者さんがその分の代金を業者へお支払い下さい。


4.その他のお取り扱い
@育成医療(児童)・療育医療(児童)・更生医療(身害、戦傷)等については、必ず福祉事務所へ申請してください。
A見積書が必要な場合は業者よりお受け取り下さい。
B許可が出ましたら業者にご注文下さい。

5.労働者災害補償保健法のお取り扱い
更生用補装具対象です。病院等で製作する治療に用いる補装具とは異なります。
@義肢製作指導の指定病院(医院)でないとお扱いできません。
*指定病院(医院)については監督署に問い合わせてください。
A義肢の支給申請を監督署に提出して承認を受けてください。
*委任状が届き次第、記名捺印して業者にお渡しください。
B業者は委任状を受領次第製作に掛ります。
*従来の業者の見積、検収は必要なくなりました。

6.健康保険法のお取り扱い

@装具の完成受領までに代金を業者にお支払い下さい。
A患者さんは、領収書と必要書類を揃えて社会保険事務所へ、国民健康保険の場合は市、区役所の国民健康保険課へ提出して、定められた基準枠により返還金を受けてください。
*各種医療費助成証をお持ちの方は、各種窓口に提出して下さい。
B代金のお支払いに当たり、業者へ請求受領を委任することは、原則として禁止されております


7.労働災害者の治療用装具製作のお取り扱い
@装具の完成受領までに代金を業者にお支払い下さい。
A監督署より申請書を受け、病院(医院)へ提出してください。
(労働災害は7−1号用紙・通勤労災は16−5号用紙)
*医師の記入が必要になります。
B申請書と領収書を添えて監督署へ申請してください。
C支払代金の金額を監督署より御本人へ返還されます。

注) 領収書を大切になさって下さい
業者へ支払った代金を請求して、返還金を受けるのに必要ですから紛失などなさらないで下さい。

以上が大体の基本規定になっております。ご不明な点は業者にお尋ね下さい。

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