第3章 家庭,育ち・学ぶ施設及び地域における子どもの権利の保障

第1節 家庭における子どもの権利の保障

  (親等による子どもの権利の保障)

第1 7条 親又は親に代わる保護者(以下「親等」という。)は,その養育する子どもの権利の保障に努

      めるべき第一義的な責任者である。

 2 親等は,その養育する子どもが権利を行使する際に子どもの最善の利益を確保するため,子ども

  の年齢と成熟に応じた支援に努めなければならない。

 3 親等は,子どもの最善の利益と一致する限りにおいて,その養育する子どもに代わり,その権利

  を行使するよう努めなければならない。

 4 親等は,育ち・学ぶ施設及び保健, 医療,児童福祉等の関係機関からその子どもの養育に必要

  な説明を受けることができる。この場合において,子ども本人の情報を得ようとするときは,子ども

  の最善の利益を損なわない限りにおいて行うよう努めなければならない。

  (養育の支援)

第18条 親等は,その子どもの養育に当たって市から支援を受けることができる。

 2 市は,親等がその子どもの養育に困難な状況にある場合は,その状況について特に配慮した支援

   に努めるものとする。

 3 事業者は,雇用される市民が安心してその子どもを養育できるよう配慮しなければならない。

  (虐待及び体罰の禁止)

第1 9条 親等は,その養育する子どもに対して,虐待及び体罰を行ってはならない。

  (虐待からの救済及びその回復)

第20条 市は,虐待を受けた子どもに対する迅速かつ適切な救済及びその回復に努めるものとする。

 2 前項の救済及びその回復に当たっては,二次的被害が生じないようその子どもの心身の状況に特

  に配慮しなければならない。

 3 市は,虐待の早期発見及び虐待を受けた子どもの迅速かつ適切な救済及びその回復のため,関係

  団体等との連携を図り,その支援に努めるものとする。

第2節 育ち・学ぶ施設における子どもの権利の保障

  (育ち・学ぶ環境の整備等)

第21条 育ち・学ぶ施設の設置者及び管理者(以下「施設設置管理者」という。)は,その子どもの権利

     の保障が図られるよう育ち・学ぶ施設において子どもが自ら育ち,学べる環境の整備に努めな

     ければならない。

  2 前項の環境の整備に当たっては,その子どもの親等その他地域の住民との連携を図るとともに,

   育ち・学ぶ施設の職員の主体的な取組を通して行われるよう努めなければならない。

  (安全管理体制の整備等)

第22条 施設設置管理者は,育ち・学ぶ施設の活動における子どもの安全を確保するため,災害の発

    生の防止に努めるとともに,災害が発生した場合にあっても被害の拡大を防げるよう関係機関

    親等その他地域の住民との連携を図り,安全管理の体制の整備及びその維持に努めなければ

    ならない。

  2 施設設置管理者は,その子どもの自主的な活動が安全の下で保障されるようその施設及び設備

   の整備等に配慮しなければならない。

  (虐待及び体罰の禁止等)

第23条 施設関係者は,その子どもに対し,虐待及び体罰を行ってはならない。

  2 施設設置管理者は,その職員に対し,子どもに対する虐待及び体罰の防止に関する研修等の実

   施に努めなければならない。

  3 施設設置管理者は,子どもに対する虐待及び体罰に関する相談をその子どもが安心して行うこと

   ができる育ち・学ぶ施設における仕組みを整えるよう努めなければならない。

  4 施設関係者は,虐待及び体罰に関する子どもの相談を受けたときは,子どもの最善の利益を考慮

   し,その相談の解決に必要な者,関係機関等と連携し,子どもの救済及びその回復に努めなけれ

   ばならない。

  (いじめの防止等)

第24条 施設関係者は,いじめの防止に努めなければならない。

  2 施設関係者は,いじめの防止を図るため,その子どもに対し,子どもの権利が理解されるよう啓発

   に努めなければならない。

  3 施設設置管理者は,その職員に対し,いじめの防止に関する研鑚等の実施に努めなければなら

   ない。

  4 施設設置管理者は,いじめに関する相談をその子どもが安心して行うことができる育ち・学ぶ施

   設における仕組みを整えるよう努めなければならない。

  5 施設関係者は,いじめに関する子どもの相談を受けたときは,子どもの最善の利益を考慮し,その

   相談の解決に必要な者,関係機関等と連携し,子どもの救済及びその回復に努めなければならな

   い。この場合において,施設関係者は,いじめを行った子どもに対しても必要な配慮を行った上で

   適切な対応を行うよう努めなければならない。

  (子ども本人に関する文書等)

第25条 育ち・学ぶ施設における子ども本人に関する文書は,適切に管理され,及び保管されなければ

     ならない。

  2 前項の文書のうち子どもの利害に影讐するものにあっては,その作成に当たり,子ども本人又は

   その親等の意見を求める等の公正な文書の作成に対する配慮がなされなければならない。

  3 育ち・学ぶ施設においては,その目的の範囲を超えてその子ども本人に関する情報が収集され,

   又は保管されてはならない。

  4 前項の情報は,育ち・学ぶ施設のその目的の範囲を超えて利用され,又は外部に提供されては

   ならない。

  5 第1項の文書及び第3項の情報に関しては,子どもの最善の利益を損なわない限りにおいてその

   子ども本人に提示され,又は提供されるよう文書及び情報の管理等に関する事務が行われなけ

   ればならない。

  6 育ち・学ぶ施設において子どもに対する不利益な処分等が行われる場合には,その処分等を決

   める前に,その子ども本人から事情意見等を聴く場を設ける等の配慮がなされなければならない。

第3節 地域における子どもの権利の保障

  (子どもの育ちの場等としての地域)

第26条 地域は,子どもの育ちの場であり,家庭 育ち・学ぶ施設,文化,スポーツ施設等と、一体となっ

     てその人間関係を豊かなものとする場であることを考慮し,市は,地域において子どもの権利

     の保障が図られるよう子どもの活動が安全の下で行うことができる子育て及び教育環境の向

     上を目指したまちづくりに努めるものとする。

  2 市は,地域において,子ども,その親等,施設関係者その他住民がそれぞれ主体となって,地域

   における子育て及び教育環境に係る協議その他の活動を行う組織の整備並びにその活動に対し

   支援に努めるものとする。

  (子どもの居場所)

第27条 子どもには,ありのままの自分でいること,休息して自分を取り戻すこと,自由に遊び,若しくは

    活動すること又は安心して人間関係をつくり合うことができる場所(以下「居場所」という。)が大切

    であることを考慮し,市は,居場所についての考え方の普及並びに居場所の確保及びその存続

    に努めるものとする。

  2 市は,子どもに対する居場所の提供等の自主的な活動を行う市民及び関係団体との連携を図り,

   その支援に努めるものとする。

  (地域における子どもの活動)

第28条 地域における子どもの活動が子どもにとって豊かな人間関係の中で育つために大切であること

   を考慮し,市は,地域における子どもの自治的な活動を奨励するとともにその支援に努めるものと

   する。


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