子供・乳児に行う心肺蘇生法
 赤ちゃんは授乳の後飲んだミルクをもどしたり、小さなおもちゃなどを飲み込んだでのど
に詰まらせたり、かぶった布団で窒息状態になる事故はたくさんあります。
 事故が起こらないよう注意するのは当然として、もし事故が起こった時、適切な処置をあ
なたが出来れば、助ることができます。正しい処置が早ければ早いほど救命できる確率は上
がりますし、後の回復も早くなります。このページにたどり着いたあなたは、ぜひマスター
してください。基本的には「
溺れた友達を助ける方法」の心肺蘇生法と同じ順序と方法で行
いますので重なった部分は省いて、主に子供と赤ちゃんに対して心肺蘇生法を行うときの注
意点をかきます。
 「溺れた友達を助ける方法」でも書きましたが、呼吸や脈拍がある人に対して心肺蘇生法
を行うのは非常に危険です。絶対にやめてください。
異物の除去
 赤ちゃんが何かを飲み込んでしまってのどに詰まってしまった

ときは次の要領で取り除きます。

1 片腕の上に腹ばいにさせて、上半身が低くなるような姿勢
 にする。

2 アゴを手に乗せた後、突き出すようにして、中指で口を開
 く。

3 もう1方の手で背中の中央を 3・4回たたく。とれそうも
 ないと判断すれば、早い時期に助けを呼び119番通報を依
 頼したり、近くに医療機関があれば駆けつける用意も必要で
 す。

呼吸・脈拍の確認
 異物がとれたら意識・呼吸の順で確認します。意識があっても念のため医師の診断を受

けた方が良い場合もあるので良く観察してあげてください。意識が無い場合呼吸を確認し

ます。方法は大人の場合と同じです。呼吸が無ければただちに人口呼吸をおこないます。

方法は大人の場合と同じですが赤ちゃんの鼻や口は小さいので鼻をつまみにくければ、口

と鼻をいっしょにあなたの口で覆って息をふきこみます。

対象 割合 吹き込む量  吹き込む時間 
子供  4秒に1回   軽く胸が膨らむ程度  1.5から2秒
 赤ちゃん   3秒に1回  同じ 同じ
 もしスムーズに吹き込めない時は、口の中に異物や吐き戻した物がつまっていないか確認

します。2回吹き込んだら脈拍を確認します。

腕の動脈(腋の下)で調べる場合 股の動脈で調べる場合

脈拍が無い場合心肺蘇生法をおこないます。

対象  心臓マッサージのスピード  回数 圧迫の深さ  人口呼吸 
子供 1分間に80から100回 片手で5回  2.5から3.5センチ  1回
 赤ちゃん  1分間に100から120回  指2本で5回   1.5から2.5センチ  1回
赤ちゃんの場合 圧迫する場所は、乳
頭線より指一本下。
2本の指で圧迫する。
子供の場合 片手で圧迫する。
ポイント
 心臓マッサージは、床面が固く平らなところで行う。ベッドやソファーに倒れている時は
脈がないことを確かめた時点で床の上に移動する。

心臓マッサージ5回 人口呼吸1回をくりかえす。時々脈拍、呼吸を確認し回復するか、救
急隊等に引き継ぐまで続ける。

まとめ とにかく、まず落ち着いて
 赤ちゃんに異変があった時あわてる気持ちは解りますが、むりにでも深呼吸してこのペー
ジで見た事を思い出してください。急ぐ事と、あわてる事は似ていて正反対の事です。
 また、このような場合、まず助けを呼ぶのは大切な事です。応急処置も119番通報も一人
でやるより手分けしてやる方がずっと早くできます。助けの無い時119番すれば、電話の向
こうから応急処置のアドバイスもしてもらえます。まず落ち着いて119番しましょう。あわ
てていると相手に必要な情報が伝わりません。自分があわてている人の電話を聞き取ること
を想像してください。相手の質問に落ち着いて正確に伝える事が最も速い方法です。そして
相手の指示にしたがって応急処置をやりましょう。けっして、あわてずに、あきらめずに。