Round 14 道志みち 死の彷徨

2001.08.31

 

前回の“言霊”についての顛末。早速、大塚から“ことだま”と読むと来た。で、会社で周りの連中に聞いてみたら、知ってるやつは全員、サザンの歌にあったから知ってると。どうせ大塚もそうだろう。おらは男のヴォーカルなんて聴かんから“言霊”なんて言葉知らんわな。一つ断っておくと、おらの文章は、本当は格調高い内容を、格調低い読者でも読めるように、わざと崩して書いている。これは、高度な執筆能力を要求される。

 

 

サーキット経験のない友人から、本書は「二輪の話が専門的すぎて分かり難い」と言われたが、許しておくれ。おら自身、サーキット・ビギナーだから、二輪乗ってた奴なら分かる内容で書いてきたつもりだったが、いつの間にかおらの知識も増えてきてるんだろう。本書を出版してベスト・セラーにするなら、できるだけ専門的な内容を減らして読者層を増やす必要があるだろうが、もともと本書はおらのサーキット走行技術を磨くために、その走行過程を記述して残すことを目的として執筆し始めたものだし、今でもそれが最優先なんだ。ダブルス・ペアの中村から、「こういう逸材(少し誇張したが、おらのこと)の生い立ちも知りたい」と言われた。時間さえあれば「15、16、17とおらの人生暗かった!」でも執筆したい。逸材といえば、モテなく振るまうようにしたのはおらの選んだ道だからしかたがないが、いざってときまで、モテんくなってしまった。あれだけの逸材だったのにこれはホントに惜しい話だ。

 

前回も触れたが、時機尚早ながら、9月9日(日)のMCFAJオーバー40レース@FISCOに出場することについて、江場ちゃんに「2分切ったら出る」って話したら、レースのメカニックやるって言ってくれた。初めてのレースだから、何も知らんおらとしては、どえりゃー嬉しい。レース車検通せるかどうかも不安だったのだ。昔、プロのメカニックだった江場ちゃんが、なんでおらのようなサーキット・ビギナーのメカニックなんかやるつもりになったんだろ。ずっと二輪レースから遠ざかってたから、たとえアマの底辺レースといえど、再び血が騒ぎ始めたか。江場ちゃんとは中学同級の岡田に久々に会ったことで始まった縁だから、岡田には感謝しなきゃなー。二輪では、おらには遠い存在だった、あの岡田でさえレース経験はないのに、このおらがレースに出ようと思うなんて。去年まで、ろくに二輪に乗った経験のないおらには考えられない状況の変化だ。

 

8月9日(木)、 江場ちゃんが、「本間と翌日に会う」と言ってきた。おらライテクに関することで、本間氏に聞きたいことがたくさんあって、今度会えたら聞こうと思ってたが、レース参戦の可能性が出て来た今となってはそれまで待てない。で、江場ちゃんに、本間氏に聞いて欲しい質問を文書にして託した。そしたら江場ちゃんが本間氏に会ってるときに、江場ちゃんがおらに電話くれて、本間氏の回答を教えてくれた。その質問と本間氏の回答を以下に示めす。

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件名:本間さんへの質問!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

江場さん、

本間師匠(勝手に決めてる)に聞きたいことは山ほどあれど、なかなか会える機会がない。しかも師匠は弟子に構ってる暇がなく、“おらの悲惨なサーキット人生!”を読んでる気配もない。そこで江場さん、本日師匠に会われるとのことゆえ、人生初めてのレースを目前に控えた私の為に、以下の質問の回答を戴きたく。特に1. と2. だけはどうしても聞いて欲しい!!!

 

[ライディングに関して]

1. FISCO ストレート(1コーナー手前)のブレーキング

 a. 体を起こして風圧をブレーキングに利用するのは、フロント・ブレーキング開始前ですか?それとも後?

同時が一番いいのでしょうが、フロント・ブレーキング前の最高速で体を起こすと、体が吹っ飛ばされそうになり、フロント・ブレーキングがとても難しい為、こんな質問してます。

              [回答:同時]

 b. 上記の際、フロント・ブレーキングの開始は、フロント・サスを安定させるために軽く一瞬かけた後、フル・ブレーキングでいいですか?それともあまり強めにかけてはいけない?ドライの際です。

ウェットの際に、ちょっと強めにかけただけで、フロント・タイヤがズリズリっといって、死を覚悟。高速でのフル・ブレーキングが恐くなりましたので。

              [回答:人によるが、それでいい]

 c. 人それぞれ、またバイクやコーナーにもよるんでしょうが、私はドライの際は、2本がけ、ウェットの際は1本がけにしています。色男なので握力は弱いです。師匠はどうやってますか?マックス・ヴィアッジはコーナーによって1本、2本を使い分けていましたが。(マックスって嫌なやつですか?)

              [回答:いつも2本がけ。その方が感覚を覚えやすい。マックスは嫌なやつじゃない]

2. FISCO 1コーナーとヘアピンのラインがわかりません。添付図はヤマハモータースポーツファンクラブホームページに在ったものですが、ホントにこれでいいんでしょうか?1コーナーとヘアピン以外は納得行きますが。

江場さん、師匠のラインを書いてもらって、自宅にfaxしもらえませんか?

              [回答:これでいい]

3. シフト・アップは、トルク・ピーク(TTは11,000rpm)、それとも出力ピーク(TTは12,750rpm)のどちらで行うのがよいのでしょう?

              [回答:オーバー・レブする前でOK]

4. 寝かし始めの逆操舵は意識して行ってますか?ライテク本によって、言ってることまちまちなので。

              [回答:意識してない]

 

[ライディングには関係ない、聞きにくい質問]

5. パシフィックGP@もてぎの決勝日。パドックで師匠に会えたら、弟子の私を無視しないでくれますか?ヤマハのキャップ買ったから、師匠、ハガノリ、王子、ジャックのサインがほしい!マックスはどうしよ。上記の回答次第かなー。ホンダだけどロッシの方がおもしろいから好きなんで。すんません。でも私はアンチ巨人のアンチ・ホンダ。で、ドラゴンズ・ファンのヤマハ・ファン(R6でなくTTに乗ってるけど、ちゃんとSRV250にもまだ乗ってる)。チケットと決勝のパドック・パスは買いましたが、コース内のホテルはキャンセル待ちです。

              [回答:無視しない。マックスのサインは分からないが、あとは大丈夫]

6. ゴロワーズ・ヤマハの青くてカッコイイつなぎは、シーズン終了後に売ってもらうことできませんか?私は172cm、62Kg。どんなボロでも、だいたいのサイズさえ誰かのが合えば。できれば夏用メッシュのがいいんですが。

Y's Gear にTAKAIで作ってる中野選手のつなぎについて聞いてみたところ、1999モデルは売ってますが、2001モデルは製品化しないとのことでした。売れると思うけどなー。

              [回答:まず無理]

7. レース・クイーンとネンゴロになることあります?

              [回答:しょっちゅう。見栄はってる]

以上

 

FISCOのライン

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おらの質問書に師匠のサイン入りで、「ガンバレ」とでっかく書いてくれたものを後日江場ちゃんからもらった。江場ちゃんの電話の後に師匠が電話に出て、どえらいこと言われた。「9月9日ならあいてるから、レース観に行く」って! どひぇー。バス・ガス爆発!

 

おらまだ参戦決めた訳でなく、2分切ったらという条件付きでレースに出ると言っただけなのに、江場ちゃん勝手に決めるなー。そういや江場ちゃんは、おらと最初に会ったときから、「すぐレースに出れば」って随分簡単に言ってくれちゃってたもんなー。こりゃはめられたなー。もうレースに出ん訳にはいかんくなったぎゃー。しかも本間利彦を引きつれたおらが、レースで最下位になったんじゃ、カッコつかん!おら、それでなくても、最下位にだけはなりたくないから、まだレースは早すぎると思ってたのにー。むちゃくちゃ嬉しいが、むちゃくちゃ嫌だー。ビビリまくってる小心者のおら。興奮状態なかなかさめなくて、かみさんや岡田に「おら、どうしよー」と話したら、みんな「本間さんは別に南郷が勝つことを期待して観に来るわけじゃないから、そんなこと気にしないでいいんでない」とひとごとのように言う。でも、それじゃあ、おらのプライドが許さんし、師匠もカッコつかんのじゃないか?でもそれなら何で来るの?でーりゃー不思議。江場ちゃんといい、師匠といい、いったい何考えてんだか分からん。師匠が最初にその名を知らしめたFISCOに、観光がてら久しぶりに来てみたいってことだろか?師匠と最初に会ったとき、おらが師匠に「もし本間さんがFISCOで走ることがあれば、おら応援に行く」と言ってたのに、これじゃあべこべじゃん。ちなみに、FISCOはWGPはおろか、全日本といったメジャーな二輪レースには使われなくなって久しいから、師匠がFISCOで走ることはたぶんもうないのだ。

 

こうなった以上2分切るぐらいでは問題外だ。先の筑波での2001オーバー40ラウンド1でのリザルトでは、おらのファステストは出場者13人のファステストの中では12位だ。あのときのおらと今のおらとでは違うが、FISCOでのMCFAJ初めてのオーバー40のようだからどんな奴らが出て来るか全くわからん。筑波ではいろんなマシンでのエントリーがあったが、FISCOは高速サーキットだから、1リッター・スーパースポーツ・クラスばっかかもしれん。

 

ところで先のコース図は、ジョーがおらに教えてくれたウェブ・サイトにあったもので、国内のほとんどのコースを網羅し、書かれているギアはTZ125/TZ250用のものとはいえ、ラインとともに大いに参考になる、どえらい貴重な情報だ。おら、この後に出てくるジョーの大げさな表現に対抗して、

Joe, you are the best living thing in the space!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

と感謝の返信をした。

 

おら翌日には、平静に戻った。9月9日(日)のレースまで、土日でFISCOを走れる日は、残りわずか三日間。しかたないから、おら宮古島での休暇を諦めて、平日に会社を休んで走ることにしたが、それでもFISCOで走れる日と仕事の日程がうまくあわず、レースが行われる週に二日間余分に走れるだけだ。これからは一日10ラップなんて、あまっちょろいこといわず、一日20ラップぐらいは走らなきゃな。まずは8月18日(土)、19日(日)と初めて二日連続走行することにした。そういや、おら、昔ゴルフやってた頃、おらの知る限り誰にも負けん記録がある。スコアじゃない。土日の二日間で36 + 45 = 81ホール回ったんだ。そのとき始めて100切った。おらやるときゃやるよ。でも、ゴルフはいくらOB出してもプレーを続けられるが、二輪は転倒したら終わりだからなー。おら早速、左ステップのスペアも注文した。

 

師匠が来るなら、参加者10名に満たないと開催されないオーバー40でなく、P600へのエントリーをすることも考え、MCFAJから案内をもらったら、「同一車両でのダブルエントリーが可能となりました」とあった。やたー。これで、P600に出る出ないに係わらず、少なくともオーバー40のエントリーはできるぞ。でもP600はどうしよう?前回のMCFAJ@FISCOのP600は9ラップのレースで、優勝者のファステストと平均タイムはそれぞれ147、149、最下位の8位でさえ156、159だ。最下位でのこのタイムはレヴェルが高すぎる。やっぱり2分切ったくらいでエントリーするようなとこじゃない。しかし、もうP600はエントリーの締め切り日がせまってたから、8月18日(土)、19日(日)に155出したらP600にもエントリーすることにした。人生初のレースでダブル・エントリーなんて、無謀だなー。レース・タイヤに変えたことによるコーナリング・スピードの向上、ブレーキング・ポイントの短縮、ラインの見直し、スプロケット交換によるホーム・ストレートでの最高速15Km/hアップで何とかするぞ。それにしても、おら、サーキット走行を始めるにあたっては、その危険性を危惧し、やるべきか否か随分悩んでたのに、いざサーキットを始めてからは完全にサーキットの魅力に取り付かれて、おらのサーキット人生に何の迷いもない。

 

バック・ステップはサーキットを走るわけでもないのに、カッコいいからつけてるやつが大半だと思うが、本来の目的はバンク角に余裕ができて、ポジションを自分好みに変えられて、よりポジションを前傾にできることにより空気抵抗減らすことであって、おらには必要ないと思ってた。ところが江場ちゃんから、「コーナリング中にシフト・アップが必要な高速コーナーが左コーナーの場合、シフト・ペダルの位置が低いとつま先が路面に当たってしまう。レーサーが逆シフトなのはそのため。バック・ステップでシフト・ペダルの位置が上がれば、逆シフトでなくてもつま先当たらなくなるから、つけた方がいい」って言われた。確かにちょっと油断するとコーナーでつま先が路面に擦るからおっかない。サーキットには、バック・ステップはなくてはならないものだったのだ。通常の二輪のギアは、下から、1速、ニュートラル、2速、3速、…と続く正シフトと呼ばれるもので、逆シフトは上からその順になる。おらは正シフト派だが、ほとんどのサーキット・ライダーは逆シフトにしている。だからサーキット・ライダーが公道で市販車に乗るのは、さぞやややこしいだろう。

 

FISCOで、コーナリング中にシフト・アップが必要なコーナーはおらには100Rと最終コーナーの2箇所だけだ。でも二つのコーナーはいずれも右コーナーだから、おら今までステップ位置が気にならなかった。筑波もコーナリング中にシフト・アップが必要になる最終コーナーは右コーナーだ。でもこれから触れる8月18日(土)のフリー走行の際、ラインを変えたからだと思うが、FISCOヘアピン出口の左コーナーでは、まだ寝かせてる状態から3速にシフト・アップしたかった。これは今のノーマル・ステップの位置では無理。FISCOに限らず、今後走るサーキットによって、これは大きな問題となるから、TTにもバック・ステップは必要だ。で、TT用のバック・ステップをインターネットで探した。ところが、“back step”やら“racing step”やらで検索しても、いずれも和製英語のようで、全くヒットしない。で、ジョーに聞いたら欧米では“rearset”と呼ぶことがわかった。和製英語はやめてけろー。洋画のタイトルもなるべく邦題つけないでほしい。オリジナル・タイトルでは日本では売れないと判断された場合しょうがないんだろうが、欧米人と映画の話題になったときに、邦題だけ知ってても、話にならん。たちの悪いのは、邦題がオリジナル・タイトルとは違うカタカナのタイトルの場合だ。だから、おら極力本書でも和製英語は使わんようにしてる。

 

ジョーからいくつか英国のショップのウェブ・サイトを教えてもらったり、おら自身で探して、何件かの英国のショップにTT用のカスタム・パーツを扱ってないか問い合わせたが、なかなか扱ってるショップが見つからない。TTは英国でも売れてないのか?ジョーの話では、「TT600が2000年に発売されたときは、英国で大きな話題となったが、発売初期にインジェクションの問題によるリコールが相次ぎ、売れ行きに響いているんじゃないか」とのことだ。アイルランド人のジョーが日本のヤマハで、日本人のおらが英国のトラ…。

 

MCFAJ以外のオーバー40レースを見つけた。9月16日(日)に筑波で 「第30回オーヴァー40ボーイズレース」ってのが開催される。ゴールドとシルバーの二つのクラスがあり、参加資格は2001MFJロードライセンスを持つ40才以上の男か、35才以上の女。車両は250cc以上の4スト・シングル&ツイン、45才以上の場合は気筒数の制限なし、50才以上の場合は2スト車でも参加可能だって。つまり40歳のおらは4気筒のTTでは参加できないわけ。排気量の制限ないのに4気筒はだめなんて、訳の分からん規制するもんだ。“(財)日本オートスポーツセンター OFB大会事務局”が主催とある。なんでこんな変な規制するのか聞こうと思って電話したら、“スタッフ・ハウス”というところに聞いてくれと言われ、電話してみた。個人で運営してるようで、年1-2回、筑波でオーヴァー40ボーイズやってるそうだ。「会社としてやってたら潰れちゃう」って。もてぎでもやりたいそうだが、うまくいかないらしい。で、変な車両規制について「なんで?」と聞いたが、「特に理由はない」と。「それじゃ、おらが5年待たなきゃいかんように、参加人数を自ら減らすだけ」と、忠告してあげたけど、「すいません」で終わり。これじゃあ、まともに運営できるわきゃないわな。宣伝も全くしてなくて、過去の出場者にだけ案内してるそうで出場者もだんだん減ってると。おら、あと5年も生きてるわけないし、主催者自体にがっかりしたから、興味失せた。それに比べて、ここのところよく電話するMCFAJは結構親切で、かつ対応も早い、しっかりした人達が運営してる組織のようだ。

 

ジョーが9月9日(日)のP600に出場すると言い出した。これで、おらの腹も決まった。おらはダブル・エントリーだ。なんだか無理し過ぎであまり嬉しくないよ。トホホ。

 

いくらタイヤをスポーツ・タイヤからレース・タイヤに替えたと言っても、寝かせてるとき、スロットルをどれだけ開けられるかの限界は分かり難いから、コーナリング・スピードに固執するのは、リスクが高すぎる。タイム・アタックならいざ知らず、レース完走を目指すなら尚更だ。これは前回のリア・スライドによる転倒から得た教訓だが、神谷忠の“レーシングスクールBOOK”にもそのようなことが書かれていた。この本は、“ケニー・ロバーツ ロードレーシング・テクニック”以来、おらが見つけた2冊目の二輪ロードレースの日本語レッスン書だ。おらの評価で5点満点がついた、とても優れた内容だ。「タイムを出すには、いかにコーナリングの距離を少なくして、直線を長くとるか」ってことが強調されてる。おら、その理論に感銘した。残念だがおらはもう寝かせて膝擦りやって楽しんでる場合じゃなくなった。タイムをたたき出す走りに徹する必要がある。フリー走行が最終目的ならいざしらず、レースに出るんだからな。

 

前にも述べたが今回おらがレースにエントリーするには、サーキットで4時間以上の走行経験が必要になる。8月18日(土)、19日(日)の二日間走れば、軽くクリアできるんだが、せっかちなおらとしては、できれば18日中に4時間に達する71分間を走りきりたかった。でも71分も走るのは大変だ。なによりそんなに長く転倒しないように無茶しない走りで我慢するのはもっと大変だ。でも、おらは8月22(水)に、会社休んで、“ライディングスポーツ・ステップアップ・レッスン 初級クラス@もてぎ”をTTで受講する予定があるし、8月25日(土)、26日(日)には本間師匠らとツーリングに行くことになったから、絶対転倒できん。でも71分も走るとなると、一度もパドック・インしないとしたら、35ラップほどか?WGP125決勝の倍並だよこれは。でも、中野王子のウェブ・サイトに、あるコースで1日100ラップ走ったなんて書いてあったもんな。35ラップくらいやってやるさ。でもおら、課題なしには走らない。18日の課題は転倒の危険の少ない次のようなものにした。

・最初はコースのギャップ等、コースを隅々まで知るようにコースのさまざまな部分を3ラップ程ゆっくり走る。

1コーナーとヘアピンを新しく知ったラインで走る。

・コーナリング・スピードの追求は程々にする。

・走ってるときはラップ・タイムを見ないで、タイムを気にせず走る。

・ブレーキング・ポイントは以下を目途に無理はしない。

1コーナー:200m

サントリー・コーナー:100m

ヘアピン:80m

MCコーナー:80m

ダンロップ・コーナー:100m

 

これで、結果的に少なくとも1ラップでも2分切れればめっけものとすることにした。そこへ18日の走行前々日に、師匠から初めてe-mailが来てた!

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本間です

転倒しちゃたんですか??

怪我がなくて幸いでした

あまりの急激なタイムアップは危険ですから転倒に注意しながら走行してください

次回の走行は精神的な戦いになると思います

あまり無理をしないように!

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で、それを走行前日に読んだおらはこう返した。

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本間師匠、南郷です。

明日、明後日の土日は久しぶりにFISCOが空くので、思いっきり走り込みます。

幸い前回の転倒は、恐くない?コーナー立ち上がり加速過剰によるリア・スライドでの転倒だったので、恐怖感は残ってません。

むしろ転倒はしなかったものの、ブレーキングによりフロントのグリップ無くした際の恐怖感が抜けません。

無理しない訳にはいかなくなりましたよ。師匠が来てくれるのに、アマの底辺レースで私がびりっけつになる訳にはいきませんから。

師匠だって彼女連れて来るとしたら、弟子がびりってのはカッコつかないでしょ。

レース直前には、パーツ供給の問題もありコケられませんから、コケるまで限界見極めるなら今のうちと思ってます。

そうそう、私もツーリングに参加させて戴くことになりました。先日江場さんと話したんですが、私はセッティングについて全く分からないので、勝手ながら、師匠にTT600に乗ってもらおうということになってます。時間があれば、よろしくお願いします。

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その日のうちに師匠が返信してくれた。

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おはようございま〜す!!

転倒は何処で転んでも怖いですよ(僕も今も恐怖で2年間ぐらいスランプです)脱出するためにトレーニング中!!

転倒は絶対してはいけないことですから明日からの走行は目標としては低いタイムでいいので恐怖心を極力なくすのがトレーニングの課題です

タイムアタックは二の次です

レースはスポーツですから技術の向上も大事ですが精神的な技術も大事です!!

マインドコントロールです

明日からの走行は大なり小なり恐怖心が残っています

もし、恐怖心がなければレースは止めた方がいいですよ!!

たぶん、同じことができません 怖くて!!

このときは自分自身をコントロールします

今よりレベルの高いライダーへのステップになります

たぶん目線は近くなりリヤーの接地感にかなり敏感になります

リヤーのスライドがかなり怖くなると思います

遠くを見て、リヤーに気を配るのではなくフロントに気を集中してリヤースライドの恐怖を気にしないように心がけます

転倒したコーナーでは自分自身に声を出してこのコーナーは30q/h(しか出てないと思いこん)で転倒しても平気だ!!大丈夫!!と言いながらマインドコントロールしてください

これができるかが一流とビギナーの違いかな

まずは転倒無く恐怖心がどれだけなくなるのかが今回の目標ですよ

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全日本チャンピオンが師匠だなんて、おら、なんて恵まれてるんだろ。

 

 

8月18日(土)、自宅付近は台風の影響でかなりの雨。やだなー。でもレースの日がドライとは限らないから、ウェットでの練習のチャンスだと自分に言い聞かせて、自宅を07:00に出発。暑いなか、つなぎの上にカッパ着込んでの自走は大変だ。こんなときはトランポが欲しくなる。でもサーキット以外でTTに乗ることはないから、自宅からFISCOまでの走行だけでも、前日までにレッスン書等から得た知識を試す絶好のチャンスなんだ。それに道が込んでも二輪だと平気なのがいい。レースの為にレイン・タイヤを買うべきかしらん。

 

09:00にFISCO到着。いつぞやとは逆で、須走付近からは雨の痕も無く、FISCOはドライ。やたー。今日は71分走ってレース参加資格を得るぞ。この雨じゃあ、来ると行ってたジョーは来んかもしれんと思ってたが彼は来てた。ジョーはなんと昨日都心にある勤務先にR6で行って、勤務後に御殿場まで走ってユースホステルに泊まったと。そして彼も久々のFISCOだから、この日も泊まって、翌日も走るんだと。P600に出るつもりでいるジョーの今日の目標は153だって!「この前203出したばかりなのに、そんなタイム出そうとするなんて危険すぎる」とおら忠告した。でも、それはおらが自分自身に言うべき言葉だった…。

 

ジョーは今回ステアリング・ダンパーなるものを装着していた。おらそんなもの知らんかったが、よくよく見ると他のライダーもほとんど付けてる。コーナーでのステアリングの揺れを減少させるものらしい。おら、今までそんな揺れが気になったことなかったがなー。

 

これから、おらにとっては致命適に悲惨な体験談が始まる。別に本書執筆したわけだから、おらは死んじゃいないし、ケガしたわけでもない。しかし、相当深刻な事態が発生したんだ。なんせ今回の件で、おらのサーキット人生が終わりかねない事態になったんだから。

 

09:45第1ヒート、コース・イン。

0ラップ:なんで0ラップと言うかというと、最初のラップは、ピット・ロードを通ってコースに入って行くから、完全な一周にはならず、ラップ・タイムがないから。神谷氏のレッスン書に従い、コースの右端だけをゆっくり走った。

1ラップ:今度は、コースの左端だけをこれまたゆっくり走った。よく言われるFISCOのコース上のギャップやら、前回転倒した最終コーナーにあるという路面の段差を注意して見たが、全然分からん。ジョーはギャップあるところが分かると言ってたが、おら何で分からんのだ?

2ラップ:1コーナーとヘアピンを、新しく知ったラインでゆっくり走った。

3ラップ:新しいラインでちょっとだけ速めに、ブレーキング・ポイントを確認しながら走った。

4ラップ:同じく新しいラインを更にちょっとだけ速めに走った。新しいラインだと実際は二つのコーナーがある1コーナーを、一つのコーナーとして走れるし、1コーナー出口から次のサントリー・コーナーまで直線に近いラインで走れる。ただ、新しいラインでは、1コーナーの入口でインが随分空きすぎるのが気になる。目標としていた各コーナーのブレーキング・ポイントを忘れちゃったので、一旦パドック・イン。

 

ジョーもパドック・インしてて、サスのセッティングに四苦八苦してた。サスの感触が分かるなんてうらやましいなー。2年前にヤマハの2日間合宿レーシング・スクール@SUGOに行って、セッティングについて分かるようになったんだと。TZ125に乗れて、平忠彦のレッスン受けられて、すごく良かったし、その後FISCOで走ったら速くなったって。SUGOは仙台の近く。あんな遠くまでよく行ったよなー。でも今年からTZ125だけでなくR6も選べるから、おらも11月にSUGOで開催されるそのスクールに行くつもりなのだ。ジョーに9月21日(金)に開催されるヤマハの1日レーシング・スクール@鈴鹿を教えてあげたら、

You are fine fine human being!!!!!!!!!!!!!!!

と大げさに感激してた。ジョーは鈴鹿で走れることと、ST600仕様のR6に乗れることに魅力を感じてるのだ。ジョーもおらもこの鈴鹿を申し込んでる。

 

ジョーを送り出した後、おらは今日は71分の長帳場だからと、缶ジュース買ってきて、じっくりコース図と睨めっこして、ブレーキング・ポイントを頭に入れた。いや頭に入れようとした。ノータリンのおらには、たった五つの数字なのに、なかなか覚えられん。そして、師匠から前日もらったe-mailにも再び目を通した。そういやさっきのラップはいくら寝かせたつもりでも、全く膝が擦らなかった。前回の様には寝かせられてないってことだ。おら「ペース遅いからかな?」ぐらいにしか思ってなかったが、前回は最終コーナーでも恐怖感なくスロットルを気前よく開けて、あれだけガンガンに膝擦りしてたのが嘘みたいだ。きっと寝かせることにリア・スライドの恐怖心があるんだ!おら絶対そんなことないと思ってたのに師匠の言ってたとおりじゃん。おらむしろ今日は恐怖心ないだろうから、「(リア・スライドの転倒しても)恐怖心がなければレースはやめたほうがいい」と師匠から言われたことに、「おらには、サーキット・ライダーとしての資質がないかも」と心配してたぐらいだったのだ。「さすが師匠の言うことはすごいわ」と感心すると同時に、師匠のあの言葉にどえらい勇気づけられた。あの言葉がなかったら、「こんな臆病者にサーキットを走る資格はない」と自分を蔑んで落ち込んでたろう。それにしても、実際に走ってみんと分からんもんだ。

 

10:29 パドック・イン後、24分経過してから、再びコース・イン。このコース・インしたときとパドック・インしたときの時間は、精算時にもらう走行明細に分刻みで印刷されるんだ。今度も転倒しないペースを絶対条件として、先に上げた課題を念頭に、走行終了時間の12:00まで走り続けるつもりだった。まあ、寝かせられないから、転倒したくても転倒できそうにない…、はずだった。

 

0ラップ:やっぱり、リアスライドを怖がって前回のようには寝かせられないし、スロットルを開けられない。レース・タイヤに変えたのに。

1ラップ:1コーナーを除き、ブレーキング・ポイントを、あらかじめ決めていた距離にして、ペースを上げた。まだまだ充分余裕のあるブレーキング・ポイントだ。それに、まだとても高速コーナーで膝擦るような状態じゃないが、低速コーナーでは膝擦りだした。後で見たらタイムは210だった。5ラップ目で10秒出てれば十分だ。これにリア・スライドの恐怖心がなくなれば、恐らく2分は切れる。ただ、この日は最高速220Km/hしか出なかった。たぶん台風の影響によるホーム・ストレートでの逆風が原因だろう。

2ラップ:1コーナー突っ込んで以来、怖くて200mずっと手前でしかブレーキングを開始できなかった1コーナー手前で、ついに200m手前でのブレーキングができた。でも240Km/hからのブレーキングじゃないから、まだ完全とはいえない。ブレーキング開始と同時に体を起こすことにも慣れてきた。師匠に「同時が正解」と言われると、何のためらいもなくそれを実行できる。それにしても200m手前のブレーキングは度胸いったなー。いつまでも200mの壁やぶれないんじゃしょうがないと思って、なかばやけくそだった。TTでの最初のFISCOで何のためらいもなく150mをブレーキング・ポイントにしたおらの愚かさが改めてよくわかる。あれは度胸があったんじゃなく、ただ無知なだけだった。この後、悲劇がやってくる。1コーナーの出口から、サントリー・コーナーまでは、ホーム・ストレートに次いで長いストレート。おらは、ここのブレーキング・ポイントをいつもかなり手前にしてて、充分すぎる程スピード落として、サントリー・コーナーに入って行くから、何の問題もないはずだった。記憶が定かでないが、ブレーキングでスピードをかなり落とし、4速から3速、2速へとシフト・ダウンし始めた頃だったと思う。TTが変だ!異音を発しだし、かつスピードが思うように落ちない!エンブレが全く効いてないような感触だった。次に気がついたときはおらはグラヴェルに寝転んでた。いったい何が起こったのか?おら何でこんなにすぐに、こんなとこで転倒してんだ?おらはTTのすぐ近くに倒れてて、キル・スイッチでエンジンを止めた。オイルが漏れてる。転倒した瞬間の記憶がないから、たぶんフロントのグリップなくしたんだろう。リアのスライドなら「転倒する!」ってのがわかる。今回の転倒は自分の操作ミスとは思えなかっただけに無性に腹が立った。減速できなかった原因が分からない。明らかなのはTTの状態が急におかしくなったってことだ。

 

路面を見ると、カウルの青い塗料がコーナーの結構手前の路面から残ってたから、左に曲がろうとしてコース上で前輪のグリップ失って転倒し、そのままグラヴェルまで突っ込んだんだろう。ケガはなかったが、翌日左上腕が痛かったから、そこから落ちたんだと思う。転倒したときにはわからなくても、どこから落ちたかは、翌日痛む部分でわかるんだ。普通はつなぎのキズを見ても分かるが、おらのつなぎはもう結構ひどくなってるから、つなぎを見てもよく分からん。TT初の左側への転倒。今まで新品同様だった左の面相までひどくした。彼女はもう嫁に行けまい。


4724 TTの左カウル

 

しばらくして、オフィシャルが2人で四輪でやって来て、「二輪はほっといて、柵外に避難していて下さい」って。わかってるけど、おら、このときばかりは、茫然自失で、TTの前に立ち尽くしてた。おらの失敗による転倒なら、それは勉強のうちで、練習続けていつか不安は消えるだろう。でも今回は、TTが信用できなくなってる。TTの問題による転倒だとしたら、またそれがいつ起こるおこるかわからないから不安で走れないよ。TTでのサーキット走行に諦めかけてる自分がそこにいた。

 

オフィシャルの人達といっしょにTTを起こして、柵の端まで一緒に押して行った。「そのまま走ってもいい」と言われたけど、エンジンはかかるがオイルが漏れてるからだめだ。だいたい、TTが減速しなかった理由がはっきりしないと、これ以上走る気もしない。コース右端をゆっくり走ってパドックまで戻った。変だ。コース上で回転数が上がらないし、コース出口手前では、エンジンほとんど止まりかけた。ひょっとしてインジェクションの異常か?スロットル・オフなのに異常に燃料噴射して、ブレーキングの邪魔するなんてことがありえるだろうか?異常音があったしなー。でも、あのとき予期せぬパワーがかかったという感触はなかった。

 

TTをパドックに置いてエンジンかけると、クランク・ケ―ス・カバー下部からオイルが漏れる。ねじ増ししたが、それでもだめ。よく見たらカバーにひびがはいってる。こりゃ明日は走れない。それどころか今日、自走で帰れないかも。オイルはまだ充分あるから、継ぎ足しながら帰るしかなかろう。

 

不思議とステップは折れてない。また、前回フロント・ウィンカーを破損した際、転倒の度に買うのが馬鹿らしいから、横にほとんど突起してないエアロ・フラッシュという小型ウィンカーに変えておいたが、これは優れものだ。路面に当たった痕はあるが、ひび一つない。空気抵抗も少なくなるし、レース車検もテーピングだけで通るし、陸運局の車検も通るらしい。

 

フロント・ブレーキのフェードも疑ってみたが、まだ走り出して間もないのに、フェードするか?それにフロント・ブレーキが効かなかったとしても、エンブレが効いて、かつリアのチャタリングが相当出たはずだ。尾田も前に同じこと言ってたが、江場ちゃんもフェードが急に来るってことはなくて、兆候があると言ってた。1コーナーの減速に全く問題なかったんだから、フロント・ブレーキのせいではないはずだ。

 

と、久々登場、おらがTTで1コーナー突っ込んだときにマシンの修理をしてくれた飯尾さんが、ケッタでおらんとこに通りかかり声かけてくれた。飯尾さんにことの顛末を話したら、「ギア抜けかもしれない」と!ギア抜けなんて生まれてこの方経験したことないが、ギア抜けでニュートラルに入ったのと同じような状況になるんなら、それが原因である可能性は高い。あの異音もエンジンでなく、ギアの異音だったのか?おらニュートラルに入れちゃうことなら前によくあったが、1速使わなくなってからニュートラルに入れることはなくなり、かつあそこで1速まで落とすわけないから、ニュートラルに入ったとは考えにくい。今回の原因がギア抜けだったら、まだ救われる。それならおらのシフト・ミスだからだ。ジョーも、ギア抜けに相当する英語“False Neutral”って言葉を使ってたから、ギア抜けってのは実際あるようだ。ちなみに、TTのシフト・アップの際のショックは、サーキットでは気になったことはないが、公道で走る限りでは少なくともおらが乗ったことのある二輪の中では最悪だ。ただ、ギア抜けだとしても、フロント・ブレーキングで十分減速できなかったってのが解せん。チャタリングを嫌って、十分減速してからシフト・ダウンし、エンブレをあまり効かさないようになったおらだったが、効かせてないつもりでもエンブレの効果は大きいってことかなー。

 

ホーム・ストレートで200Km/h程度を超えると車体が揺れた。今までになかったことだから変えたばかりのタイヤのせいだ。これがウォブルか!飯尾さん曰く、「レース・タイヤのようなグリップのいいタイヤの場合、高速ではタイヤが路面の荒れに敏感になり、ウォブルはどうしても出る。コーナリング・スピードを優先するには、ウォブルはしかたない」と。対して、スポーツ・タイヤは、グリップが比較的弱いから、ウォブルは出ないそうだ。こりゃ困った。ステアリング・ダンパーつければ何とかなるかも。でもD207GPのウォブルは有名な話だった。本田氏はD208GPでもウォブルが出ると言ってた。ジョーが後日教えてくれたR6関連のウェブ・サイトではD207GPとD208GPについての問題が随分書かれてた。それにしてもR6はこんなことにも情報が豊富だから羨ましい限りだ。でも、先の鈴鹿4耐でのST600では、D208GPが1-3位独占、かつ上位10台中8台がD208GP履いてたから、FISCOのような高速サーキットでなければ、いい性能を出せるんだろう。

 

ジョーはMCFAJの基本仕様について、いろいろ飯尾さんに聞いてた。ちょうど飯尾さんの知り合いの藤田さんが最初からST600仕様で買ったR6で来てたから、実物見せてもらった。BS-001履いてた。MCFAJの基本仕様にあるワイヤー・ロックはMFJのそれよりうるさいそうだ。MFJの方がうるさいのなら分かるんだけど、変な話。でもオーバー40レースのワイヤー・ロックは、オイル・ドレイン・ボルトとオイル・フィラー・キャップの2ヶ所だけでよいから楽。

 

藤田さんもMCFAJのP600めざして練習してて、150くらい出たら、出場したいって。P600の壁は厚そうだなー。もしP600の上位を目指すなら、公道走れなくなるけど、ST600仕様にして、トランポで来るしかなさそうだ。今のところそんな大それたこと考えてないけど。

 

藤田さんと話してて、おらが疑問に思ってたことが一つ判明した。何故、日本のサーキットは時計回り、つまり右コーナーが多くて、欧米では逆なのか。四輪で右側に運転座席のある日本では、コーナーで曲がりきれずコース・アウトした場合、助手席からクラッシュしはじめる確率を高くする為、右コーナーの多い時計回りにするそうだ。対して英国は別として、欧米では運転席が左側にあるから、サーキットは左コーナーが多くなる反時計回りにする。理屈に適ってる。おらがこの前走ったもてぎのオーヴァル・コースは日本のコースなのになぜか反時計回りだった。で、四輪オーヴァル・レースを開催しようとしたが、この理由から許可が下りなかったそうだ。おら、「あのオーヴァル・コースを単に時計回りに走ればいいんでは?」と質問したら、「ピット・ロードやら、スタート地点の信号やらは、全て反時計回りに作ってあるから、そう簡単にはいかない」って。愚問でした。

 

ジョーと昼飯食って、1時間くらいダベった。彼はこの日なんと70分以上走ったが、208のタイムしか出ず、9月9日のP600レースを諦め、10月のレースに向け練習を続けることにしたと。おらはP600どころでない。この状態のTTでは、十分練習できる時間もないし、今回の原因がギア抜けでなかったとしたら、TTにはもう乗る気がしないから締め切り明後日のP600は諦めた。幸いオーバー40の参加申し込み締切日は8月末だから、今回の原因がはっきりして、TTが大丈夫なら、オーバー40だけに出場する。

 


4722 走り終えたジョーとR6

 

14:00にFISCO発。ここからが、大変だった。FISCOを出て間もなく、走行中に回転数が急に落ち始め、エンストした。再度エンジンをかけなおし、しばらく走ったらまたエンスト。今度は何回セル回してもエンジンかからない。雲行き悪くなってきて、小雨が降り出した。仕方がないのでトラ・ジャパンのロード・アシスタント・サービスに電話し、現在の状況話してレッカー頼んだ。コール・バックされるとのことだったが、なかなか電話がこない。電話待ってるうちに再度セル回したら、エンジンが始動したので、行けるところまで行くことにした。何故か、クラッチきると回転数が落ち、すぐにクラッチ繋がないとエンジンが止まる。ギヤ・チェンジはクラッチ操作なしで行くしかない。しかし、信号赤ならクラッチきらないわけにはいかない。その後一度交差点で停止せざるを得ずエンストしたが、なんとか須走ICに着いた。ここで、大きな決断をしなければならなかった。レッカー呼ぶか、中央道で帰るか、道志みちで帰るかだ。ロード・アシスタント・サービスから電話が来てたので、電話かけなおした。さっきの担当は電話中なので代わりに応対すると言う。状況ちゃんと伝わってるのか心配だったが、レッカーが来るのに時間がどのくらいかかって、どこからレッカーくるのか聞いたら、盆休み終盤で高速道路が渋滞してるし、東京から来るから、相当時間かかるって。おら自走を決意した。で、上か下かどちらで行くのがいいと思うか聞いてみた。「高速道路で止まってしまったら退避しようがないから、道志みちで行けるところまで行って、どうしようもなくなったら24時間やってますから電話下さい」と言われた。結果的に、その当日に限って言えば、これは彼の適切なアドヴァイスだったので、翌日お礼の電話をした。しかし…。TTのその後のことを考えると、これは最悪のアドヴァイス、かつおらの最悪の判断だった。

 

さあ、身の毛もよだつ道志みち死の彷徨の始まりだ。まずは峠の登りが続く。クラッチきれないから、できれば低めのギアを使いたいところだが、エンジン・オイルの漏れを考えると、できるだけ回転数を抑えたいから、高めのギアを使って、しかもゆっくり走るしかない。いきなり急な登りのヘアピンにさしかかった。シフト・ダウンするしかない。ヘアピン周りきったところで更にシフト・ダウンせざるを得ずクラッチきったらエンストした。幸いエンジンは3分ほどでかかった。しばらく走った後、直線の上り坂で回転数がどんどん落ち、またエンスト。しかし、これも同じく3分ほどでエンジンかかった。水温計は、90度を越えることはなかったので、エンジンは大丈夫だろうと安心してた。しばらくして、平坦な直線でだんだんスピードが落ちてエンスト。おらはスナップリングに電話して、なにかいい方法がないか、店長に聞いて見た。おそらく電気系のトラブルだから、何ともしようがないとのこと。このときは30分以上エンジンかからなかった。しかたなく、ちょうど横にあった中学高か高校かの軟式テニスをTTにまたがりながら眺めてた。長かったなー。

 

エンジンかかってから走ると、すぐにガソリン・スタンドがあったので、オイル補充の為に寄った。4.3リットル入るTTだが、1リットル缶が2缶以上入ったから、結構漏れてたんだなー。残ったオイルはペット・ボトルのウーロン茶を飲んで空にし、その中に入れ、かつ1リットル缶のオイルを予備に買った。このときエンジンは結構すぐかかった。その後は結構走れた。信号もないし、登りもないし、雨も結構降ってきてエンジン冷やすにはもってこいだ。超スローで走り続けた。でも、おらカッパ着てないからずぶぬれになり、寒いは、日が暮れて暗くなるは、シールドにつく水滴が視界をさえぎるはで、きつかったー。タイヤのせいか、オイル漏れのせいかわからんが、直線の下り坂で、スロットル開けてもいないのに後輪が一度滑り、それからは氷の上を走るように注意深く、特にコーナーでは歩くようなスピードで走った。どんなに寒くてカッパ着たくても、一旦止まるとまたエンジンかからなくなる可能性があるから、止まるわけにはいかなかった。随分走った。

 

ゲッ、急な登りの連続コーナーだ。坂を登りきったところで、案の定エンストした。しかし幸いなことに、すぐ押していけるところにMobilのガソリン・スタンドがあった。道志みちは田舎道で、途中ガソリン・スタンドどころか、コンビニもないような道だ。こんなところにガソリン・スタンドがあるなんて奇跡的。もうあたりは真っ暗だった。雨の中、TTをガソリン・スタンドのすみにおいて、自販機で缶コーヒー買って飲んだ。体が冷えきってたからホット・コーヒー飲みたかったがなー。ガソリン・スタンドでは5人くらいで宴会してた。後で聞いたら明日は祭だそうで、その準備の後の飲み会だそうだ。スナップリングが閉まる20:00まであと30分。おらカッパを着こんで、しばらくしてからまたセル回したが、エンジンかからない。すると、宴会やってた中の1人の兄ちゃんがやってきた。二輪好きらしい。TT600は初めて見たと。そりゃそうだ。ドゥカティ他大型3台持ってて、トラのDaytonaが欲しいと言ってた。名前は西川さん。予備のオイルを補充して、しばらく待ったが、それでもエンジンかからず。スナップリング閉店の20:00になったので店長に電話し、何時に戻れるかわからないが、スナップリングにTT置いて、明日店に行くと伝えた。宴会やってた他の人たちも出てきて、この先は民家も何もないから、ここに二輪置いて、もうすぐ出る最後のバスに乗って帰った方がいいと勧めてくれた。しかし、おら、ここはもう津久井町だと聞いて、せっかくここまで来たんだし、「またそのうちエンジンかかるだろうから、予備のオイル買ってなんとか自走で帰る」と言ったら、ここからスナップリングまでまだ1時間ぐらいかかるのに、西川さんが「トランポで送ってあげる」と言う。実は西川さんはサーキット・ライダーだった!嬉しいが、「大丈夫ですから」と丁重にお断りして、トイレしてから、またセルを回した。


4733 初めて見たよ、津久井の水鉄砲トイレ

 

火は入らず。またしばらく待ってたら、何と西川さんがトランポでやってきた!ここは甘えるしかなかろう。西川さんは手馴れたもんで、TTをあっという間にトランポに乗っけて、車体を固定し始めた。地獄で仏とはこのことだ。


4726 TTを車載してくれてる西川さん

 

車中で話してたら、西川さんは山梨県の韮崎にある小さなサーキットで走ってるとのこと。今は34歳で昔は鈴鹿8耐目指してたと。おらがFISCOで走ってることを話すと、西川さんに「2分切りますか?」と聞かれた。残念ながら「はい」とはいえないおら。やっぱりFISCOライダーにとって、2分切ることはステータスなんだな。「国産ではヤマハが好き」と言うので、「本間利彦って知ってます?」と聞いたら、「FISCOで優勝して、当時特番やってたの観て、それから興味持つようになった選手」と。おらは見てないから羨ましいなー。他にもテニス仲間で二輪好きの人が師匠を知ってて、最初に出てきた言葉が、「FISCOで勝って」というものだった。本間利彦といえばFISCOってのが関東では定説なのか?西川さんは相模原周辺の二輪専門店によく行くそうで、スナップリングには行ったことないが、店の場所を知ってた。TBSでやってた8耐の1.5時間番組を録画し忘れたと言うので、幸いおらが録画しておいたテープが自宅にまだあったから、かみさんがスナップリングにおらを拾いに来るときに持たせて西川さんにあげた。おらがあんまり遅いんで、かみさんから携帯に電話があったのは知ってたが、非常事態で、バッテリーを少しでも無駄にしたくなかったから、おらそれまで連絡してなかったのだ。二輪に限らず、おらは他のスポーツでも無茶して何回か入院してるんだから、いい加減に慣れて、ただひたすら待ってろっての。

 

ほんとサーキット野郎ってのは、連帯感あるなー。おら今まで何度助けられたろう。「今度また道志みちを通るときには声かけて」と言われ、再会を誓って別れた。ホントいい人だ。TTが随分気に入ったようで、TT随分見てて、これいいねーって欲しがってた。いっそ、彼に売っちゃおうかしらんと思ってしまったおら。

 

22:00に自宅到着。たった22分のサーキット走行の為に、この日は15時間費した。長い一日だった。おら相当落ちこんでたが、西川さんのおかげで随分気が和んだなー。それによく考えてみれば、今回の件は不幸中の幸いだ。もしコーナー前のギア抜けらしきことがサーキットでなく峠で起きてたら、峠にグラヴェルなんかないから、ガードレールに突っ込むか、反対車線に突っ込んで、下手すりゃクルマに轢かれて、おら死んでたかも。サーキットで死ぬならカッコいいが、公道では絶対死にたくない。

 

クラッチきるとエンジン止まるってので、ほんとにギア抜けが原因なのかわからなくなったが、エンジン止まってもエンブレ効くはずだから、クラッチの問題はサントリー・コーナーでの問題とは関連なかろう。早速江場ちゃんに電話して、ことの顛末を話した。クラッチに関しては、電気系の問題だろうと。P600は諦め、オーバー40に専念すると伝えた。

 

翌日の日曜はテニスに行く気にもなれず、スナップリングに行っっただけで、本書の執筆に丸一日費やした。ホントはFISCOで走ってるはずなのに…。今頃ジョーのやつは走ってんだろうなー。虚しいよー。

 

クランク・ケース・カバーの割れは、パテで応急処置してもらって、明日エンジン回して状態見てもらうことになった。3日後の8月22日(水)に開催されるライディングスポーツ ステップアップレッスン@もてぎにTTを間に合わせたい。\25,000支払い済みで、キャンセル不可なのだ。そして次の土日は本間利彦と平忠彦をぶっちぎるチャンスが待ってる。

 

その日店長から電話があり、コンピュータ診断でフューエル・ポンプ・モーターの異常が発見されたと。インジェクションの場合、フューエル・ポンプ・モーターに異常があるとエンジンが停止することがあるそうだ。でもエンジン停止なら、エンブレかかるはずで、これもサントリー・コーナーでの異常とは関連なさそうだ。

 

8月20日(月)、終戦記念日に遅れること5日、おらの終戦日が来た。店長の話では、エンジンかかってアイドリングはするが、時間がたつと止まるらしい。オイル・ポンプにも異常があると。これらはオイル・ポンプとフューエル・ポンプ・モーターの交換で済む話だが、最悪の事態になった。エンジン・オイルに金属片が混じってて、エンジン内部が破損している可能性が高く、エンジンばらして修理するしかない。9月末までかかると!これで少なくとも、おらの2001年シーズンのレース参戦はなくなった。

 

どんだけ待ってもいいから、おらはレッカー待つべきだったのだ。おらが水温計見て大丈夫と思ってたのは大きな間違いで、あれはオイルの温度計じゃなく冷却水の水温計だから、オイル・インジケータが点灯しているときに走ったら、国産車でもだめになるらしい。そういやオイル・インジケータは点灯してた。おら、TTの電気系は信用してないから、あまり気にしてなかった。前にも、テール・ランプの接触不良が原因で、オイル・インジケータが点灯しっぱなしってのがあったし、こないだなんか、ウィンカーを消すときにウィンカー・スイッチ押す度に、ハイビームが点灯した。いったいどんな設計になってんだ。トラ・ジャパンのロード・アシスタンス・サービスも、もっと慎重なアドヴァイスができんかったかなー。

 

江場ちゃんにオーバー40レースも断念せざるを得ないことを伝えた。岡田にもことの顛末を話した。岡田は、おらがサーキットでそんなに攻めるとは思ってなかったようで、「サーキットでツーリングするんだと思ってた」と。おもろいこと言うなー。最悪の場合の修理費用を聞いて、場合によっては中古でいいからR6に変えるか、できれば2スト・レーサーにした方がいいと。岡田は最初から中古のTZをおらに薦めてたからなー。それにおらが芸者を選ぶことに随分反対してた。

 

その日、9月に行われるヤマハ・ロードレース体験入門スクール@鈴鹿の抽選に漏れたことを知った。R6借りれて、おらでも知ってる平忠彦が教えてくれるスクールだったので残念だ。応募者が定員より相当多かったらしい。後にジョーは抽選に当たってスクールを受けたことを知ったが、鈴鹿のフル・コースを使ったわけではなかったらしく、ジョーはがっかりしてた。

 

8月21日(火)、店長に聞いたら最悪\30万かかると!考えちゃうなー。でもおら、今回の原因は、ギア抜けと決め、店長に修理を依頼した。

 

伊藤さんが、おらがあまりにもサーキットに熱を入れ過ぎてたから、おらの部下がずっと心配してたし、伊藤さん自身もおらのこと危ないと思ってたから、これでよかったんじゃないかって、おらを慰めてくれた。おらも正直ホットした部分もあった。なんせ、これから目白押しのの二輪イヴェントに関して全て執筆するかと思うと、とても時間的に無理そうで辛かったのだ。意地になって続けてる、本書の執筆はここのところ苦痛以外の何ものでもなかった。でも、書かずにはいられない。おらはいったいライダーなのか、ライターなのか?

 

あいかわらず落ちこんでたおらだが、なんかいいこともあるだろうと、ちょっと考えたら、

・本書の執筆に追われる生活からしばらく開放される

・レースに優勝して、レース・クイーンに追いまわされる危険性がなくなった

・休暇とって宮古島でゆっくりできる

・これからたっぷり本読める

・今のつなぎはキズまるけだし、縁起の悪いつなぎと自分に言い聞かせ、思い切ってゴロワーズ・ヤマハのつなぎに買い替えられる。売ってないけど

・海外出張前日のレースで大ケガし、会社クビになる可能性がなくなった

なんだ、いいこといっぱいあるじゃん!

 

翌日のライディングスポーツ・ステップアップ・レッスン初級クラス@もてぎは、台風により中止となり、参加費は返金されることになった。先に出てきた神谷氏のレッスンだからこれも期待してたんだが、TT使えない今となってはホント、ラッキーだった。でも飲まないおらが、この日は無性に飲みたくて豪遊したら、予定外に参加費の倍以上使った。

 

今回決定的に悪いことが一つある。TTでのサーキット走行に不安を持つようになったおらのサーキット熱が冷めていることだ。今年に入ってから大型免許取って、TT買って、ライテク本読み漁って、WGP毎回かかさずテレビで観て、何度も転倒して、ここまでがむしゃらにやってきたが…。今回の原因がギア抜けだったとしても、そんなやわなギア・ボックスのTTを信じて、今後もサーキットを走れるのか?おらのサーキット人生は終焉を向かえるかもしれない…。何の気なしにつけた本書のタイトルだったが、ホントにそのタイトルにふさわしい内容となってしまった・・・。こんなときおらはどうするか?記憶力のいい読者なら覚えているだろう。そう、おらはこう考える。ゴルゴならどうする?

 

ん、でも待てよ。ゴルゴを持ち出すまでもない。おら、本書で「TTのこの加速が味わえただけでも、元が取れた」と言った覚えがある。それにおらには、やり残したことがある。まだFISCOで2分切ってないし、レース経験もしてないし、まだ転倒してないFISCOのコーナーをいっぱい残してる。それになにより、久しぶりに再会できて昔通りに付き合えた岡田、メカニックやるって言ってくれた江場ちゃん、知り合ったばかりのビギナーのおらに親身にしてくれた本間師匠、色男で憎らしいけどいろいろ教えてくれた本田氏、そしてライヴァルのジョーらとの繋がりは、サーキットを通じてこそのものだ。それに、今までおらを勇気づけてくれたり助けてくれた、ラッセルさん、佐藤さん、飯尾さん、小松さん、武田さん、平石さん、そして西川さん…。こんな素晴らしい連中との縁がなくなるなんて、あまりにも早すぎるしもったいない話だ。おら女ならすぐ捨てられるが。

 

でも、今後もおらがサーキット続けられるかどうかは、おらのサーキットへの情熱の有無にかかってる。情熱なしに続けられる趣味などない。今のおらには今後どうなるのか見当もつかない。TTで“おらの悲惨なサーキット人生!”続けるか、R6のインジェクション仕様が来年出るかもしれないから、TTをサーキット用セカンド・マシンとし、R6買ってサーキット続け“おらのステキなサーキット人生!”執筆するか。はたまたただのSRV250峠小僧に戻り、空手始めて“空手バカ40代”でも執筆するか。それともまた色男に戻って不安な家庭生活を送るかだ。それにおらにはテニスという大事な趣味がある。テニスにも力を入れ続けたいが、サーキット始めてからというもの、テニスへの情熱は冷え込む一方だ。まだ週一日はプレーを続けているが、ダブルス・ペアの中村には申し訳ない状態だ。

 

 

フリー走行に行くだけなのに、「またレースに行くんですか?」なんて言うやつがいる。同じサーキット走るんでも、フリー走行とレースじゃえらい違いなのに。タイム・アタックに相当するフリー走行とレースとでは、競技か否かという点で全く違う代物だ。フリー走行するやつらの中でもレースに出る人間は一握りだ。テニスはしょっちゅうやってても、草トーナメントにでる人間は希だし、スキーはやっても競技スキーやる人間が稀なのと一緒。おら昨年までは公道ライダー。今年からサーキット・ライダー。で、いいタイム出たらレースに出てレーシング・ライダーになるつもりだ。また、人にサーキットで走っている話をすると、おらが月給取りであるのを知っているのにもかかわらず、「プロですか?」とよく聞かれる。アマチュア・モーター・スポーツの存在がいかに世に浸透していないかということだろう。

 

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