Round 3 青いTTの最後

2003.03.23

 

3月20日(木)、おらは会社を休んでかみさんとFISCOに行った。2℃と寒いが晴天で富士山も綺麗に見える。今日も飯尾さんも会社休んで来てた。総勢約20台。

 

走り始める前には、適度な恐怖感あり。ピット・ロードを走り出すと、前輪とハンドルの角度がちょっとずれていることに気がついた。でも、そのまま走ってたらすぐ気にならなくなった。ツーリング・ペースでもなく、タイム・アタック・ペースでもなく、普通に走ってたら、転倒せずに結構周回を重ねてた。でもラップ・タイムを確認しながら走ったんだが、何ラップしても2'10さえ切ることができないから、これだけ走ってもこんなタイムしか出せないのなら、今度こそもうサーキットはやめようと思いながら走り続けた。

 

1コーナー手前の240Km/hからのブレーキングでなんと後輪がおもいっきり浮いた!ジャック・ナイフだ!おら初めての経験。すぐブレーキ・レバーを離してことなきを得た。しかし、同じ1コーナー手前のブレーキングで、今度は前輪がはねるようになった。これも初めての経験で、ジャック・ナイフよりおっかない。1コーナー恐怖症がさらに悪化しそうだ。ブレーキングが強すぎるんだろか?それとも路面のギャップを拾ってるんだろか?

 

TT600 1号機をダメにした原因のきっかけとなったサントリー・コーナー手前でのエンジン不調と同じ症状が、1コーナー手前のブレーキングがほぼ終了し、2速までシフト・ダウンした直後に起こった!エンジンが断続的に吹けあがるのだ。そのため1コーナーつっこみそうになったが、なんとか持ちこたえた。1コーナー恐怖症がまたまた悪化。最終コーナー入口付近に来ると、これからまた1コーナー手前のブレーキングをしなきゃいけないのか・・・、なんて思ってしまう。と、いろいろあった1コーナー手前のブレーキングだが、あいかわらず200mまで待てないものの、もうちょっとのところまできた。

 

これも初めてだが、最終コーナー出口で3速がレッド・ゾーンに入るようになった。てことは190Km/hぐらい出てることになる。恐怖の最終コーナー出口のコーナリング中に4速へのシフト・アップなんかしたくないから、これ以上最終コーナーでの速度が上がるようだと、スプロケットを替えなきゃいけないかも。それにしても久々に最終コーナーでスピードのせてるようだ。でも膝は擦らない。

 

最後の4ラップぐらいは100Rで右膝が擦りだした。そしてあれだけ悪かったタイムなのに、とうとう10秒切ったと思ったら、その次のラップで6秒台が出た!10秒台で走ってたときと特に走りに違いがあるとは思えなかったので目を疑ったが、次のラップでは5秒台、ついには4秒台なんてのも出た!走りながら1/10秒台までP-LAPを見てる余裕はないので、4秒台といっても1/10秒台を四捨五入したら、おらの記録の5秒を更新するかどうかわからないから、こうなったら3秒台をねらいたかった。でも10ラップは連続で走ってるだろうからか、集中力がもたなくなり、もう一度4秒台が出た後にパドック・インした。そしたらなんとおらは意外にもFISCO自己最高の17ラップもしてて、なななななんと、最後の17ラップ目は2'04"24。つまり1/10秒台を四捨五入して自己記録を1秒更新する2'04だった!100Rでしか膝擦ってないのになんで?SUGOでもそうだったが、連続して何ラップも走るといいタイム出るなー。会社休んだ甲斐があったぞ。できることなら、これからしょっちゅう会社休んでFISCOに来たい。平日だとこの日みたいに、09:30-12:00とたっぷり走れるし、すいてるから走りやすいのだ。そういや今日は、5台ぐらい抜いたが、抜かれたのは3台くらいだ。例のナンバー付き隼も来てたが、残念ながらコース上で遭遇することはなく、この前の借りを返すことはできなかった。どんぞこから一転、おらは完全復活した!

 

かなり足に来てたから、おらは何本もゴロワーズ・ライトに火をつけ、休憩してた。まだ走行時間はたっぷりあるが、怖いし、また走り出すのが億劫だった。おらはいつも一度休憩してしまうともう走りたくなくなる。しかしいくら4秒台を出したといっても、10秒切り出したのが10ラップ目だから、7ラップ程のレースでは使い物にならん。一度休憩した後でもすぐいいタイムが出せなきゃと思い、おらは2ヒート目を走ることにした。

 

今思うと、自己記録更新して有頂天になっていたのだろう。コース・インしておらは結構スピードのっけて1コーナーに進入した。ピット・ロードからのスタートだから、ホーム・ストレートを走りきった後の進入とは速度感覚が全然違う。でもほんのちょっといつもより速いかなーと思うぐらいのスピードだった。そして1コーナーで右に寝かせようとしたとたんに前輪がツルーンといって、久しぶりに右側から転倒し、懐かしい1コーナーのグラヴェルまでおらはごろごろ転がった!タイヤが冷えていたのに突っ込みすぎたんだろう。突っ込みすぎて前輪からスライドして転倒したのはサーキットではこれが初めてだ。おらこういう転倒なら許せる。右肘が少し痛むが大したことない。TTはグラヴェルで右に倒れてた。おらはもうグラヴェルでTTを起こす気はないから、放っておいた。この日は黄旗さえ出した奴はいなかったのに、赤旗出して迷惑かけたなー。おらは久しぶりにFISCOのトラックにTTといっしょに乗って、パドックに戻った。ほんと転倒するのが当たり前になってるおら。

 

カウルが相当割れ、右前のサブ・フレームが曲がり、ブレーキ・レバーとリア・ブレーキ・ペダルが折れてた。大した被害じゃない。しかし、あとでなぜか倒れた側と反対側にある、ラジエター・ホースに亀裂が入り、ラジエター液が漏れてるのがわかった。また右薬指が擦れてた。革のグローブに穴があいたわけでもないのに、こんなことあるんだなー。そしてつなぎの右尻部分にとうとう穴があいてしまった。

 

おらはこの日の自己記録更新で、出場をあきらめていた4月20日(日)のMCFAJのオーバー40レースに出場しようかどうか迷い始めた。できれば2分を切ってから出たいんだが、もう出場申し込みの締め切りまで時間がない。しかも現在のFISCOのコースでのMCFAJのレースは、残すところあと二回。飯尾さんに聞いたら、つなぎの破れやヘルメットの傷はレース車検に通らないそうだ。

 

カウルの破片を拾い忘れたので、FISCOの事務員に話したら、今回はなんとマーシャル・カー(トヨタ・アテンザ)の助手席に乗せてくれて自分でカウルを拾いに行けた。そのとき初めてコースの路面をじっくり見たが、そこらじゅうにひび割れがあるだけでなく、おらは摩擦係数の高い多少ざらざらした路面だと思っていたのに、思ったより滑りやすそうな路面だった。

 

おらしばらく気づかなかったが、サーキット恐怖症がいつのまにか治ってる!怖いことは怖いんだが、少なくとも走ってるときの恐怖感は、1コーナー手前のブレーキングを除いてなくなった。でも最後に転倒しているので、今度どうなるかはわからない。

 

 

FISCOからスナップリングに直行。今までワイヤー・ロックしてたのはオイル・ドレイン・ボルトだけだったが、オーバー40レースでは、オイル・フィラー・キャップのワイヤー・ロックも必要だから、店長にやってもらった。ボルトが外れないように、ボルトに穴をあけ、ワイヤーを通して他の部分にくくり付けるのだ。

 


0094 オイル・ドレイン・ボルトのワイヤー・ロック

 


0093 オイル・フィラー・キャップのワイヤー・ロック

 

また、電動のこぎりで、リア・フェンダーの後部をざっくり切ってもらった。できればリア・フェンダーごと取り外したかったが、構造上リア・フェンダーだけを取り外すことができないのだ。これで手作りST600レーサーのでき上がりだ。

 


0053 手作りレース仕様シート・カウル

 

 

1コーナー手前でのエンジン不調の件を店長に話すと、ガソリンが少ないときに急ブレーキをかけると、ガソリンがフューエル・タンクの前に寄って、ガソリン・ポンプが瞬間的にガス欠状態になることがあると。確かにガソリンは残り少なかった。んで、それを防ぐため、ガソリン・タンクに入れるセーフティー・フォームというスポンジがあるとのことで、それを注文した。フロント・ブレーキ・パッドも初めて交換した。ブレーキ・パッドだけはケチりたくない。

 

ゼッケン・プレートになるカッティング・シートなるものを買った。オーバー40のゼッケン・プレートの色は自由で、おらは黒のゼッケン・プレートを選んだ。ナンバーは白にする。

 

その晩おらはレースに出る決心をした。で、現在70Kgの体重をレースのある丁度1ヶ月後までに65Kgまで落とすことにした。5Kg落とすとそれだけ加速にもブレーキングにも有利だし、転倒したときのショックもやわらぐはずだ。江場ちゃんに久しぶりに電話したら、彼は岐阜に単身赴任していた。ジョーは3月になったらFISCOに来ると言っていたが、まだ来ない。転倒して嫌んなっちゃったんだろうか。

 

カウルの割れは結構ひどく、フロント・カウル、右カウル、そして何故か転倒したのとは反対側の左カウルも結構いってた。何度も修理を繰り返してきたカウルだが、今度ばかりは特に左カウルの損傷がひどく、修理をあきらめた。そこでTT600 2号機の本来のカウルである新品同様の黄色カウルの登場だ。できれば好きな青で通したかったが、新たに買うのもバカバカしいし、もし買うなら白になっちゃうけどFRPのを買う。おらは以前とは逆の、青から黄へのTTの性転換手術を行った。前々回初めてフューエル・タンクをへこませたから、丁度いい機会だ。唯一青が残るのが、シングル・シート・カバー。

 


0054 青い左カウルの無残な姿

 

久しぶりに米軍横田基地の隣にあるコミネに行って穴のあいたつなぎの修繕を頼んだ。そしたら3週間もかかると。レースまでにFISCOで走れるのはたぶん平日の4月9日(水)しかない。なんとかそれまでに間に合わせるようお願いしたが、無理かもしれないとのことだったので、つなぎをもう一着買わなきゃいけないかも。これは痛い出費だ。でも転倒派のおらは、両肩のプロテクターが頑丈で、ネックサポート(背虫男みたいに見える、背中のこぶ)もついた、より安全なつなぎを買ったほうがいいかもしれない。今使ってるブーツとグローブに合わせて、アルパインスターズのつなぎでも買おかなー。また、フルフェースをレース用に買うのもなんなので、傷のある部分にシールを張って隠した。これでレース車検通らなかったら、レース車検当日に一個買う。

 

 

湾岸でまた戦争が始まった。パトリオットの新ミサイルがスカッド・ミサイルを迎撃できるか?迎撃確率が高ければ防衛庁も財務省も航空自衛隊のパトリオットPAC-3化への予算を惜しまないだろう。そうなるとおらも仕事をやる気になる。がんばれ米陸軍パトリオット部隊!ところで戦争になると日本のテレビでひっぱりだこになるのが軍事評論家の江畑謙介氏と小川和久氏だ。おらが死の商人だとしたら、彼らは死のショー人だ。特に江畑氏はあの怪しい雰囲気が何とも言えず不気味でいい。

 

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