Round 4 もてぎJoy耐3時間 フリー走行

2004.03.28

 

本間師匠から、Round 3の執筆後にアドヴァイスを戴いた。そのまま引用する。

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本間 利彦です

こんにちは、いよいよレースですか

シビックは他の車と比べるとかなり癖のある車です

癖は、コーナーの入り口ですぐにリアーが滑る事です

エンジンブレーキだけでもすぐにリアーが滑りだします

なので、ブレーキを遅らせてナメながらコーナーへはいるとすぐにスピンします

ブレーキングしながらコーナーへ入らないことと、カウンターをきるときはハンドルを持ち直し、何回も回さないこと まっすぐの位置がわからなくなるので

初めてのレースなので今回は完走することです これは、4輪では勝利する事ぐらい重要です 必ず何が起きても完走を忘れないこと!

耐久レースのもう一つ頭に置いておかないといけないことは、ライダー交代後コースインしたとき、コースインした自分のペースはこれからなのに、他のライダーは何周も走行したペースで走っているので、いきよい良く抜かれますが、ついて行かない事と抜かれて当然と思うこと自分のペースが掴めてから勝負しないと、すぐにコースアウトやクラッシュします 以上 Good fortune!

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ライテクだけでなくドラテクも教えてもらえて嬉しい!

 

 

尾島監督からグラベルでの注意事項を教わった。グラベルに入ったら脱出するまでステアリングをきらずにスロットルを開け続けること。一度止まってしまうと出られない。またこれは難しいとのことだが、クルマの横からグラベルに入ると横転するから、グラベルに突っ込む場合は正面から入るようにと。

 

 

おらはレースの一週間前になっても、目標までまだ3kg減量の必要があり、少しでも軽くなるならと頭をゴルゴ・カットにした。おらの頭は見かけより随分大きくて、一番大きいサイズのヘルメットでも結構きついから、耐久レースに向けて一石二鳥だ。ただでさえヘルメットがきついのに、前回のもてぎではフェース・マスクまで被ったから、どえらいきつかったのだ。果たしてJoy耐3時間のフリー走行日前夜、おらは普段3分もつからない風呂に30分 x 3回つかって2kg無理やり体重を落とし、おらの体重は昨年5月のMCFAJレース以来の65kgとなった。ほぼ2ヶ月で10kgの減量に成功した!最後の3日間は絶食状態だった。これで脂肪肝はなくなり中性脂肪値も正常値になっているはずだから、次の人間ドックが楽しみ。レースという目標でもないとこれだけの減量はちょっとできない。でも急激な減量で貧血気味なのか、座ってる状態から立ち上がると立ちくらみする。

 

 

3月5日(金)、骨折による長期休暇以来の有給休暇を取り、おらはJoy耐3時間出場の為、かみさんとビーマーでもてぎに行った。05:00に自宅を出て07:00にもてぎ着。常磐道でビーマーの最高速度を試してたら、08:00集合の1時間も前に着いちゃった。ちなみにビーマーの最高速度は210km/h。免停にでもなったらJAF公認レースに出場できなくなるから、ほんとはこんなことやっちゃいかんのだけど。監督は前夜から来ていて、車中で寝てた。天候は晴れだが寒い。

 

この日はJoy耐3時間のフリー走行日で、翌日に予選、翌々日に決勝レースが行われる。D-jacチームが使う21番ピットに、D-jacのトラックで運んだD-jacシビックとタイヤや工具を運び入れ、大テントをピットのパドック側に張った。D-jacが昨年参戦したJoy耐7時間ではエンジン故障によるリタイアだった為、D-jacの店員であるメカニックの村上さんが、「このレースは自分にとっての雪辱戦!」と。


0654 D-jacトラックからタイヤを運び出す佐野さん

 


0710 D-jacシビックのコックピット

 


0680 D-jacシビックのキル・スイッチ


 
0675 D-jacシビックのロール・バー

 

外車はプジョー106が2台、プジョー306が1台、フィアットのプント・アバルトが1台、BMWのどえらい古い2002が1台、でかくて遅そうなメルセデスが1台参加してる。プジョー306の青色がなかなかいい。そしてプント・アバルトは、おらが前から好きだったがMTしかないので購入候補から外れていた一台。ペイントのデザインがカッコいい。国産車の中では圧倒的にシビックが多い。なぜシビックが多いのか監督に聞くと、「インテグラの方がシビックより速いが、燃費でシビックが勝るから耐久レースには向かない」と。エントリー・リストを見ると、クルマは金がかかるからか10代のドライバーは一人もおらず、20代のドライバーもあまりいない。30代が多く、100人ほどのドライバーのうち40代が19人、50代も7人いる。GTドライバーが何人か出場しているそうだ。こういったレースに雇われるんだと。Joy耐は国際A級ライセンス保持者も出場できる、完全にオープンなレース。

 


0793 プント・アバルト

 

この日のフリー走行は、09:00、10:30、13:00、14:30、16:00から始まる30分 x 5回の走行枠があり、翌朝にも09:00から30分のフリー走行枠が一回ある。だから3人のドライバーが2回づつ30分のフリー走行ができる。まずは第1、第2、第3ドライバーの順に3人が一回づつ走り、最もファステストの速いドライバーが翌朝のフリー走行を走り、この日の4枠目と5枠目のフリー走行は自由参加で、自前で走行券を買うこととなった。

 

監督から、「4コーナーを抜けた後のストレートで燃料計を見るように」と指示を受けた。D-jacシビックの燃料計は横Gがかかるといとも簡単に左右に振れるから、ストレートでしか読み取れない。「燃料計が1/4であと3ラップでき、1/8であと1ラップできる」と。レブ・リミットは9,000rpmで効き、シフト・チェンジのタイミングで赤ランプが点灯する。こりゃWGPマシンみたいで便利。そして走行時に水温計を確認し走行後に報告する。小さなデジタル・スピード・メーターもあるが、三日間通しておらは一度も見ることはなかった。ホーム・ストレートに面したピット・サイン・エリアに一度に入れる人数は1チーム3人までの規則。

 

0707 各ドライバーのシートの前後位置を決めて、ガムテープに名前入りの線を書いてシートのレールに貼った。おらのシート位置がなぜか3人の中で一番前だ

 

D-jacシビックにダンロップのスリック・タイヤであるFORMULA-Rを履かせ、09:00からまずは第1ドライバーの佐野さんが11ラップしてファステストが2’25(秒数は小数点以下第一位を四捨五入)。D-jacシビックが走行する度に村上さんがホイールを全て外してつけ直し、オイルの量をチェックし、燃料を補給する。

 


0706 安全の為だと思うが、ピット・ロードとピットの中ではリバース・ギアを使ってはいけない規則だから、ピット・インしてきたクルマは手押しでピットに入れる

 

10:30から第2ドライバーの並木さんが9ラップしてファステストが2’23。並木さんはD-jacシビックでもてぎのレースをやっていた22歳で、佐野さんよりも若い。22歳はJoy耐3時間出場ドライバーの中で最年少だ。二人は42歳のおらがチーム・メイトであることに違和感を覚えているかもしれないが、おらには何の違和感もない。しかし二人とも同じようなタイムを出した。おらはせめて2’30を切らないと、こりゃひんしゅくものだ。おらはなんか場違いなところにいる気がしてきた。それを二人に言うと、「そんなことない」と言ってくれたが、「MTでサーキットを走るのはこれが初めて・・・」と話すと、嫌な沈黙が。よっぽどの自信がなけりゃ、ヒール・アンド・トーをやったことがなくて、15年もMTに乗ってなくて、MTでサーキットを走った事もないのに、いきなりレースに出るなんて奴はいないだろう。そう、監督に参加の依頼をしたときは、おらにはそのよっぽどの自信があったのだ。でも一回目のフリー走行を前にして、おらは急に不安になってきた。とりあえず、尾田のシビックにちょっとでも乗っておいてよかった。

 

お弁当の昼食の後、使い切ったスリック・タイヤを外し、D-jacシビックにはダンロップのSタイヤであるDIREZZA 02Gのハード・コンパウンドを履かせた。これは決勝で使うタイヤと同じ種類でコンパウンドも同じだ。ブレーキ・パッドとフロントのブレーキ・ローターを交換。

 

13:00からおらの出番だ。おらが心配だったのは、D-jacシビックでのレーシング・スピードでヒール・アンド・トーがちゃんとできるか。そしてピット・サインを読む事ができるかということだった。おらは二輪のレースでピット・サインを使った事がないし、高速で走っているホーム・ストレートでサイン・ボードにある小さな文字を読むなんて、人間業ではないと以前から思っていたのだ。その為、度の合わなくなった使い捨てコンタクト・レンズの使用はやめ、眼鏡をかけることにした。一週間前に眼鏡のレンズを、悪くなったおらの視力に合うように変えておいた。おらは視力だけはずっと良かったのに、本書の執筆のせいか2年前から眼鏡をかけるようになったのだ。フルフェースを被ってクルマに乗り込み息をはくと眼鏡が曇る。だから鼻から息をはくか、上唇を下唇の上に重ねて息をはいた。これは“ケニー・ロバーツ ロード・レーシング・テクニック“に書かれていた、シールドを曇らさない方法だ。いずれにしてもうざったい!今度からジェット・ヘルにしようかしらん。

 

ドライバーズ・シートにもぐり込んだら、なんだか恐ろしくなってきた。そして、おら何でこんなことしてるんだろうと後悔し始めた。しぶしぶピット・ロードに向けて発進し、並んでいるクルマの後ろにつける。一定の間隔をあけて、一台づつオフィシャルの振る旗に従いコース・イン。ここまできたら、ただ速く走ることに集中するのみで、もう恐ろしさも何もない。最初座ったときシートの位置がえらく低くて、背も寝てて運転しづらそうに感じたが、走り始めると気にならなくなった。

 


0693 D-jacシビックでの初走行直前

 

おらはブレーキング・ポイントとシフト・チェンジの場所とラインを覚えること、そしてヒール・アンド・トーに慣れることを目標に80%で走った。コース・アウトして練習の時間がなくなることのないように、絶対に無理しないと誓いながら。

 

サーキットという広いコース幅での走行だから、大垂水峠で感じた尾田のシビックほどの加速感はない。二輪もサーキットで走るときの加速感と公道で走るときの加速感は全然違うもんだ。いずれにしてもR6で走ることを考えると、シビックの加速力は十分扱える範囲。D-jacシビックの930kgとおらの体重65kgの合計重量約1,000kgは、R6の170kgとおらの体重の合計重量約250kgの4倍だから、R6の110psの4倍にあたる440psぐらいまでは許容範囲と考えられる。1リッター・スーパースポーツの170psの4倍は680psで、F1マシンは800ps。F1マシンは相当軽いだろうが、この計算でも四輪のF1マシンが1リッター・スーパースポーツのパワー・ウェイト・レシオを上回るとは驚きだ。しかし市販の二輪でF1マシンに近い加速感を味わえるということもできる。でもこういった二輪を街乗り用に市販するのは絶対におかしいとおらは思う。あのロッシでさえ、街乗りに使っていたホンダの1リッター・スーパースポーツのファイアーブレードをCBR600に変えているそうだ。MotoGPマシンの250psの4倍である1,000psは、F1マシンのパワー・ウェイト・レシオとどっこいどっこいといったところか。

 

ヒール・アンド・トーでスロットルを空ぶかしした後、クラッチを繋ぐタイミングがいつも遅すぎる為、ガックンとやってエンジン・ブレーキを効かせ過ぎてしまう。奥多摩周遊道路でのヴィッツと、サーキットでのシビックではスピードが違いすぎて、全然ヒール・アンド・トーがきまらない。このフリー走行ではヒール・アンド・トーが最後までメチャクチャっだった。

 

サイン・ボードはちゃんと見ることができた。D-jacシビックのゼッケン番号である37と一周前のラップ・タイムが黄色の文字で表示される。ラップ・タイムは車中のP-LAPで確認できるけど。

 


0705 ピット・サイン・エリアで。左から佐野さん、ピット・サインを出す村上さん、監督

 

Sタイヤのグリップ力は、二輪乗りのおらには「これインチキじゃん!」と思えるほど凄い。おらのビーマーのピレリのタイヤ・サイズが205で、それより10mm細いのに、ダンロップのSタイヤのグリップ力はビーマーでもてぎを走ったときの倍くらい上回ってる感じ。これをビーマーにも履かせたいけど、Sタイヤは雨天走行には向いてないし、減りが早いそうだ。3コーナー進入後から4コーナー脱出にかけての2速と3速、130Rでの3速と4速で、ラップを重ねる毎にちょっとづつ全開に近づけていった。かなりの横Gがかかるもののタイヤは滑らない。4コーナー脱出時の3速全開でのグリップはぎりぎりって感じでおそぎゃーが、130Rは余裕。4コーナーのクリップにつく前に、コーナリングしながら2速から3速にシフト・アップする瞬間は、駆動力が一瞬途切れることによりステアリングが取られておっかない。二輪ならどうなる?しかも左コーナーだから正シフトではきつそうだ。

 

耐久用の磨耗しにくいブレーキ・パッドを使うので、ブレーキの効きはよくないと聞いていたが、ノーマルのビーマー以外での初めての四輪サーキット走行だから、効きがいいのか悪いのかおらにはわからない。バイクの前輪だけでのブレーキングのことを考えれば、四つのタイヤでのブレーキングだから、おらにはこれで十分。ブレーキの限界踏力を知りたくて、タイヤをロックさせたかった。ヘアピン手前でそれを試したらちゃんとロックしたけど、走りながらエンストして、ブレーキングをやめたら押しがけ状態でまたエンジンはかかったが、そのままスピンして制御不能になり、ヘアピン入口のコースのど真ん中で進行方向反対向きに停止した。幸い後続車ははるかかなた。再発進しようとステアリングを右いっぱいにきったが、コース上では回りきれなくて、自らグラベルに入って無理やり出た。後でオフィシャルに怒られるかなーと思ったけど、佐野さんに聞いたらそれはOKだって。MTの場合タイヤをロックさせるとエンストするんだ!エンストするとコントロールするのが容易じゃないから、おらはフル・ブレーキングを諦めた。ABSが欲しい!

 

ダウンヒル・ストレートでは4速でオーバー・レブするところまでいかないから、5速にシフト・アップできない。その前のヘアピンの脱出速度が遅いんだろう。

 

ビクトリ−・コーナー手前では4速にシフト・アップする速度にはならないが、監督が4速にシフト・アップすると言っていたから無理やり4速に入れた。4速にシフト・アップした後の二個目の左コーナーでは横Gが凄くて、4速から3速にシフト・ダウンした後に2速にシフト・ダウンしようとするとどうしても4速に入れちゃうし、体勢が保てなくてヒール・アンド・トーができない。ビクトリー・コーナーは0点の出来。

 

暑いからほとんどのドライバーが、ドライバーズ・シート側のサイド・ウィンドウを開けて走る。でもドライバーが投げ出されないように、ドライバー防護ネットがサイド・ウィンドウの部分についている。おらもサイド・ウィンドウを開けて走った。

 

レコード・ラインの取り方、スロットルの開け方、ブレーキングは二輪サーキットの経験がかなり役立っている。スロットルの開け方やブレーキングは二輪のほうが繊細な操作を必要とするし、二輪の場合は体重移動がそれに加わる分難しい。特に二輪では、コーナー手前でシフト・ダウンした後、スロットルをパーシャルまで開けていくとき、飛び出しが出ないようにするのが難しいが、四輪では飛び出しは全然気にならない。だから四輪から二輪への転向は難しくても、ヒール・アンド・トーさえできれば二輪から四輪への転向は容易だろう。

 

P-LAPで2’30を切ったのを確認した。2台に抜かれて、プジョー106を抜き、おらはチェッカー・フラッグを受けて無事ピット・イン。11ラップしてファステストが9ラップ目の2’28。コース・アウトしなかっただけでなく、目標の2’30が切れた!2人の足をそんなに引っ張るほどのタイムでなくて、おらは安心した。と同時に、おらより速い奴がいくらでもいることがわかってがっかりした。ということで並木さんが一番速かったから、翌朝のフリー走行は並木さんが走り、佐野さんがこの日の4枠目、おらが5枠目で走ることになった。

 

14:30から佐野さんが二回目のフリー走行。D-jacシビックのブレーキ・パッドを交換し、11ラップしてファステストが223と、一回目のフリー走行のファステストを2秒更新し、佐野さんは並木さんのファステストに並んだ。

 

16:00からおらの二回目のフリー走行。3秒短縮の225が目標だ。並木さんに教わった通り、走行時間10分前にはドライーバーズ・シートに座り、早めに発進。もう怖くも何ともない。ピット・ロードでスタートを待っている間、ゴール・ライン上の掲示板の表示が、スタート3分前から1秒毎にカウント・ダウンされていく。

 


0779 4点式シート・ベルトで縛られると電気椅子に座わらされてる感じ

 

今度は100%で走った。ヒール・アンド・トーに少し慣れてきて、一回目のフリー走行より随分ましになった。

 

ダウン・ヒル・ストレートでは4速でレブ・リミットに当たるようになったが、5速に入れている時間はたったの1秒くらい。そこからが問題だった。90度コーナー手前で5速から1速づつ2速までシフト・ダウンするとき、ギアがまともに入らなくてパニクってばかり。そんなときはブレーキングだけでスピードを殺してから一回空ぶかしをして2速にシフト・ダウンした。危ないからしまいには5速にシフト・アップするのを諦め、4速でレブ・リミットに当てっぱなしにした。

 

1コーナーで突っ込みすぎたのか、リアが出てスピンしかけた。

 

S字コーナーの右カーブで早めに全開にしたら曲がりきれなくてグラベルに突っ込み、しばらくコースにほぼ並行してグラベル上を走ってコースに戻った。二輪でグラベルにはまったらもちろん転倒するわけで、その日はまず走れないが、四輪の場合は屁でもないのがいい。

 

ビクトリー・コーナーでは4速にシフト・アップしないようにしたが、それでも二個目の左コーナーでは横Gの為に体勢が保てずヒール・アンド・トーができない。だからブレーキングを終えてから、トーでスロットルを空ぶかしして2速にシフト・ダウンした。20点の出来。

 

まめにバック・ミラーを見なきゃいけないんだけど忘れる。

 

四輪サーキットはクルマのボディに囲まれて風が当たらないからか、スピード感がなくてテレビ・ゲームをやってるような錯覚を覚える。

 

1台に抜かれて3台抜いた。燃料計が1/8になりガス欠になりそうだったので、自らピット・インした。11ラップしてファステストが11ラップ目の224。一回目のフリー走行のファステストを4秒更新し、目標を1秒上回った!そしてチーム・メイトの二人にあと1秒のところまで来た。燃料の残量は1リッターで、あと1ラップしたらガス欠になってるところだった。監督に良い判断だったと褒められた。

 

この日のフリー走行の台数は20台ぐらいで空いてた。平日だから、フリー走行に参加できないチームが結構いるんだろう。

 

この日は監督から事前に聞いておいたブレーキング・ポイントを参考にして、20mプラスぐらいからちょっとづつ詰めていった。その結果、明日は次のようなブレーキング・ポイントで行くことにした。監督ほどスピードがないからか、いくらかブレーキング・ポイントは手前になっている。

1コーナー手前:70m→80m

3コーナー手前:80m→80m

5コーナー手前:120m→100m

S字コーナー手前:50m→40m

V字コーナー手前:60m→50m

ヘアピン・コーナー手前:60m→60m

90度コーナー手前:120m→100m

そしてビクトリー・コーナーでは4速にシフト・アップしない。

 

おらのこのタイムに村上さんが、「ATしか乗ってないのに凄い」と。並木さんは「だんだんラップ・タイムが上がっていくのでびっくりした」と。おらが「ヒール・アンド・トーができるようになった」と喜ぶと、並木さんが「そんなレベルのタイムじゃない」と。嬉しいが、とはいえおらは2人より1秒遅れで一番遅いし、おらにF1ドライバーかWRCドライバーになれる素質があったなら、この日のうちに220を切ってたろう。一回目のフリー走行前の不安が吹き飛んで、調子に乗ってるおらはちょっとがっかり。

 

並木さんにステアリングを回すときに手を持ち変えない方がいいのかを聞くと、「ステアリングを回すときに手を持ち変えると、リアが滑ったときにとっさに戻せない」と。そして並木さんはS字コーナーの後の短いストレートで4速にシフト・アップしてると!おらは3速に入れっぱなし。

 

監督に1コーナーが滑りやすい理由を聞いたら、「他のコーナーと違って3速で入る為スピードが乗っているからでは」と。

 

1810〜1830の間、監督、村上さん、ドライバー3人で打ち合わせ。

 

クラッシュもなく、無事この日のフリー走行を終えたD-jacチームはもてぎ近くの宿に泊まったが、おらとかみさんだけはツインリンクもてぎの敷地内にあるホテルツインリンクに泊まった。もてぎのサーキット・ライセンス保持者限定の、一人一泊朝食つき\6,000という、通常の半額近い特別プランがあったのだ。パシフィックGPのときに予約したくても、選手らが借り切っていて一回も予約の取れた試しのないホテルに宿泊し、気分はGPライダー。コース・ビューの部屋は眺めがいいし広い。短パンの寝巻きがあるし、持ち帰り可能なスリッパもかわいくていい。明日結婚式があるようだ。ホンダのオープンカー、S2000に乗ってサーキットを走るみたい。おらもトヨタのオープンカー、ソアラかMR-Sに乗ってFISCOでもう一度結婚式したい!できればかみさんとでなく由美かおると!それが無理なら生前葬でやってもいい。

 


0686 パドックから見たホテルツインリンク

 

その晩おらは、明日ダウンヒル・ストレートで5速にシフト・アップするか、ビクトリー・コーナーのどこでブレーキングするかで悩み続けた。結局、ダウンヒル・ストレートでは5速にシフト・アップしない。ビクトリー・コーナーでは、山野哲也のウェブ・サイトにある通り4速にはシフト・アップせず、二個目の左で一回だけのブレーキングでいくことにした。ホンダのウェブ・サイトにあった、金石勝智のGTカー用のもてぎ攻略法では、4速にシフト・アップして二個目の左と右の手前で二回ブレーキングするようになっていて、監督と並木さんも同じようにすると言うけれど、おらの場合はとても4速にシフト・アップするスピードに達しないから、これが完成系だとしてもおらにはまだ早い。おらは山野哲也と金石勝智のコース攻略法を何回も読み返し、もてぎのコース図とずっとにらめっこした。またホンダのウェブ・サイトにあった”Enjoy Driving“も読み返したが、鈴木亜久里の解説がとてもいい。平校長と同じように、彼も「スムーズさが大事だ」と説く。速く走るには、急激な操作を繰り返す必要があるとおらは思ってしまうが、一流どころはそうではないという。鈴木亜久里は”鈴木亜久里のドライビング・テクニック“を執筆してくれないかしらん。なんならおらと共著でもいい。

 

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