Round 14 レース前最後の筑波フリー走行
2004.05.29

走行日二日前にだけ予約可能な筑波の当月予約で、5月19日(水)のフリー走行が3枠予約できた。走行日の降水確率が60%だったことでキャンセルがたくさん出たからだ。おらはまたウェットなら走らず\9,000無駄にするつもりで予約した。しかし幸運にも走行日前日には、翌日の茨城県の降水確率は10%に下がっていた。何とおらの日頃の行いのいいことか。これがレース前最後の筑波フリー走行になる。

走行日の前日に本田さんから以下のe-mailが来た。

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こんにちは、本田です。明日の練習に際して・・・。

もし、雨だった場合には、セッティングを以下にしてみてください。(本番も雨の可能性があるので・・・)

Front : 伸びを現状から3クリック戻し(半時計方向)

Rear: 伸びを現状から5クリック戻し(半時計方向)

※これで、唐突なスリップダウンは軽減できます。

明日は無理してBest Lap更新を意識せずに、Start後の3週目から14秒台前半をコンスタントに出せるように自分のPositionを意識して乗ってみて下さい。Race前の最終コンディション確認という意識で良いと思います。Best Lap更新は予選にとっておきましょう!

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そしておらは以下の返信をした。

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本田さん、ありがとう!

セッティングやってみます。明日も3枠フルに走ります。最後のフリー走行です。

タイム・アタックなしですか!先日全日本を見て、ダンロップ下と最終コーナーのラインが全然違っていたことを知り、タイム・アタックして1'11を狙うつもりでした。

わかりました、今度はP-LAPを見て、3ラップ目から14秒台前半でコンスタントに走るようにしてみます。でも3枠目の2ラップぐらいはタイム・アタックさせてください。

予選で転倒して決勝に出れない事のないよう、予選では1'13くらいで走ればと思っていましたが、予選で自己ベスト更新を狙っちゃっていいのでしょうか?

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本田さんから以下の返信が来た。

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タイムアタックについて

考え方次第ですが、ここで無理してBest Lap更新しても、予選で同じタイムが出なければ意味がありませんし、転んでしまったら、それこそ悔いの残る形で引退しなければならなくなります。それよりも、コンスタントにタイムを出して、決勝で1つでも上の順位になったほうが

結果の集大成として良いのではないでしょうか?

予選に関しては「転んでパーにならない程度で、Bestを尽くして走って下さい」としか言いようがないですが、テンションがあがっているので心配しなくても普段14秒コンスタントがでていれば、無理しなくても12秒後半は十分狙えると思います。(そこそこのStart GridでRace中に抜けた方が、順位が上がって楽しくないですかね)

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大の大人がこれだけ真剣になれる趣味なんて、他にはちょっと思い当たらない。

 

走行日前々日の夜、おらはわけのわからない寝言を言ってたそうだ。かみさんによると、「30Rでブレーキかけないで走るのができないんですよー。えー、えー。」と誰かと話してるようだったと。そしてしばらくしてかみさんがふとんをかけ直したら、おらが眠りながら返事をしたので、「30Rは解決したの?」と尋ねたら、「んー、まだ。難しいんだよねー。うまくいかなくて」と返事をしたと。本当かいな?だいたい30Rってどこだ?

 

5月19日(水)、おらはまた有給休暇を取り、軽トラ借りてかみさんと筑波に行った。04:40自宅発の06:20筑波着。曇りだが雨は降ってない。おらはFISCOでの骨折以降、二輪サーキットをやるときは、走行日前日に会社のPCを自宅に持ち帰るようにしている。ケガして入院するような事になってもすぐに仕事ができるようにする為だ。しかしそんな生活とももうすぐおさらばできる。

かみさんがコースを歩きたいというので25分程かけて一緒に歩いた。

今回の目標はS字をレコード・ラインで走ること。ダンロップ下と最終コーナーを全日本の連中のラインで走ること。第1ヘアピンでおもいっきり寝かせて膝擦りの写真を撮る事。そして本田さんには悪いが、ベスト・タイムを1秒更新の111を出す事だった。しかし走行直前になって、レース前最後のフリー走行で転倒したくないと思うようになり、この日無事にフリー走行を終える事を最大の目標として、本田さんの言う通り114台前半でコンスタントに走る事にした。筑波では今回初めて走りながらP-LAPを見る事になる。

怖さは全くなし。結局筑波での二輪サーキット恐怖症@パドックは、あの日一日だけの症状だった。

08:30から30分の第1ヒート。

1ラップしても、2ラップしてもP-LAPにタイムが表示されない。3ラップしてから、おらは走りながらP-LAPの電源を一旦オフにしてからオンにしたら、その後のラップでは作動するようになった。こんな事初めてだ。

S字の左ではスロットルを半分戻し、随分手前で寝かせ始めるようにしたらうまくいくようになったが、その後右に切り返してから第1ヘアピンまでのラインが直線的にとれないのでスロットルが開けられない。S字はとうとうレースまでに征服できなかった。

全日本のダンロップ下のラインと最終コーナーのラインを試したら、意外とすんなりうまくいった。どちらもこの方が速いと感じた。

筑波のホーム・ストレートではP-LAPを見ている余裕はなく、おらはバック・ストレートでP-LAPを見た。これじゃあピット・サインは読めそうにないよ。

抜いたり抜かれたり。

9ラップしてピット・ロードで5分休憩。一回休憩できると思うと心理的にも楽だ。おらはここまであまり安定せず113〜116のペースで走っていた。そしておらは、その後を全開で走る事にした。

第1コーナーのクリッピング・ポイントにある縁石の上で何回か膝を擦った。第2ヘアピンも膝擦り。最終コーナーでは軽く膝擦り。第1ヘアピンとダンロップ下ではたまに膝擦り。もっとガリガリ膝擦りするぐらい寝かさなきゃいけないのに、なぜか思ったほど寝てくれない。特にシケイン左の切り返しで全日本並みにおもいっきり寝かそうとしても、あまり寝てくれない。寝かせようとするときバイクが重く感じる。今まで怖ささえなければいくらでも寝かせられると思っていたが、そうじゃないようだ。寝かしたくても寝てくれないもどかしさといったらない。以前中村店長がそんなときは逆操舵を使えばいいと教えてくれたが、この日試すのを忘れてた。本間師匠が使わないと言っていた逆操舵はできれば使いなくないし、レースでいきなり使う自信もない。


00473 シケイン出口。これ以上どうしても寝てくれない

二輪サーキット上級者なら、おらが寝かせる事に固執するのを疑問に思うだろう。ラップ・タイムを良くするには、コーナリング中にフル・バンクしている時間をできるだけ短くし、コーナリング・スピードを殺してでも、長いストレートの前のコーナー脱出時のスピードをできるだけ速くするラインで立ち上がる必要がある事はおらも知っている。そしてフル・バンクしてコーナリング・スピードを上げる事は、転倒の危険を増すだけであって、ラップ・タイムにはそれほど影響がない事も知っている。しかしおらの寝かせ具合とコーナリング・スピードは、ラップ・タイムに影響がないレベルには到底及んでいないのだ。この間の全日本の走りを見ていても、それがよくわかった。おらのコーナリング・スピードは、もっと寝かす事でまだまだ速くできる。

ステップへの足の置き方を変えたつもりなのに、あいかわらず第1ヘアピンではブーツの先が擦るので、つま先を上に向けるようにした。まだおらの内足の位置はうまくないようだ。


00586 第1ヘアピンで接戦を演じるおら

バック・ストレートで不用意に6速にシフト・アップしてしまった。これをやるとタイムに響くだけでなく、最終コーナーで何速に入れてるのかわからなくなるからレースでは絶対やりたくない。

最終コーナーでついにブレーキング・ポイントを110mから100mに詰めることができた。そして最終コーナーの立ち上がりで初めて外側縁石近くに寄れた。とてもじゃないがおっかなくて、最終コーナー立ち上がりで外側縁石まで寄ろうなんて今まで考えた事もなかったが、最終コーナーで二回クリップするラインだと寄りやすいようだ。

二度と出ないと思っていた112390のほぼベスト・タイが12ラップ目に出た!

チェッカー・フラッグを受けて走行終了。最終コーナー入口で黄ランプが点灯しているときはチェッカー・フラッグが振られている事がわかった。最後の4ラップはいずれも114を切っていたから、おらは114ならいつでも切れるようになったと思った。しかしこの後おらは114を切るのに24ラップを要する事になる。

自走でガソリン・スタンドまで行き、ガソリン7リッターを補充。転倒しそうな気がしないので、112を切ってベスト・タイムを更新したくなってきた。と同時に、仕事が大事な局面を迎えているってときに、有給休暇取ってこんな危険な事にうつつをぬかしてていいのかと頭をよぎる。そしておらは怖いどころか眠くなってきた。

09:30から30分の第2ヒート。

第1コーナー出口、第2ヘアピン出口では膝を擦るが、ダンロップ下では軽く膝を擦るだけ。

6ラップ目のシケイン左手前でスロットルを開けすぎて曲がりきれず、グリーンにコース・アウトした!たいしてスピードが出ているところじゃないから、しばらくグリーン上を走って転倒せずにコースに戻れた。筑波でのコース・アウトは炎の走行会での170R以来だが、どちらも転倒はしていない。しかしレースでこれをやったらどんどん抜かれるから、レースではある程度は抑えて、着実にラップを重ねなきゃいけない。

9ラップしてピット・ロードで休憩した後6ラップ走ってチェッカー・フラッグを受け走行終了。全開で行ったのに15ラップしてファステストは114154。114さえ切れなかった。第1ヒートとの2秒差の原因がわからない。

コンタクト・レンズが動いて視界がぼやけたから、コンタクト・レンズを外して裸眼にした。第3ヒートを裸眼で走っても視力は気にならなかったが、レースではピット・サインを読む為に眼鏡をかけなきゃいけない。

11:00から30分の第3ヒート。いよいよ筑波最後のフリー走行になる。おらはベスト・タイムの更新は諦め、せめて113を切る事を目標にした。

第1コーナーのブレーキングでまた断続的なエンジンの吹け上がりがあった!大周りして事無きを得たが、ひょっとしたらこれはブレーキングで前輪がロックしているせいではないかと思えてきた。でも前輪ロックしたらいつかのFISCOみたいにジャック・ナイフになるんじゃないのか?

第1コーナー出口手前のクリッピング・ポイント付近でスロットルの開けが少なかったのか、曲がりすぎて前輪が内側縁石に乗りそうになり、スロットルをおおめに開けて対処した。峠の右コーナーでもたまに曲がりすぎてセンター・ラインを越えそうになる事があるが、結構おっかない。でもはらみすぎるよりはタイムは落ちないだろう。そして第1コーナーでは何回かクリッピング・ポイントの縁石の上で膝を擦った。これがいつもできればばっちりだ。

7ラップしてピット・ロードで休憩し、ピット・ロードを駆け抜けた。

第1コーナー出口手前のクリッピング・ポイント付近で目前に2台のライダーがいた。その一番前にいたライダーがリア・タイヤをスライドさせて転倒した!ライダーがごろごろと転げていきバイクも滑っていくのが見える。おらはどちらにもぶつからないように立ち上がりのラインをイン側に外して回避し、事なきを得た。次のラップでは既にそこに救急車が来ていた。筑波はFISCOより随分早く救急車が来る。

第1コーナー、第1ヘアピン、第2ヘアピンでは随分膝が擦るようになったが、リア・タイヤの右側はかなりえぐれていてほとんどお終いの状態だったから、おらは最終コーナーでは無理しなかった。そのせいか最終コーナー中盤でよく抜かれた。

第1ヘアピン途中でスロットルを開けすぎてしまい、あわててスロットルを戻すというへまを二度やった。レースではやりたくない。


00673 最後のフリー走行だから、膝擦りの写真が撮れるように第1ヘアピンでは頑張った。そしてかろうじてとれた貴重な一枚

休憩後5ラップした後の第2ヘアピンで息が切れているのがわかったので、これでおらの筑波フリー走行は無事終わったと安堵しながらチェッカー・フラッグを受ける前にピット・ロードへ。そのラップでチェッカー・フラッグが出ているのが見えた。12ラップして113を切るどころか114を1ラップ切っただけの平凡なタイムだった。

第1ヒート以外は低調に終わったこの日のフリー走行ではあったが、転倒せずにレースを迎えられるおらは嬉しかった。この日おらは、13 + 15 + 12 = 40ラップして、114を切ったラップ数は第1ヒートでの4ラップと第3ヒートでの1ラップ。どうやらおらのタイムは112が限界と見た。しかしおらはこの日またベスト・タイムを1秒更新して111を出したら、110を切る為にレース後も筑波のサーキット・ライセンスが切れる8月末まで走ろうかと考え始めていたから、これでよかったのかものしれない。どうやらこれで会社もクビにならずに済みそうだ。レースがドライなら2ラップ目以降の全てのラップで114を切りたい。40ラップ走っても太ももは何ともない。しかし左足首は埋めたボルトがあたるのか痛い。

おらは筑波でこの一ヶ月間走りまくって計151ラップしたが、ついに一度も転倒しなかった。何故だ?ちなみに二輪@FISCOでは167ラップして8回転倒してる。筑波の距離はFISCOの半分程度だが、コーナーの数はほぼ同じだからどえらい不思議。ひょっとしておらはうまくなってるのか?筑波はS字がまだだめだし、最終コーナーは結局攻めきれずに終わった。筑波をおらなりに極めるには、少なくともまだあと100ラップはしたいところだ。しかしほどほど筑波には慣れたし、タイムの限界も見えたから、このへんでよしとしてレースを最後に筑波を去る。

13:00に筑波を出たら小雨が降り出して、その後本降りになった。その足でLANGに行きタイヤを交換してもらった。今までと同じソフト・コンパウンドのミシュランのパイロット・レース2。中村店長に公道でレース・タイヤを使った場合の事を尋ねると、「レース・タイヤは温まる前のグリップがノーマル・タイヤよりかなり悪く、とても公道では危なくて使えない」と。そしておらが前輪の端を全て使いきってない事を話すと、店長でさえ前輪の端は全てを使いきってはおらず、前輪の端を全部使うと転ぶと。19:00に自宅着。長い一日だった。ニュー・タイヤは滑りやすいので、おらは本田さんに言われた通り洗剤でゴシゴシと洗っておいた。

 

新聞の高額納税者リストにさいとうたかをが載ってて、おらと同じ八王子市民であることを知った。

 

おらが現在持ってるサーキット・ライセンスは、リニューアルまで仮死状態のFISCOの二輪/四輪、筑波の二輪、もてぎの四輪だが、新たなサーキット・ライセンスが加わった。鈴鹿のでもSUGOのでもない。大井松田カートランド。レーシング・カートだ。尾田がやってみたところ面白かったと言うので、5月22日(土)に会社の先輩の宮坂さんと行ってきた。宮坂さんはカート経験者で、1秒差\1,000で賭けようと言う。

一周40秒程のコースで、サーキットにはあまりない反時計回り。左コーナーが四つと右コーナーが二つある。08:00から09:00の間はバイクの走行時間で、50ccの2ストが3台走ってた。R6ではちょっと曲がりきれそうにない小径コーナーがあるが、SRV250なら膝擦りを楽しめるかも。

09:00から40分間講義を聴いて、コース・ライセンスを取得。コース・ライセンスの取得料金が\1,500。その後遅いレンタルカートか速いリースカートを借りて走れる。午前あるいは午後だけでも借りられるが、一日リースカートを借りた場合は走行料金と合わせて\18,000とサブ・ドライバー一人につきプラス\1,000で、\19,000を二人で割った。他に走行交代の度に給油しなきゃいけないチェーン・オイルが一本\2,400。リースカートは遠心クラッチ付きのと、遠心クラッチなしで直結のがある。直結の方が速いが押しがけが必要で、初めてならセル・モーターのある遠心クラッチ付きの方がいいと店員から強く勧められたからそれにした。どちらのエンジンも100ccの2ストロークでヤマハ製のようだ。スロットルは右足で踏みブレーキは左足で踏む。後輪駆動でブレーキも後輪にだけ効く。ギアはなし。レンタルでスーツや何やら借りられるが、おらはバイク用の革つなぎ、グローブ、ブーツ、フルフェースを持って行った。オイルで汚れると聞いていたから、ドライビング・スーツは持って行かなかった。子供も乗るカーボン製のシートはかなり小さく、おらでもぎりぎりのサイズ。サーキットで使うのと同じトランスポンダーをカートに取り付ける事により、第1コーナー入口にある電光掲示板にラップ・タイムが表示される

二人で順番に走った。おらの1ラップ目。一番スピードが出る第1コーナー手前のホーム・ストレートでのブレーキングで後輪をロックさせてスピンし、かなりの勢いでスポンジ・バリアにぶつかりおらは転地不明になった!おらはまっさかさまに墜落して大事故になるかと思ったが、無事頭を上にして停止してた。せっかく二輪サーキット引退の決意をしたのに、カートで死んだんじゃカッコつかないよ。その後2ラップ程走ったら店員に呼び止められたのでピット・インすると、ぶつかったショックでフロント・ガードが外れてた。前輪を連結するロッドも曲がっていて、修理代\2,000を取られた。

加速感はないがスピード感はほどほどあり。コーナーが小径でグリップ力が良いから、横GはD-jacシビック@もてぎより凄い。2Gあるそうだ。

ハード・ブレーキングしても効いてる感じがしなくて、スピードが落ちた頃にいきなりロックする。そしてブレーキが効くのは後輪だけだからか、ロックするとまっすぐ走ってても後輪がスライドして簡単にスピンする。おらはもてぎウェットを思い出し、ロックしたらブレーキを放す事を繰り返した。普段左足でブレーキングはしないから難しいのかも。そのうちポンピング・ブレーキを使うようにしたが、午後には慣れて普通にブレーキングできるようになった。スピンするとたいていエンストするから、セル付きにして正解だった。コース・アウトした場合は、グリーンとコースとの間に段差があるから、カートをコーナー出口のイン側まで引っ張っていってから再スタートしなければいけない。おらは一回だけコース・アウトしたが、カートを引っ張り出した後は息が切れてしまい、すぐピット・インした。

コーナーでは横Gが凄いから、足をガソリン・タンクに固定して踏ん張らないとまともにスロットル操作できない。そしてステアリングを回す腕がどえらい疲れる。

午前中のおらのベストが40

309で宮坂さんが40664。1秒未満は四捨五入という事にしてたから賭けはイーブン。しかし尾田が初めて走ったときに38秒だったらしく、おらはがっかり。おらは横Gの強い左コーナーでステアリングを回す際、左腕の力を主に使うのか、左側の肩と腕に力が入らなくなっていた。そして左コーナーで右脇がシートに押しつけられるからか、右脇下がどえらい痛い。おらは午前の走行を終えてもう十分と思ったが、宮坂さんが午後もやると言うので付き合った。


1149 大井松田カートランド

午後の一回目の走行ではステアリングを持つ腕が左コーナリング中の横Gに耐えられず、右肘をカーボン製のシートにあてて支えた。そして首が疲れてすぐピット・インした。その後は走り始めるとすぐ首が横Gに耐えられなくなって左コーナーでは遠心力に任せて頭を右に倒したまま走った。それではまともにコースが見えなくて危ないが、宮坂さんが40秒を切ったので、おらも40秒を切りたかったのだ。でもそんな状態じゃいいタイムは出るわけもなかった。

次に走るときにフルフェースを被ったとたん、こりゃあかんと思った。首を維持できない。しかし宮坂さんは何ともないと言う。おらの頭は脳みそがつまり過ぎてて重いんだろか?走りだしてすぐピット・インし、その後は走るのを諦めた。ライターの火さえつけられないほど左手の握力はなくなってた。一人が突っ込んで担架で運ばれた。

午後のおらのベスト・タイムが40117で宮坂さんが38999。1秒負けで\1,000払った。それにしてもおかしい。こんなはずじゃ・・・。四輪には自信のあったおらは相当落ち込んだ。それに首を固定するものでも使わないと、おらはとてもレーシング・カートで走れない。尾田に四十首と言われたが、後になっておらのフルフェースはバイク用で頑丈に作ってあるから重たい事に気が付いた。それにおらの頭は見かけより大きくて、アライの一番でかいサイズのヘルメットが何とか無理して被れる大きさだ。宮坂さんはレンタルのフルフェースを被ってた。そしておらのタイムが今ひとつだったのは、重たい革つなぎを着てたからだとわかった。また走る事があればドライビング・スーツをレンタルする。レーシング・カートは安価で手軽にサーキット気分が味わえるのがいい。子供がたくさん走ってたが、軽い子供にはとても敵わない。

 

おらはレースの2週間前から通常のダイエットをハード・ダイエットに切り替え、朝はヨーグルトだけ、昼は抜き、夜はサラダだけという食生活にし、1ヶ月半で7kgの減量に成功した。今年の1月には75kgあった体重が今は63kg。でも腹はまだ結構出てるから、減量の余地はまだ十分ある。つじつかさ著の“ベストライディングの探求”を読み返した。この本を読むのはこれが4回目だが、おらがライテクの本を読む事は今後もうないだろう。

おらは出場申込書にゼッケン13番をくれと書いて、その後MCFAJに電話でもお願いしたら13番をくれた!これでおらの最後の二輪レースをゴルゴな形で終わらせられる。誰もゴルゴが最終回でどうなるのかは知らないが・・・。MCFAJからレース出場の受理書とタイム・スケジュールが郵送されてきたのは、あいかわらずレース前の週になってから。オーバー40は一番人気で29人ものエントリーがあり、タイム・アタックは10分間で決勝レースは一年前と同じ7ラップ。おらの目標は出場者の上位半分以内、つまり14位以内だ。

筑波は短いからどんなレースでもあっという間に周回遅れが出る。周回遅れになるのはしかたないとしても、問題はトップがチェッカー・フラッグを受けるのとほぼ同時に周回遅れになった場合だ。自分が周回遅れなのかどうかわからないと、もう1ラップしてダブル・チェッカーで失格となるか、そこで周回を終えて規定周回数に満たず失格となる可能性がある。前回もこれを心配したが、案の定おらはトップがチェッカー・フラッグを受ける直前の最終コーナーで周回遅れになった。おらがあと3秒早くゴール・ラインを通過していたらトップとほぼ同時にチェッカー・フラッグを受けていたわけで、周回遅れかどうかわからなかったろう。あのときのおらと今のおらではラップ・タイムが違うから、同じ7ラップのレースで周回遅れはないと思うが、ちょっと計算してみた。オーバー40出場者のベスト・タイムはドライなら104程度のはずで、7ラップしてゴールするまでの所要時間は64秒 x 7ラップ = 448秒。周回遅れしない為には448秒以内に6ラップする必要があり、448秒 / 6ラップ = 74.7秒。よって114以内でラップし続けなきゃ周回遅れになる。これはおらにとって微妙な線だ。全開で走り続け、かつコース・アウトなどの大きなミスは一回も許されない。最終ラップよりも6ラップ目が大事になる。

レース2日前の時点での茨城県の降水確率はなんと70%!ウェットのレースを一度経験するのもいいかもしれないが、タイヤ交換が間に合うか心配だし、ウェットのレースになると遅い人ほど棄権すると思われるから、何とかドライのレースがしたい。そしてもう一つドライのレースがしたい理由がある。おらはこのレースのタイム・アタックでベスト・タイムを更新したくなったのだ。それも110を切りたくなった。それができるかもしれない二つの方法を見つけたからだ。今回のフリー走行で、例え寝かせる事が怖くなくても、技術的に今以上にはバイクを寝かせられない事に気がついた。しかし“ベストライディングの探求”に、内足をステップ根元方向へ荷重する事で寝かせられるとあった。もう一つは最終コーナーへの飛び込み。おらは最終コーナーへの進入時にブレーキングでスピードを殺しすぎている事を知っている。しかし高速コーナーである筑波の最終コーナーに進入スピードを今以上に上げて飛び込むのはおっかなくてそう簡単にはいかない。しかし100m看板でフル・ブレーキングしながらシフト・ダウンするとき、最終コーナーのイン側を見ていれば、コース外側までの距離は正面を見ているときに比べてかなり長いはずで、おもいきって飛び込めるかもしれないとコース図を見ていて思ったのだ。シフト・ダウンが終わったと同時に寝かせ始めれば今までより10km/h〜20km/h速いスピードで進入できると思う。最終コーナーへの進入スピードを上げれば、長い最終コーナー全体でのコーナリング・スピードが速くなるだけでなく、ホーム・ストレートでのスピードも上がり、かなりタイムは短縮できるはず。おらは決勝レース前のタイム・アタックをその練習の場に選んだ。そしてタイムに影響はないかもしれないが、もう一つ変えるところがある。これも“ベストライディングの探求”にあったやり方だが、かみさんが今回のフリー走行でつま先をステップにのせていたライダーをみつけた。おらはその方法と本間師匠の教えを組み合わせ、内足のつま先をステップの先端に当てる事にした。これでブーツが擦る事はなくなるはず。

 

かみさんによると、レース三日前の晩におらはまた寝言を言ったそうだ。「あー、ダメ。全然ダメだー。なんかブレーキが全然効かない感じ。ブレーキが効かないー!と思ったら急に効いたり・・・。あー、ブレーキ効かないなー。ダメだー」

(本田コメント:どーやら“頭”のブレーキが壊れちゃったみたいですね・・・)

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