Round 15 最後の二輪レースは2004 MCFAJ クラブマンレース2@筑波
2004.06.20
43歳になったばかりのおらは、レース前日の土曜日にゴルゴ・カットにした。これで200gくらい軽量化できたはずだ。会社で「どうしたの?」と聞かれると、「防衛庁営業らしくした」と答えることにしている。しかし自衛官でもこれだけ短くしてる人はまずいない。ゴルゴ・カットには他にも利点がある。気が引き締まること、そして頭部の手術がしやすいことだ。それにしてもゴルゴも床屋で髪を切るんだろか?おらは減量のせいで頬に線ができた!これがゴルゴの顔にある線の意味するところだと初めて知った。あとは眉毛さえ濃ければ、おらの顔はゴルゴそっくりになって、もっとモテるんだが。
5月30日(日)、おらは本田さんが運転するトランポに乗り、二輪レースが見たいという本田さんと同じ部署の前田さん、かみさんと共に筑波に行った。二日前に中日が首位になっていて縁起がいい。04:00自宅発の05:30筑波着。去年の筑波のレースと違い、Bパドックにトランポを並ばされたが、ゲート・オープンの06:30までまだ1時間もあるのに、Bパドックは既に満車の状態。ピットを確保する為に泊り込んでる連中もいるんだろう。全日本のときはAパドックもBパドックもいっぱいで、Bパドックに陣取ったチームは、そこから延々第1コーナーの外側を回ってピット・ロードまでバイクを押していかなきゃならないから、見てて大変そうだった。おらと同じオーバー40ライダーで、おらより全然速いジャックがいた。おらがこの1ヶ月間筑波で練習したことを話すと、タイムを聞かれたので、しぶしぶ1’12と答えたら、日本語で「速いじゃん」とお世辞を言いやがった。そしていつものように、「転倒しないでね」と。おらは二輪のタイムも第二外国語もジャックの域には到達できなかったのが悔しい。ゲート・オープンとなり、Bパドックから第1ヘアピン手前のコースを横切ってAパドックに誘導されると、ピットこそ確保できなかったが、何とかAパドックのコントロール・タワー前にトランポを駐めることができた。中村店長のトランポが駐められるスペースも隣に確保した。その後間もなく中村店長たちがやってきた。TEAM LANGからのレース出場者は、中村店長のお兄さんのホンダCBR600F4iを駆りノービス・プロダクション600に出場する中村店長、同じバイクでオーバー40に出場する店長のお兄さん、ヤマハSZR660を駆りオーバー40に出場する村崎さん、そしてR6でオーバー40に出場するおらの4人。中村店長も今年40歳になるから、とても若い選手層とは言えない。柿沢さんだけでなく、柳川さんもマシンがなくて出場しないと。2人とも速いのにもったいない。
フリー走行のときの筑波への入場料は無料だが、この日は入場料が\2,000でパドック・パスが\1,000。もちろんおらたちは無料だが、この料金は全日本の予選を観に来たときの入場料\1,5000、パドック・パス\1,500と同じような料金。おらはプロか?
曇っていたが、晴れてきた。二日前の降水確率が70%だったのでウェット・レースを覚悟していたおらだが、前日の時点でのこの日の降水確率は30%に下がっていた。おらが筑波に来るようになってからの天気予報はいつもこんな感じ。どうやらドライ・レースができそう。そして1’10切りも狙える。
レースのスケジュールは以下の通り。なんと230台の参加台数は、気候のいい5月のレースだからだろう。
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2004 CLUBMANロードレース2
2004年 5月30日 筑波サーキット 参加台数:230台
AM 6:30 ゲートオープン
7:30〜 9:30 公式車両検査
7:45〜 8:00 開会式&ライダースミーティング
タイムアタック/フリー走行
○=タイムアタック
スタート前チェック ●=フリー走行 クラス
@ 7:45〜 ○ 8:00〜 8:11
GP-E125 (11台)/GP-N125 (6台)
A 8:00〜 ○ 8:15〜 8:26
GP250( 4台)/P250( 3台)/P400( 2台)/Eプロダクション600(
4台)/Nプロダクション600( 9台)
B 8:15〜 ○ 8:30〜 8:41
Eアンリミテッド ( 6台)/Nアンリミテッド (12台)/Nプロダクション750(
4台)
C 8:30〜 ○ 8:45〜 8:55
MAX10−T (24台)
D 8:44〜 ○ 8:59〜 9:09 H-D.CSSC883 (18台)
E 8:58〜 ○ 9:13〜 9:24
H-D.CSSCオープン(15台)
F 9:13〜 ○ 9:28〜 9:39
MAX10−UA(空冷-20 台)/MAX5−A( 8台)
G 9:28〜 ○ 9:43〜 9:54
MAX10−UB(水冷-20 台)/MAX5−B( 8台)
H 9:43〜 ○ 9:58〜10:08
オーバー40 (29台)
I 9:57〜 ○ 10:12〜10:22
サイドカーF1 ( 3台)/サイドカーF2 ( 2台)
J フリー走行10:11 ● 10:26〜10:36
AVCC-A (12台)/AVCC-B (18台)
■リタイヤ車引き上げ(14分)
決勝レース
スタート前チェック〜サイティング〜選手紹介
スタート〜ゴール 周回 クラス
@ 10:20〜 10:50〜11:03 12周
GP−E125/GP−N125
A 10:44〜 11:13〜11:27 12周
GP250/P250/P400/EP600/NP600
B 11:08〜 11:37〜11:51 12周
Eアンリミテッド/Nアンリミテッド/NP750
C 11:32〜 12:01〜12:16 15周
スーパープロダクション80'S(タイムアタックレース)※雨天時中止
■リタイヤ車引き上げ(30分)
D 12:16〜 12:46〜12:56 8周
MAX10−T
E 12:36〜 1:06〜 1:16 8周
H-D.CSSC883
F 12:56〜 1:26〜 1:38 10周
H-D.CSSCオープン
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07:00にコントロール・タワーに行き、参加受付を済ませた。オーバー40のエントリー表を見ると64歳の人がいた!この人は偉い!
本田さんがR6のニュー・タイヤの空気圧を計り、パーツ・クリーナーで磨いた後、早速タイヤ・ウォーマーを使い始めた。サス・セッティングは前回から変えず。おらは力石徹に勝るとも劣らぬ減量後だが、体調万全で、サーキット恐怖症もなし。
1158 R6に乗ってイメージ・トレーニング中
07:30に本田さんがR6を押し、おらとかみさんでつなぎ、ブーツ、グローブ、ヘルメットを運んで、第1コーナー手前の車検場で車検を受けた。オフィシャルが、「フロント・アクスル・シャフトとリア・アクスル・シャフトのワイアリングが必要だが、オーバー40だから次回からでよい」と。今までそんなこと言われなかったけどなー。MCFAJの車検はMFJの車検より随分厳しいらしい。その後本田さんがウォームアップ場でR6のエンジンを暖気してくれた。
1170
車検場。この時点ではまだ笑ってられるおら
ピット・ロードで開会式&ライダースミーティングがあり、「オーバー40は6位までが表彰台で9位までが入賞」と。おらには関わりのないことでござんす。
先鋒の中村店長がタイム・アタックで1’04を切る自己ベストを出し、クラス2位。同じ600でどうしてそんなタイムが出る?中村店長はMFJのレースに出場したことはないと言うけれど、練習しなくても全日本のトップと5秒しか違わないんだから、ちゃんと練習してMFJの地方選手権に出場してみればいいのに。でもクラブマンレースの方が楽しいのかな。
レース前日に本田さんからタイム・アタックの目標タイムを聞かれたので、おらの本当の目標は1’10を切ることだったが、控えめに「1’12を切る」と答えたら、本田さんは「それは難しい」と。んなことあるかい!また「スタートは得意?」と聞かれたので、何の根拠もないが、「得意!」と答えた。
1175 ゴルゴ・カットで戦闘モードのデューク南郷
1176 TEAM LANGのパドック
10:00にオーバー40のひとつ前のクラスのタイム・アタックが始まった。おらはかみさんがカッパドキアと呼ぶ脊椎パッドをはおり、つなぎを着、ブーツを履いた。この着替えもあと残すところわずか。R6を押す本田さんと共にLANGのパドックを出て、ピット・ロード入口に並んだ。すると車検のときにみかけたヤマハのクラシカルでカッコいいバイクが並んでいた。ライダーにバイクのことを尋ねると、XS-1というヤマハ初の4ストローク・マシンで2気筒の650ccだと。ものすごく欲しい・・・。バイクに乗るのは嫌いなくせに、あいかわらずバイクの所有欲だけは旺盛なおら。そして前のクラスのタイム・アタックが終わり、本田さんがR6をピット・ロードまで押していく。おらはあわててフルフェースを被って眼鏡をかけグローブをはめて後を追った。眼鏡をかけて二輪でサーキットを走るのはこれが初めてだ。3列に並ばされ、おらは前から2番目。怖くはないがなんかどえらい緊張する。おらはやっぱりこれが最後の二輪レースでいいと思った。
1185
いざゆかん。左からなぜか余裕の表情のおら、真剣な眼差しの本田さん、黒尽くめの前田さん
1206 筑波には4番ピットだけでなく13番ピットもなかった!
10:15にエンジン・スタートの合図があり本田さんがR6のエンジンに火を入れた。いよいよだ。おらはR6に乗り、オフィシャルの旗の合図に従い他の2台と共にコース・イン。10分あれば7ラップぐらいは走れるはず。おらはニュー・タイヤの皮むきをする為、そして転倒前に公認タイムを少なくとも1ラップ出して決勝レースでそれなりのグリッドを得る為に、1ラップ目は抑えて走るつもりだった。しかしおらは出だしの0ラップ目から、最終コーナー手前のブレーキングを今までより早めに終わらせ、進入スピードを上げる“飛び込み”に挑んだ。早く試したくて待てなかった。いつもそうだが、おらは抑えて走るということができない。そこには既に100%戦闘モードの炎のライダーがいた!
いつもより10km/hは速いスピードで最終コーナーに飛び込んだと思う。飛び込んだ直後は、このスピードでは曲がりきれないんじゃないかと思ったが問題なし。しかしいつもよりスピードがあるから怖いのか、最終コーナー中盤でコース真ん中ぐらいまではらむレコード・ライン上を走ることができず、最終コーナー全体のラインがインベタになってしまう。そうなると縁石の途切れる最終コーナー2回目のクリッピング・ポイントの位置がつかめないので、2回目のクリッピング・ポイントをかすめてから思いきってスロットルを開けて立ち上がるってのができない。結果立ち上がり加速が悪く、ホーム・ストレート外側の縁石まで寄るレコード・ライン上を走ることもできず、ホーム・ストレートでのスピードも乗らない。最終コーナーで飛び込んでも、これじゃあだめ。でもタイム・アタック終盤になって飛び込むことに慣れてきたのか、おらは最終コーナーで外側から1台抜いた。おらが筑波の最終コーナーで抜いたのは、たぶんこれが初めてだ。
Fh000016
おそぎゃー最終コーナー中盤での膝擦り。ここではコース真ん中ぐらいまではらまなきゃいけない
絶対に読めないと思っていた筑波でのピット・サインだが、ゴール・ラインを通過して、タコ・メーターを見ながら4速にシフト・アップした後の、スピードは乗ってるが余裕のある位置で本田さんがピット・サインを出してくれたので、1ラップ目からラップ数が、2ラップ目からはラップ・タイムも読めるようになった。
タイヤ・ウォーマーのおかげか、1ラップ目から第1コーナー、第1ヘアピン、ダンロップ下、第2ヘアピン、最終コーナーで膝を擦った。あとは今まで膝を擦ったことのないシケイン出口の左でも膝が擦るようになればいいんだが、そこで膝を擦ることはこの日を通してとうとうなかった。
寝かすときに内足のつま先をステップの先端に当ててステップの根元方向に荷重しようとしたが、ステップの位置がかなり後方にあるからか、ほとんど荷重できない。寝かし具合が足りないと思ったときにイン側ステップに荷重するようにしたが、思ったほどの効果はないように感じた。しかし1ラップ目から膝が擦ったのはこのおかげかもしれない。この寝かすことについてだが、ひょっとしたらおらがもっと寝かせられないのは、コーナリング・スピードが遅いからではないかと思えてきた。例えば極端に遅く走っていたら、どう頑張ってもコーナーでは寝かしようがない。おらはもっと寝かすことでコーナリング・スピードを速くしようとしていたが、それは逆で、コーナリング・スピードを速くすることで自然にもっと寝るのではないだろうか。たぶんこれは正解で、FISCOの100Rと最終コーナーのようなワイド・コーナーでは、コーナリング中にスロットルを開けてコーナリング・スピードを増せば増すほど、容易に深く寝かせることができた。筑波の第1ヘアピンのような小径コーナーで途中からスロットルを大きく開けるわけにはいかないから、進入スピードを上げるしかないのだろう。つまりおらが筑波で追求せねばならなかったのは、恐らくコーナリング・スピードでも、寝かすことでもなく、進入スピードだったのだ。これは最終コーナーでの飛び込みを他のコーナーでもやるってことだ。しかしこれに気がついたのは、レースが終わって本書を執筆している最中だった。
バック・ストレートとホーム・ストレートでフル・スロットルにしているとき、ステアリングがどえらい揺れた!ウォブルだ!特にバック・ストレートでは今にも転倒しそうで、とてもフル・スロットルのままにはしていられないし、頭をカウルに入れることもできない!せっかく最終コーナーで飛び込んでるのに、恐らくこのせいでピット・サインは1’13台ばかり。なんでそんなに遅いの!と思いながら走ってた。
第1コーナーと第2ヘアピンでは突っ込みすぎてばかりで、コーナーではらんでしまい、縁石に寄ってクリップできない。随分タイムをロスしてるはずだ。ブレーキングをコーナー中盤まで残すこともおらはすっかり忘れていたと思う。おらはこのタイム・アタックの間、頭が真っ白だった。しかしS字は今までになく、うまくこなせたと思う。
普段膝があまり擦らないから苦手意識のあった第1ヘアピンで、1台に追いついたと同時にインから抜いた。その後の2速での立ち上がり加速では、いつものように前輪が少し浮く。
00711 第1ヘアピン。まだ頭が正面向いてるし、内足首の角度が綺麗じゃない
00842 第1ヘアピン立ち上がり!おらは筑波ではまだ一度もタイヤをスライドさせてない
いつものフリー走行と違い、おらは追いついた相手は何のためらいもなく一気に抜いた。第2ヘアピンでも1台に追いついたとみるや、コーナー進入時に強引にインにつけた。しかし突っ込みすぎてコーナー中盤ではらんでしまった!インをつかれた相手はたまったものじゃなかったろう。おらがはらむにつれて自分もはらまないと接触するから、おらと一緒にはらんでいく。そしてコーナー出口に来たところで、おらはその1台を置き去りにし、スロットルを開けてコーナーを立ち上がった。相手任せの未熟な抜き方をして悪いことしてしまったと今は思うが、おらは全くそれに臆することなく我が物顔で走り続けた。
バック・ストレートで凄い勢いの1台に抜かれた!全日本@筑波のJSB1000とST600では大したタイム差はないのだが、やはりおらぐらいの腕では1リッター・マシンには勝てないのか・・・。
ウォブルは周回を重ねるにつれて弱まった。そして最後のラップだけはウォブルがでなかった。新品タイヤだとウォブルが出るのか?でも今まで使ってた同じパイロット・レースS2では新品のときからウォブルは出なかった。当りはずれがあるんだろか?
5ラップもしたら疲れてしまい戻りたくなったが、本田さんに申し訳ないのでチェッカー・フラッグを受けるまで走り続けた。3台くらいに抜かれ、3台くらい抜いた。頑張った甲斐があり、おらのベスト・ラップは9ラップ中の8ラップ目だった。おらは1’13台しか出なかったことにがっかりしながら、ピット・ロードに入っていった。タイム・アタックが終わり、これが最後かと思うと残念に思えてきた。本田さんと前田さんがピット・ロード出口で出迎えてくれた。そして本田さんから、「11秒台が出た」と聞いた!おらはそのピット・サインを読み逃していたようだ。P-LAPを見ると12秒台も出てた。P-LAPによるおらのタイム・アタックの結果は以下の通り。
1: 1’13”083
2: 1’12”910
3: 1’13”513
4: 1’13”855
5: 1’13”380
6: 1’13”359
7: 1’11”626 (MCFAJのリザルトでは1’11”623)
8: 1’13”572
おらの今までの自己ベストが1’12”329だから、それを0”706更新した。そして全てのラップで1’14を切ったのは、11日前の最後のフリー走行のときに決めた目標通りだ。しかしベスト・タイムの1’11”623は全8ラップの中で1ラップだけ飛びぬけたタイムだから、決勝レースでこのタイムが出るか怪しいもんだ。そしていくらウォブルのせいでバック・ストレートでフル・スロットルにできなかったとはいえ、全開で行ったのに1’10どころか1’11も切れなかったので、おらはやっぱりちょっとがっかり。しかし決勝レースの最終コーナーではもう10km/hくらいスピードを上げて飛び込んで、ウォブルさえでなければ1’10を切れると思う。でも決勝レースでは1’10を切ることなど忘れて、慎重にラップした方がいい結果になると思うから、最終コーナーに今以上のスピードで飛び込むのは、同じようなタイムでラップする相手と競り合ったときだけにすることに決めた。
おらはレースの三日ぐらい前に、次のようなレースのイメージをしていた。
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決勝レースでもし前に抜けそうなのがいてもなかなか抜けなくて、最終ラップになったらどこで抜くか。バック・ストレートで抜けないのならコース・アウト覚悟で最終コーナーに思いっきり飛び込むか、リア・スライドによる転倒、あるいはゴール・ライン手前の外側縁石でコース・アウトすることを覚悟の上で、最終コーナー出口で思いっきりスロットルを開けて立ち上がる。しかし去年のレースでおらが小山さんに後ろをぴったり追われたように、逆におらが追われるパターンも考えられるから、第2ヘアピンを立ち上がってからたまに後ろを振り返る。
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しかし後ろを振り返るなんて面倒なことはしたくないから、後続車がおらの直後にいた場合はそのタイム差を残りラップ数と共にピット・サインで出してもらうよう本田さんにお願いした。
リザルトが掲示板に張り出された。オーバー40のエントリー数は29台から32台に増えていた。(内1人は不出場で、1人はタイム・アタックの記録はないが決勝レースには出場。)おらは出走者30人中の18位で、目標だったエントリー上位半分以上の16位には届かず・・・。おらは決勝レースでタイム・アタックの順位を上回ることがいかに難しいかを知っているから随分がっかりした。しかしなんとか2台抜いて16位でゴールしたい。リザルトを見ると、1位〜10位の10人が1’05〜1’07台の激戦で、ここは完全におらの圏外。11位は1’09台でこれも圏外。そして12位〜18位の7人が1’10〜1’11台の激戦で、おらはその7人の中の最後方。6人全員を食うのは無理としても、おらのひとつ前の順位でスズキの600ccエンジンを持つ、BIMOTA-SB-6には勝ちたい。(レース後にこれはスズキの4気筒1,100ccエンジンだと知った。)そして叶うことならもう1人食って16位ってとこだ。おらより速い2人に勝つにはスタートで抜いて逃げ切るしかないだろう。BIMOTAはSBがスズキのエンジン、YBがヤマハのエンジン、DBがドゥカティのエンジンを積んでるんだと。本田さんはスタートで抜いた台数は数に入れず、2台抜くのが目標と厳しいことを言う。自分より速いライダーをそう簡単に抜けるわけがない・・・。
オーバー40のタイム・アタックのリザルトは以下の通り。MFJの全日本ではリザルトは只だったが、貧乏なMCFAJはリザルトを1枚\10で売る。今回はレース二日後にはMCFAJのウェブ・サイトにリザルトがアップされてた。
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MCFAJ
筑波サーキット(2.070Km) *
* 04’ CLUBMANロードレース2
*
* オーバー40
*
* 公式予選結果表
*
* 2004. 5.30 天候:晴 コース状況:ドライ
発表: :
*
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順位 車番 ライダー 型式
車 名
ベストタイム
周回 (トップ差) Km/h
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1 25 三輪 信雄 DUCATI-998S Bury Riders Cat.BRC
1'05.475 9/ 10 113.814
2 55 伊藤 厚生 DUCATI-996
チーム トータス & AIR 1'05.663
10/ 10 0'00.188 113.489
3 30 台 和則 K-GPZ900R
モンスター&モトモト☆まいど 1'06.111
8/ 10 0'00.636 112.720
4 20 星野 康之 K-ZX-10R
OV40ワンデー 1'06.863
5/ 9 0'01.388 111.452
5 21 吉田 忠 K-ZXR400R OV40ワンデー
1'07.011 8/ 9 0'01.536 111.206
6 1 岩城 晃一 DUCATI-851SPS
1'07.117 8/ 8
0'01.642 111.030
7 69 野口 祥 S-TL1000R
大磯ムスタング 1'07.384
6/ 9 0'01.909 110.590
8 8 JackDeAndrade S-TL1000R BAD KARMA Racing
1'07.662 9/ 10 0'02.187 110.136
9 71 鎮目 泰人 DUCATI-996S
チーム トータス & AIR 1'07.805
3/ 7 0'02.330 109.903
10 3 川原 末男 Y-RZV500R
ゴルディーニクラブ
1'07.875 7/ 10 0'02.400 109.790
11 5 大久保 修 Y-YZF-R1
プライベートレーシングチーム
1'09.976 8/ 8 0'04.501 106.494
12 73 中村 敏美 H-CBR600F4i TEAM LANG
1'10.052 9/ 9 0'04.577 106.378
13 28 渡辺 和夫 H-CBR600F4i
レーシングチーム スウィング
1'10.434 6/ 9 0'04.959 105.801
14 22 乾 宏明 DUCATI-749S
ベストライダース クラブ
1'10.440 8/ 9 0'04.965 105.792
15 36 長田 昭一 DUC-ムルチストラーダ
チームオサダ悪餓鬼 1'10.505 9/
9 0'05.030 105.695
16 92 輝井 嶂 H-RGB-YJIMA
大西歯科レーシングチーム 1'10.689
8/ 8 0'05.214 105.420
17 6 望月 則政 BIMOTA-SB-6 OV40ワンデー
1'11.137 6/ 9 0'05.662
104.756
18 13 デューク南郷 Y-YZF-R6 TEAM LANG
1'11.623 8/ 9 0'06.148 104.045
19 24 鵜飼 泰司 T-TZR250 OV40ワンデー
1'12.488 8/ 9 0'07.013 102.803
20 14 旭 竜一 H-RC30
レーシングチーム スウィング 1'12.811
6/ 9 0'07.336 102.347
21 85 根岸 勉 BUELL-S1
チーム トータス & AIR
1'13.004 5/ 9 0'07.529 102.077
22 18 志田 敏行 Y-YZF-R1
プライベートレーシングチーム
1'14.170 8/ 8 0'08.695 100.472
23 27 小島 幹夫 H-VTR1000
プライベートレーシングチーム
1'15.555 5/ 8 0'10.080 98.630
24 7 山本 時彦 H-CBR400RR
プライベートレーシングチーム
1'15.800 8/ 8 0'10.325 98.311
25 10 村崎 則征 Y-FZR660 Team LANG
1'19.257 8/ 8 0'13.782 94.023
26 16 宏林 和久 HD-XLH1200
仏像彫刻栄雲工房レーシング 1'19.349
8/ 8 0'13.874 93.914
27 23 関 好成 BUEL-RR1200 OV40ワンデー
1'20.139 4/ 8 0'14.664 92.988
28 19 柴田 一正 Y-TZR250SPR OV40ワンデー
1'20.540 6/ 8 0'15.065 92.525
29 12 内藤 信男 Y-FZR750
レーシングチーム 100R 1'20.586
8/ 8 0'15.111 92.473
30 2 青木 一雄 Y-XS-1
チーム ハイスピードあおき
1'25.546 8/ 8 0'20.071 87.111
26 福井 誠 Y-YZF-R6
OV40ワンデー 出走せず
45 小川 藤生 Y-XJR400
レーシングチーム 100R
出走せず
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参加台数: 32 出走台数: 30
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中村店長のお兄さんは昔GP250(2ストローク250cc)をやってて、中村店長より速かったらしいが、久しぶりにバイクに乗るようだ。そういやお兄さんのCBR600F4iはいつもLANGに置きっぱなしだった。そのお兄さんは1’10で12位。タイム・アタックで走るのに慣れて、決勝レースではずっといいタイムを出すだろうから、おらとは別世界の人。村崎さんは1’19で25位。そしてどこかで見た名前が。俳優の岩城晃一がドゥカティ 851SPSってのに乗り1’07で6位だと!おらは芸能人に負けてるのか!?しかも岩城晃一は54歳で、MAX5-Bにも出場のダブル・エントリーだと。しかし本田さんでさえ、もてぎで岩城晃一には勝てなかったと言うからしょうがないか。芸能人に疎いおらでも岩城晃一は“北の国から“で知ってるが、いったい何者だ?
後日調べたらMAX10は外車を使用するレースで、筑波で1’10を切ったことがない人のクラス。おらが表彰台を狙うとすればこれだ!1’05を切ったことがない人のクラスがMAX5で今回初開催。MAX10-Iが1989年以前に製造された外車を使用するクラスで、MAX10-IIAとMAX5-Aが1990年以降に製造された水冷2気筒、MAX10-IIBとMAX5-Bが1990年以降に製造された空冷2気筒の外車を使用するクラス。出場車両はドゥカティが圧倒的に多い。今回は4気筒のMVアグスタF4も出場可としたが、基本は2気筒だと。MAX10がMCFAJレースに組み込まれたのはこれが3回目で、元々ファントムと言うバイクの外装をやってるお店が主催しているレースで、今回の出場申し込みもMCFAJでなくファントムで扱っていた。そして筑波だけで行われるレースかと思ったら、次のMCFAJ第3戦のSUGOでも開催すると。フリー走行は危ないし、たくさん走ればそれだけ転倒する確率が高くなるから、フリー走行はせずに、MAX10のレースでだけサーキットを走るというのもありかもしれない。しかし練習せずにレースに出場して、例えいい成績を残せたとしても、恐らく大した充実感を得ることはできまい。
タイム・アタックが終わり、オーバー40決勝レースまでの5時間もの間、おらは筑波のラップのイメージ・トレーニングを繰り返した。やっぱり最後の二輪レースだし、おらは転倒覚悟の全開で行くと決めた!最終コーナー以外ではこれ以上タイムを縮められそうにないから、最終コーナーでもっと飛び込むしかない。
1207 休息中のR6
本田さんがミシュラン・サービスで来ているオートスタジオスキルにウォブルの件を尋ねてくれたが、ニュー・タイヤだからといってウォブルが出ることはないそうだ。本田さんはおらがステアリングに力を入れているのではないかと疑うが、そんなレベルのウォブルじゃなかった。「決勝レースでウォブルが出たら、ニーグリップしてステアリングに力を入れないように」とアドバイスをくれた。
暑い!雨なんか絶対に降りそうにない真夏日となってきた。この日は気温36℃と、5月としては記録的な猛暑となった。おらはこの日4リッターぐらい水分を補給した。
リニューアルするFISCOはトヨタが四輪のことしか考えず、グラベルのかわりにコンクリートが用意されるから、MFJもMCFAJもFISCOでレースは開催しないと聞いた!ヤマハのトヨタへの影響力はこんなものか。おらは今後トヨタ車を絶対買わない。今までも買ったことないけど。でもこれでリニューアルするFISCOを一度でいいから二輪で走りたいという気持ちはなくなった。四輪で走ればいい。そして今までMFJがFISCOで全日本を開催しなかったのは、江場ちゃんからは100Rでコース・アウトすると危険だからと聞いていたが、FISCOの路面がスリッピーだからだと。おらがFISCOで転倒を繰り返したのはそのせいか?
MCFAJとハーレー・レースのアンブレラ・ガールが何人かいて、本田さんは目の色変えてたが、休憩中とはいえ決勝レースを控えて70%戦闘モードのおらは全く興味なし。色気のいの字も、もよおさなかった。
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とはいえ悪いからおあいそに写真だけは撮ってあげたMCFAJのアンブレラ・ガール。残念ながら逆光だった
おらはヘルパーでMCFAJのレースに参加する方が気楽でいいなーと思ったが、たぶんヘルパーに回ると自分が走りたくなるんだろう。本田さんが、「またレースをやりたくなった」と。
中村店長はノービス・プロダクション600の決勝レースでベスト・タイム1’04のクラス2位でまた表彰台。この人はいつも表彰台に上がるくせにフル参戦しないからノービスにいられる。飯尾さんの師匠の飯倉さんもGP250でベスト・タイム1’03のクラス2位で表彰台。シャンパン・ファイトは羨ましすぎる。飯尾さんは昨年の実績からエキスパート・アンリミテッドという最高峰クラスでの出場となりベスト・タイム1’08でクラス7位。その飯尾さんがTEAM LANGのパドックに来てくれて、おらにねぎらいの言葉をかけてくれた。「最後のレースを楽しんで」と。おらは決死の戦いに挑むつもりで、楽しむなんて気分じゃなかったが嬉しかった。
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左から孫がいるくせに茶髪わんぱくおやじの飯倉さん、おら、40歳間近の中村店長。この連中を見るとライダーとドライバーの人種の違いがよく分かる
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左からレースが終わりリラックスしてる中村店長、飯尾さん、決勝レース前のおら
タイム・アタックでは最終コーナーでインベタになってしまって、コーナー中盤でコース真ん中まではらむことができなかったことを中村店長に話すと、「それは進入スピードが遅いから。突っ込みすぎと思うくらいでいい。フル・ブレーキングの後、右に寄せるときに軽くブレーキングを残す。中盤ではらむまではパーシャルか全閉。なかには1回目のクリップ後にはらんでからシフト・ダウンする人もいる」と。最終コーナーで更に10km/h進入スピードを上げて飛び込む度胸がおらにあるだろか?そして中村店長は、なんとバック・ストレートで4速オーバー・レブになっても5速にはシフト・アップせず、そのまま最終コーナーとホーム・ストレートを走り抜け、第1コーナー手前まで4速で通すと。そして自分がどこで何速に入れてるかはあまり意識せず、そのときの感覚でやってると!それで1’04出る?
オーバー40決勝レースまでの時間が随分空いてるから、みんなだらけて寝だす人も。決勝レースを前にちょっと曇ってきて雨が心配になったが、結局この日の降水量は0。みんな随分日焼けしている。かみさんは暑い暑いとうるさいが、おらは全く気にせず本書の執筆とイメージ・トレーニングを繰り返した。雨でなければどんなに暑くても天国だ。でも冬にバイクに乗るのは嫌だ。
1229 おらは本書の執筆中で、あとはみな寝てる
040-90 TEAM LANG御用達の自称“フォトグラハー”佐々木さんが撮ったハーレー・レースのアンブレラ・ガール
TEAM LANGのみんなに、「引退するんですか?」と聞かれて、おらはきっぱり「引退します!」と答えた。メカニックの沢口さんが「1’10切れたら引退してもいい」と。痛いところをつかれたよ。おらもそこが心残りで、この日1’10を何とか切りたい。しかしタイム・アタックで出したばかりの自己ベストを、更に1.6秒も上回るのはかなり難しい・・・。
おらは残りの人生全ての運を、決勝レースの10分間に費やしてもいいと思った…。