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1996年■伊豆川奈にて■F20

作品1996年01

キャンバスに油絵の具

宿の屋上から描いたが、少しも感情移入出来なかった。
そういう時は最悪である。
いくら描いても生き生きしてこない。
堤防が異様に長かったのに幻惑されたのに違いない。
川上尉平先生にもこの場所の絵があるが、もっと左手の低い位置から描かれている。
私の絵でも左端にもう一つの堤防が見えているが、先生の絵では、この堤防が大きくなっており、またその上に木があって、外海と湾内とがはっきりと区別できる。左上には、帰ってくる舟と波頭が小さく、さっと描いてある。
一日が終わり、安息を与える港に帰ってくるのが、はっきりと見て取れる。穏やかな生活の一齣である。あまりの力量の違いに愕然とする。