<ウルトラローポジへの道>〜BRIDE・VIOS(フルバケットシート)+シートステー加工
 ('00年10月作業 '01/12/31加筆修正)


  Roadsterは外見同様、中もコンパクトです。通常海外でも販売される車は、大柄な外人が乗っても大丈夫なようになっているはずですが、Roadsterはその点を割り切っているらしいです。私は身長が約180cmありますが、かろうじて一般道の運転に支障はありません。ただし、長時間の運転では、必ず腰痛に悩まされていました・・・
  ノーマルシートだった頃は、ピラーで前が見えないため、シートをかなり寝かせていました。足の長さ分後ろに下がってステアリングが遠くなるので延長ボスを使っていました。この辺のポジションの窮屈さが、腰痛の原因になっていたのではないかと思います。
  サーキットではヘルメットをかぶるので、さらにお尻を前に出して、超猫背にして幌にメットが当たらないようにしていました。すると足がペダルに近くなってしまい、10分くらいで足がつってしまうので困っていました。

 で、1台目のRoadsterのときに、腰痛回避&ポジション向上を目的として、BRIDEのVIOS(モデルチェンジして、現在はEXAS IIあたりでしょうか)というフルバケットシートと専用シートレールを買いました。どうせリクライニングなんかしない(できない)から、フルバケでいいと判断したのです。
 これをちょい寝かせ気味にして、ちょうどいいポジションがとれました。長距離運転しても腰痛はおこらず(かわりに尻の表面が痛くなるようになりましたが)HKSのリフレッシュバーというロールバーを入れた時も、メットとロールバーがぶつかることはなかったのです。

HKSのリフレッシュバーはいいデキでした。メインアーチが、幌と干渉しないギリギリ高いところを通してあって、ヘルメットに当たりにくく、私にとって大助かりでした。サイドバーも、内装やノーマルシートと干渉することもなく、ボディへの固定は鉄板の厚いところを使うので、取り付けは難儀しましたが、よくできた設計だと感心しました。

 と、ここまでは1台目のRoadsterの話。
 マルイチはそうはいきません。マルイチ純正のシートとロールバーは、身長170cm以下の人のことしか考えていないような?サイズです。マルイチ純正シートは、全体的に小ぶりでポジションがとにかく高いのです。純正より高いのでは?と思います。シート自体はフロアに近いのですが、座面のスポンジがかなり厚いのです。また、ロールバーは幌ギリギリを通っておらず、アルミの太いパイプを使っているため、HKSのリフレッシュバーに比べてかなり低い位置にあるように感じます。

 決して気にくわないわけではないですよ。これはこれでいいんじゃないかと思います。マルイチ純正シートは、FRP製で表皮がバックスキンの、とてもカッコイイ軽量フルバケットシートで、デザインは気に入っています。市販のフルバケに比べホールド性は若干劣るものの、サーキットで使用してみた感じでは、必要十分なホールド性だと思います。アルミのロールバーも、専用バーパッドも含めてデザインは気に入っています。このロールバーのデザインは、スポーツカーとしてのスタイルのまとまり、まで考えられているらしいです。

 私がメットを装着してマルイチ純正シートに座るとこうなります。
マルイチ純正シートに座った私 Aピラーとロールバーを結んだ線より、明らかにはみでています。もちろん幌を閉めると恥ずかしい「モッコリ」ができます。横転したときの安全性を考えるときは、ロールバーとボンネット先端(ピラー上部?)を結んだ線より、下側に頭がないとだめ、と聞いたことがあります。まったくダメですね。

 メットをかぶらない通常時だって危険です。ヘッドレストの先端が首の位置にあるので、ヒドイむち打ちになりそうですし、、ロールバーが近いので頭をぶつける可能性が高いです。

 そこで、BRIDE・VIOSを1台目のRoadsterから移植したのですが、ポジションが少し下がったくらいでは、全然足りません。少しでもポジションを下げるべく、シートレール加工をして限界まで下げたのですが、やっぱり足りません。フロアに直付けすることも考えました。また、エスケレートはRoadster専用設計のため、かなりローポジにできるという話も聞き、エスケレート購入も考えました。

 と、ここまでが '00年夏の話

 秋になってFRP屋さんと知り合い、シートのポジションで悩んでいる話をしたところ、シートを加工すればいい、という結論になりました。ちょうどBRIDEからも、アジャスタブルシートステー VFタイプという今までよりもローポジにできそうな製品が出たため、合わせ技でやってみることにしました。

シートに穴あけCaution! 私の体型だと、シートの後端がシートレールのためのフロアの盛りあがりにくるため、下げ量を稼げません。そこでシート側の当たる部分を切り落とします。


当然穴があくのでFRPを貼り直します。
シートワックス外側から シートワックス内側から
穴の外側から、暖めると柔らかくなるシート(商品名シートワックス?)を張りつけて、
内側に張るFRPの土台とします。

FRP貼りなおし1 FRP貼りなおし2
 内側にFRPを重ねて、重ねて、重ねて、重ねて・・・何プライしたか忘れました(笑)。ココは車からドライバーに情報が伝わる大事なところなので、強度をしっかりともたせてあります。
シートをステーに固定するために埋め込んであるナットも、位置を変えて固定してあります。

シートステー固定ボルト 特殊工具
 シートステー側も若干加工して、シートとフロアの間に指1本分の隙間しかないくらいまで、ローポジ化しました。これ以上下げると、シートステーをフロアに固定することができません。固定ボルトがシートに当たるようになります。ボルトを回すのにも特殊工具が必要になりました。

 ここまで下げたら、運転が楽しくなりました。自分にぴったりのポジションをとるのは、すごく大切なことなのだと改めて思いました。ヘルメットをかぶってシートに背中を押しつけると、まだ微妙にロールバーに当たりますが、走行中はまったく気になりません。画像がまだ無いので、改造前・改造後の比較ができず申し訳ないのですが、背が高くてポジションに悩んでいる方、これはオススメです。ただし、車検対応シートでも非対応と車検時に見なされるかもしれません。事故の際にシートの強度不足で、あっさり壊れて怪我をしたとしても、責任はとれませんので、あくまで自己責任で改造してください。

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