勇気を受け継ぐ者

 脚本:前川淳 演出:角銅博之 作画監督:八島喜孝
★あらすじ
 決して忘れることはない、あの夏の冒険から三年……
 デジタルワールドを救った太一たち選ばれし子供は、得がたい経験を活かしてそれぞれの道を進んでいました。

 しかし、突如謎の少年・デジモンカイザーが現れます。
 彼のはなつ黒い輪によって次々と操られるデジモンたち。太一はアグモンを進化させようとしますが、
 なぜかデジヴァイスが反応しません。異常事態の陰でほくそ笑むデジモンカイザー。

 一方お台場に引っ越してきたタケルは、大輔・京・伊織という新たな学友を得ていました。
 その大輔たちの手に、突如現れた謎のデジヴァイス。太一の救援要請を受け、大輔はタケル、ヒカリとともに
 デジタルワールドへ足を踏み入れることになりました。

 ぶじ太一やテイルモンたちと合流した一行が見たものは、奇妙な卵状の物体。
 誰も動かせぬそれをあっさりと引っこ抜いたのは、他ならぬ大輔でした。
 物体……勇気のデジメンタルの下から現れたブイモンは大輔をパートナーと認識し、歓喜の声をあげます。

 しかしそこへ、一部始終を監視していたデジモンカイザーがモノクロモンを差し向けてきました。
 進化できないアグモンたちでは歯が立ちません。ブイモンの懇願と好意を抱くヒカリの危機を受け、大輔は叫びます。

「デジメンタル・アーップ!!」

 デジモンカイザーの支配エリアにもかかわらず輝くデジヴァイスの光から、フレイドラモンが現れました。これぞアーマー進化!
 炎の竜人はたちまちのうちにモノクロモンを縛る黒い輪をくだき、デジモンカイザーの支配から開放してみせます。
 大輔と新たなデジヴァイスに希望を見出した太一は、彼へ自分のゴーグルを贈るのでした。
 
 かくして、新たな選ばれし子供と太一たちの冒険が、ふたたび始まろうとしていたのです……。
 
 
 
★全体印象
 はい、第1話ですね。デジモンアドベンチャー02のお話は、ここから始まりました。

 タイトルコールは木内レイコさん(大輔)。背景では勇気の紋章の上に、大輔とブイモンの影絵が描かれています。
 基本的には01を踏襲したものですが、サブタイトルが非常に短くなっています。これは他にない例。
 それにともない、01のときはほぼ毎回入っていたデジモンの名前があまりタイトルに出なくなりました。

 さてこの回は、初めて最初っから本格的にデジモンを見始めたというのもあり、非常に思い入れがありますね。
 流し見ふくめるとシリーズで一番見ている1話かもしれません。
 いや、リピート回数なら間違いなくトップです。次点は意外にも? テイマーズだったりしますが。

 というか、実はサイト開いたのも1話と2話の間かその前後だったりするんですよね。
 だから02を見るとまず春を連想して、それからサイトを開いた頃の新鮮でワクワクする気持ちを思い出すんです。
 それもあって、この作品の初期はとりわけ印象がつよいのかもしれません。

 まあ、私自身の話はこれくらいにして……
 そういうの抜きでじっくり見返してみると説明不足というかいきなりというか、唐突に始まってる気がします。
 ハッキリいって既にわからないことが多すぎ。
 ざっと挙げただけでも、
 
 
  ・なぜか普通にデジタルワールドに来てる太一
 ・パソコンからデジヴァイスでデジタルワールドに行けることに旧子供たちが疑問を抱いてない
 ・デジタルワールドからだろうと問答無用でメール送りつけられるDターミナルをすでに太一や光子郎が持ってる
 ・そのDターミナルと同じものがなぜかデジメンタルの光から分化して大輔のポッケから出てきた
 ・あのタケルを見てなぜかパタモンがちゃんとタケルと認識できている
 
 
 まあ、最後のは冗談ですが……とにかく、ぼこぼこ出てきます。探せばほかにもあるでしょう。
 Dターミナルについては、あとでお台場再建のときついでに敷設された無線ネットワークの端末として配布されたもの、
 というフォローがされてますが(ドラマCD“二年半の休暇”より)、少なくともこの時点では何の説明もありません。

 そもそも、それで何で場所を問わず通信ができるんでしょうか。やってみたらできたとか、そういう理由だったりして?
 デジメンタル入りのアレは、持っていても不自然じゃないように「模して」形成されたもんで中身は別物、
 という見かたはできそうな気がしますけど。

 推測はきりがないのでこれもほどほどにして、と……
 それにしても、つくづく情報量が多い一話ですね。途中から始まってるんじゃないか、とさえ思ってしまうほどです。
 ある意味、続編の強みというやつを最大限に利用した形といえるかもしれません。

 そんな中、短い時間で新主人公・大輔や成長したタケル、ヒカリの振る舞いを過不足なく描いているのは見事でしょう。
 あえて京と伊織を顔出しにとどめ、人物の数を絞ったのも功を奏していると思います。
 それでも最初っから登場人物だらけなんですが、うまく処理してるといえるんじゃないでしょうか。

 脚本はシリーズ構成のひとり・前川淳さん。ツボにはまると非常に良い仕事を見せてくれます。
 でもって作画監督は、おなじみの八島喜孝さんですね。前作最終話からの続投、しかも一人原画。化け物か。
 SDの角銅氏はこないだまで「スーパーロボット大戦ディバイン・ウォーズ」のSDもやっていました。
 アレのEDが02っぽい雰囲気だったのはそれが原因なんでしょうか。
 
 
 
★OP
 デジモンシリーズのOPはどれも名曲ぞろいなんですが、本作の「ターゲット〜赤い衝撃」は抑えた流れから入って
 サビもやや押さえ気味の秘めた熱さタイプと、めずらしいパターンです。
 これに近いといえるのは、セイバーズの「ヒラリ」あたりなんじゃないでしょうか。

 ふたつの世界の間に光る目や賢の涙など、いろいろ伏線も仕込まれていますね。
 
 
 
★各キャラ&みどころ
 
・大輔
 白状すると、予告で木内さんの演技を聞いたときの印象は「大丈夫なのか、この人?」でした。

 あの時点では聞いたことも無い声優さんだったし、藤田さんにくらべるとどうしても見劣りしてしまう……
 それこそ、大輔かブイモンどっちかに野沢さん連れてきたほうが良くないかと思ったものなんです。
 木内さん、すいません。

 ところがフタを開けてみましたらこれがまあ、不安要素ゼロ。
 木内さんが役作りに励まれたのでしょう、予告だと半分ピュリア入ってましたが、一話ではもうバッチリ大輔でした。
 おかげで安心したのをよく覚えています。すごいもんですね、声優さんって。
 
 人となりについては、この1話をみればだいたい把握できるようになっていると思います。
 ガキ大将的ではあるんだけどお人よしで不器用で、でも常に前向きで、だから皆にいじられるけど愛されてる。
 そんな大輔オーラがすでにばりばり出ていたように思われます。

 というか、人物的には「仮面ライダー響鬼」のトドロキや「ゲッターロボ」のムサシといった
 「三番手キャラ」が近いんですよね。こういう造形が主役を張るということ自体、めずらしいのかもしれません。
 個人的にいちばん近いのは上記のムサシ(アニメ版)だと思うんですが、いかがなものでしょう。
 
 
・ブイモン
 こちらも、声優さんに驚かされたキャラのひとりです。
 アグモンがああいう声だったから、同じようながらがら声(誉め言葉)を期待というか当然のように思っていたんですが、
 見てみたらこれがまた、ひっくり返るくらいの女の子……じゃなかった、可愛い系ボイス。

 でも太一やアグモンがああだからこそ、差別化でああいう風になるのは必然だったのかもしれませんね。
 そしてそれゆえに、大輔とブイモンは他に類をみない造形になったのだと思います。
 つまり大輔とブイモンは、02だからこその存在だったのですよ。
 いろいろ賛否両論ある本作ですが、それだけでも意味はあると思います。

 …しかしあらためて見てもホント可愛いな。
 アグモンとガブモン(あとゴマモン?)のいいとこ取りっぽいから、当然といえば当然なのか。 
 
 
・フレイドラモン
 ブイモンのアーマー進化その1。勇気の紋章だけに炎系の技を得意としています。

 グレイモンとはうって変わってスマートなボディと素早いバトルスタイルが持ち味で、鮮烈なイメージがありました。
 後半はエクスブイモンに取って代わられて出番が無いのが残念ですが、印象ではこちらが上でしょう。
 めずらしく突進系であるファイアロケットといい、02ならではの姿だと思います。

 アーマー進化態はのちに成熟期へほぼ吸収されるのですが、本作においては01のキャラを残しつつ02キャラを活躍させるための
 重要な仕掛けにかかわっているためなくてはならない存在になっていますし、デジメンタルの設定は今も生き続けています。
 ほぼ黒歴史になりつつある十闘士やスピリットの設定にくらべれば、幸せなほうでしょう。
 
 
・タケル
 声優で驚いたキャラその3にして、一話のトップバッター。
 ええ、思いましたとも。言ってしまいます。 お前誰だよ。

 とまあ声にばっかり注意が向いてしまいますが、よく見ると性格的には別に変わってないのかなあ、と。
 いや、01見返してて思いましたけど彼、もともとああいう性格ですよ。隠すことを覚えただけ。

 あとは、小西さんの舌ったらずな演技と山本泰輔さんのさわやか系演技の差異による助長でしょうか。
 アレでかなり印象が変わってると思います。小西さんが演じていたら同じセリフでも、別のタケルだったでしょう。
 今となってはもう想像もつきませんが。

 それに、あとのお話を見るとかなり骨っぽい面も出てきているので、見越しての交代かもしれません。
 なんにせよ、成長という意味ではいちばんのインパクトを残している人物でしょう。
 
 
・ヒカリ
 01のときは冗談抜きの天然電波でしたが、成長したぶんだけそこらへんが弱まったように見えますね。
 それより外見の大幅にもほどがある変化に驚かされました。 お前誰だよパート2。
 特に髪型の変化は大きくて、まるで別キャラのようです。デコじゃなかったのがデコになるとこんなにもショックだとは…。
 どピンクの衣装とアームウォーマーも教室では浮きまくっていたし。

 真面目に語ると、早くも前作の時点より「意志」を示すようになってきているとは感じましたね。
 デジモンカイザーを非難するあたりのセリフは、01ではなかなか聞けなかった類のものだし。
 今回は彼女たちがメインなのだから、いつまでも昔のままというのもシナリオ上よろしくないのは事実ですが。

 ちなみに、2007年時点で少年ジャンプに連載している「とLOVEる」のヒロインに一人、そっくりさんがいます。
 あんまり似ているので初見のときはホント

 「どうしよう」

 と思ったものでして……あ、いえ、それだけなんですが。
 
 
・京
 今回は顔出しのみで、デジタルワールドに行くのは2話からになります。
 一見してミミに近いタイプの人物であり、じっさいにミミとはすぐさま意気投合するほど波長が合ったのですが、
 演じる夏樹リオさんの声がミミより空に近いタイプなので、それだけで違って見えます。
 ああ見えて新規組では最年長と言うのもポイントでしょう。

 何よりパートナーがホークモンと言うのが大きいですね。デジアド系にはめずらしく、男女にイメージが分かれた関係だし。
 まあ、その辺は次回にまわすとしますか。
 
 
・伊織
 切りそろえた髪、キリリとした目つきに反比例した背丈と個性的な風貌の持ち主。しかも声は浦和さん。
 あの年頃の少年にみられがちなアンバランスさを内包した、じつに秀逸な造形だと思います。
 見るたんびに「六三四の剣」の修羅が思い出されてなりません。そういえば、アレも剣道ものだった。

 京とは以前から家族ぐるみの付き合いをしているようで、いわば家の違う姉弟のようなものですね。
 末っ子の彼女としては普段からさぞ彼を可愛がっていることでしょうが、あんまりクローズアップされなかったような。
 順当にいけばジョグレス相手どうしになっても不思議じゃなかったと思うんですけど。

 でも考えてみたら、京があの性格のうえにメカに強いという特技まで持っていたので「知識」面では彼女に譲りっぱなし。
 一話の時点ですでにパソコンの修理を依頼するような状態でしたし。これが光子郎なら、自分で直したはず。
 意外と、食い合う部分が多いふたりだったのかもしれませんね。
 
 
・太一
 なんの説明もなくデジタルワールドに来てアグモンに駆け寄ってる姿にまずひっくり返りました。
 三年前のアレはいったいなんだったんだと思われても仕方ない面はあります。

 その冷静な判断力や洞察力にはさらに磨きがかかっており、大輔が新たな選ばれし子供だと判明するや
 迷いなく大事なゴーグルを託して鼓舞するなど、できすぎなくらいの人物になっていますね。
 いま見ると、何かレオモンの心意気をも受け継いでいるかのようです。

 戦闘では出番が少ないんですがやはり前作キャラ、しかも太一ですから出るたんびに存在感主張しまくり。
 悟飯が主役だっつってんのに出張ってくる悟空みたいなものです。アレほどじゃないか。
 後半になるにつれて段階的に出番が小さくなるぶん、まだずっとマシですもの。

 それにしても京にメール見られたり大輔にデジモンのこと洩らしたり、いろいろとウッカリです。
 
 
・光子郎
 こちらは当初からバックアップ要員に徹した例であり、それがうまく働いて先輩連ではいちばんの登板率。
 あとにも先にも彼以上の解説役はシリーズに存在しないので、まあ当然の流れかもしれませんが。
 まさにデジモン界の三面拳・雷電といえましょう。匹敵するのはトーマくらいのものです。

 後半ではなぜか京や伊織といっしょにおはぎをパクついてましたが、何がどうしてああなったのか。
 それもこれも全部京のワガママが原因だと言えば、まあ説明はつきそうに思いますけれど。


・デジモンたち
 テイルモンの姐さんが目立ってますが、彼女は02メインでもあるし、経験豊富なので自然な流れです。
 ああいうふうにシリアス度を保ったまんま説明役できるのは、あの場じゃ彼女しかいませんしね。
 ホーリーリング無くした経緯とその顛末にはズッコケましたが。

 逆にアグモンが全編通して意外と影うすい気がします。太一とセットという認識だからなのかなあ。
 
 
・デジモンカイザー
 後半の彼が見たら恥ずかしさのあまり卒倒しそうな格好でデジモン狩りに興じる姿が初お目見え。

 ホント、見れば見るほど凄いコスチュームです。DATSの制服だってあそこまで凄まじくはありません。
 しかもムチ常備ときていますから、どこからどう見ても立派な変態。
 これよりも恥ずかしい姿といったら、ハッカーテイマー・ナイトくらいしかいないでしょう。

 あの時はどうかしていたんだと賢ちゃんが思ったとしても、不思議ではありません。明らかにどうかしています。
 まあ、あの髪型と表情の見えないサングラスにはちゃんと意味があるんですが……それにしても、ねえ。
 何があったんだお前、って知ってるのに言いたくなってしまいます。

 ところで、声を演じる朴ろ美さんはターンAガンダムで一躍名を馳せた直後の登板でした。
 ロラン・セアックのイメージが強く残っていたので、かなり新鮮な印象を受けたのを憶えています。
 名を広めたのは明らかにターンAですが、役柄のイメージに厚みがついたと感じさせてくれたのはこの02でしたっけ。
 
 
・ワームモン
 一言だけの登場。状況や賢への呼称、造形などから、彼こそが本来のパートナーなのだということがわかりますね。
 前半では彼の存在だけで、いろいろと今後を想像できました。
 
 
・モノクロモン
 一話の敵デジモンにして、フレイドラモンの初陣相手です。出撃シーンはいわゆるひとつのワンダバ。
 恐竜的なデザインと重量、成熟期の強さを感じさせるパワーは地味ながら実力十分でしょう。
 ただ本来は敵意の無い相手に攻撃は仕掛けないであろうおとなしい性格なので、被害者のひとりでもあります。

 そう、大輔たちにとってデジモンとは当初から「助けるべき存在」なんですね。
 ここいらはいずれじっくり語ることにしましょう。
 
 
・フレイドラモン対モノクロモン
 短いなかで互いの特性を出しあった02屈指のベストバウト……というのが、個人的見解です。

 まずは先手、自前の重量を活かして真正面からの突進をかけるモノクロモン。
 それをこれまた正面から受け止め、細い体躯からは想像もつかないパワーでぶん投げるフレイドラモン。
 ここで、主人公デジモンの並ならぬ実力の一端が示されます。

 しかし、大したダメージもなしにモノクロモンが立ち上がってくる。さすがに並みの防御力ではありません。
 距離があいたところでヴォルケーノストライクを撃ち込みますが、アーマー進化を遂げたフレイドラモンの防御力も一級、
 すべて弾かれます。ここではお互いの守備力がアピールされていますね。

 再度のガチンコでは、モノクロモンが自慢のツノでフレイドラモンを大空へかち上げてみせます。
 ウェイトの違いからか、たまらず宙を舞う……とみせて、綺麗に空中で反転、体勢を立て直すフレイドラモン。
 この動きが実にフレイドラモンらしくて、グレイモンと違うイメージを示すにはじゅうぶんなものがありますね。
 最後は高空からのファイアロケットによりイービルリング破壊、フレイドラモンの勝利です。

 パワーとパワー、防御力と防御力、超重量と軽量、そしてファイアロケット。
 フレイドラモンにしかできない戦い、そのデビューマッチを、既存デジモンのモノクロモンがしっかりと演出した形でした。
 その意味でも、02を象徴する戦いのひとつかもしれません。

 バックに流れる「Break UP!」がまた、いい感じに盛り上げてくれるんですわ。
 この曲はいまでも聴くたびに鳥肌が立ちます。
 
 
 
★名(迷)セリフ

「……決して忘れることの無い、あの夏…… あれから、三年たちました!」(タケル@ナレーション)

 いや、その前にあんた誰だ。
 これが初見のショージキな印象でした。ホントすいません、山本さん。

 まあ、ここでタケルに喋らせることでいちばんの違いを示しておくことはアリでしょう。
 ある意味最初からクライマックスです。
 
 
「三年の、火田伊織です。よろしくお願いします」(伊織)

 なぜか印象に残っているセリフと場面。
 きつめの外見と四角四面な態度にそぐわぬ、まったりした声が引っかかりを生んだのかもしれません。
 声ってホント大事だとあらためて思いますね。
 
 
「そのゴーグル、かっこいいね!」(タケル)
 
 これも別にタケルなら普通に言いそうなんですが、こっちが慣れないせいでなんか別の印象が湧いてきましたっけ。
 皆がそう思ったからああなったのか、最初から狙ってああなったのか……。
 って大輔、普通に喜んでるし。
 
 
「ん? 何、いきなり…… あははは! 大輔くんって、おもしろいね!」(タケル)

 タケル……

 いや、開口一番ぶしつけな大輔もまあ悪いといえば悪いんですが……それがあんまり気にならない。
 手前でなにやら「またか……」という顔をしているようにしか見えないヒカリのほうが気になります。
 いっつもあんな調子で、相手を自分のペースに巻き込んでしまうのでしょうか。ヒカリですら。
 
 
「八神ヒカリさんって、あなたよね?」(京)
「はい、そうですけど…」(ヒカリ)

 このふたりはこれが初対面のようです。敬語ですよ敬語。
 のちのジョグレス相方だと思うと、むしろあり得ないやり取りに見えます。
 
 それにしても、馬鹿でっかい文字だなあ。
 
 
「どうぞどうぞ! 卒業しても顔出してくれるなんて、感激です!」(京)

 たしか、パソコン部の創設者にして初代部長が光子郎という設定をどっかで見たことがあります。
 そういえば京は、本来の先輩格である空やミミより光子郎とのかかわりが大きかったように記憶してますね。
 伊織が知識より誠実の人という流れなのは、光子郎を取られがちだったからというのもあるのかな。
 
 
「ねぇねぇ、デジタルワールドって何? 新しいテーマパーク?」(京)

 その京さんらしいリアクションのひとつ。でも普通はそう思うわな。
 
 
「わたしは行くわよ!」(ヒカリ)

 ヒカリの描写は01と明確な差異が見受けられます。序盤がとりわけ顕著で、このあたりの行動はその例のひとつ。
 さすがに太一の妹です。
 
 
「もっと怖いのもね♪」(タケル)

 脅してるよ、さらりと。
 なぜか語尾に音符をつけたくてたまらないときがあるのはなぜでしょう。
 
 
「人間がデジモン狩りだなんて……デジモンの王だなんて、馬鹿みたい!」(ヒカリ)

 これも上に書いたのと同じく、ヒカリの変化をあらわすセリフです。
 自我が確立されてきて電波が薄まったかわりに、時おりこういうオトコ前なことも言うようになりました。
 でも、これは太一がそばにいるからというのもあるのかもしれなくて。

 そしてそんな彼女以上にオットコ前だったのが京というわけです。
 
 
「フフフフ……言ってくれるねえ。
 これはゲームなんだよ? 僕は遊び心のわからない、無粋なやつは大嫌いだ……消去してやる!」(デジモンカイザー)

 すぐ上へのリアクション。といっても、遠くからのモニタリングを通してですが。
 しかしまさか本当にゲームだと思っていたとはこのリハクの目をもってしても見抜けませなんだ。
 今思えばあの子供っぽい基地とか、巨大要塞とか合体ロボ(?)とか、男の子の夢がゆがんだ形でいっぱいでしたが。

 
「きゃッほーい! やったやったぁ! デジメンタル動いたあーっ!
 おれ、ブイモン! おまえ、何ていうんだ?」(ブイモン)
「だ、大輔……」(大輔)

 
 ふたりが出逢った記念すべき瞬間。そして、第一声で腰が砕けた瞬間。
 まさかこれほどまでに可愛い系で攻めてくるとは思いませんでしたよ……ぬかった。
 あらためて聞くとあの青い色にはぴったりの声質だし、他の誰ともかぶらないタイプといえるのですが。
 
 
「賢ちゃん……」(ワームモン)

 初セリフがいきなりこれ。
 思えばこのデジモンほど「キモカワイイ」という言葉が似合う存在はないように思います。
 なんというかホントに強烈なキャラでした。02を語るうえでははずせません。
 
 
「大輔……お前はきっと、新しい選ばれし子供なんだ。これからは、お前がデジタルワールドを守ってくれ。
 これ、オレのゴーグル。使えよ」(太一)

 太一さんは冷静だし決断力あるんだけど、ありすぎて勇み足踏んだりうっかり口滑らしたりしてそうです。
 これもかなり思い切った行動なんですが、その場のノリという気がしないでもありません。
 
 ただしVテイマーでは、漫画版とアニメ版をつなぐ重要なキーになっていました。
 少なくとも、このゴーグルが大輔にとってとても大切な宝物になったことだけは間違いないと思います。
 肝心なのはそこでしょう。

 ……あれ? そういえば、当の大輔のセリフが全然ない……すまん。
 
 
 
★ED
 新シリーズにあたり、当然エンディングも差し変わっています。曲は「アシタハアタシノカゼガフク」。
 アップテンポで爽やかなメロディと前向きな歌詞が心地いい、これもすばらしい名曲です。
 エンディングでは「Keep on」に匹敵するくらい好きな歌ですね。

 この曲から連想するものは、いつも春。そして、新しい出発(たびだち)。
 サイトを開いたときの初心を聞くたびごとに思い出させてくれる、私にとって大切な歌です。

 でもこれ、歌い手もあってミミの歌ってイメージなんですよ。皆さんはどう思います?
 
 
 
★予告
 京と伊織の参戦が最大のポイントですが、大輔とブイモンにも印象的な見せ場があるので語るとしましょう。
 しかしあのタケルが空をかばうなんて、時の流れというのは早いものです。