初心者のためのクラシック案内!(例によってイイカゲン)
(このページに関して、と、いいわけ。)
- J.S.バッハ/トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
みなさまごぞんじのバッハです。バロック時代を代表するバッハ一族にはツクダニにするほど音楽家がいますが、このヨハン・セバスティアン・バッハが最も良く知られています。
この曲はパイプオルガンのために書かれていて題名のとおり「トッカータ」って部分と「フーガ」ってとこの2つの部分からできています。この「トッカータ」ってとこの最初の部分がスゴク有名です。「ちゃらり〜!鼻からぎゅーにゅ〜。」ってのがそう(知ってる?なんつう詞をつけるんだ!)
このメロディから始まって次第に響きを重厚に増していく感じはけっこうかっきぃーんじゃないかな。
この、「トッカータ」が終わると、同じテーマをつぎつぎつぎつぎ追いかけるというテンポの速い「フーガ」の部分になります。最初に出てくるテーマを覚えておけばすんなり聴けるんじゃないかな?荘厳さと美しさが交錯します。できればちょっと大きめの音で聴けるといい曲だと思います。
- バーバー/弦楽のためのアダージョ
バーバーは1910年生まれのアメリカの作曲家です。20世紀になるとクラシックの音楽は「現代音楽」と呼ばれるアヤシゲな響きに席巻されて行くのですが、そのような流れの中で美しい音楽を書き続けた人です。
この、弦楽のためのアダージョ、は、弦楽四重奏のなかの一楽章をオーケストラ用に編曲したもので、非常にゆったりした、祈りを含むような美しい曲です。映画「プラトーン」の中で効果的に使われ、非常に有名になりました。
静かに流れ出す弦楽器の響きが次第に厚さを増し、祈るように盛り上がっていき、やがて巨大な慟哭のような響きを作り出します。(レナード・バーンスタイン/ロスアンジェルスフィルとかで聴くと特にそのようにきこえる。)響きのなかにどっぷり浸かりながら聴く、って感じの曲です。
- ベートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調 op.67
ベートーヴェンはミナサマご存知でしょう。なんていうとバカにしてんのか!って言われそうなほど有名ですね。そのなかでもこの曲は最も有名なもののひとつでしょう。「知らないなぁ」って人もこの曲につけられた副題「運命」ってきくと「あああれね」って思うでしょう。「じゃじゃじゃじゃーん!!」っていうアレ。がこの曲です。ただ、「運命」って副題は外国ではつくところがあんまりないようです。
ふつう(例外多数アリ。)交響曲は4つのブブン(楽章っていう。)からできています。この曲の第1楽章の冒頭があの例の「じゃじゃじゃじゃーん!!」なのですね。スゴイことにこの第一楽章はほとんどずーっとこの「じゃじゃじゃじゃーん」が聞こえます。(じゃじゃじゃじゃ、とかに形がかわったりしますが。)そういう緊密な構成、っていうのが売りです。
ここに続いて、ゆっくりした第2楽章、第3楽章ではまたホルンが「じゃじゃじゃじゃー」とホエたりするので油断できません。第4楽章はファンファーレ風に始まり、勝利を歌い上げて終わる、っていうのがよくある解説です。まあそのとおりでしょうね。一般に、「苦悩から勝利へ」といわれる曲です。
- ベートーヴェン/交響曲第6番 へ長調 「田園」
えーベートーヴェンはみなさまご存知でしょう、っていうのはもうやったね。
この曲はですねぇ、「運命」「第9」と並んで有名な曲です。この曲の「田園」っていうのはベートーヴェンがつけたんだっけな。外国のCDにも「Pastrale」なんて書いてあります。イナカクサイ曲です(うそ。)
この曲も第1楽章が有名です。朝ラジオでやってる「ココロに愛がなければどうのこうの…」というラジオのバックでかかっていていささかヘンなキブン?ココロでもなんでも愛がないのはさみしいのう。(無関係。)
さっそく交響曲の例外でこの曲は5楽章からできています。第2楽章はゆったりしたかわのせせらぎを見るような音楽。最後の方にうずら、かっこう、ニワトリの鳴き声も聞こえます。(一部ウソ)第3〜第5楽章は続けて演奏され、第3楽章はひとびとの踊りをあらわした躍動的な音楽。そのまま続いて「あらし」の第4楽章にはいります。おおあれ。やがて陽がさしこむようにこの楽章が終り、穏やかな表情に満ちた主題による終楽章。で終わります。
このベートーヴェンの第5番・第6番あたりをクリアできればきっとかなりのクラシックはOKなんじゃないかと思います...。
- ビゼー/カルメン組曲(第1組曲)
ビゼーはフランスの作曲家です。この「カルメン組曲」は、オペラ「カルメン」の中の曲をいくつか抜き出して組み合わせたもので、第1幕への前奏曲が特に有名です。シンバルや太鼓の入ったにぎやかな曲です。このほかに、「アルカラの竜騎兵」美しいフルートの旋律がきかれる「第3幕への前奏曲」、スペイン風のアジワイの「アラゴネーズ」でできています。わりあい気軽に聞ける1曲ではないかな?
- エルガー/行進曲「威風堂々」第1番
エルガーは1857年生まれのイギリスの作曲家。この行進曲はエルガーの作品の中でも最も良く知られています。たたみかけるような第1マーチにはじまり、中間部ではまさに堂々とした旋律がうたいあげられます。この旋律は英国では第2国歌としてすごく親しまれています。
- ガーシュイン/ラプソディ・イン・ブルー
ジャズ好きのかたは行司、じゃなかった、ジョージ・ガーシュインの名前は当然耳にしているでしょうし、この曲の名前もご存知ではないかと思います。ガーシュインはジャズとクラシックを融合した、という感じの作風でいくつかの曲をのこしています。この曲はポール・ホワイトマンの委嘱を受けてガーシュインが作曲した曲で、フルオーケストラと独奏ピアノのために書かれています。(オーケストラ編曲は通常版はファーディ・グローフェ。)ジャズのフンイキがちりばめられた楽しい作品です。CMなんかで時々使われているのできいたことがあるのではないでしょーか。この曲は演奏者によって雰囲気がまたずいぶん違うのも面白いです。
この人のこう言った感じの曲として、「ピアノ協奏曲inF」があり、こちらもまたノリの良い曲なので、「ラプソディ〜」が気に入った人は聴いて見てはいかがでしょーか。
ジャズとクラシックの融合を試みた作品はけっこう多いですね。指揮者であり作曲家でもあるレナード・バーンスタインがベニー・グッドマンのために作曲した「プレリュード・フーガとリフ」などはじつにノリノリのかっちょ良い曲でオススメです。
- グリーグ/ペール・ギュント組曲
グリーグはノルウェーの作曲家。素朴で美しいメロディに共感するのか、日本人にはファンが多い、らしい。
ペール・ギュントはイプセンだかの戯曲(イプセンじゃなかったかな?)に曲をつけたいわゆる「劇音楽」の中から選び出した曲によって構成されています。劇はとんでもない遊び人ペールギュントの大冒険!っていう話で、(いいかげんな解説だ。)グリーグはこの物語には共感できず、「はきそう」とかおっしゃっていたようです。音楽はしかし美しくて、とくに「朝」という曲がよく聴かれますね。シンプルな美しいメロディがフルートでうたわれます。サワヤカだ。あ、あと、「山の魔王の宮殿にて」っていうオドロオドロシイ曲も時々テレビで使われてたりしますな。
この曲は第1・第2組曲、ってなっていますが、できれば全曲版できいてほしいものです。組曲以外も面白い曲が多いし、合唱や独唱がはいっていて迫力もビミョーに違うのではないでしょうか。
- ホルスト/組曲「惑星」
この曲はちょっとどの程度ポピュラーなのかよくわかんないなぁ。わりとテレビでは「木星」って曲がよく使われます。宇宙、みたいなイメイジを出すのによいのでしょう。ひらはらあやかって人が「木星」の中間部の旋律に歌詞をつけてうたっていました。原曲のほうがものすげえ荘厳な曲で泣ける。
この曲はナニか?というとですねぇ。現在のアニメイション、アニメーションね、の伴奏音楽にタブン(どころじゃないか)多大な影響を与えているのです。いるはず。(ワタシはアニメとか見るほうじゃあないからよくわかんないけど。)
例えば第1曲の「火星」は戦闘の神という副題がついていますが、冒頭の5拍子のリズムの繰り返しにメロディが乗るパターンは、アニメの中で「ずぇーったいパクリ!!!!!」と言いたいことがよくある(まんまじゃねえか!ってことさえアル。)あと、最後の曲「海王星」ではオーケストラにかすーかに合唱が「アー」って感じでカラむ。ご想像つくでしょー?これが、元祖、でございます。聴いてやってくんねぇ。この曲はけっこうハデに鳴る部分が多いので、オーディオファンにもてはやされたりしてイロモノの扱いを受ける事がありますが、わりあいちゃんと計算された構成の曲だと思います。
これを聴いてただ、クラシックにハマる、という場合、なんか歪んだ方向に行く気が...(^_^;)できれば他の曲を聴いて、スコシクラシックになじみ始めてから聴く事をおすすめしたいですね。
- カバレフスキー/組曲「道化師」
道化師、です。外国のCDには「コメディアン」って書かれてます。コメディアンです。いかりや長介みたいなのです。(ウソっぽい。)この曲は第2曲目「道化師のギャロップ」が有名です。なんでか?運動会でかかってたのです。よく。いまはそういうのはかかってないんじゃないかと思いますが、まさにパン食い競争にはうってつけの音楽です?
この組曲は全体としては素朴な感じのわかりやすい旋律の曲が多くて、わりあいシンプルでシタシミやすいのではないでしょうか。(新古典主義、って言うんだと思う。正式には。)ゼンブ聴いて欲しいものです。このシンプルさにあごがれて一時期よくききました。
- メンデルスゾーン/劇音楽「真夏の夜の夢」
「真夏の夜の夢」って題名ですが、本来の訳は「夏の真夜中の夢」なんですね。シェイクスピアの劇のための音楽です。この曲で有名なところは「ぱぱぱぱーん!」っていう、結婚行進曲。です。結婚式で必ずといっていいほどかかるあれ。劇のほうは全体にコミカルながら幻想的なので、音楽も全体にそんなカンジなのですが、この曲のところだけトランペットのハデなファンファーレがあったりしてにぎやかです。この「結婚行進曲」にしてもしかし、中間部のメロディは思いがけなく美しく、ききながらうっとりしそうです。実際にシェイクスピアの原作を読みながら聴くっていうのもよいかも...。
んー。ただ...。独身のワタシにはおうちで聴きにくい曲のひとつですね(^へ^;)
余談ですが、この劇はシェイクスピアの喜劇のパターンとしてミゴトなハッピーエンドを迎えます。この結婚行進曲もエンギのよい曲と言えましょう。もう1曲よく結婚式で使われるゆったりした結婚行進曲「ぱーんぱーかぱーん(ワカルかな?)」の方はワーグナーの歌劇「ローエングリン」の中の曲で、このちょぴっと後にこの二人はミゴトなほどの破局を迎えてしまいます。ワタシは結婚式でこっちのワーグナーの方が流れるといつもフクザツなキブンです。
- メンデルスゾーン/バイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
メンデルスゾーンはゆーふくなユダヤ人のたしか銀行家のおうちにうまれました。(うわーなんかすげぇ教科書的やなぁ。)作曲屋敷、じゃなくて作曲や指揮をしてしあわせにくらしましたとさ。っていう人生を歩んだ人でして、(あまりナガイキではなかったけど。)作曲家というと貧乏でクライといったイメージからは遠い人でした。しかし、この人の「フィンガルの洞窟」なぞを聴いてみると、それぞれ誰にもナヤミはあるにちまいない気がします。でもいい曲。メンデルスゾーンの曲はどれも親しみやすいメロディにあふれていてわりと聴きやすい物が多いです。
この曲は...哀愁を帯びたヴァイオリンのソロではじまります。ミゴトです。ヒキョーと言う人までいますが。美しいメロディとヴァイオリンのあまい調べをタンノウしたければこれを聴け!!ってカンジの曲ですな。でもほんとーはいい曲なんですよぉ。
- モーツァルト/交響曲第40番 ト短調 K.550
この曲はドコでオナジミか?というと電話の保留音とかじゃないかな。この手の曲は電話の保留音とかに使われるとツライです。聴いちゃうだけに待っている間にあのヤスッぽい響きにぼけぇーっとしてきちゃう。(それが作戦か?)
モーツァルトの交響曲はだいたいが透明な明るい響きのなかに「ふ」と混じりこむ悲しみ、という風情の作品が多いのですが、若くして書かれた第25番と第40番はこの悲しみとまっこう勝負しております。第25番は「疾風怒濤」ってなことを言われるのですが、こちらの40番はちょっと趣がチガウ。怒り、より、嘆き、のフンイキが強いですね。ただ、あくまで響きは透明。モーツアルトの音楽、っていうのは案外入りこみにくい、気もしますが、あるときふっと入りこむとすごく魅力的です。この40番が気に入った方は次の交響曲第41番「ジュピター」も聴いてみてください。こちらは長調の響きですが、これは...モーツァルトの最も美しい結晶のひとつといえよう。(←?)
- モーツアルト/セレナード第13番 ト長調 K525「アイネクライネ・ナハトムジーク」
CMやなんかでよくつかわれます。冒頭の旋律は誰でも知っていると思います。じつにかあいらしく美しい曲です。ワタシは「こぉんな入門曲」ってナメておりましたが、あるときじっくり聴いて「なんちゅうすばらしー曲なんだ!」と思いました。短いながら充実した作品。サスガ。
- ムソルグスキー(ラヴェル編曲)/組曲「展覧会の絵」
ムソルグスキーはロシアの作曲家です。国民楽派としてロシアの風土に根ざした土のついたヤサイのような作品を書きました。ただ井崎脩五郎センセにも負けないくらいのヨッパライだったらしいうえに短命だったもんで、マトモに書かれた作品の数はあんまし多くないです。
この、「展覧会の絵」は、最初ピアノのために書かれました。亡くなった友人の絵描きハルトマンくんの思いでのための曲です。しかしこの頃のピアノ作品つーのはもっとこうなんちゅうかロマンティックなもんだっちゅー概念があったらしくてムソルグスキーのこの作品を聴いたヒトはくちぐちにこう言ったげな。
「なんだこのアラッポイ曲は(ワラ)ピアノ曲っちゅーのはもっとこうなんちゅーかロマンティックなもんだっちゅーのよ」
と言うわけで評判はサンザン。ムソルグどんはまたお家に帰ってイッパイかっくらって寝てしまったげな(イイカゲンなことを書いている。)
この曲はシカシ、この後様々な人によってオーケストラ編曲され、その中で「音の魔術師」と呼ばれ数々の色彩的オーケストラ作品で有名なモーリス・ラヴェルの編曲が大ヒットをかっとばした。のでした。現在ではオーケストラのレパートリーとして無くてはならない作品のひとつになっています。第1曲の「プロムナード」終曲の「キエフの大きな門」あたりを聴いたことがある人は多いんじゃないでしょうか。いずれにしてもラヴェルの名編曲でオーケストラの魅力全開の楽しい曲です。
- オッフェンバック/喜歌劇「天国と地獄」序曲(または、「地獄のオルフェ」)
この曲はオペレッタの大作曲家オッフェンバックの作品。出てくる旋律は、カステラのコマーシャルの旋律です。(カステラ一番...っていうの。)
わりとまあカルイ曲です。でもシタシミやすいんじゃないかな。前半はわりとゆったりした部分が多くて、後半このメロディでもりあがります。同じオッフエンバックの「ホフマン物語」の中にもこの旋律が現れるので、こっちを聴くのもよいかな。ただしこっちのがダイブ長いです。
- オルフ/世俗カンタータ 「カルミナ・ブラーナ」
この曲を書いたカール・オルフは20世紀の作曲家。と言っていいでしょう。1895年生まれですからねぇ。この、カルミナ・ブラーナ、は合唱とオーケストラのための作品で、合唱もみょーな発声をしたり、なかなかパワーあふれる迫力ある作品です。第1曲「おお運命よ、月の女神よ!」がよくテレビでオオゲサに使われます。いくつかの部分に分かれていて、全曲は結構長いです。恋の歌やそのほかいろんな歌、(ワタシは白鳥でむかしは元気におよいでいたのにいまはこんがり焼かれて食べられちゃう!!とか。)が歌われ、最後に再び運命に翻弄される身を嘆く第1曲目「おお運命よ〜」が暴力的に感じるほど突然再現されるわれるのはかなりショッキングです。
- パッヘルベル/カノン(3声のカノンとジーグより)
パッヘルベルはスゴク昔の作曲家です。この「カノン」というのは当時の音楽形式のひとつで、同じ動きの旋律の上でさまざまなメロディが重ねられていきます。単独できくことがけっこうあるのですが、歌謡曲の間奏なんかにもよくつかわれています。幻想的な美しさがあります。
- ロドリーゴ/ギター協奏曲「アランフェス協奏曲」
ロドリーゴはまだ最近亡くなったばかりのスペインの作曲家です。目が悪くて楽譜が書けず、奥様がロドリーゴの指示によって書いていた、っていうようなハナシをきいたことがあります。
この、「アランフェス協奏曲」はロドリーゴが比較的若い頃の作品で、フラメンコの技法などを取り入れたギターと管弦楽のための協奏曲です。ゆっくりした第2楽章でギターの響きにのってオーボエで歌い出される主題が非常に有名で、この旋律は「恋のアランフェス」とかいう題名でいちびったアレンジをされてポピュラーミュージックとしても演奏されています。たしかに非常に哀愁を帯びた美しいメロディですが、ロドリーゴのすばらしい原曲を是非聴いて欲しい。と思います。「恋のアランフェス」とかにはない激しい感情の動きが感じられ感動的です。
- シューベルト/ピアノ五重奏曲「ます」
シューベルトは歌曲の作曲家として有名です。が、ワタシは彼の交響曲がけっこうすき。第8番(7番とかともいう。彼の交響曲の番号はあてにならない。)「未完成」とかが有名ですが、スケールが大きく、シューマンに「天国的な長さ」といわしめた第9番(8番と言ったり。)をはじめ他の曲もけっこういいです。
このピアノ五重奏曲「ます」は、歌曲「ます」の旋律をとりいれた曲。この旋律は第4楽章に出てくるだけですが、他の楽章も歌にあふれた楽しい曲です。わりとこの曲は演奏者も楽しんでいそうな雰囲気の演奏が多くていいです。シューベルトの作品は、「歌曲の作曲家」といわれているだけあって、器楽曲にも魅力的な旋律がたくさんきこえてきて親しみやすいものが多いです。
- スメタナ/連作交響詩「わが祖国」から第2曲「モルダウ」
スメタナはチェコの国民楽派の作曲家です。この、「わが祖国」はスメタナの代表作です。
「モルダウ」はこの連作交響詩の第2曲目にあたります。題名はボヘミア地方を流れる川の名前で、現地では「ブルタヴァ」っていうそうです。曲はこの川の流れていくさまを描写しています。源流があつまって大きな川になり、川岸から狩の角笛が聞こえ、川沿いの人々の陽気な踊り(ポルカ)の様子、やがて夜、月光が川面を照らすさまを描写しています。やがて川は激流を下り、ひろびろとした流れになり、古代の美しい城を見上げながら流れて行く。という、情景が目に浮かぶような作品です。ワタシはちなみにこの曲を聴いてクラシックに興味をもちました。
残りの5曲もみんな非常に魅力的な作品です。モルダウを聞くついでに聴いてみてはいかがでしょうか。特に第1曲「ビシェフラト」第4曲「ボヘミアの牧場と森から」はボヘミアの美しい城のたたずまい、ボヘミアの自然の緑をあるくようなすばらしー作品だと思います。
- ヨハン・シュトラウスU/ワルツ「美しく青きドナウ」
この曲はなんかの映画に使われたそうです。(2001年宇宙の旅かな?おーもう2001年じゃんか!)毎年1月1日に行われるウイーンフィルハーモニーのアンコールの定番としてもおなじみで、この曲の始めのヴァイオリンのさざめきを停めて指揮者がスピーチをするのが慣例になっています。1989年だったか、ヘルベルト・フォン・カラヤンが平和(Peace)と、呟くように話したスピーチがなんか印象的でした。また、この後の「ドナウ」はその響きといい、テンポの間の取り方といい、絶品でした。(このコンサートは毎年テレビで生放送されますが、飲んだくれているなどで最近あまり見ていません。)
- ストラヴィンスキー/バレー音楽「春の祭典」
この曲をあげましたが、これは実は反則です。っていうのが、このコーナーは「かなりの人がその旋律を聴いたことがあるであろう曲」を基準に選んでおり、この曲はあてはまらないからです。ではなぜこの曲を挙げたか?というと、単純に外さない方がいい気がしたので。好きだし。
この曲を書いたストラヴィンスキーは1882年生まれのロシアの作曲家です。(のちにアメリカに亡命。)この、「春の祭典」という曲はスゴイ曲です。初演の時にはその響きの異様さにはじめから笑いがおき、観客が賞賛派と批判派にわかれて大騒ぎになる、というほどだったそうです。(騒動はヤラセだった。という説もあるらしい。)
「原始主義」と呼ばれる強烈な変拍子のリズムのバクハツと、金管楽器の咆哮、木管楽器、弦楽器の絶叫など、エキサイトな曲です。クラシック初心者が聴いていきなりワカルかどうかはわかりませんが、若いクラシック好きは特に、ほとんど通る道、ってカンジの1曲です。
- スッペ/喜歌劇「軽騎兵」序曲
スッペはオペレッタの作曲家ですが、主に現在聴かれるのはこの「軽騎兵」をはじめとしたいくつかの序曲だけなんじゃないかな。いずれもしかし楽しめる曲であることはマチガイないでしょう。
この曲はトランペットのファンファーレに始まる華やかな作品。後半の8分の6拍子のギャロップの部分が有名です。
- チャイコスキー/「くるみわり人形」組曲
チャイコフスキーの名前は有名ですね。彼の代表作は「後期3大」と呼ばれる4・5・6番の交響曲といっていいでしょうけども、よく知られている作品はこの、「くるみわり人形」や後述する「白鳥の湖」などでしょう。
この曲は、バレーの曲からいくつかを選んで組曲としたものです。クリスマスの夜のデキゴトに関するバレーなので、いくぶんファンタスティックなフンイキがあります。(ワタシにはない雰囲気といえよう。)
たぶん最後の曲、「花のワルツ」が有名で、きいたことがあるんじゃないかと思います。
- チャイコフスキー/白鳥の湖より
引き続きチャイコフスキー。前述の、「くるみわり」、それから、「眠れる森の美女」とで3大バレーといわれています。この、白鳥の湖の中では、「情景」(いくつか「情景」って部分があるんですけどね。)ってところと、「小さい白鳥の踊り」って部分が有名です。とくに「情景」って方は、なんかバレーっぽいフンイキのところでは必ずというほど使われますね。
(うう〜やなこと思い出した...←踊ったんでしょ。宴会で。←してないってば!)オーボエのソロの旋律がとてもきれい。
- ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲「四季」
ヴィヴァルディはパッヘルベルより30年くらい年下ですね。1678年生まれのイタリアの作曲家です。このころは音楽の本場はまだイタリアだったようですね。ちょっとどこか忘れたけど女学校だっけ、そんなところで教えていてそこのオーケストラのために作曲したようです。(めちゃうろおぼえ。)
冒頭の「春」の旋律はミナサマきいたことがあるでしょうし、「秋」の最初の曲(高尾駅のホームのベルに使われてた)とか、曲中にもそこここ聴いたことのある個所があるんじゃないかと思います。「クラシック音楽」っていうとこの曲のようなイメージを持っている人は多いんじゃないでしょうか。かなり聴きやすいです。春〜冬まで、ってことだからでしょうか、長いです。(本来、和声法とインヴェンションの試みって曲からの抜粋なので、もっと長いんだけど。)ワタシはこの曲をスコアを見ながら聴いて最初から最後まで寝ずにいられたことがないです。この曲の指揮はできんな。その前に指揮なんてできないけど。
- ワーグナー/楽劇「ワルキューレ」より「ワルキューレの騎行」
ワーグナーはドイツの作曲家。楽劇をたくさん書き、オペラの世界では代表的な作曲家です。また、劇の中で登場人物が自分のテーマとともに登場するという(イノキみたいなもんか←チガウ。)「ライトモチーフ」というような手法をとりいれたり、それまでにない和音やメロディの使い方で音楽の歴史を大きく塗り替え、後の作曲家たちにも多大な影響を与えました。彼の思想や音楽の影響は強力で、第2次大戦の際にはナチスの戦意高揚にも彼の音楽がさかんに使われました。このため、今でも彼の音楽の演奏を拒否する国もあるほどです。
ワタシはオペラは聞かない(ワカンナイ)ので彼の曲も聴くことはないです。ときどきこういった管弦楽曲集を聴く程度。この「ワルキューレの騎行」はコッポラの「地獄の黙示禄」のなかでつかわれたりしました。ハデな曲です。
- ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調「新世界より」
大事な曲を書き落としていたのだ!!この曲もクラシックを聴き始めてスグの頃にきいて、その後ものすごくくりかえし繰り返し聴いたすごくスキな曲です。
ドヴォルザークはチェコの作曲家です。汽車がスキだったそうで、駅の近くで汽車の発着をながめていたりするのがお気に入りだったそうです。
ドヴォルザークは晩年アメリカの音楽学校に先生として招かれ、アメリカで書かれた交響曲です。ドヴォルザークは手紙好きだったそうで、この曲の「新世界より」という副題は、当時「新世界」と呼ばれていたアメリカからの手紙ですよぉ。ってなイミのようです。(ちなみにアメリカに行った当時、ドヴォルザーク先生「写真から受ける印象とはちがう好人物」とか言われたそうな。ほめてんだかけなしてんだか。)
曲は4つの楽章からできています。
第1楽章はあたたかい響きの序奏から情熱的な速い部分に入ります。非常になじみやすい楽章で、初めてきいた時に有名な第2楽章よりこの楽章や第4楽章のほうが印象的でした。
第2楽章に有名な旋律があらわれます。「遠き山に日は落ちて」っていうあの旋律が「イングリッシュホルン」という木管楽器で演奏されます。ここもですが、全体に次々現れてくる魅力的な旋律と、伴奏のアジワイ深い響きをお楽しみ下さい。コントラバスがピツィカート(弦をユビではじく奏法。)で動く上で寂しげな旋律が歌われ、そのウラでクラリネットが「ほにょほにょほにょ」と動くあたりが絶品でいつもこころうたれます。その「ほにょほにょほにょ」に。
第3楽章は「スケルツォ」激しいリズムのこれまた情熱的な楽章です。中間部でいくらかひなびた明るい感じの舞曲がきかれます。
第4楽章は、冒頭が「ジョーズ」に似ている、とよくいわれます。この短い序奏に続いて情熱的で決然としたかっちゅいー主題が現れます。この楽章は今まで出てきた主題が巧みにもりこまれていて、たとえばよーくきいていると、「遠き山に日は落ちて」の旋律の変形があらわれたりします。
ところでこういう曲のせいか非常にロマンティックに演奏されることが多いのですが、ワタシはあまり崩さない演奏のほうが飽きがこなくていいな。っと思っています。名曲中の名曲なだけに様々な個性をもった演奏があります。この曲で、クラシックのダイゴミのひとつである、「聴きくらべ」にはまってみてはいかがでしょーか。でもそうなったらそっから引きかえすのはタイヘンだぁ!ってことに、なるかも?
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