QからSの作曲家

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ラフマニノフ シンフォニックダンス

ラヴェル 弦楽四重奏曲

ライヒ ディファレント トレインズ

レスピーギ ローマ三部作

ロドリーゴ 「アランフェス協奏曲」

シューベルト 交響曲 第3番

シューベルト 交響曲 第9番

シューベルト ピアノ五重奏曲「ます」

シベリウス 交響曲 第1番

シベリウス 交響曲 第6番

ショスタコーヴィチ 交響曲 第5番

ショスタコーヴィチ 交響曲 第9番

ストラヴィンスキー 「サーカス・ポルカ」

ストラヴィンスキー バレー音楽「春の祭典」

スメタナ 連作交響詩「わが祖国」


ラフマニノフ  シンフォニックダンス   マゼール指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団

 ラフマニノフの交響曲第4番などともいわれてしまう作品。第3交響曲の雰囲気を確かにもっていますし。3つの楽章からできています。
 第1楽章は、弦のピツィカートにはじまるシャープなアレグロ楽章。まあゆーたらなんですが、「かっこいい。」です(こんなんばっか)。初めて聴いた時の感想もそうだったし。中間部でテンポをおとして、サキソフォンのソロによるシンプルながらうっつくしーいメロディがあらわれるのですが、これがまあ、作曲者の顔からは想像もできないほどの美しさ!!(なんとゆーヒツレイな表現!)盛り上がって弦にうつるとこなんかもう「さぶいぼ。」でございます。
 第2楽章は、退廃してゆがんだワルツといった感じ。弦によるけだるいワルツ。ちょっと、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」とか、いちじきの日本人作曲家の管弦楽曲をホーフツとさせないでもないか...?
 第3楽章「怒りの日」めまぐるしいアレグロ楽章。リズミカルで情熱的なリズムのやりとり。グレゴリオ聖歌の「怒りの日」の旋律がすこし変形したような主題による。中間部にはけだるいレント。
 全体的にはあまりロシア臭はしないですね。でもラフマニノフらしい。マゼールとベルリンPOは音楽的には相性がイイと勝手に思っています。この演奏でも、ベルリンPOの機能をよくひきだしてこの曲の色彩感をあらわしているとおもいます。全体に速いテンポでリズムが強調された感じ。その分ロシア臭は漂白されてますが。


ラヴェル 弦楽四重奏曲 ヘ長調

 この曲は、室内楽はダメダメな(ぜんぶだめだめぢゃんかと言われればごもっともですが。)ワタシの めずらしい室内楽のおきにいりです。ラヴェルの作品というのはけっこうどれもわかりやすく、(わかりやすい=単純ではないという良い見本。)ききやすい。
 第1楽章 なんかフランスのひとの感じる東洋って感じなんでしょうか?典雅っていうか、メカニカルっていうか、官能的っていうか(かんのーてきもダメダメかも?)そのよーなテーマにのっかって聴いてしまうのでした。
 第2楽章はなんか知的でいて冷たくてそれでいてどこか情熱的な気もするスケルツォ(?)ピツィカートのあらっぽい響きがじつにカッコよい!
 第3楽章はトレ・レント。どっかできいたようなメロディが流れたり流れなかったり、第1楽章の特徴ある主題がゆっくり出てきたり。
 第4楽章は松屋に...(ぎゅうどん。)じゃなかった、松やに(弓に塗るのな。)が飛びちらかりそうな激しい動きで始まります。第1楽章の主題に似たテーマでいそがしく動き回ります。

 ラヴェルのかなり初期の作品。ドビュッシーの弦楽四重奏の影響がどーたらこーたら、というところですがよくわかんないのでした。


ライヒ ディファレント トレインズ  クロノス・カルテット

 どっかのCD店でケースがぶっこわれていたからか1000円でワゴンにつっこまれて売られていたのを助け出してきたヤツです。

 このCDを聴くまではライヒと言えば、ミニマルミュージックのイメージ(ピアノフェイズ、とか、手拍子の音楽とか、ドラミングのような。こちらも面白い。)があったので、ちょっとこれはびっくりしました。
 どんなのかというと、弦のガリガリいう音型にテープによる汽笛のおとと声が入って、弦楽器がその音をなぞるという、ミョーな音楽。第2次大戦中のホロコーストの体験談にもとづくテープの声なども入っていて、まああるイミちょっとシリアスな音楽なワケですが、まあおまけにテープの声や金属音ぽい弦の音や汽笛のケタタマシイ音などの響きの、現代音楽、で、あるけども、叙情的っていうかなぁ、ココロにひびいてくるものがあります。これはあながち題材のせいばかりでもおまへんな。 

第2曲《Europe−During The War》
 を聴きながらの自動車の運転はやめましょう。緊急自動車の接近を感知できない場合があります。(めちゃサイレンの音がはいってる。)あ、結局おうちで聴いてもおんなじか。お隣の火事に気がつかないとか...。

 カップリングのパット・メセニーの演奏による「エレクトリック・カウンターポイント」は、まあ、いかにもライヒって感じの、いい感じのオンガクです。「ディファレント・トレインズ」の悪夢を洗ってくれるかも?


 レスピーギ   ローマ三部作     デュトワ指揮 モントリオール交響楽団
                       バティス指揮 ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団

 いちおう、ローマ三部作というのは「ローマの松・祭・噴水」の3つの交響詩のとりあわせになります。
 いずれもローマの情景(いったことないけど。)を想像したりしてなかなか楽しいですね。オーケストレーションもハデハデでなかなか聴きごたえがあります。

 デュトワがモントリオールを振った演奏は、スコアについてよく読みこんだ演奏で、レスピーギが、「ここんとこここんとこ。ここでぶわーっ」とかなんとかゆったかわかんないけども、オーケストレーションを行う際に狙ったところをきちんと理解して演奏していると思います。にぎやかな場面の色彩感とか、夜のイロッぽさとか怪しさとか。
 この曲をカンペキに録音することはたぶん不可能かな。っと思いますし、このCDもそういった不満はもちろん あるにはあるのですが、総合的にみるとこの盤がイチオシってことでいいかな。と思います。

 一方のバティス盤は、スンゴイことになっています。ほとんどキレかかってる。ローマの祭の冒頭「ちゃらり〜〜どかーん!!
 だけでそのスゴさはわかります。最初コンパクトCDプレーヤーで聴いたときは音が入りきらなかったほどです。吼えまくる金管や喚きたてる木管、手加減ナシのパーカッションというアンバイでして。もうほんとに「タテの線もへったくれ(へったくれって、何?)もあるかい!!」といった感じでズンズン突き進んでいきます。
 いまどきの演奏ではないカンジですが、まあ、ぶちのめされてハイになって意味もなくへらへら笑っちゃうよーな演奏になっています。楽しいという点ではなかなかのもの。
 ヘッドフォンで聴くのはやめたほうがいいかも。耳が「がちゃ」っていうかもしれません。そうなったら耳鼻咽喉科にいかなくっちゃなりませんよぉ。(なんだかよくわからないコメント。)

 他に、ダニエレ・ガッティの美しい演奏や、ロリン・マゼールのぶっ壊れ方ではバティスにまけていない演奏もいかがでしょうか(何が?)


ロドリーゴ アランフェス協奏曲 ウイリアムス(Guit) フレモー指揮 フィルハーモニア管弦楽団

  1900年うまれだったかな?もうすぐ100歳だったのに昨年(1999年)亡くなってしまいました。

 この曲はフラメンコの要素をとりいれているってゆっていますが、この演奏は洗練された美しさがあって、あまり激しさは表にあらわれていません。しかし、オーケストラ、ギターともにとても美しく、これはこれでたいへんシアワセな演奏だとおもっています。ただ、美しいとはいえ、第2楽章のいわゆる「サビ(?)」の部分なんかはかなりちゃんともりあがっていて、ちょっとココロせつない気分にさせられますわな。きもちいい演奏。カップリングの「ある貴紳のための協奏曲」も同じ傾向。なかなかの名演だとおもいます。ジョン・ウイリアムス(スピルバーグに曲つけてる人とは別人)のギターはすんげいテクニックですな。

 曲についても簡単に解説を。
 第1楽章 スペインギターふうのリズムで始まるアレグロ・コン・スピリート。なんちゅーか、アランフェス地方の青い空や木々の姿を作曲者は盲いた瞳の奥に見ていたのだろうかなんちゅってみたりして。明るいがどこか哀愁がただよってみたりする。
 第2楽章 有名な楽章。安っぽいアレンジではなく原曲でちゃーんと聴いてメロメロになるべきなのだ。ギターの激しいカデンツァのあとの弦によるテーマの歌い上げはスゴイですものねぇ。
 第3楽章 一転して明るい風景がひろがってしまう。舞曲風な楽章。ギターは細かい動きをくりかえしてけっこう大変そうだぁ。
 この曲も、「聴けばわかる」明快さをもっていますね。


シューベルト 交響曲 第3番 ニ長調 ヴァント指揮 ケルン放送交響楽団

 とにかくめちゃめちゃチャーミングなシンフォニーです。カルロス・クライバーが振ったわりにはイマイチメジャーになりきれないですのぅ。シューベルト!!って感じの歌にあふれたうれしい音楽。

 第1楽章−序奏のあとのがよっぷじゃなかったギャロップのような第1主題とか、ピクニックのような第2主題とか、深刻ぶったところがなくておもしろいです。ソナタ形式ではあるんだけども、シューベルトらしい。あっという間に展開部は終わる。
 第2楽章アレグレットはゆったり踊るようなほのぼのした楽章。ちゅーても、バレエというよりおゆうぎ会の方が近いかも?この楽章、スゴク好きです。
 第3楽章はやや速めのメヌエット。型どおりですが、中間部、ワルツ風のリズムに乗って歌うオーボエの旋律はおもわずにこにこしてしまいそう。
 終楽章は、プレスト・ヴィヴァーチェ。いかにもフィナーレらしいフンイキ。第1主題につく変なアクセントが妙に印象的。
 シューベルトは、3・5・6・8・9番と交響曲を聴きましたが、いずれも旋律等、魅力的な作品だと思います。
   シューベルトのシンフォニーをこう聴いて行くと、「未完成」はどっちかというと異色なのかもなぁ。と思ってしまうねぇ。

  この第3番の演奏ですが、ヴァントの演奏が群を抜いてると思います。カルロス・クライバーのCDも悪くはないのですが、ヴァント盤のゆったりした味わいがこの曲には似合うと思いますし、歌いまわしの妙なんかもこの演奏のほうがはるかに魅力的だと思います。スケルツォのトリオの装飾音符のしゃれた歌いまわしなど、ほれぼれとききいってしまいます。絶品です。ヴァントはシューベルト好きだったんじゃないですかねえ。


シューベルト 交響曲 第9番 ハ長調 アーノンクール指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

 いつからアーノンクールをいいと思うようになったんだろう…。テルデックから出ているシューベルトの交響曲全集は、ワタシの中でかなりお気に入りのひとつとなっています。管楽器のきれいな響きとか、叙情的な?音楽作りに惹かれます。えっ。全然的外れなことを言ってるかもしれませんが、私にはそのように聞こえます。
 んで、もうひとつ、これは大きな編成でやっているのかどうか知りませんが、ずいぶん分析的なことも、ちゃんとやっているのです。私的に、きっちりスコアを演奏として見せて欲しい作品と言うのがいくつかあって、このシューベルトのハ長調の大交響曲もそのひとつなのです。例えば、この曲の第1楽章。序奏で合の手の十六分音符が刻まれます。芸が細かいというか、偏執的というか…。これ、聞こえてほしいのです。着実に。それから、第1楽章の展開部。シューベルトはこういうことについてはあまり技巧的ではなかったと言われていますね。私には技巧的な面はわかりませんが、なんというネチっこい展開部だろう!!と、いつも感心します。今まで出てきた音形がこれでもかこれでもかそしてまたこれでもかっ!!というくらいに出てきますわな。っていうか、ここで新しい要素は何も付け加えられていないと言ってもいいくらいじゃないでしょうか。ありえないマニアックさ。ホルンの刻みから再現部に入るとほっとするくらいです。
 長々書きました。私もまあ相当ここんとこ好きでネチネチ聴いているってことでしょうけども、この、オトロシイ展開部を、なんでもなくさらり…と、やっている演奏が世間にはやたらと多いのですよ。その点を、アーノンクールはあの悪代官のようなマナザシでもって「えぐえぐ」と抉り出してみせるのです。スバラシイ。そういうと、ただ神経質な演奏のように思われるかもしれませんけども、そうではなく、先に書いたように、叙情的にも聞こえるのです(もっとも私にはアーノンクールのシューベルト交響曲全集を通して叙情的な気がするのですけど)。

 名曲だけにこの、アーノンクール以外の演奏にも、よいものがだいぶありますね。展開部は「わや」ですが、コンヴィチュニーがチェコ・フィルを振ったいくぶんゴツゴツした演奏も好きです。


シューベルト ピアノ五重奏曲イ長調 「ます」   

 ワタクシ、けっこうシューベルトの音楽好きです。なぜかなあ。この曲は名曲中の名曲、ってなものでしょう。第4楽章の旋律は有名…ですよね?あの旋律好きです。この曲、たぶん真剣に向きあって聴いたらちょっとシンドイかもしれませんが、何かしながら、とか聴くのにものすごく気持ちがうれしくなる曲です。レコードで持っているだけの、若い演奏家…カントロフとかがやってるやつかな。それを昔よく聴いていましたが、最近はレコードを出して聴くことがないので、どうだったか忘れてしまいました。今はなんと意外なことにCDを1枚しか持っていません。おおー。ギレリスとアマデウス弦楽四重奏団の。これ、ちょっとギレリスのピアノがキツい感じが最近します。一緒に入っている弦楽四重奏曲14番も、もうちょっといろんな表情があっていい気がするし、もうすこしいい演奏を探すべきかなあ。

 この「ます」の五重奏曲は、昔から聴くたびになんだか「ゲイジュツ」とかいう感じより、音楽が好きな人たちがお休みの日の午後に集まって、楽しみながら演奏しているような音楽のような気がするのです。もしかすると演奏する時は演奏者の中で厳しい練習やなんか、あったかもしれない。でも、聴いている限りではみんなで集まって気楽な仲間で楽しくやってます。みたいな感じがするのです。シューベルトの曲の中には内輪の演奏用に書かれたものがるようですが、これもそうなんですかねえ?そういうのは詳しくなくてわかりませんが…。


シベリウス 交響曲 第1番 ホ短調  カム指揮 ヘルシンキ放送交響楽団

 シベリウスの。この作品の前に「クレルヴォ交響曲」というのがあります(長いけど叙情的な作品)。この、第1番の交響曲は、よくチャイコの影響について言われるみたいだけど、どーなんだろう?そーすっとこれより以前に書かれた「カレリア」とか「フィンランディア」もチャイコフスキーっぽいとでもいうのか?そこんとこどーなんでしょー?えっ?とかいう意見もあるわけですがまあ。ドイツロマン派の影響は感じるけども。
 シベリウスの交響曲の中ではもっともわかりやすいひとつだと思います。よく第2をシベリウス入門とするヒトがいますが、こっちのがわかりやすい気もするなぁ...。(ワタシはこっちからでした。)
 第1楽章はクラリネットのひとりがたりのあるアンダンテの序奏から雄大でうつくしいアレグロ・エネルジーコへ。全体にロマンティックで難解なところのない楽章。
 第2楽章は瞑想的な?美しい楽章。静かなメロディが流れる。のでヒタヒタとひたっていればよろしいかと。中間部で冒頭のメロディが情熱的に変形されてもりあがりますが、ふたたび静かになって終わります。白夜のタソガレってカンジですか?みたことないけど。
 第3楽章は、弦のキザミの上にティンパニが力強いテーマを出す印象的なスケルツォ。この感じはどっかで聴いたゾと思うけれども思い出せない。中間はゆったりとなってホルンがうたう。うたったりします。
 第4楽章は幻想曲ふうに。悲劇的な序奏のあとやっぱりちょっと劇的な主題が出ます。テンポがけっこう変わり、劇的に幻想曲風にすすみ、最後は悲劇的にもりあがりますがはかなげに終わります。(なんでしょう)
 カムとヘルシンキ放送交響楽団のCDは、シベルウスじゃないシベリウスのシンフォニーってどんなんだろ。と思っていた頃に廉価盤ででていたので買ったヤツですが、当たりでした。よく歌う演奏で、この曲の若い感じをよくあらわしているなぁ。と思う今日このごろ。でした。


シベリウス 交響曲 第6番 ニ短調  ザンデルリンク指揮 ベルリン交響楽団

  シベリウスの交響曲のなかではわりと親しみやすくてまたいかにもシベリウスらしい作品じゃないかと。不思議なフンイキというか、透明感をもった曲ですねー。
 冒頭、なーんとも美しい序奏。なんに例えればいいのかよくわかんないけど。北の国の空気っていうのはこんな感じだろうか?はてさて。(私の住んでるどこもジュウブン寒いが、さむさのレベルが違うし。オハヨウが凍るんだもんね。←??)
やがてアレグロ・モルト・モデラートの主部にはいります。ここは流れていくきれいな水の中をまっすぐに泳いでいくサカナを見るような感じ。イキイキと呼吸する美しい音楽。
 第2楽章はティンパニのロールに続いて管楽器によるうた、弦のメロディがきこえてきてこの二つがいろいろになってでてくる。いくぶん民俗的なフンイキさえただよってみたりするのでした。アレグロ・モデラートの指定があり、緩徐楽章とはいえけっこういそがしいのでした。とーとつに終わる。
 第3楽章はスケルツォ楽章ってことでしょう。この曲にはめづらしく金管楽器がはたらく。
 終楽章はやっぱし弦による美しい響きで始まる。木管楽器とのカケアイ。シミジミと美しいねぇ。主部はいきいきとして情熱的でさえあるアレグロ。最後はテンポを落として静かに終わってく。
 この曲は全体に静かで、透明、美しいフンイキをもっています。この曲を知ったのがそんなにムカシのことではなくって、じつはCDはこのザンデルリンク盤しか持ってないのですけども、けっこうよろしいんじゃないかと。他の、オナジミ第1番第2番あたりの演奏の傾向から察するに、たぶんいくぶん骨太の、あまり輪郭をぼかさない行き方の演奏なんじゃないかと。よくわかんないけど。第2番とかは、カラヤン盤よりザンデルリンク盤のほうがずっと気に入ったんだけども、どうかなー。


ショスタコーヴィッチ 交響曲 第5番 ニ短調 ビシュコフ指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 ロストロポーヴィチ指揮 ワシントンナショナル管弦楽団

 ムーティの代役でビシュコフおまゆげ大魔王様がベルリンフィルを振った時のこの曲の演奏にはえらくぶっとびましたよ。まだこんな演奏をする人がいるのか!!(色変えたが効果なし。)という感じでした。このときはリハーサルもあんましできなかったらしいのに、ビシュコフがテンポをいじくりまっくって、サスガのベルリンフィルがめろめろになってるというハラハラ感もあり、凄絶な演奏でした。
 その後、ベルリンフィルからの希望でレコーディングをした。というコトで買ってみたのですがさっすがベルリンフィルのご面々。なれちゃってますね。迫力の点では70点くらいになってしまいましたが、この演奏の特異性はなくなっていませんねぇ。2楽章のスケルツォが特にすごくて、ところどころ止まりそうなほどテンポをうごかしています。1楽章、4楽章も地響きのような金管や叫ぶ木管など、イマドキの演奏とはちょっと思えません。(かさねてライヴの時はベルリンフィルとはちょっと思えなかったが。)かたすとろひーでございます。(わたくし現代用語の基礎知識とか買った方がよい?)
 この人がパリ管と来た時に聴きにいきましたが、顔に似合って濃いい演奏だったのをよく覚えているなぁ。
 ロストロポーヴィチのは、奇をてらうことなくじっくりやっています。テンポもそんなに変わらない。ビシュコフとは全くちがった行きかたなのですが、この交響曲のたしかなディティールが見えてきて、それはそれで感動しました。      


 ショスタコーヴィッチ 交響曲 第9番 ニ短調 ヤルヴィ指揮 スコティッシュ・ナショナル管弦楽団

 この曲は、ショスタコーヴィチのファンのひとにはたまんない一曲ですね。
 ごぞんぢの方はごぞんじだしご存知でないかたはご存知でないでしょうが第1楽章がとくにユーモラスで、ディヴェルティメント的な作品です。トロンボーンの「ばっびょーん」ていうのがなかなか。ショスタコーヴィッチ自身がそう言ったとか言わないとかですが、ショスタコの交響曲である以上、そこここに不安や怒りなどのメッセージが聴きとれるはずだと思います。(親交の厚かったザンデルリンク氏もそういっていたしね。)
 この曲もやりようでいくらも甘くも辛くもなるんじゃないかな?ヤルヴィのこの演奏は、わりあい端正にしあげているだけのようで、そのなかからほのかにそういったニオイをさせることに成功している気がします。(そゆーことをヤルヴィが意図したかどうかはわかんないけど。)「2人でお茶を」のショスタコーヴィチ版アレンジなんかがカップリングになっているところをみると、見当違いな感想なのかな・・・?

 あと、フロール/ベルリン交響楽団も意外によかったっす。これもけっこう気に入っています。
 この曲、ショスタコーヴィチの交響曲の中ではかなり高い人気と評価を受けている方だと思いますが、初演当時、そういう曲になるなんて思われもしなかったでしょうねぇ。音楽の評価というのは...。とかなんとかいっちょまえにかんがえちまうずぇ。

 追記。あのねぇ。これのカップリングのショスタコーヴィチ「祝典序曲」は私の持っているCDの中ではダントツの超名演だずぇ!かっこいいっ!


ストラヴィンスキー  「サーカス・ポルカ」 バティス指揮 ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団 

 まあポルカだし、短い作品ですが。サーカスの小象のために書かれたとかいうかわいらしい曲です。吹奏楽版がオリジナルなので念のため。(こちらは聴いたことがないんですよねぇ...。)むかしケーゲル氏がNHK交響楽団を指揮して演奏したのを聴いて、いっぱつで気に入ってしまいました。(その頃の趣味に合っていたのかも?)
 おおよそメロディらしいメロディもなく進んでいくあたりがいかにもストラヴィンスキーという感じですが、木管楽器や低音の金管楽器などが主体で、なんだかほのぼのしたフンイキです。最後の方ではシューベルトの軍隊行進曲が華やかに(ちょっとユーモラスでもある。)引用されています。
 ほんとははじめて聴いたNHKとのケーゲルの演奏がスキなのですが、(ケーゲルはけっこうお気に入りの曲だったんじゃないかな。CDもでていました。今あるかはわかんない。)もちろんLPにもCDにもなっていませんから、手に入りにくいけどもとりあえずいま個人的に注目の熱血指揮者エンリケ・バティス盤(ASV)をあげておきます。っていうか、この曲のCDをさがすこと自体けっこう大変なのかも?あまり見かけない気がしますが。


ストラヴィンスキー バレー音楽「春の祭典」 ブーレーズ指揮 クリーヴランド管弦楽団 
                     ストラヴィンスキー指揮 コロンビア管弦楽団

 バレー音楽って書いてみました。なんかバレーっていうといっきにコートの中ではわりと平気だっておんなの子(イミ不明。)って感じになったりするのですが、かの吉田秀和氏が「バレー」ってゆったほうがいいかしらん。とゆっていたもんで書いてみました。ゆうじゅうふだん。
 さてと誰にも若き日において共通して若気の至りみたいなことはあるもんでそんときはカッコ良いと思ってやったのにとかあるいはあんときあんなことをワタシはしてしばった!!てなことを草木も眠るウシミツどきごろに「ふ。」と思いいだし、がば!とフトンの上に起きあがり「にゅをぉぉを!」てな叫びをあげてしまうことがあったりまたそしてなかったりするであろうとおもはれます。かくいうワタクシもそういうことがございました。「ございました」って過去形で書くのは最近はづーづーしくなってきたってーか、トシのせいか、「ムカシはそういったこともございましたのぅ」って感じになりつつあるからですあぁオトナってヤダヤダ。
 なんでこのやうな前置きがつくのかっていうとですねまあ大体ご想像はつくとおもいますがこの「春の祭典」も若い頃に必ずハマるいわば「ハシカ病」みたいなもんだ、ってことを言いたかったわけです。
(違う。)ワタシも高校生の頃よりこの曲にハマり、いろんなディスクを買い求めたりしました。そんな中でいま割とよくとりだして聴くのがこのブーレーズ盤とストラヴィンスキー盤です。
 ワタシは知るひとゾ知る(だれが?)大太鼓マニアですからして、この曲の中で鳴る大太鼓(バス・ドラム)は、「ずん!」とオナカにひびいてこないとやなんですねー。けっこう名盤の誉れ高い中にも妙に軽い演奏がありますが、この演奏ではバスドラが「ずん!」ってゆっていてオヘソのあたりに切りこんでくる快感があります。パートの分離もかなりのもんで、クリーヴランド管弦楽団の本領発揮って感じですね。ただ、ハルサイまでクリアーに聴かせる手腕が逆に妙な感覚を抱かせるってとこもないではないけんども...。
 ストラヴィンスキーの自作自演盤は「ツマンナイ」っていうひともなんかいるみたいですが、妙にそっけない乾いたアジワイのくせして今にも崩壊しちゃいそうな雰囲気を併せ持っていてオモシロイです。

 この曲はフランス音楽の流れの上にある曲で、っていうひとがいまして、まったくそのとおりだと思います。火の鳥あたりはどうかなって思いますが、ペトルーシュカやこの曲あたりは、ロシアの大地の云々っていうのはちょっとチガウように感じますね。


スメタナ 連作交響詩「わが祖国」  ビエロフラーヴェク指揮 チェコフィルハーモニー管弦楽団 

 この一連の交響詩の中では、「モルダウ」ばっかしが有名ですが、他の曲もそれぞれとても良い!!ので聴かなくちゃあソンです。「モルダウっていい曲だよねー」なぞとゆっているアナタ!!聴きなさい!!すけさんもかくさんもみんなも社長さんも聴きなさい!!(ちょっと錯乱中?)

 第1曲「ビシェフラト」(高い城)
 ハープによる美しいソロではじまる。だからはじまるからね。とにかく聴けばわかるから。って、それじゃあハナシになりませんねぇ。冷静にならなきゃいけません...。
 「モルダウ」の最後のところに出てくる旋律をハープがゆったりと奏きます。うつくしーこと。ここに描かれた「高い城」のすがたは知らねども、それはさぞさぞ高貴なオスガタであろーと想像してしまいます。ぞ。

 第2曲「モルダウ」
 言うまでもないあの曲です。言うまでもないっていうか聴いたことないなんてヒトがいたらかならず聴くこと!!単独で聴くにはカラヤン/ウイーンフィル、セル/クリーヴランド管などが絶品です。「ここしばらく聴かんなぁー。」なぞとおっしゃっている方もいますぐ聴きましょう!(ムリヤリだなぁ。)

 第3曲「シャールカ」
 ちょっと忘れちゃったけどフクシューのためにオトコのひとを殺してしまうコワイ女性のオハナシ。(すごくいいかげんなことを言っている気がする。)激しい音楽からはじまり、おちついたリズムのいー感じの曲調になります。まんなかへんは明るい曲調の民族舞曲ふうの部分があり、それがしだいに静まると、いよいよフクシューの血の雨が降るのであった!!!(ホントかよ!?)

 第4曲「ボヘミアの牧場と森から」
 ボヘミアの牧場や森を思わせる郷愁や美しさに満ちた音楽。(そのまんまですなぁ!)すごく好きですね。音楽の森林浴っていうか、自然の風を楽しむっていうか。まあきいてみてね。とにかく聴けばわかるから。(だからそれじゃだめだって...。)

 第5曲「ターボル」
 ここんとこからあとの曲はあとからの付け加えで書かれたものらしく、ちょっと感じが違います。
 宗教戦争だっけ(よくわかんない)抑圧された時代を書いたものということで、重苦しい雰囲気ではじまり、全体に緊張感がただよっています。

 第6曲「ブラニーク」
 第5曲の続き、みたいな感じの曲。第5曲の冒頭の引きずるようなリズムがいきなり威嚇的にあらわれます。ご、じゃない、が、この曲では抑圧からの開放を描いていて、最後は輝かしく終わります。めでたしめでたし。

 この曲はいまんとこ「ぜんぶ文句なし!!」っていう演奏はさすがにありませんね。最近わりと聴いているのはレヴァインがウイーンフィルを振ったものですが、ちょっと劇的に過ぎるとこが難かな。この演奏、トライアングルの音がすーごくいい!!!あんなの欲しい!!高価いんだろーなぁ、きっと...。(脱線しまくり?)とか、ゆうておりましたが、最近このレヴァイン盤、「モルダウ」後半でシンバルがオッコチまくっているのに気がつきましてん。いままでなにを聴いていたのか!!あるイミみごとなオッコチようなもんで聴いてみる価値ありかも?(ないって。)

 えーっと、有名なクーベリックのCDを聴いていないのでなんとも言えないのですが、今持っている(けっこうあるよ)CDの中でいちばん好きなのはかなりオーソドックスな表現をしているという感じのビエロフラーヴェク盤です。スプラフォンの録音は割と「もや」っとしているイメージがあるのですが、このCDは楽器の音がわりとクリアで、表情の移り変わりが美しく感じられる気がします。ただ、これだけの曲となるとどこもかしこも納得!っていう演奏はないですね。モルダウ単独だとセルなんか凄い演奏だし、カラヤンもよいと思います。ただ、あのレヴェルで全曲やられたらうげーってなりそうな気もするけど…。

ドラティ盤、ベルグルント盤あたりも堅実でよい演奏をしています。ちょっとどうかと思うけど面白いのはダヴァロス盤。アーノンクール盤は私にはよくわからなかったです。シャールカはよかった。


もどります。

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