とあるバー。
鷹山と薫が飲んでいる。
そこへ勇次がやって来て席に座る。
「お別れは済んだのか?」
「ああ。」
バーテンがいつもの酒を勇次の前に置いていく。
「…オレさ、あの家に行くと無条件に暖かくってさ、ほっとできたんだよね。」
「俺の隣じゃ、安らげないって訳ね。」
「安らげる訳ねぇじゃねぇか(笑)。」
鷹山の軽口に、勇次は少し気持ちが軽くなるのを感じる。
「でも良かったじゃないか。父親の気持ちも十分に味わえたんだろ?」
「なんか不思議な感情だったなぁ。守ってやってるんだけど、逆に守られてるような、そんな感じ。」
「大下さんは寂しがり屋さんだったのね。
んもう、言ってくれればいつだって、薫ちゃんが暖かいハートで包んであげるのにぃ!」
「薫のハートは、高くつきそうだからな(苦笑)。な、勇次?」
「ああ、そうだな。大変なことになりそうだ(笑)。」
薫がプーとふくれる。
「何よぉー!人がなぐさめてあげてるのにぃぃ!!」
(完)
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