[6]

みゆきはいきなり目の前に兵吾が現れて驚いた。
一瞬言葉の無かったみゆきだが、頭の中で”目の前に兵吾がいる”ということを理解できると、
様々な感情が沸き起こってきた。

「兵吾くんっ!どこに行ってたの?!心配したんだよ!!」
みゆきは兵吾の両腕を掴んで、まくしたてるように話し掛けた。
そのみゆきの勢いに、兵吾は驚いて一歩後ずさった。

「ちょ、ちょっと、待って。」
「?」
「君は何か勘違いしてるよ。俺は、”兵吾”って人とは違うよ。」
「何言ってるの、兵吾くん?」
「俺はシンジって言うんだ。悪いけど、人違いだよ。」

そう言うと兵吾はみゆきから離れて歩き出そうとした。
みゆきは慌てて兵吾の腕を掴んだ。
「どうしちゃったのよ、兵吾くん!
 お母さんだって、西崎さんたちだって、もの凄く心配して、探してるのよっ!」
兵吾は立ち止まって、困った表情でみゆきを見つめた。
みゆきの顔を見ても、兵吾は何も思い出せなかった。
「ごめんね。本当に違うんだよ…」
兵吾はそう言って、みゆきの頭をポンポンと軽く叩いた。

と、その時、公園の反対側からさやかの悲鳴が聞こえた。

兵吾はその声に素早く反応して、みゆきを振り切ると、声のした方に走り出した。


兵吾がひらりと公園の出入り口の柵を飛び越え、さやかのアパートの前に来ると、
さやかがチンピラ風の男2人ともみ合っていた。男たちはさやかの持っている鞄を奪おうとしていた。

「やめろっ!!」「あっ!シンジ、助けてっ!!!」
兵吾は男たちに殴りかかった。
男たちは兵吾に応戦してきたものの、怒りに身をまかせた兵吾には勝てずにのされてしまった。
兵吾は男たちを殴り倒すと、さやかの手をとり、その場から走って逃げ出した。


西崎と工藤は、ちょうど兵吾とさやかがその場を去った後に、さやかのアパートに到着した。

「うわぁ、こいつら何なんでしょうかね?」
ボコボコに殴られ、地面に倒れている男たちを見て工藤がつぶやいた。
「まあ、カタギの人間じゃないな。工藤、こいつら頼む。俺は、中見てくる。」
そう言うと西崎は、さやかの部屋へと向かった。

インターホンを鳴らすが、応答はない。さて、どうしようか、と思った時、隣室の住人が顔を出した。
「山中さんのお知りあいの方?」
「あ、いえ、ちょっと用事がありまして…山中さんお出かけみたいですね。」
「ここ2,3日見かけないわねぇ。でもね、エアコン、つけっぱなしなのよ。
 夜中とかうるさくってね。山中さんに会ったら、言っといてくれる?」
そういうとその住人は部屋に引っ込んでしまった。
西崎は何か引っ掛かるものを感じ、管理人に部屋を開けてもらうことにした。
工藤もパトロール中の警官に男たちを預け、西崎と一緒に部屋に入った。

部屋を開けた途端に、部屋の異常な寒さに2人は驚いた。
「うわっ、寒すぎますよね。つけっぱなしで出かけちゃったにしても、すごいな…」
西崎は黙って部屋の中に進み、寝室で男の死体を見つけた。
「!」
遅れて死体を見た工藤も驚いた。
「うぉっ!!」
「工藤、すぐに本部に連絡!」
「はい、わかりました!」

男の身元はすぐにわかった。黒川シンジ。あの部屋の住人、山中さやかの恋人だった男だ。
そして、強盗事件の犯人であることも判明した。
シンジの遺体が発見されたのと同じ頃、サトシとワタルが検問にひっかかり、捕まったからだ。

「…シンジがさ、さやかひっかけて、あの会社にいつ金が入るのか聞き出したんだよ。」
「お前らが盗んだのはいくらなんだ?」
「…6000万」

そして、さやかのアパートの前に倒れていた男2人は、例の暴力団の人間であることもわかった。

広域本部にみんなが集まった。

「…それじゃあ、あの倒れていた男たちは、組から山中さやかを探すように命じられていたって訳ね?」
「はい。あいつらの話だと、今回の事件に山中さやかが関係してるんじゃないか、と疑って、
 ずっと部屋を見張っていたっていうんです。」
秋本の言葉をさくらが引き継ぐ。
「それは当たっていた訳で、山中さやかはあの会社に定期的に大金が入ってくると言う情報を
 恋人のシンジに流した。その情報を得た、シンジ、サトシ、ワタルの3人は6000万円を奪った。」
工藤が続く。
「ところがその後、シンジと連絡がとれなくなり、サトシとワタルは、
 シンジが金を持ち逃げしたと思っていたみたいです。」
「ところが、黒川シンジは死んでいた…」
玲子のつぶやきに答えるように西崎が報告する。
「サトシたちはさやかにも会って、シンジの行方を確認したようですが、さやかも知らないと答えたそうです。
 だから、まさかシンジが死んでいるとは思ってもいなかったみたいです。」
「アパートの前に倒れていた男たちによると、山中さやかは鞄を持っていたそうです。
 恐らくは金は彼女が持っているんでしょう。
 それと、彼らは山中さやかから”シンジ”と呼ばれていた男に殴られたそうです。」
杉浦の報告に玲子が疑問を口にした。
「どういうことかしら?”シンジ”が2人いるってこと?まさか、高見さんが・・・」

その時、玲子の携帯がなった。

「はい、根岸。…あ、みゆきぃ…」
「お母さん、兵吾くん、見つけたよ!」
「えっ!本当?!」
「でもね、変なの。兵吾くん、自分は兵吾って名前じゃない、人違いだって言うの。」
「どういうこと?」
「私にもわかんないんだけど、私が兵吾くんを間違える訳ないもん。あれは絶対に兵吾くんだよ。」
「それで、みゆき、今、どこにいるの?」
「その兵吾くんがね、兵吾くんのことを”シンジ”って呼ぶ女の人と隠れているビルの前。」
「えっ!!」
「よくわかんないんだけど、兵吾くんが、その女の人にからんでた男の人たちを殴った後に、
 2人して逃げるように走って行っちゃったの。だから、私も必死になって2人の跡を尾けたんだ。」
「ちょ、ちょっとまって、みゆき…」
「私、今から中に入ってみるから。」
「みゆき!待ちなさい、みゆきぃっ!!」

玲子の制止も聞かず、電話は切れた。
玲子は広域隊のメンバーに向かって叫んだ。
「山中さやかと高見さんは理由はわからないけど、一緒にいるらしいわ。
 今、みゆきがその場所にいるらしいの。至急現場に向かってください!!」

 

あと、もう少し…(^_^;)

 

[7]

建設中のビルの一室。
まだコンクリートが打ちっぱなしで、窓もなく、フロア内には資材が積んだままだ。
週末で工事人たちの姿はない。

さやかのアパートの前から走りに走って、兵吾とさやかはこの中に逃げ込んだ。
息を切らして壁にもたれて座り込む2人。

「ありがとう、助けてくれて。」
「…俺、さやかがあいつらに襲われてるの見たら、なんだか頭に血がのぼっちゃって、
 気付いたら、殴りかかってた…」
「うん、すごい、カッコよかったよ。シンジは、ケンカ、強いのね。」
「そうなのかな…。なんか勝手に体が動いてた。」
兵吾は自分の両の手のひらを見つめ、つぶやいた。
「人を”殴る”なんて……、俺、そんなこと、よくしてたのかな。…やだな。」
”自分がケンカをした”ということに、とても驚いて動揺した兵吾は泣きそうな感じで言った。
「…私と出会う前はわからないけど、きっと、誰かを守る為、とか、
 仕方のない状況でケンカしてたんじゃないかな?」
さやかは兵吾の顔を覗き込むようにして言った。
「さっきだって、私を助ける為でしょ?私、とっても嬉しかったよ。」
兵吾の気持ちを落ち着けるように、さやかはやさしく囁き、そして兵吾の腕にもたれかかった。
「あなたに、また助けてもらっちゃった…」

さやかは自分の手を兵吾の腕にからめ、手を握った。
お互いに寄りかかるように、足を投げ出して座り込んだまま、2人はしばらく黙っていた。
そうしている内に、乱れていた呼吸も落ち着いてきた。


兵吾は気持ちが落ち着くにつれ、先ほどの少女のことを思い出していた。
自分のことを”ヒョウゴ”という男ではないかと言っていた女の子。
(カワイイ感じの子だったな…)
何故だかは判らないが、少女のことを考えると、何か暖かいもので心の中が満たされていくような感じがした。
違うと言っているのに、食い下がっていた姿が浮かんだ。
(案外気の強い子なのかな。母親に似て…)

え?俺、今、何考えたんだろう……?

さやかは、とても穏やかで幸せな気分に浸っていた。
早くこの場を去りどこか遠くへ逃げなければいけない、ということはわかっているが、
こうして自分を本気で守ってくれる男と、ただ静かに寄り添っているという時間も何ものにもかえ難い。
(今まで生きてきてこんなに穏やかな気持ちになったことがあったっけ?)
これまでに関わりのあった男たちは皆、本気で自分を愛してはくれなかった。
いつも、いっつも、男たちはさやかを利用し、裏切ってきた。
兵吾のようにさやかのことを無償で心配してくれる男などいなかったのである。
あともう少しだけ、もう少しだけこのままで、と、さやかは兵吾の腕に寄りかかりながら思っていた。


コトリ。
さやかが浸っていた静寂な空間を破る音がした。
ビクっとなる兵吾。
さやかは立ち上がり、音のした方へと向き直った。

「誰?!」

さやかが声をかけると、みゆきが姿を現した。
「君は…」
兵吾はみゆきの姿を見て驚いた。
みゆきはゆっくりと2人に近づいた。
「ひょうご、くん…兵吾くんだよね?」
「何言ってるの、あなた!」
「この人は”高見兵吾”ですよね?」
「違うわよ!!なんだか知らないけど、どこかに行って!」
さやかはすごい剣幕でみゆきに怒鳴った。
でも、みゆきもそれに負けていなかった。
みゆきには確信があったのだ。今、目の前にいるのは”シンジ”などという男ではない。
高見兵吾−−−自分の父親に間違いない。間違えるはずはないのだ。

さやかとみゆきは睨み合うような形になっていた。
さやかは兵吾の前に立っている。
それは兵吾を庇っているようでもあり、目の前にいる少女に兵吾を取られまいとしているようにも見えた。

兵吾はさやかの肩に大丈夫というように軽く触り、一歩前に出た。
みゆきの目の前に立ち、兵吾はやさしく話し掛ける。
「ごめんね。俺は”ヒョウゴ”て人じゃないよ。」
「嘘よ。」
「嘘じゃない。俺はシンジって言うんだ。彼女がそう教えてくれた。」
そう言って、兵吾はさやかを振り返り、ニコッと笑った。

「教えてくれた?それ、どういうこと?」
みゆきは疑問を口にした。
「シンジ、早く行こう!」
さやかは早くこの場を立ち去りたかった。が、兵吾はみゆきに話し始めた。

「…俺はね、崖から落ちたショックで、どうやら記憶をなくしてしまったらしいんだ。
 でも、彼女、さやかがね、ずっと側にいてくれたからパニックにならずに済んだ。
 俺はね、彼女の恋人のシンジなんだっていうことも教えてくれたんだ。」
兵吾は本当にさやかに感謝の気持ちを表して言った。
だが、これでみゆきもようやく状況を理解することができた。

みゆきの中に、ふつふつと怒りが湧いてきた。それはさやかに向けられたものだった。
「…あなた、一体どういうつもりなんですかっ?!」
みゆきはさやかを睨んで言った。それから兵吾の方に向き直り、兵吾の腕を掴んで言った。
「あなたはシンジなんて名前じゃないの。た・か・み・ひょ・う・ご。これがあなたの名前だよ。
 …ねえ、私のことも忘れちゃったの?」
みゆきは、少し涙ぐみながら、真っ直ぐに兵吾の目を見つめた。

兵吾は動揺した。こんなに真剣に訴えかけてくる少女の瞳を見詰め返す。
だんだんと頭の中が混乱してきた。
(俺、俺は一体−−−)
その時、兵吾の霧にかかったような頭の中に、うすぼんやりと何かが浮かんだ。
それは、兵吾が誰かと腕を組んで楽しそうに歩いている姿だった。誰と一緒にいるのかはハッキリしない。
ただ兵吾自身がとても楽しくて嬉しい気持ちでいることはわかった。
兵吾は腕を組んでいる相手をやさしく、とてもいとおしい気持ちで見つめている…。

「大丈夫、兵吾くん?!」
急に頭を抱えてしゃがみこんでしまった兵吾にみゆきが心配して声をかけた。
兵吾は目を閉じて、苦しそうな表情をしている。
みゆきは兵吾のことを心配そうに見つめていた。と、急に誰かに腕を引っ張られた。
「きゃっ!」

それはさやかだった。
さやかはみゆきの腕を引っ張り、まだ窓ガラスもはめ込まれていない窓辺へと引きずるように連れていった。
「痛い!何するんですか?!離してください!!」
みゆきは抵抗してさやかの手を引き剥がそうとするが、もの凄い力で腕を掴まれていて、離すことができない。
よろけながらも、窓辺へと連れてこられてしまった。
「あたしの邪魔をしないで…」
さやかはうめくようにつぶやくと、みゆきを窓枠から外へ突き落とそうとした。
「ちょっと、止めてください!いや、止めて!!」
みゆきは必死に抵抗するが、さやかに首を絞められ、上半身を窓枠から外に押し出されそうになっている。
「い、や・・・・・やめて・・・ひょ、兵吾くん、たす、けて・・・」
喉を押さえつけられ、苦しそうに兵吾に助けを求めるみゆき。
兵吾はまだ頭を抱えてしゃがみこんだまま、自分の混乱と戦っている。
さやかとみゆきの動きに気付く余裕がない。

みゆきは必死にさやかに抵抗し、なんとか兵吾が気付くようにと大きな声を出した。
「…た、すけて…助けて!……おとうさん!!」

 

[8]

タスケテ、オトウサン・・・

兵吾は、恐らく過去に自分が経験したのであろう映像が
ものすごい早回しで頭の中で浮かんでは消えていくのに、目が回りそうになり頭を抱えていた。
それは目を閉じても止まらなかった。
と、そこに、みゆきの声が聞こえた。
兵吾の神経はその声の方に集中し、兵吾は目を開くことができた。

ゆっくりと辺りを見回すと、みゆきがさやかに窓から突き落とされようとしている姿が目に入った。
慌てて兵吾は2人のもとへと向かった。
「やめろっ!何してるんだ!!」
さやかを力ずくでみゆきから引き離す。
みゆきは力が抜けて床に膝をつき、さやかにノドを絞めらていたせいで、激しく咳き込んだ。

「ゴホッ!!・・・ゴホッ!!!・・・」
「大丈夫か?」
兵吾はみゆきの側に駆け寄った。

さやかは、兵吾に床に弾き飛ばされて一瞬呆然としていた。
が、手近にあった鉄パイプを見つけるとそれを掴み、立ち上がった。

兵吾はみゆきを軽く抱きかかえ、やさしく心配そうに背中をさすっっていた。
さやかはその2人めがけて鉄パイプを振り下ろした。
兵吾はギリギリのところで気配に気付き、みゆきを突き飛ばして鉄パイプを避けた。
さやかの狙いはみゆきではなく兵吾になっていた。
工事中の足場の悪いフロアを逃げる兵吾。それを追うさやか。

「待て!やめろ!そんなの振り回してたらあぶないじゃないか!!」
「…どうして?!いっつもいっつも私のこと裏切るの!どうしてぇー!!」

兵吾の声はさやかの耳には届いていない。さやかはもう兵吾を見ていなかった。
兵吾が自分以外のみゆきにやさしく接したのを見た時、
今まで感じたことのない幸福感がもろくも崩れるものだと感じた時、
さやかの中で何かが壊れた。

さやかは何度も何度も兵吾に向かって鉄パイプを振り下ろす。
兵吾はそれをよけながら必死にさやかを説得しつづけた。
みゆきも咳き込んで倒れこんだままだが、目は2人を追っていた。
みゆきは力を振り絞り、ヨロヨロと2人へと近づいていった。

さやかは兵吾をフロアの中央まで追い詰めた。
そこは、ちょうど1階から4階部分まで吹き抜けとなるロビーの位置にあたり、ぽっかりと底が抜けていた。
完成すればロビーが見下ろせるように上から下までガラスで仕切られることになる。
が、当然まだガラスはセットされておらず、ゆるくロープが張ってあるだけである。
さやかは立ち止まった兵吾を鉄パイプで殴ろうとした。
兵吾はその鉄パイプを掴み、さやかと押し合いになる。
「やめろ!こんなことして何になるんだっ!目をさませっ!!!」
「うるさいっっ!!!」
さやかは兵吾の手を鉄パイプから外そうと必死になって鉄パイプを引っ張った。
兵吾も鉄パイプをさやかから取り上げようと力を込める。
平常時のさやかであれば、当然、兵吾との力の差は歴然である。
だが、今は普通では出せないような力を出して兵吾と対等であった。

みゆきが2人の側までやってきた。
「…おとうさんっ…」
みゆきはかすれた声で兵吾に声をかけた。
さやかが一瞬みゆきを気にした時、力のバランスが崩れた。
兵吾の引っ張る力にさやかが負け、引きずられる。
その時さやかは足元にあった工事資材によろけ、鉄パイプから手を離してしまった。
兵吾も急にバランスが崩れ、体制を立て直そうとしたが、そのまま床に開いた穴の中へと落ちてしまった。
「うわっ!」
「お父さん!!!」
みゆきは慌てて床に開いた穴の所へ行き、下を覗きこんだ。
階下では兵吾が仰向けに倒れている。身動きひとつしていない。
みゆきは側にいたさやかを突き飛ばすようにして、階下へと急いで向かった。

ひとりその場に残されたさやかは、這うようにして穴の側へと行き、下を見下ろした。

 

あれ、終わんないなぁ…(^^ゞ でも、あとほんの少しですから…
それにしても、工事現場って、こういう時、必ず鉄パイプが転がってますよね(苦笑)。

 

[9]

みゆきからの連絡を受け、広域隊のメンバーは山中さやかのアパートを中心に、
周囲の建設中の現場を捜索していた。
みゆきは気が焦っていた為、きちんと場所を玲子に伝えていなかった。

西崎とさくら、工藤と秋本、杉浦と玲子に分かれて動いていた。

玲子は初め、真っ先に飛び出していきたい気持ちを抑え、本部に残ろうとした。
が、それを杉浦が諭した。
「課長、こんな時まで’課長’でいなくてもいいんじゃないでしょうか。
 高見とみゆきちゃんに危険が迫っているんですよ。我々と一緒に捜しに行きましょう。」
「でも…」
「課長!ここは私が居ますから。何かあればすぐに無線でお知らせしますから、行ってください!」
ためらう玲子の背中を押したのは正美だった。
「正美ちゃん…」
玲子は感謝の表情で正美を見つめた。正美も玲子を安心させるかのように笑顔で返した。
玲子の心は決まった。
「それじゃあ、ここお願いね。」
「はい。」
玲子は振り返って杉浦の方を見、頷いた。杉浦も頷き返す。
「課長、急ぎましょう!」
杉浦に即されて玲子は鞄を掴んで小走りに部屋を出た。
廊下を走りながら玲子は杉浦に礼を言った。
「杉浦さん、…ありがとう。」
「礼なんかいりません。
 大切な人が危険な目に遭おうとしているって時に、’刑事だから’なんてこと関係ありませんから。
 それよりも一刻も早く、2人を、そして山中さやかを見つけ出さないと。」
「そうね。」


西崎とさくらの乗った覆面車が、ある工事中のマンションの前に停まった。
これで3件目の工事現場になる。

「ここでしょうか?」
「とりあえず、中を確認しよう。」
そう言って車から降りようとした2人の耳に、かすかだが、みゆきの「おとうさん!」と叫ぶ声が聞こえた。
一瞬西崎と顔を見合わせると、すぐさま、さくらは建物の方へと全速力で走っていった。
西崎は、無線に飛びつき、急いで報告を入れる。
「こちら西崎。発見しました!場所は…」

さくらは”立ち入り禁止”と書かれた柵をよけ、建物の中へと入っていった。
すると、1階フロアの中央部分に兵吾が倒れており、その横でみゆきが泣き叫んでいるのが目に入った。
「みゆきちゃんっ!!高見さんっ!!」
さくらは、2人のそばへと駆け寄った。

「おとうさん!…ゴホッ……お、とうさん……ゴホッゴホッ…目を開けてよぉ…」
みゆきは咳き込み、泣きじゃくりながら、兵吾の肩を揺すっていた。
「みゆきちゃん!ダメ!ゆすっちゃダメよ!」
さくらは、みゆきの両肩を掴んで兵吾から引き離した。
兵吾はまったく動かない。
「…さ、くらさん、…う、う、…おとうさんが、おとうさんがぁ…」
「みゆきちゃん、しっかりして!何があったの?」
さくらはみゆきを真正面から見つめた。
さくらはみゆきの喉にも首を絞められたような跡があることに気付いた。
「…ぐすっ…う、…おとうさん…上から、落ちたの…。
 わたし、急いで降りて…きたん、だけどぉ…おとうさん、ぜんぜん、目を、開けないのぉー!」
みゆきは、途中つまりながら話すと、さくらの胸にしがみついて泣いた。
さくらはみゆきの肩を片手で抱きながら、もう片方の手で119番へ電話をした。
西崎が駆け付けた。
「さくら!」
「西崎さん、2人とも居ました!…今、救急車を要請しました。」
西崎は兵吾の姿を見ると絶句したが、すぐに兵吾の首に手を当て、脈を確認した。
「…大丈夫だ。…ここには2人だけか?」
「みゆきちゃんの話では、高見さん、上から落ちたって…」
さくらがそう言うと、西崎は上を見上げた。
すると階下をじっと見つめている山中さやかの顔がそこにあった。
「さくら!ここを頼む!」
そう言うと、西崎は上へと向かった。

西崎が側に近寄っても、さやかは身動き一つせずに、兵吾を見つめ続けていた。
「山名さやか、だな?」
西崎は一歩ずつさやかに近づいた。
さやかは西崎のことなどまったく無視して、何かぶつぶつと呟いていた。
「…ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい…」
さやかは泣きながら兵吾へ向かって、謝っていた…。


救急車が到着するのと、玲子たちが現場に到着するのとは、ほぼ同時だった。
「みゆき!」
玲子はさくらに抱かれたみゆきの姿を見ると駆け出して、抱きしめた。
「お母さんっ!!」
みゆきも玲子に抱きつく。
「お母さん。お父さんが、お父さんが…ごほっ、ごほっ…」
「もう大丈夫。大丈夫よ。」
兵吾が担架で運ばれていく。
「高見さん…」
玲子は兵吾を見つめ、みゆきを抱きしめる手に力をこめた。
「課長、みゆきちゃんも救急車へ…」
さくらが言った。
「みゆきちゃんの喉にあざがあります。大丈夫だとは思いますが、診察してもらった方がいいと思います。」
玲子は慌ててみゆきの喉を見ると、そこには人の手で絞められた跡があった。
「みゆき…!」
玲子はみゆきを抱きかかえて、兵吾と一緒の救急車に乗り込んだ。

バタンと扉が閉められ、救急車が走り出した。
それを見送る、杉浦、工藤、秋本。
西崎とさくらは、さやかをパトカーへと連行した。

 

次で終わりです。あともう少しだけお付き合いを…(^^ゞ

 

[10]

広域隊本部。取り調べ室。
さやかの取り調べが行われ、不動産会社強盗事件、黒川シンジ殺害事件は解決した。
不動産会社と暴力団とのつながりについては、広域の手を離れ、本庁で詳しく調べられることになった。

さやかは神妙に取り調べを受けていた。
心にも平静さが戻り、自分のしたことを静かに受け止めていた。
さやかは実行犯の一味であり、殺人犯であったが、彼女はまた、被害者でもあった。
男に利用され、裏切られた末の犯行ということで、情状酌量の余地も検討されている。
また犯行時の精神状態については、これから調べられることになっていた。

広域での取り調べの最後に、さやかは杉浦に声を震わせながら話した。
「わたし、高見さんににひどいことしてしまった。あの人、こんな私に、とってもやさしくしてくれたのに…」
「そんなこと、あいつはなんとも思ってないよ。
 君が、これからの人生をやり直そうという気になってくれたら、あいつも嬉しいと思う。」
「…はい。」
「高見がここに居たら、きっと君にこう言うと思う。『がんばれ』って。」
「……はい、…ありがとうございます。」
杉浦の言葉に、さやかは下を向いて静かに泣いた。


兵吾の件は、捜査中の事故として処理されることになった。


警察病院の病室。
夏の眩しい日差しを避ける為、レースのカーテンがかけられている。
その中で眠っている兵吾の枕元には、玲子とみゆきが座っている。
兵吾は額に包帯を巻き、顔に何箇所かガーゼが当てられ、右腕はギブスで固定されていた。
腕には点滴のチューブがついている。

あの後、兵吾は病院に担ぎ込まれ、精密検査を受けた。
幸いにも落下したフロアに、工事資材として断熱用のシートが積み重ねられており、
運良くその上に先ず落ちたので、重傷を負わずに済んでいた。
それでも右腕の骨にヒビが入っており、全身を強打していることにかわりはなかった。
また、頭部を強打している恐れもあり、詳しく調べたが、出血の箇所は見られなかった。
が、あれから、丸三日。兵吾は眠り続けている。

みゆきは、玲子に寄りかかりながら心配そうに兵吾を見つめている。
そのみゆきの首には、包帯が巻かれている。
みゆきもまた、救急車で運ばれた後、大事をとって1日入院して検査を受けていた。
多少、気管支に炎症を起しているものの、大したことはなかった。
ただ、首の内出血の跡はしばらく消えないだろう。

「おとうさん、なんで、目、覚まさないんだろう…」
「…大丈夫よ。そのうち、ぱっと目を覚まして、なんでもない顔して『おはよう』とか言うわよ。」
玲子はみゆきの頭を撫でながら、不安を押し隠して言った。
医師からは、このまま意識が戻らない可能性もあると実は言われていた。
みゆきの話では、落下の前に、
兵吾が何かの理由で一時的に記憶を無くしていたらしいことが判っている。
恐らくは頭に何か強い衝撃を受けたのであろう。軽い打撲の後があった。
また、もし目を覚ましたとしても、記憶喪失状態のままである可能性も残っている。

「おとうさん、私のこと、なんで忘れちゃったのかなぁ。
 私がいい子でなかったから、あきれてたのかなぁ…。
 わたし、おとうさんに対して、あんまり素直じゃなかったからなぁ…」
みゆきはそう言うと、一筋の涙を流した。
「そんなことないわよ。みゆきはいつだって、高見さんに、自分の気持ち、正直にぶつけてたじゃない。
 そういうこと、高見さんだって、ちゃーんと分かってるわよ。」

トントンと病室の入口でノックをする音が聞こえ、花束を持ったさくらが入ってきた。
「さくら…。」
「どうですか、高見さん?」
玲子はただ首を横に振った。さくらはそれを見て、唇を固く結び、兵吾を見つめた。
兵吾に変化はない。
玲子はみゆきのそばを離れて立ち上がり、さくらのいる方へ近づいた。
みゆきは布団からでている兵吾の手を握り、兵吾の方から目を離さないでいる。

病室の隅、洗面台のある脇で立ち話をする玲子とさくら。
「あの、これ、みんなからです。」
そう言ってさくらは持ってきた花束を玲子に渡した。
「ありがとう。どう?何か変わったことはない?」
「大丈夫です。山中さやかはうちの取り調べを終えて、本庁へ向かいました。」
「そう。」
「彼女、高見さんに謝ってたそうです。杉浦さんの前で泣いたって。」
「…」
「…それじゃあ、私戻ります。」
「ごめんなさいね、我儘言って。でも今は高見さんと、みゆきの側に付いていたいのよ。」
「いえ。杉浦さんがなんとかまとめてくれています。
 何か緊急のことがあったらすぐに連絡をいれますから、安心してください。」
「よろしくね。みんなにもよろしく言っておいてちょうだい。」
「はい。」

そう言ってさくらは帰っていった。
玲子はさくらの持ってきてくれた花を花瓶に移し替え、兵吾の枕元へ運んだ。
兵吾の側でじっと動かないみゆき。
「…ねぇ、みゆき。母さん、お腹空いちゃったな。
 何か外に出てお昼買ってきてよ。」
玲子はみゆきの肩に軽く手を置き、やさしく言った。
思いつめたようなみゆきを気分転換させる為に、少し外を歩かせようと思ったからだ。
「…うん、わかった。」
みゆきは玲子を振り返り頷いた。そして立ち上がろうとした。

その時、兵吾の手から離れようとしたみゆきの手を、兵吾の手が軽く掴んだ。
「!」
みゆきはびっくりして動きを止めた。そんなみゆきを見て玲子も気付き、ベッドに近寄った。
「お父さん?」
ぴくっと兵吾の瞼が動いた。口からは「…う、うぅん…」と呟きも漏れた。
玲子は口元の酸素マスクを外してやり、声をかけた。
「高見さん!高見さん!」
ゆっくりと兵吾が目を開けた。
ぼーっとした視線は病室の天井を巡り、やがて自分を見つめている玲子とみゆきの顔で止まった。
「お父さん!お父さん!!大丈夫?!」
みゆきは声を大きくして訊ねた。
兵吾は頭が混乱しているようで、2人の顔をじーっと見たままだ。
玲子の心に少し不安がよぎった。
でもその不安を押し隠して、そっと静かにやさしく話し掛けた。
「…高見さん。わかる?ここは病院。あなたはね、ケガしたのよ。」
兵吾は話し掛ける玲子の顔をじっと見詰めた。
「……ねぇ、私のことわかる?」
玲子の声は少し震えていた。
兵吾はしばらく玲子を見詰め、やがてゆっくりと呟いた。
「…玲…子。」
それから視線をみゆきに移し、
「み…ゆき。」と呟く。
「お父さん!私のこと、わかるの?」
頷く兵吾。喉が渇いて上手く声が出ないようだ。
みゆきは嬉しくて涙が出てきた。
「お母さん、私、先生呼んでくる!!」
みゆきは病室を駆け出していった。
玲子は嬉しくて上手く言葉が出ない。最悪の事態は避けられ、まだ詳しくはわからないけれども、
少なくても兵吾は、玲子とみゆきのことは覚えていたのだ。
「玲…子、…なんで、泣いてるの?」
「ううん。なんでも、なんでもないの。…あなたが、私のこと覚えててくれて嬉しいだけ。」
玲子は頬を流れる涙を拭こうとせずに、ゆっくりと兵吾の髪をなでた。

兵吾の記憶は戻っていた。
さやかと一緒に行動していた間のことは、多少記憶が定かでない部分もあったが、
事件の経過報告書を見たり聞いたりするうちに徐々に思い出していた。
検査の為にまだ入院している病院で、兵吾は玲子に言った。
「山中さやかは、怪我している俺に本当にやさしくしてくれたんだ…」
「そう。それはよくわかるわ。あなたの右手の甲の傷、ちゃんと手当てしてあったもの。
 …彼女ね、あなたに謝ってたわ、ひどいことしてしまったって。」
「そうか…。でも、彼女には、これから、頑張ってほしいよな…。」
「ええ。」


数週間後。
兵吾はもう現場に復帰し、以前と変わりなく捜査にあたっている。
今日は、玲子の家で夕飯を食べることになっていた。
みゆきには7時に家に来るように、うるさいぐらいに念を押されていた。
玲子は先に帰っており、兵吾は一人で玲子に家へ向かった。
ピンポーンっとチャイムを鳴らすと、ドアが開き、みゆきが笑顔で出迎えた。
「いらっしゃい、お父さん。」
みゆきは浴衣を着ていた。
「あれぇ、どうしたの。それ?」
「今日はね、近くの神社でお祭りがあるんだ。それにお父さんと一緒に行こうと思って。」
「だから7時に来いって言ったのかぁ。」
「そう。でもちょっと上がって、上がって!」
「な、なに?」
引っ張られるように兵吾は家の中に上がった。
居間に入ると玲子も笑顔で出迎えた。
「いらっしゃい。」
玲子も浴衣を着ていた。久しぶりに見る玲子の浴衣姿に訳もなく兵吾は照れた。
「な、何…玲子まで…」
「あ!お父さん、お母さんの浴衣姿見て、照れてるぅ〜♪」
「べ、別に、照れてなんか…(汗)。そ、それじゃあぁ、出かけようか!」
「待って、まだ準備できてないわよ。」
「まだ支度があるのか?」
「私たちはもうバッチリ支度は終わったもんねぇー。」
玲子とみゆきは顔を見合わせて頷いた。
「じゃあ、何よ?」
「お父さんの支度がまだなんじゃない。」
「え?俺?」
「そうよ。はい、これに着替えて。」
そう言って玲子は、兵吾の浴衣を取り出した。
「え?俺の?」
「そうだよ。お母さんが縫ったんだからぁ。」
「あなた、サイズは昔と変わってなさそうだから、大丈夫だと思うけど。さ、早く着替えて、着替えて。」
「え?ええ?」
「じゃあ高見さんの着付け手伝うから、みゆきはちょっと部屋に行ってて。」
「は〜い。」

もうこうなったら兵吾は降参して、玲子の言われるがままに浴衣に着替えた。
「よかったぁ。着丈とか大丈夫みたいね。」
兵吾の帯を締めながら玲子が言った。
「これ、縫ったのか?…ありがとう。」
「そうよぉ。みゆきが3人で浴衣着てお祭りに行きたいって言い出してから、毎日少しずつ縫ったんだから。」
「本当にお前はすごいよ。」
「ふふ…。なんかね、みゆきの夢だったみたい。」
「夢?」
「そう。小さい時に、盆踊りとかお祭りとか行くと、周りは父親も一緒だったりとかする訳じゃない?
 みゆき、何にも言わなかったけど、そういうの子供心にうらやましいと思ってたみたい。」
「そっか…。」
「はい、OK!準備完了!」

神社の境内。夜店が両脇に並んでいる。たくさんの人がいてとても賑やかである。
その中をみゆきを真ん中にして、3人で歩いている。
「あ、綿菓子だ。お母さん、買っていい?」
「いいわよ。」
みゆきは駆け出してその夜店の前に並んだ。
兵吾と玲子は少し離れたところで立って待っている。
「あの子、すごい喜んでるわ。はしゃいじゃって、小学生みたい。」
「ああ。」
兵吾も玲子も、みゆきが楽しんでいることがとても嬉しかった。
「ねえ、気付いてる?」
「ん?」
「あの子、あれからあなたのこと”兵吾くん”じゃなくて、”お父さん”としか呼んでいないこと。」
「あ、そう言えば…」
「あなたが記憶をなくした時、みゆきに会ってもすぐにみゆきだってわからなかったでしょ?
 それがね、あなたのこと、素直に”お父さん”って呼んでなかったせいなんじゃないかって、
 あの子、思ってるみたいなの。」
「そんな。そんなことないよ…」
「うん。私もね、そう言ったんだけど。
 ま、いいじゃない。あの子が”お父さん”って呼びたいと思って、呼んでるんだから。」
「まあ、俺としては嬉しいけどさ。」
玲子は腕を組んでいる兵吾を見て言った。
「ふふ。あなたの浴衣姿なんて、初めてみたけど、似合うじゃない。」
「そうか?七五三の気分だよ(苦笑)。」
みゆきが綿菓子を買って戻ってきた。
「お父さ〜ん、お母さ〜ん!」
小走りに走ってきたみゆきは、2人の手前でつまずいて転びそうになる。
「あぶない!」
兵吾と玲子が慌てて手を貸す。ちょろっと舌をだしておどけるみゆき。

みゆきにとって、今回の事件はつらいこともあったが、よい転機になったと言える。
兵吾に対して、変な気を使ったりすることをやめる機会になったからだ。
甘えたい時は甘える、何か思うことがあればすぐに言う。
家族なのだから、素直に、遠慮なくやっていこう、という気になったのだ。
みゆきは留学したいと以前から考えていた。
みゆきの通う高校には交換留学の制度があり、実は高校を決めるポイントにもなっていた。
今年、それに申し込もうか、みゆきはずっと悩んでいた。
なんだか兵吾から逃げ出すみたいな気がして、またそう思われるのではないかと気になっていたのだ。
でも、留学して色々と経験したいという昔からの夢を実現したい気持ちには変わりない。
みゆきは今回の事件を通して、ひとつ、強く成長した。
兵吾に対しても、玲子に対しても、そして自分に対しても、素直に生きていこうと決めたのだ。
(でも、やっぱりちょっと言い出しにくい、かなぁ…)

みゆきの持つ綿菓子を3人でつまみながら、ゆっくりと夜店を冷やかして歩いていく。
どこにでもある家族の風景。夜空には、遠く、花火が上がっている。

そんなことをみゆきが考えているとは、兵吾はまだ知らない・・・


(おわり)

 

終わりましたぁ〜。なんだかエンディングが異様に長くなっちゃいました(^^;)
ここまでお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。
楽しんでいただけましたでしょうか?拙い文章で本当に申し訳ありません m(_ _)m。

今回はですね、
・もしも、なかなか兵吾が登場しないとしたら?
・もしも、みゆきに対して兵吾が反応しなかったら?
 (いっつも 兵吾→みゆき じゃないですか。その逆の みゆき→兵吾 になった時を考えてみました)
という所から話が浮かびまして、ここまで来ました。

あ、あとは「兵吾(恭兵さん)の浴衣姿が見たい!」っていうトコですかね(*^^*)。
実はこの想いが一番強かったりもして(^^ゞ、途中からはこのエンディングに持っていく為に事件を起していたと言ってもいいぐらいかもしれません(笑)。でも、みゆき(愛ちゃん)の浴衣姿もファンにはたまらないと思うし、玲子(風吹さん)の浴衣姿もきれいだろうし、いつか本編で見たいです。
あ、でも、「はみ」は冬仕様だから絶対無理か…(爆)(^_^;)。

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