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JREITの普及度の杞憂
  
元々、不動産業は儲かると思うと一斉に殺到する業界ですので、資産を適当にかき集めて上場するという状態も考えられますので、世間への普及が進む程、危険性も増すのではないかという懸念があります。
良かれと思ったことが、結果的に最悪の方向への一里塚になった例は、不動産バブルの時に経験しましたが、二度とその轍は踏みたくはありません。
このコラムでも何度も取り上げましたが、健全な形でJREITが発展するには、市場のガバナンス機能が必須ですが、依然としてこの面が遅れています。
JREITの投資判断には保有資産の質の吟味が重要ですが、質は定量的に量れるものでもなく、有効なインデックスもありませんので、バイサイドに立ったアナリストや不動産投資分析が出来る専門家が必要です。
ところが、日本の投資市場ではこれらのスペシャリストを育成したり、登場を促すような仕掛けもありません。
このまま状態で、配当率の高さのみが注目を浴びて、JREITが拡大していくのは時限爆弾を抱えては走っているのと同じです。
ではどうすれば良いかと考えても、現実的な方法が見つかりません。
タイトルに書いた「杞憂」はゴマメの歯ぎしりでもありますが、JREITの将来にとって大事な転機が近づいているような気がしてなりません。
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