[ コンパスのはなし ]
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 オリエンテーリングに限らず,野外活動での必需品の方位磁針です.
 先日,初めて山サイ(山岳サイクリング)を楽しもうとする人から,「コンパスってどのくらいのものを用意すればいいんでしょうか?100円ショップで買えるようなものではダメかな?」という質問が会議室上で出ました.その返事として会議室上に書いた文に若干加筆したのがこのページです.(^_^)

 アウトドアで使うコンパスで要求される一番のポイントは,「針の止まりが速いこと,止まったらぶれないこと」です.この点で,理科の実験で使うような空気中に針が浮いているコンパスは,山に持っていくと大変ストレスがたまりますし,激しい運動で針が外れることもあるのでおススメしません.
 アウトドア用のコンパスは,円盤の中に満たされた油の中に針が浮いているので,滑らかに動いてぴたっと止まります.高性能になるほど針の磁化が強くなったり潤滑油や軸受の質が上がるので,止まるまでの時間が短くなります.しかし,緯度が低く地磁気の強い日本では,違いはあまり感じないと思います.オリエンテーリングのエリートとして走りの頂点を目指す,という場合は針の止まりが1秒速いか遅いかも問題になりますが,全体から比べればほんの一握りの層の話です.
 メーカーはスウェーデンのシルバとフィンランドのスントが2大勢力で,これらどららかなら問題ないと思います.御徒町のOD BOXや東急ハンズなど,メジャーなアウトドア 用品店で,安いものでは2,000円くらいから出ています.見てくれはこんな感じです(ただしこの写真のコンパスはシルバでもスントでも無いですが(^^;)

コンパスを使っているところ

 上記の理由からコンパスのグレード自体を気にする必要はありませんが,形状は用途や好みによってさまざまで,とれとれの常連さんはスントのリストタイプ(腕時計型)をよく使っているみたいです(走りながら見られるから).

◆シルバ社ホームページ http://www.silva.se/
 日本ではオリエンテーリング黎明期から親しまれ,登山や各種野外活動で広く普及.日本の多くのオリエンテーリングクラブでは,新歓シーズンにシルバのタイプ3を共同購入する習慣があるため,日本のオリエンティアの間では圧倒的なシェアを持つ.

◆スント社ホームページ http://www.suunto.fi/
 シルバと並ぶ世界的コンパスメーカーであるが,上記の事情から日本ではあまりシェアは高くない.むしろ高度計などのリストコンピュータで有名で,その関係かアドベンチャー系の人々ではスントのコンパスが良く使われているように感じる.
※日本ではイワタニプリムスが総代理店 (http://www.iwatani-primus.co.jp/)