OL用語の基礎知識〜競技用語・中級

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 このページでは,オリエンテーリングの楽しさが少しずつ分かって来た人を対象に,ひとつレベルの高いテクニカルタームを辞書的に説明しています.レース中にこれらのことを思い出すことができれば,きっといいレースができることでしょう.

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【アップ】
 「登距離」ともいう.スタートからゴールまでベストルートで行ったときの,登りの部分の標高差を総和したもの.通常はエリートクラス(その大会で最高レベルのクラス)にのみにこの表記が行われる.駅で「ふ〜,この階段アップがきついぜ」などと言う人は,間違いなくオリエンティアである(笑).

【天野理論】
 天野仁(あまの・ひとし,川和高→早大OB)氏の著書「オリエンテーリング技術入門」(早大OC刊)で展開されるオリエンテーリング実践法.“初級者”レベルであれば,最小限の体力さえあれば,地図読みのセンスのみでAクラス上位入賞が可能であると説き,そのための基本技術を細かく解説する.オリエンテーリングを始めて半年くらい経った人が読むと効果あり.今は入手できるのだろうか?

【エイミングオフ】
 ルート取りのテクニックのひとつ.チェックポイントに対してワザと狙いを外してコンパスの針を設定し,直進路がそれたときのリスクを最小限におさえる方法.道,川などの線状特徴物の向こう側にコントロールがある場合に有効.

【キャッチングフィーチャー】
 広いオープン(空き地)など,どうやっても見逃しようのない大きな特徴物.そこまではラフに走ることができる.

【逆正置】
 コンパスの赤と白を間違えて正置すること.南北エラーともいう.もちろん逆方向に動いてしまう.

【クリアリング】
 林の中で,突然木が生えておらず,光がさしている部分がある.そこをこのように呼ぶ.早い話が,林の円形脱毛症.

【傾斜変換】
 斜面の傾きが急に変わるところ.線状特徴物として利用できる.

【コンタリング】
 Contouring(これは造語).等高線を線状特徴物とみなし,同じ高さのところを走っていく技術.

【コンパス直進】
 コンパスの針を地図の南北と合わせ,それだけを頼りにして林の中などを走ること.

【Cの林】
 通行可能度C(=通行困難)の林.「シイの林」ではない.林の通行可能度を示す言葉として,「A」「B」「C」という用語があり,地図上ではそれぞれ白,薄緑,緑で描かれる.

【ショート】
1. 「ショートOL」の略.
2. アタックにおいて,実際の場所よりも手前をポストと思い込み,つぼって(現在位置がわからなくなって)しまうこと.

【ショートカット】
 走る距離を短くするために,道でないところを通行すること.ガソリンスタンドでショートカットする人は,多分オリエンティアである.

【炭焼き釜跡】
 林の中に突然現れる,石を円筒形に積んだもの.

【ダブルパンチ】
 一つのチェック欄に二つ以上のパンチが入ってしまうこと.最近ではだいぶゆるくなったが,ペナ(失格)になることもある.

【チェックポイント】
 略してCP.現地と地図の対応が確実にできる地点.OLの基本は現在地→CP→‥‥→CP→AP→コントロール(ポスト),である.APとはアタックポイントで,コントロールに到達するために最後に現在位置確認をする場所.

【通行可能度】
 下草の生え方による林の走りやすさ.「走行容易(白)」「歩行可能(薄緑)」「通行困難(緑)」の3段階で地図上に表現され,それぞれA,B,Cと呼んでいる.

【テラス】
 斜面の途中に突然現れる平な部分.最近は地図上に表記しない傾向がある.

【DNS】
 Did Not Started,事前申込みしても出走しなかった人.

【DNF】
 Did Not Finished,完走する意志のなかった人.通常は最終コントロールを取らないとこれになる.

【DNQ】
 Did Not Qualified,制限時間以内にゴールしない,そのた失格事項にあてはまる人.

【とぶ】
 OL競技中,あとからルートも書けないようなとんでもないところへ行ってしまうこと.

【ノルコン】
 通常のオリエンテーリング用コンパスと違いリングがなく,ゴムバンドなどで直接手指に取り付けて使うコンパス.したがって1−2−3(コンパスのリングを回して,進行方向を決める作業)などはできない.

【パック】
 同時にOLをしている集団.いわゆる「つるみ」とは区別される.パックを先導している人をパックリーダと言うが,たいていは足の遅いエリートランナー.

【パラレルエラー】
 平行した2本以上の線状特徴物(道,沢‥‥)において,間違えて隣の特徴物に入ってしまうこと.

【ペナチェック】
 ゴール後に,チェックカードのパンチが正しいかどうかを検査すること.

【歩測】
 歩数(両足が進んだときに初めて1歩とする「複歩」を用いる)を使っておおまかな距離を測る方法.OLの基本技術のひとつ.大きな大会になると,スタートまでの道路上に,高速道路の車間計測のような歩測チェック区間がついている.

【マップアウト】
 地図の範囲外に出てしまうこと.自分が意識していないだけに恐い.

【ラフ&ファイン】
 「レッグの中盤はスピードを上げて豪快に,ポスト付近はゆっくり慎重に」というOLの基本的姿勢.

【リロケート】
 Relocate.現在地を地図上で把握すること.

【ルートプランニング】
 現在地→目的地のルートを,CP・AP(チェックポイント,アタックポイント)なども含めて定めること.

【レガース】
 すねあて.これをするとちょっとだけOLが速くなったような気になる.

【1−2−3】
 コンパス直進時の手順.‥‥ここで説明したいのだけど,絵を描くのが面倒くさいので今のところはパス.(笑)