オイルのあれこれ
さて、お店に行ってオイルを選ぼうと思ったとき何のオイルを選ぶか?
お店に行っておまかせコースなら何も考えなくて済みますが、自分で選ぶとなるとそうは行きません。
当然オイルは各社それぞれ色んなオイルを提供していますが、オイル缶を見慣れてくるとメーカー名や商品名はわかるものの、なにやら意味不明な記号やマークがあるかと思います。
確かに色んな記号があるのですが、特に重要な2点を解説してみましょう。これだけわかっていれば、
●エンジンオイルの記号
SAE規格
中でも一番重要なのが10W−30等と表記されているもの。
これはSAE規格(アメリカ自動車技術協会) と呼ばれており粘度分類に使われ、10W−30の「10W」とは低温側の粘度指数を表し、「30」は高温側の粘度指数を表しています。
例えば10W-30の「10W」ならマイナス20度でも使用が可能で、この数値が低いほど低温に強く、10W-30の「30」は油温が100度のときの粘度指数を表しており、この数値が高いほど高温時に強いオイルと言えます。油温は、90〜100度ぐらいは普通に走ってると、そのくらいの温度になります。
自分の車に適した粘度はどれなのかは、必ず車の説明書に記載されていますので確認しましょう。
| 低温側の粘度指数 | 0W | 5W | 10W | 20W |
| 外気温 | -30 | -25 | -20 | -10 |
ちなみに高温粘度は単純に温度ではなく、cSt単位で表されています。
| 高温側の粘度指数 | 20 | 30 | 40 | 50 | 60 | 水(23.3度時) |
| cSt(mm2/s) | 5.6〜9.3 | 9.3〜12.5 | 12.5〜16.3 | 16.3〜21.9 | 21.9〜26.1 | 1 |
またSAE規格にはシングルグレードとマルチグレードがありますが、「10 W−30」などと表記されているのがマルチグレード。「SAE30」などと表記されているのがシングルグレードです。
一定の条件で使うのであれば、シングルグレードで事足りますが、日本には四季がありますのでマルチグレードの使用がほとんどで、シングルグレードは滅多にお目にかかれません。ほとんどの目的がレース用ですから。
また、マルチグレードでも夏用と冬用とで使い分けるもの、面白いかもしれません。
API規格
次に重要なのが、よく目にする記号である「SJ」や「SL」です。
これはAPI規格(アメリカ石油協会)と呼ばれており品質分類に使われます。
2文字目のアルファベットが増えると高性能になります。また、オイルのレベルは下の表の通りになります。
| 分類 | 特徴 |
| SA | 運転条件のゆるやかなエンジンに使え、添加剤をふくんでいないオイル(ベースオイル)。車には使えない。 |
| SB | 最低レベルの添加剤を配合したオイルで、かじり防止、酸化安定性の機能が向 上されている。 |
| SC | 1964〜67年型のガソリン車に満足して使える品質を持っており、デジポ ット防止性、摩耗防止性、サビ止め性、腐食防止性が備わっている。 |
| SD | 1968〜71年型のガソリン車に満足して使える品質を持っており、SCよ り高い品質レベルを備えている。 |
| SE | 1972〜79年型のガソリン車に満足して使える品質を持っており、SDよ り高い品質レベルを備えている。 |
| SF | 1980〜88年型のガソリン車に満足して使える品質を持っており、SEよ り酸化安定性、摩耗防止性が優れている。 |
| SG | 1989年以降型のガソリン車に満足して使える品質を持っており、SFより 酸化安定性、摩耗防止性、スラッジ防止性が優れている。 |
| SH | 1993年7月から発売された新規格オイル。評価基準はSGと同じだが基準 をより厳しくしたもの。SGの高品質グレードにあたる。 |
| SJ | 1996年からの新規格。SHに比べ蒸発防止性、高温下での酸化安定性が優 れており、リン含有量の基準もクリアしている。 |
| SK | 2000年をめどに準備が進んでいる新規格。動弁系の摩耗防止性や省燃費性 が改善されたものとなる予定だが不採用。 |
| SL | 2001年以降のガソリン車に適合。SJを上回る性能を持ち、高温時のオイルの耐久性能・清浄性能・酸化安定性を向上させ、高い対オイル揮発性を持っている。 |
| SM | SL規格よりも、オイルの耐久性・省燃費性能の向上、有害な排ガスを減少させた規格。劣化したオイルの低温粘度を計る試験が新たに追加され、今までより低温流動性、酸化劣化に優れたベースオイルを使用する必要がある。 |
ちなみに、レビン/トレノ的ににマッチしたオイルは5W-40がベターではないかと思います。0W-なオイルは高回転は確かにいいですが、ノイズが増え、オイル消費も早く、割と早めにオイルが経たってしまいます。10w-なオイルですと、通常走行では大して問題ではないのですが、エンジンフィールが重めに感じてしまいます。
もちろん銘柄で全然違うでしょうから一概に言えないのですが、経験で言えば大概そういった結果になるような感じを受けます。
それとオイル規格は新しければ新しいほど良いというわけじゃないかもしれませんが(旧車用のオイルが供給されるぐらいですしね)、新規格がでればそれしか供給されないので新規格を使うしかありません。旧規格を使い続けるのは至難の技です。
SM/CFの「CF」ですが、これはディーゼルエンジン用の記号です。この記号の説明はここでは省きますが、このように併記されているとガソリンエンジンでもディーゼルエンジンでも使用できますという意味です。
補足
自動車メーカーでの純正オイルは5W-30程度が今までは一般的でしたが、省燃費化を狙って0W-20というオイルもあります。車の取説みれば推奨オイルが記載されていますので、推奨オイル近辺を使うようにしましょう。
4A-Gなどの小排気量NAエンジンであれば5w-40とかでOKですし、思い切って0w-30でもいいですね。
●ミッション/デフオイルの記号
中でも一番重要なのが75W−90等と表記されているものが一番重要です。
これもエンジンオイルと同じでSAE規格(アメリカ自動車技術協会)なので詳細は省きますが、エンジンオイルとは粘度指数が異なっています。
ちょっと記号が見れる人が勘違いしやすいのですが、75w-90だからって物凄く固いわけではないのです。常温では案外エンジンオイルと似たような粘度で実際触ればわかります。触った後はよく手を洗いましょうね。
| 低温側の粘度指数 | 70W | 75W | 80W | 85W |
| 外気温 | -55 | -40 | -26 | -12 |
高温粘度は単純に温度ではなく、cSt単位で表されています。
| 高温側の粘度指数 | 80 | 85 | 90 | 140 | 水(23.3度時) |
| cSt(mm2/s) | 7〜11 | 11〜13.5 | 13.5〜24 | 24〜40 | 1 |
エンジンオイルであった「SL」とか「SM」みたいものミッション/デフオイルにもあります。下記の表の通りです。
| 分 類 | 説 明 |
| GL-1(レギュラータイプ) | 低速で低負荷のギヤなどに用いられる。車には使えない。 |
| GL-2(ウォームタイプ) | GL-1よりやや過酷な条件で使用されるギヤなどに用いられる。車には使えない。 |
| GL-3(マイルドEPタイプ) | GL-2以下では使用することができない条件下で使用ができる。但し極圧添加剤(ハイポイド剤)はブレンドされてないので後輪のデフには使えない。大抵の純正オイルはGL-3が多い。 |
| GL-4(マルチパーパスタイプ) | GL-3よりも過酷な条件下で使用ができる。後輪のノーマルデフやLSD使用車でも使用できる。 |
| GL-5(マルチパーパスタイプ) | GL-4よりも高負荷で過酷な条件下で使用できる。後輪にLSD装着でスポーツ走行の場合はオススメ。 |
| GL-6(マルチパーパスタイプ) | GL-5よりも高負荷で過酷な条件下で使用できるが、現在この規格は廃止だが以前取得していれば表示は可能。 |
さて、この規格で分かることはAE92〜AE111のレビン/トレノは全てFF車ですので規格の上で通常であればGL-3〜6まで使えますが、FRと違ってデフの一部であるハイポイドギヤがないので、ハイポイド剤(極圧添加剤)が入っていない75W-90のGL-3で事足りることが分かりますね。これはMRもFFと同様です。
但し過酷なスポーツ走行をしLSDを装着してるならGL-4やGL-5がいいと思います。
TE27〜AE86はミッションオイルは75W-90のGL-3〜6まで使えます。通常ならミッションもGL-3で充分です。デフはハイポイドギヤがあるので85W-90のGL-4以上を使うことになります。
但し最近はGL-4/5の製品が非常に多いのでGLのことは考えなくても大抵は問題ないと思います。最後に確認用として考えてください。
あとミッション用・デフ用として考えるのは粘度の事だけで、規格自体はミッション・デフとも同じで使うところによって適切な粘度を持つオイルを選ぶだけの差です。
●オイルの種類
種類といってもベースとなっているオイルの事です。オイルは大きく3つ区別できます。
鉱物油(原油)を精製&添加剤を混ぜて作った最もスタンダードな鉱物オイルと、原油を蒸留して出来たナフサからオイルに必要な成分を科学的に抽出し添加剤を混ぜた化学合成オイルと、鉱物オイルと化学合成オイルの混合オイルである半化学合成オイルがあります。
鉱物油は、とても安価なオイルで純正オイルとしても用いられています。しょせん鉱物油だとバカする人もいますが、ヘタな半化学合成油ではかなわない性能を持つ鉱物油もあります。通常考えられるオイルの性能は満たしていますので、とてもコストパフォーマンスが良いオイルですが、高温等の過酷な状況化ではオイルの分子がバラバラになりやすい(劣化しやすい)ので本格的なスポーツ走行には向きません。
鉱物油のオイル缶を見ての見分け方ですが、説明書きやラベル等に「鉱物油」「Mineral Oil」等と書かれている場合があります。
半化学合成油は、鉱物油と化学合成油の混合油です。安価な鉱物油をベースに化学合成油から欲しい性能をミックスした良いとこどりのオイルです。比較的安価で性能も鉱物油を凌ぎます。値段も含めて万能オイルと言えるかもしれませんね。半化学合成油と聞くと鉱物油50%、化学合成油50%の配合かと思われますが、実のところは10%〜30%ぐらいの化学合成油を混合してるそうです。
半化学合成油のオイル缶を見ての見分け方ですが、説明書きやラベル等に「半化学合成油」「部分合成油」「Semi Synthetic」「Half Synthetic」等と書かれている場合があります。
化学合成油は、高価です。なぜ高価かというとナフサから抽出したというだけでなく、オイルにとって都合が良い同じ分子配列を持つオイルを人工的に作るからです。オイルの中のオイルを作るわけですから、さしずめオイル界のサラブレッドでしょうか。もちろん性能は折り紙付きです。
化学合成油のオイル缶を見ての見分け方ですが、説明書きやラベル等に「化学合成油」「Fule Synthetic」「100% Synthetic」等と書かれている場合があります。
どのオイルをチョイスするかは各人の運転の仕方と判断しだいでしょう。
普通は鉱物油で充分です。
ちょっとこだわりたいとか、ちょっと○○○とか※※※とかを、かっ飛ばす(エンジンオイルなら油温120度以上いくなら。ちょっと頑張ったぐらいでは120度まで上昇しないでしょう)とかなら半化学合成。
サーキットとかなら化学合成油が安心でしょう。化学合成油を選ぶ人の半分以上は趣味で入れてるようなもんです。