冷却系

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冷却系といえば代表格なのがラジエーター。

ラジエーターの役割はエンジンによって熱くなった冷却水を走行風やファンにより空気と触れさせることで放熱を行います。

ラジエーターの主な構成部品としては、冷却水が流れるパイプ。また空気と触れる面積を稼いで冷却効率を上げるフィン、冷却水の貯め場となるアッパータンク、ロアタンクに大別されます。アッパータンクにはラジエーターキャップが、ロアタンクにはドレンコックがついています。

ラジエーターの素材として主にアルミと黄銅があります。アルミは耐圧性や剛性で軽量というメリットがありますが、自己放熱性(熱交換率とでも言いましょうか)としては黄銅より劣ります。

一方、黄銅は自己放熱性が優れているので、渋滞時のオーバーヒートに対しても強くなっていますが、重量がかさむので現在の主流はアルミ製です。アルミの自己放熱性の欠点克服の対策としては電動ファンの採用、アルミを厚くするなどで対処しています。

また、エンジンからでた熱い冷却水は必ずアッパータンクに行き、放熱されてロアタンクを経て各部に行き渡ります。これは温度差による対流を考えた結果です。

お風呂でよくありますよね。上は熱くて下はぬるいって事が。自然の法則に従って水流の流れを考えているわけですね。このおかげで自己的に流水を作り出してもいます。

 

ラジエーターについで有名なのがサーモスタット。

サーモスタットは簡単に言えば、温度感応式水栓です。

ラジエーターは単に放熱するだけですが、サーモスタットは水量を調節して放熱されるカロリーを調節しているのです。ですからサーモスタットが壊れると、オーバーヒートや、エンジンが冷えすぎの状態のオーバークールになります。

サーモスタットはどうやって水量をコントロールしているかというと、まず水栓の役割をする蓋に筒があります。このなかに温度が上昇すると膨張する材質を封入しています。温度が上がれば膨張して水栓が押しあけられ、冷えると収縮し水栓が閉じる仕掛けになっているのです。

またサーモスタットの開弁温度は約82℃に設定されている場合が多いです。

 

サーモスタットと同じくらい有名なのがラジエーターキャップです。

このキャップの役目はちゃんとあり、ただの蓋ではありません。

水は100℃で沸騰しますが、100℃で沸騰して気泡が出ると水が循環しにくくなって困るので(結構簡単に水温は100℃の近くに行きます)加圧して100℃以上に沸点をもってこさせるのが狙いです。

加圧すると沸点が高くなり、減圧すると沸点が下がるのは理科の授業などででてきましたね。チューニングパーツとして高加圧なキャップが売られているのもハードな走行で沸騰しないようにするためなのです。

 

さて以外に勘違されているパーツでリザーバタンクがあります。

これは単なる冷却水予備タンクだけではなく、温度上昇によって膨張した冷却水を受け止める容器でもあります。これがないとラジエーターが際限なく加圧されいつか破裂します。これを防ぐのがリザーバタンクです。

また、収縮した際に空気を吸わせないための容器でもあります。

 

そして、これが無くてはどうしようもないウオーターポンプです。

これはエンジンのクランクから回転力を貰い、内部の羽で冷却水を循環させている重要なパーツです。またこの羽で水を掻くため気泡が出来やすいですが、冷却水のは消泡材も配合せれており、これによって解消されています。

 

最後に冷却ファンです。

ファンはラジエーターに冷えた空気をより多く当てることにより、最適な温度をコントロールしています。

ファンにはモーター駆動の電動ファンと、クランクの回転力から得る機械式ファンがあります。FR車などのエンジン縦置きの車では機械式ファンで冷却されていますが、FF車などのエンジン横置きの車ではそれが使えません。ですので電動ファンでラジエーターに空気を当てているのです。

また、ファンには冷却水温度を下げる役目のほかに、エキゾーストマニホールドが加熱しなうように、風を送っています。

 

機械式のファンではエンジンが掛かっていればファンが回り冷却できてしまい、オーバークールの心配もでてきます。さらにエンジン出力から回転力を貰っているので出力低下の原因にもなります。そこで、クラッチ機構を設けたり、カップリングしたりして、オーバークールや出力低下を防いでいます。

電気式では上記の心配はないので最近では主流になっています。電動式のファンのコントロールは水温センサーにより、ON・OFFの制御をしています。

 

 


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