ランオン(ディーゼリング)の話

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ライオンじゃないですよ。今の車じゃお目に掛かれない現象であるランオン。管理人は過去に数度経験しています。レビトレではなく、その前の愛車であったEP71スターレットの2E-LU搭載車に乗っていたときのことです。

え?レビトレには関係ないじゃないかって? AE85とかTE27があるじゃないですかー、キャブ搭載車。

 

 

エンジン切ってもエンジンが回り続ける現象をランオン(ディーゼリングやジーゼリング)と呼びます。

ランオンが起きる条件は…、主に「燃焼室が異常に高温である」・「キャブレターである」の2点であります。

 

 

「燃焼室が異常に高温である」…カーボンが蓄積し、そこが過熱されてホットスポット(高温な火種)になり、スパークプラグとは無関係に混合気を燃焼させてしまう元になります。過酷な走行後でもなりえますね。

「キャブレターである」…なぜキャブ限定なのか。普通のインジェクションなら電子制御なのでエンジン切れば燃料は噴射されませんが、キャブはエンジンの負圧によって燃料が吸いだされる構造のため、エンジンが回っているうちはキーの位置に関係なく燃料が飛び出ます。これキモです。

 

 

もうお分かりですね? この2つが組み合わさると、エンジンを切ってスパークプラグの火種が無くてもカーボンとかの火種のおかげでエンジンが動き続ける不正規燃焼につながるわけです。高度な電子制御が無いからこその現象ですね。

ランオン自体はホットスポット由来の燃焼であって正規爆発ではないので回転が不安定です。

他の理由でランオンになるのは点火時期の狂い、アイドリング回転数が高いなども要因としてあります。普通はランオン防止機能が働いたりするのですが、それが不調だったり完璧ではなかった際にも発生します。

 

●ランオンを止める

さてランオンをどうやって止めるか。対処は以下のとおり。

・「アクセルを入れる」…燃焼できる混合気にしなければ良いのです。アクセルを全開にして冷えた空気を取り入れて止める方法や、先の方法でダメだったらゆっくり開けて空気を多く取り入れて混合気をリーン状態にすれば燃焼できません。アイドリングは燃料濃い目ですからね。それでも止まらないなら相当重症です。キャブ自体の故障や調整不足も同時に疑ったほうが良いかもしれません。

・「エンストさせる」…ブレーキをしっかり踏みつつギヤを入れてわざとエンストさせます。MT車限定ですけど、AT車でもDレンジとかに入れたら止まるかな。

・「放置」…時間は掛かろうとも勝手に止まります。燃料ポンプは切れているのでフロート室の燃料が無くなれば自動的に止まりますし、正規爆発じゃないので回転の持続力自体はあんまりないです。が、フロート室を空にすると次回の始動が大変なので上2つの方法をオススメします。

 

●ランオンを防ぐ

お次はランオンを未然に防ぐ方法です。方法は以下のとおり。

・「カーボン除去」…諸悪の根源ですから一番効果的。でもそれってエンジンOH。オイル上がり・下がりなどでオイルが必要以上に燃焼室に入って燃えると、余計にカーボン付きますから蓄積が進むとランオンの機会は増えます。

・「エンジン停止前はおとなしく」…過酷な走行直後だと燃焼室の冷却はまだしきってないでしょうから、それをしなければ良いという話ですね。

・「キャブ・点火系のメンテ」…キャブがオーバーフロー気味だったりしたら火に油注いでますもんね。点火タイミングも狂ってるとランオンしやすいです。

・「エンジンを切る前にアクセルを煽る」…ネット自体が世間に広まる前に管理人が本で見た情報です。が、実際に試しましたがこれは効果あり半分で害悪半分。加速ポンプ作動中にOFFしてもキャブから盛大に燃料が出てきちゃうからカブってランオンは止まるけど、逆に燃料供給してるからランオンを助長してなくもない。逆にカブッて次回始動が困難になるやもしれません。特に冬。

 

最後になんでランオンがディーゼリングとか呼ばれているか。

もう察しはついてるかと思いますが、ディーゼルみたいに点火プラグに拠らない燃焼をしてるからですね。

いまではこんなことも無いでしょうが、前はこんなこともありましたよって事で。


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