VVTの役割

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 通常、エンジンはある特定の回転域に的を絞って造られています。 この結果、低回転重視のエンジン、高回転重視のエンジンが存在するわけですが、4A−Gのように高回転重視のエンジンとはいえ、常時高回転を使うような運転はできませんし、燃費の問題などもありますので、それでは高性能エンジンとは言えません。

 しかし、それを打破すべくあみ出されたのが、可変バルブタイミング機構で、吸気あるいは排気バルブのバルブ開閉タイミングをエンジン回転に応じて変化させ、低回転・高回転の両立を図ろうとするものです。 ホンダのVTEC(バリアブル・バルブ・タイミング&リフト・エレエクトロニック・コントロールシステム)、三菱のMIVEC(三菱・イノベーテッド・バルブ・タイミング&リフト・エレクトロニック・コントロール)、そしてトヨタのVVT(−i)(バリアブル・バルブ・タイミング(インテリジェント))等が可変バルブタイミング機構として知られています。

その可変バルブタイミングの方法としては、バルブタイミングのみを可変としたもの、バルブタイミングとリフト量を可変としたもの、リフト量のみを可変としたものがあります。

VVT(−i)はバルブタイミングのみ可変としており、吸気側のみとしています。 VVTの制御は低速側と高速側の2段切り変えですが、VVT−iは可変領域内において無段階にバルブタイミングを可変することができ、各回転に応じて最適なバルブタイミングを実現できます。

 5バルブ4A−Gに採用されているのはVVTですので、ここではVVTについて説明します。 VVTのバルブタイミングを可変するメカニズムはヘリカルスプラインを用いてバルブの開閉タイミングを30度位相(ずらす)する手法を採用しています。 VVTが作動していない時は、オーバーラップは21度に対し、ON時には51度に変ります。 オーバーラップとは吸気バルブ、排気バルブともに開いているときで、このオーバーラップが大きいと高回転に適したバルブタイミングとなります。

 VVTは6000rpm以下でアクセル開度が大きいとVVTがONになり、小さいとOFFのまま。6000rpm以上もOFFになるとされています。こうして5バルブ4A−Gは低回転と高回転の両立を図っています。


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