タイヤサイズ変更でローギアードを狙えるか!?(2003.2.3)

ツイート


◎旨み抽出なるか

 この話は先にあった、インチアップ・インチダウンの話の発展させたものです。

えー、正直な話、4A−GはB16Aなどに対して高回転では確実に負けております。哀しいことですが、こればっかりはどうしようもないです。

んじゃぁとばかりにエンジンパワーアップやギヤ比をローギアードさせればそれなりに対処できますが、どっちも大金がかかります。

・・・とはいうものの何かしら対処をしたいものです。そこであんまりお金掛けなくてもローギアード化してみようじゃないか!という甘い発想の元、管理人が電卓叩いて計算してみました。

 

まず、タイヤサイズ変更で、なんでローギアード化になるのか?

ギヤそのものをローギアードにしたら、当然ローギアードになりますね?

これはエンジン回転に比例して、ミッションギヤとファイナルのかけ算だからです。

そして、その先にある物は・・・・タイヤですね?

もちろんこれもかけ算の対象に入りますから、タイヤ外周が小さくなるほどローギアードしてくるというわけです。逆を言えばハイギア化にもできるわけですね。

 

よくFZの方が195/55-15にしたりして、ストレートが遅くなったというは良く聞きますが、タイヤグリップにパワー喰われたりやそのものの重量で遅くなるんですが、FZのタイヤサイズは175/70-13で、タイヤ外径が575近辺なんですね。で、195/55-15の外径はというと、595近辺だったりします。僅かながら確かにハイギヤード化しています。(外径とかはタイヤのカタログに載ってます。銘柄で多少異なります。)

もしかしたらこの辺にも遅くなる原因があるんじゃないかと思った次第であります。

んじゃぁ、その辺の探求とそれをうまく逆手に取る方法はと考えて見ました。

 

 

 

◎計算

私の乗っている車はSSサス。当然15インチ以上しか履けません。純正通りの195/55-15のBSのG3タイヤがついています。これのタイヤ外径は595mm。

インチアップすると必要以上にお金もかかりますし何とか15インチで済ませないかとカタログを見ると195/50-15があるじゃないですか。このタイヤ外径は577mm。おや、FZの標準タイヤの外径とほぼ同じですね。

195/50-15のタイヤは、実は4A−Gのマクファーソンストラット車の標準タイヤの185/60-14のインチアップした際の外径がほぼピッタリな、かなりにくいヤツです。普段195/55-15の陰に隠れて表舞台にあんまり顔を出さないのですが、今回はこのタイヤにスポットライトを当ててみましょう。(他の車種では普通に使われているサイズですけどね)

195/55-15の互換表にはなぜか載ってこない195/50-15。

実はロードインデックスが違うんです。195/55-15は84なんですが、195/50-15は82。XZやFZも純正時でのロードインデックス82。

最も車重があるSSサスだから84なのか、ただそうなってしまったのかは定かじゃありませんが、もしやろうと思ってる人は一応念頭においておきましょう。

 

さて、気になる195/55-15との速度の差はどのぐらいか・・・・

おっと、その前にモデルとして車はAE111の前期型を出しましょう。

スペックとしては・・・

1速 3.166

2速 1.904

3速 1.392

4速 1.031

5速 0.815

ファイナル 4.312

今一度みると以外とクロスしてるのね・・・

 

さて、ここからが大変です。3つの公式使います。

 

1・・・タイヤ外周(m)=タイヤ外径×3.14

2・・・タイヤ回転数=エンジン回転数÷(ギヤ比×ファイナルギヤ)

3・・・車速=(タイヤ回転数×タイヤ外周×60分)÷1000

 

まずタイヤ外径とタイヤ回転数を求めなくてはなりません。

実際に数字を当てはめて見ましょう。基準となる195/55-15を先に求めておきましょう。

タイヤ外径・ギヤ比はカタログ参照の事。エンジン回転数は3000、ギヤは2速と仮定して・・・

あ、タイヤはG3で考えています。これ使っていますから。別に他のでも同じですね。

 

 

タイヤ外周 1.8683m=595mm×3.14

タイヤ回転数 365.4rpm=3000÷(1.904×4.312)

車速 約40.95km=(365.4×1.8683×60)÷1000

 

これでAE111前期MTで2速3000回転でタイヤが195/55-15の時は時速40.95kmになるというのが解りました。

では195/50-15の場合どうなるか。

 

タイヤ外周 1.81178m=577mm×3.14

タイヤ回転数 365.4rpm=3000÷(1.904×4.312)

車速 約39.72km=(365.4×1.81178×60)÷1000

 

195/55-15が40.95kmであったとき195/50-15は39.72kmであったのが計算上解ります。

これなら車検もOKでしょう。

 

 

 

さてこれがエンジン回転数が8000rpmだったら?

195/55-15 ・・・・・ 109.23km

195/50-15 ・・・・・ 105.92km

 

さっきは速度差が1.2km差だったのが今度は3.3kmになりました。

195/50-15で約109.23kmを目指すなら後どれだけ回転数を上げる必要があるのか?

結果、8250回転まで上げないと約109.23kmになりません。

 

つまり8000rpm時には約250回転分ローギアードしているという事になります。

これは私にとって都合がいい!

 

日光サーキットで高速コーナー入口までに運転のヘボさが相成りまして2速を吹けきらないうちに(たぶん7500rpmメーター読み。計算すると約102km)3速へ繋いで高速コーナーを脱出するころには、約5000rpm(計算すると約99km)ぐらいだとすると、そこまで速度が落ち込んでいます。ホントは加速していきたいんですけどね・・・

単純にしてみると、195/50-15にしたらおそらく高速コーナー入口までに3速入っているでしょう。しかも出口でも5000rpmより高い回転数で出られる可能性があるので、この先のストレートでも有効になるのではないかと。

仮に195/50-15で同速度でコーナーをクリアして出口に来たときの回転数は計算上だと、5150rpmで約99km。

むむ、ここに私の車のスペックがありますが、今まさにMAXトルクに向かう最中。

おお、少しはストレートの加速に期待できますね。

このほかにもシフトUPしたいんだけど、タイミング的に出来ないポイントがあったりすると、少し有効かと思います。

 

 

◎実効値!?

少し有効とかそんな話をしても、いまいちぱっとしない。

そこでタイヤ外径を先の例で変更することで、ファイナルギヤ比変更相当としてどれだけ変わるか見てみましょう。

 

195/55-15から195/50-15に変更したのを単純に計算すると約4.460相当。

ノーマルは4.312。(TRDは4.733)

4.380

 

ぐはっ、その差は0.148。あんまり変わっていませんね・・・・・・。

ノーマルからTRDファイナル化した場合の約1/3ですね。

必死こいて計算した結果は報われないのでしょうか。お願いですから報わせて下さい。

 

8000回転で約250回転違ってくるなら、4A−Gの感じから言ってそこらの領域だと250回転あげるまでに、きっとシフトアップは完了している時間だと思います。

あの領域はモッサリ回っていますからね、その辺をどう取るかはアナタ次第です。250回転分、早くシフトUP出来る事が必要と思っている人には安上がりな方法だと言えましょう。吸排気チューンと違って、気まぐれで変化する値じゃないですしね。

 

 

◎ちょっと脇見

確かに195/50-15が少しながらでもローギアード化に貢献してるのは分かりましたが、ロードインデックスが下がっています。SS車は標準では84のロードインデックスなのに対し、195/50-15は82のロードインデックスであるのは先に述べたとおりです。

MS車ですと82のロードインデックスなのでMSサス全車に関しては195/55-15にするより195/50-15にインチアップしたほうが、外径もほぼ変化がないので効率面でも良かったことになります。

 

それはそれとしておいて、ロードインデックスが下がるのはイヤ!って言う人は15インチでなら205/50-15が残されています。

ロードインデックスは85と大きく、幅もあるため更なるグリップを求める人は良い選択かもしれません。しかし外径は僅かに小さく、ローギアード化の恩恵は195/50-15の方が軍配があがります。

直接のタイヤ外径を計算しない簡易な方法ですと、以下のようになります。

 

エンジン回転数8000rpmで2速だった場合・・・

195/55-15 ・・・・・ 109.23km

195/50-15 ・・・・・ 105.92km

205/50-15 ・・・・・ 107.63km

195/55-15使用時の8000rpm時の速度である109.23kmを、205/50-15で実現するには約8150rpm。つまり8000rpm比較時に150rpm分ローギアードしたと言うことになります。

例によってファイナルギヤ比換算すると、205/50-15使用時は4.380。ノーマルからTRDファイナル化した場合の約1/5の効果と同等。

ローギアード化に関しては、あきらかに劣っています。

 

 

◎結論?

 まず、この差がどれだけタイムに直結するか。これはわかりませんね。単純にローギアード化するとタイムアップするというなら僅かな差ながら有効なのは間違いないでしょう。

タイムを縮めるのは瞬間瞬間の積み重ねですから、こういった地味な部分でもタイプアップするでしょう。実際そうされている方もいまし、競技されてる方は周知の事とは思います。

タイムアップに0.1秒だけしか貢献してないとしても、それがどれだけ大変かは走ったことがある人なら判ると思います。

 

195/55-15、195/50-15、205/50-15は一般市販タイヤはもちろん、Sタイヤもあるにはあります。

自分の良く走るコースにあわせたタイヤ選択の助けとなれば幸いです。

 

あと最後に外径が小さくなるって事は車高もそれなりに下がるという事ですので、縁石またぎをする人もご注意を。


ツイート