AFS オススメ音楽館



「THE HEARTS」 山下久美子20周年アルバム

 

推薦人/ジャスミン姫さん

 

久美子を始めて見たのはベストテン番組の中継だった。

「赤道小町・ドキッ」がヒットして、CMとしてもTVから流れ

私は「なーーんか可愛いおねえさん」と思っていた。

 

偶然にも、この年に私はMotoの音楽に出会い、のめり込んでいく。

「総立ちの久美子」その名前とヒット曲は知っていたが、レコードを買う程ではない。

ところが、ある年のクリスマス、MotoのDJ番組に久美子が現れた。

その時、始めて二人の交流を知り、猛烈に興味を抱いた。

「久美子の魅力を知りたい!」それが始まりだった。

 

それ以来、私は久美子の魅力にまいっている。

やさしい声、少し舌足らずな唄い方、ちょっとタレ目の微笑み。

久美子は、とても素直な女性に見えるのに、

歌の中の彼女は、強がりで、意地っ張りで、傷つきやすく、とても繊細だ。

それでも、去っていく男を、いつもどこかで許している。

傷つきながらも、まっすぐ前を向いて、愛した男を自由に解き放つ。

 

彼女は「Bad Girl」のようでもあり、「寂しげなエンジェル」のようでもある。

私はMotoの歌の中に、時折り、久美子を見つけて嬉しくなるのだ。

 

さて、このアルバム。

魅力の一つは、久美子の20年の友情と愛がぎっしり詰まっている事だ。

でも、最大の魅力は、アルバムジャケットを見てほしい。

これ、これ。この笑顔なの。

20年前と殆ど変わらない笑顔。

でも、瞳の奥には、彼女が20年に関わってきた色々なものが

暖かく・・そして優しく・・・確実に、そこにある。

歌声は限り無く甘く、切なく、優しい。それこそが彼女の魅力なのだ。

 

特に魅力的なナンバーは

 

スピード感を押さえて、キレが良くなった。

それでも「ちょっとだけ若すぎる」と唄う。『SO YOUNG』

「いつまでも少年、少女」の二人のハーモニーを感じて欲しい。

 

『こっちをお向きよソフィア』

大沢誉志幸の手で、再びダンサンブルに生まれ変わった。

ほほ〜〜やるな(にやり)、で、スキャットもいい感じ。

 

『バスルームから愛を込めて』

桑田さんとのミスマッチなハーモニーが想像以上にイケてる。

 

アコースティックギターの音色が、とにかく心地良い『いっぱいキスしよう』

日だまりの中で、ハンモックに揺られながら唄っているような久美子の歌声が

山崎まさよしの奏でるハーモニカと重なると・・。

 

『Tonight』も、ファンタジックな雰囲気がかわゆい。

Motoにも同名の歌がある。共通点は・・・なんて考えてた訳じゃ無いけど

なんとなくテンポも似たような感じだね(笑)。

NYでひとり眠りにつくMoto、夜の窓からそっと歌いかける久美子・・・なんてね。

(作品発表年は全く重なってません)Rainbow繋がり〜〜♪

 

長田君の独特なカッティングが光る『微笑みのその前に』『SINGLE』も

実は、かなり好きだ・・(独断)。

 

そして、このアルバムは、彼女の代表作『赤道小町ドキッ』で締めくくる。

「こまっちっ♪」って上がるトコが、なんとも好きなんだなぁ〜。

80年代。テクノ全盛。ユキヒロ健在!へへっ。

 

全編通して、久美子の未熟な少女っぽさ、そして、成熟の女らしさ

そんな魅力が、綺麗な赤いリボンをかけられている、そういうアルバムなのだ。

 

これから、私に幾度となく訪れるだろう「今の自分の不確かさ」。

その前で自信を失いそうになったら、等身大の自分を鏡で写すように、

私はこのアルバムに手をのばす事になるだろう。

その時の私は・・・どんな風に笑っているのかな?

 

すこしは大人になったかな?

ね・・久美子・・(くすっ)

あたしも色々とさ・・。久美子も?ふふっ。

 

20年おめでとう、久美子。

そして、素敵な歌をいつもありがとう。

 



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