小さなノバちゃんはベッドの上。
小さな窓から、なにが見える？
小さな窓には、一羽の小鳥さん。
小鳥さんは窓の外。
窓の中には、誰がいるの？
窓の中には、小さなノバちゃん。
小鳥さん小鳥さん？
ここにおいでよ？お話しよう？
君が見てきた素敵な景色の
おはなし聞かせてくださいな？
ちゅんちゅんちゅんちゅん
お安いごようさ、小さな友達
窓の中に入ってもいいかい？
森いちばんの高い樹の
小さな小鳥の小さなお家。
リスさん、シカくん、ウサギさん
僕の大事なお友達。
いつか君にも見せたいな。
ノバちゃんから見える窓の外
大きなビルが並んでる。
くるまの音がぷーぷーぷー
星もみえない静かな夜に
誰かが外で泣いている。
小さな小鳥は言いました。
ノバちゃん、ここから見えるのは
大きなビルの冷たいカベだけ。
僕にはとても似合わない。
ノバちゃんの目から大粒の
涙がこぼれていきました。
小さな小鳥の瞳に写る
ノバちゃんはとても寂しそう。
小さな小鳥は言いました。
ノバちゃん、ちょっと待っててね。
すぐに戻ってくるからね。
小さな小鳥は羽ばたいて
小さな窓から飛んでった。
次の日の朝ノバちゃんの
ベッドの上にはノバちゃんと
小さな小鳥が眠ってた。
ノバちゃんの小さな手には
名前も知らない花が一りん
小さな小鳥は次の日も
その次の日も飛んできた
小さな羽をはためかせ
お花をくわえて飛んできた
いつの間にかノバちゃんの
小さなベッドはお花でいっぱい
ノバちゃんは笑顔で言いました
お花畑にいるみたい！
ある日大きな嵐が吹いて
小さな小鳥はきませんでした。
嵐が去った次の日も
その次の日もきませんでした。
ノバちゃんは毎日毎日さびしくて
涙をためた小さな瞳で
小さな窓をのぞいてた。
小さな小鳥を待っていた。
ある朝小さなノバちゃんが
小さなベッドで目を覚ます。
そこには小さな花が二りん
ちゅんちゅんちゅんちゅん
ノバちゃんの小さな窓には
二羽の小さな小鳥さんたち
やあ、ひさしぶり小さなノバちゃん
僕の大事な小さなともだち
僕の大事な小さな小鳥と
おともだちになってくれるかい？
小さなノバちゃんニコッと笑って
なぜだかこぼれる涙をぬぐい
大事なともだちに言いました。
ありがとう小鳥さん
ずっと友達でいようね。
小さなノバちゃんはベッドの上。
小さな窓から、なにが見える？
小さな窓には、ニ羽の小鳥さんたち
小さなノバちゃんはお花畑の中
今日もニッコリ笑っている。