ワラスハット 
〜なんと貸切小屋!〜

 キナバル山へ

 じめじめした虫の館から起き出し、登山用のパッキングと車に残置する荷物を分けて支度をし、昨晩に夕食をとったレストランに向かう。ニヴェルがエントランスで迎えてくれた。
 またマレーシア風のパサパサご飯の朝食を食べる。何日食べても飽きないので、日本人にはありがたい食事だと思う。食事中にニヴェルがレストランが作ってくれたランチボックスを持ってきてくれた。なんだか昔風の卵入れみたいな素材のボックスだった。食事を終え、荷物を車に積み込み、一旦ゲート近くの事務所に寄る。ここで登山手続きを済ませ、登山ガイドと合流する。ニヴェルがまたもや「ちょっと待っててね」といって車から降り、事務所に入っていた。僕は車の中で座っているだけ。まったくどこからどこまで大名旅行なんだ〜とわれながら呆れる。僕もサラリーマンになって少しは金持ちになったやな〜、学生時代だったら考えられん!とブツブツ独り言を言っていると、事務所から山岳ガイドを伴ってニヴェルが出てきた。


<サイユン  シェルターで>
 山岳ガイドはSaiun(サイユン)という30代後半という感じのおじさん。でも気のいい人で、一気に意気投合した。握手を交わし、これから二日間よろしくお願いします、と挨拶。EB社の車に乗ってティムポホンの登山ゲートに向かう。
 ティムポホンの登山ゲートは事務所から来るまで7分くらいだけど、上り坂なので歩いたら結構あると思う。ちなみに事務所から登山ゲートまではマイクロバスが30分間隔で運行しているが、乗客が4人以下だと一人RM12.5(約375円)も取られる。この距離でこの値段は高すぎ。ま、観光地プライスなんでしょうね。
 ティムポホンの登山ゲートでニヴェルと別れる。事務所でもらったパーミッションを係員に見せ、ゲートをくぐっていよいよキナバル登山の始まり。
 今日は一日目の宿泊場所であるワラスハットまで。ジャングルのなかを歩いていく。ティムポホンの登山ゲートは標高1866.4m。ワラスハットは標高3243.7m。標高差はざっと1377.3m。そこそこの標高差だけど、アップダウンが全くないのでおそらく楽チンだろう。まず、つづら折れの良く整備された道をひたすら登る。ゲートを出るとすぐにカーソン滝という立派な滝が我々を送ってくれる。滝の前はとても涼やかだった。
 登山道には500mづつ(おそらく歩行距離。標高差ではないのは確か)に看板が立っている。たとえばゲートから1km地点には「Km1」という具合。それからところどころにシェルターと呼ばれる休憩所が整備されている。日本でいる東屋のような感じ。休憩するにはもってこいだけど、行動食をリスにさらわれそうになるので注意。
 道は本当によく整備されていて、体力さえあればそれこそ誰でも登れる。途中で食虫植物として有名なNepenthesなんかを観察した。日本名は「ウツボカズラ」。熱帯だな〜という感じだった。


<ラバンラタレストハウス>
 初めはゆっくり歩いていたサイユンも僕のペースを知ると、「君は良く山を登るの?」なんて聞いてくる。ロッククライミングをやるし、日本でガイドのライセンスももっているんだよ〜なんて調子こいて答えると、僕のペースを納得したようだった。それ以降サイユンと黙々と登り続け、途中で数回の休みを取ったにもかかわらずワラスハットまで2時間半程度で着いてしまった。サイユンはちょっと喜んだ感じで、ちょっと呆れながら「2時間半で着いてしまったよ」と言ってきた。つまり時刻は昼前。ちょっと早すぎ・・・。
 結局、ランチボックスは小屋で食べる羽目になった。ワラスハットから少し上にラバンラタのレストハウスがあって、ここにある売店でカールスバーグの缶ビールを二本買って外でぐびぐび飲みながらランチボックスを開ける。サイユンに「今日中に頂上までいけないか」と聞いてみたところ、午後は天気は悪くなるのでお勧めではないのだそうだ。しかたないので缶ビールを二本飲み干し、少しいい気持ちになったのでラバンラタのレストハウスの前で裸で昼寝をして過ごした。3200mの紫外線は思った以上に強烈で、昼下がりには腹と背中がヒリヒリした。
 太陽が傾き始め、なんとなく雲が多くなってきたのでワラスハットに入る。ワラスハットは6人分のベッドがあるだけの無人小屋で、大きさは本当に物置程度。ただ、横にはきちんとキッチンスペースが付いていて、自炊はできるようになっている。一応プロパンガスがおいてあった。立派!ワラスハットは無人なので、ラバンラタレストハウスで鍵をもらう。
 で、結局この日ワラスハットに寝るのは僕一人だった!なんと、貸切。ラバンラタレストハウスやその他の小屋が満員だからワラスハットしかとれなかったとニヴェルの説明だったけど、本当に一杯なのかな・・。ま、いずれにせよ誰に気兼ねする必要もないのでちょっと快適だった。
 ラバンラタのレストハウスの目の前に立ちはだかるパナール・ラバンの大岩壁が赤く染まる頃、絶景を見ながら夕食を取った。明日は明け方の2時に起き、暗いうちにローズ・ピークに立つ予定。早めに就寝した。


<ワラスハットからの夕陽>









ローズピーク&サウスピーク

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