妹ヨシコ、初・本格的バイト計画 バリスタへの道
妹ヨシコ・23歳。
大学卒業&大学院進学が決まったが、さすがにもうお小遣いはもらえないので、バイトを探すことにした。
条件は、平日午前(生活改善計画のため)。
日曜日になると求人チラシを見ていたのだが...。
<店鋪研修編〜第1週>
3月21日(水) ついに店鋪研修。服装のきまりがいろいろとあるから、前日にわざわざコンバースの黒のスニーカーとユニクロの黒ポロシャツ、黒ストレッチシャツを買ってしまった。うぅ、お金ないよ〜。行きの電車でかなり予習して、横浜の某スターバックスへ向かった。
お店の中に入り、『研修の者です...』とおずおずと伝えると、着替えを指示され、その後奥の狭い部屋へ通された。しばらく待つと釈姉さん登場!今日は釈姉さんがいろいろと教えてくれるらしい。ホッ。まずは緑のエプロンを付け、お店の中を見る。ふひ〜、私ったら店員なわけね。今日はとにかく笑顔であいさつ。『こんにちは〜〜〜』『ありがとうございま〜す』...うぅ、花粉症でノドが痛いぞっ。
その後、『バッシング』の仕方を覚える。『バッシング』何かと思えばお片付け(おっ、五七五)。赤いダスターを持ち、釈姉さんと店内を歩きテーブルを拭き、ゴミ箱を覗き、コンディメントバー(砂糖、ミルク、スプーン、フォーク、紙ナフキン、水、スパイス、等が置いてあるところ)に補充をし、ゴミ箱を空にし、エプロンを外し、2つあるトイレを掃除する(家でもやらない)。ここまでがバッシング一連の流れ。これをパートナー全員が休憩前、上がり前に5分でやらなければいけないらしい。実際やってみる。あら〜、ムリっす。さすが私、動作が鈍いな〜。
さて、パートナーの特権のひとつに、お仕事前、休憩中、お仕事後にドリンクをもらえる、というのがある。私はまだフラペチーノを飲んだ事がなかったので休憩中にキャラメルフラペチーノを飲んでみる。疲れていることもあって、おいし〜じゃないの〜。そして仕事終わりにもテイクアウトでランバフラペチーノ。お店の中は仕事をしていることもあって暑いのだが、外に出てみるとちょっと肌寒い。でも飲み続け駅へ着くと...手が真っ青じゃ〜ないか!スターバックスを利用する方ならお分かりだろう。プラスチックのカップに青いペンで書かれたドリンクIDがすっかり私の手に付いていたのだ。体は冷えてお腹は軽く痛いし、すっかりブルー(シャレじゃないです)。しかもフラペって...コーヒー味のパピコに似てない?
3月22日(木) 今日は釈姉さんは来てくれなくて(しゅ〜ん)、他の社員のメガネのお兄さんが教えてくれるらしい。一緒に入り口からお店を見る。どうやら今日はお店に置いてあるグッズについて覚えるらしい。マグカップ、タンブラー、コーヒー豆、シロップ、かなりぼったくりチックなお菓子。う〜ん、これはパートナー割り引き効いても私は買わないな〜。そして、ボッタクリ度ナンバーワンの商品は...ジャーン!エスプレッソマッシーン!その名も『バリスタ』。これはスターバックスにあるエスプレッソマシーンの小さい版で、これがあればカプチーノやラテなどのエスプレッソドリンクが自宅でも作れるのだ!一瞬欲しくなってしまった私。でも値段は...4万円也。う〜ん、やっぱり4万円もするのか〜、と思っていたらメガネのお兄さんが『電気屋さんでは2万円以内で売ってます』...えっ?倍じゃん!スターバックスのマークが入るだけで倍!は〜、やるね〜。お客さんにそこを突っ込まれたら?という疑問に、『電気屋さんにはできないコーヒーに関してのアフターケアができる』点を説明するように、と仕込まれる。ラジャー!(私は買うとしたら電気屋で買いまっす!)→その後、他の社員さんから『機能が全然違うんだよ〜!』との指摘を受ける。ひ〜、すみませんっ!
その後、休憩恐怖のレジへ。も〜うアタフタ。まず口がモニョモニョする。お客さんが特別なドリンクなんか頼もうなら舞い上がってしまい、コ−リングの事しか頭にないのだ。『うわ〜、これ何ていうんだっけ〜?』と思いながらの対応だから、レジ打ちも独り言チック。でもとりあえず笑顔。たぶんひきつっていたと思うけど。
3月23日(金) 今日は外でテイスティングというのをやる。テイスティング=試飲。実は昨日もやったのだが、かなり不満の残る出来だった。『こんにちは〜!スターバックスで〜す!ランバフラペチーノいかがですか〜?』...こんな事を道行く人に話し掛け、小さなカップに入っているドリンクを勧めるのだ。これがまた難しい!以前、コンサートのチラシを駅前で配ったことがあるのだが、結構もらってもらえたので『私これ得意』と思っていたのだが、あの時はただ元気に(=強引に)押し付けていただけだった事が分かった。
先輩から学んだコツ1:ひとりひとりに『こんにちは〜!』を言わなくてよい。これは私がもっとも勘違いしていたところ。ひとりずつ言わなくちゃ、と思っていたのでたくさん人が通ると『こんにちは!こんにちは!こん..こんにちは!』と早口で連発になっていたのだ。先輩から『大丈夫?』と言われてしまった。人の群れひとつに対してひとつのセリフ。これを覚えてからかなりゆっくりしゃべれるようになった。
先輩から学んだコツ2:コップを手に持ち、通る人の目線に入るようにする。お年寄りの場合は低めに。暖かいドリンクだと香りがプ〜ンと道に拡がるのだ!
先輩から学んだコツ3:満足させない量。あくまでも試飲。
...今日はテイスティング2日目だったのでかなり自然にできたかな。コーヒーが飲めない子供に飲ませてしまったこと1回。『(フラペチーノ)吸えねえよ〜ストローから出てこねえよ〜』というおじいさま1人。『お姉さんはいつ中にいるの〜?』というオバカなサラリーマンは4人組。
そして、ついにバー(ドリンクを作る場所)へ!社員のメガネのお兄さんにフラペチーノの作り方を教えてもらう。途中でお兄さんに『フラペチーノってパピコに似てますよね?』って言ってしまったら、とても共感してもらえた。よかったよかった。でもパピコで280円は取れないよね〜ヒンシュクだよね〜とか言っていた。私もそう思いますよ。しかし、だんだんドリンクを作るようになってきたな〜。バリスタっぽくなってきたぞ〜。
<店鋪研修〜第2週目>へ続く...