平成15年度介護支援専門員実務研修受講試験

 

保健医療サービスの知識等 問題26〜問題45

 

 

問題26 適切なものはどれか。 3つ選べ。

 

 バイタルサインとは、一般に体温、血圧、尿量のことを指す。

 高齢者は、若年者と比較すると、一般的に疾患の症状が顕著に現れることが多い。

 高齢者は、一過性の脳虚血、低栄養、脱水等により精神症状が現れやすい

 高齢者は、循環器疾患の典型的な徴候が現れにくいため、その発見や治療の開始が遅れることがある。

 慢性気管支炎を有する高齢者は、肺炎等を契機として急激に呼吸不全を来す場合がある。

 

私の解答

 

1 × バイタルサインとは、一般に体温、血圧、脈拍のことを指します。

2 × 高齢者は、若年者と比較すると、一般的に疾患の症状が現れにくいです。

3 ○

4 ○

5 ○

 

 

問題27 適切なものはどれか。 3つ選べ。

 

1 糖尿病は、1型糖尿病と、2型糖尿病に大きく分けられ、高齢者においては1型が多い。

 慢性関節リウマチ(関節リウマチ)の症状には、日内変動を呈するものがある。

 高齢者の大腿骨骨折は、寝たきりの主要な原因となっている。

 尿閉を起こす原因の1つとして、薬剤の副作用がある。

 施設においてノルウェー疥癬が発生した場合には、症状の現れた者のみを治療すればよい。

 

私の解答

 

1 × 高齢者糖尿病は2型が多いです。

2 ○

3 ○

4 ○

5 × ノルウェー疥癬は感染力が強いため、同室者など感染の可能性のあったものは、症状の有無にかかわらず一斉に治療する必要があります。

 

 

問題28 適切なものはどれか。 2つ選べ。

 

 骨粗鬆症は、男性に多い。

 パーキンソン病の初発症状の特徴の1つとして、動作時の振戦がある。

 高脂血症とは、血液の中性脂肪のみが基準値以上に増加した状態をいう。

 肺気腫や慢性気管支炎の治療中においては、感染の予防が重要である。

 慢性腎不全の原因としては、糖尿病性腎症が多い。

 

私の解答

 

1 × 骨粗鬆症は、女性に多いです。

2 × パーキンソン病の四大運動症状は、身体のふるえ(振戦)、筋の硬さ(固縮)、動作の遅さ(無動)、姿勢・歩行障害です。

3 × 高脂血症とは、血液のコレステロールまたは中性脂肪のいずれか、または両方が基準値以上に増加した状態をいいます。

4 ○

5 ○

 

 

問題29 適切なものはどれか。 3つ選べ。

 

 おむつの着用や留置カテーテルの使用は、尿意の維持に効果的である。

 エアマット等の活用により、褥瘡予防のための体位変換が不要となる。

 重度の感覚障害を有するものは、褥瘡が生じやすい。

 脳卒中後遺症者は、咀しゃくや嚥下の機能に障害が残ることがある。

 嚥下の機能に障害を有する者は、脱水症状、栄養障害、誤嚥性肺炎等を起こすことがある。

 

私の解答

 

1 × おむつの着用や留置カテーテルの安易な使用は、尿意の後退をもたらしやすいです。

2 × エアマットは除圧効果のある褥瘡予防用具ではありますが、体位変換は必要です。

3 ○

4 ○

5 ○

 

 

問題30 適切なものはどれか。 3つ選べ。

 

 失語症と構音障害は、高次脳機能障害である。

 日常生活動作や手段的日常動作の援助においては、直接的な訓練だけでなく、自助具や福祉用具の活用、環境整備も重要である。

 廃用症候群は、過度の安静や長期臥床など適切なケアやリハビリテーションが行われなかったことにより二次的に発生する。

 長期臥床後の座位訓練においては、起立性低血圧の生じる可能性に留意する。

 ADLとは、一般的には、炊事、洗濯、掃除等の家事や金銭管理等をいう。

 

私の解答

 

1 × 構音障害は、構音器官(舌、口唇、咽頭、軟口蓋など)の麻痺や筋相互の協調運動障害です。

2 ○

3 ○

4 ○

5 × ADLとは、食事、排泄、更衣、整容、入浴、起居移動の6動作をいい、炊事、洗濯、掃除等の家事や金銭管理等は、IADLをさします。

 

 

問題31 適切なものはどれか。 3つ選べ。

 

 口腔の3つの大きな機能は、咀しゃく、嚥下、発音である。

 MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の保菌者に対しては、施設や在宅において隔離してケアを行う必要がある。

 誤嚥性肺炎は、口腔咽頭粘膜において繁殖した病原菌を多量に含む喀痰や唾液を、反復して微少吸引することにより、発症する場合がある。

 高齢者は、加齢に伴い唾液分泌機能が低下する。

 高齢者は、加齢により生理・生体機能が低下しているので、薬剤の副作用が起こりにくい。

 

私の解答

 

1 ○

2 × MRSAの保菌者に対しては、施設や在宅においてケアを行う場合、手洗い・消毒を確実に行う必要はありますが、隔離する必要はありません。

3 ○

4 ○

5 × 高齢者は、加齢により生理・生体機能が低下しているので、薬剤の副作用が起こりやすいです。

 

 

問題32 適切なものはどれか。 3つ選べ。

 

 口腔ケアを適切に行うためには、口腔の状況だけでなく、要介護者の歯磨き、義歯の着脱、義歯清掃の自立度等についても評価を行う。

 高齢者は歯と歯の隙間が大きくなるので、むし歯になりにくい。

 歯磨きは細かい作業なので、要介護者本人に任せず、介護者が行うことが望ましい。

 消毒・殺菌作用のある含嗽剤を使用する口腔清掃より、歯ブラシ等を使用するブラッシングの方が清掃効果が高い。

 義歯の清掃は、少なくとも1日に1回は行う。

 

私の解答

 

1 ○

2 × 高齢者は歯と歯の隙間が大きくなり、歯垢や食物残渣が残りやすく、セメント質も露出するので、むし歯になりやすいです。

3 × 歯磨きは確かに細かい作業で、介護者が介助することは必要ですが、リハビリテーションのためにも、要介護者が自力でできることは必ず本人にやらせましょう。

4 ○

5 ○

 

 

問題33 適切なものはどれか。 3つ選べ。

 

 高齢者によく見られる低栄養状態として、蛋白質・エネルギー低栄養状態(PEM)がある。

 過剰な投薬は、食欲不振を招くことがある。

 蛋白質摂取状態の指標としては、グロブリンの値がよく用いられる。

 低栄養状態は、褥瘡の原因となる。

 嚥下障害等により食事の経口摂取ができない間は、入院治療が必須である。

 

私の解答

 

1 ○

2 ○

3 × 蛋白質摂取状態の指標としては、血漿の総蛋白質やアルブミンの値がよく用いられます。

4 ○

5 × 嚥下障害等により食事の経口摂取ができなくとも、経鼻・胃ろう・経腸等の経管栄養法や、中心静脈栄養法等により、在宅でも医療管理ができます。

 

 

問題34 Aさん(78歳)は、高血圧症で通院中である。訪問介護事業所から「昨日までは問題がなかったが、今朝、訪問介護員が訪問したところ、財布がない、盗まれた、などと言いながら部屋の中をうろうろし、状況にそぐわない言動がある」との連絡があった。介護支援専門員の対応としてより適切なものはどれか。 2つ選べ。

 

 Aさんの最近の日常生活や身体の状況等について、家族から詳しく聞く。

 10日後に予約している病院受診時に検査してもらうよう、家族に助言する。

 せん妄を疑い、すぐに主冶の医師に相談する。

 すぐに通所介護の利用を検討する。

 すぐに老人性痴呆疾患療養病棟を紹介する。

 

私の解答

 

1 ○

2 ×

3 ○

4 ×

5 ×

 

 

問題35 脳梗塞を発症した後の対応について適切なものはどれか。 3つ選べ。

 

 再発の可能性が高いので、発症1か月は絶対安静である。

 安静状態を保つことで、拘縮や筋萎縮が起こることがある。

 後期高齢者の場合は、リハビリテーションの適応にはならない。

 自分では動かせない場合でも、関節可動域訓練を開始することはできる。

 再発防止のために血圧管理等を行う。

 

私の解答

 

1 × 廃用症候群予防のため、比較的早期から、抗重力運動を行います。

2 ○

3 × リハビリテーションは継続しないと運動機能が退化しますので、必須です。

4 ○

5 ○

 

 

問題36 Aさん(68歳)は、2年前から慢性腎不全のため自宅で寝たきりの生活を送っている。入浴の援助について適切なものはどれか。 2つ選べ。

 

 訪問入浴サービスの提供にあたっては、主冶の医師の指示を得ることが望ましい。

 腹膜透析を行っている場合には、入浴は不可である。

 褥瘡がある場合には、入浴により末梢血流量が増加し、症状が悪化するため、入浴は避ける。

 急な発熱や血圧の上昇が見られる場合には、入浴を中止することがある。

 入浴後は発汗による水分減少があるので、必ず十分な水分補給を行う。

 

私の解答

 

1 ○

2 × 現在の方法では、入浴は可能です。

3 × 褥瘡は血液の流れが悪くなることによって発生しますから、入浴は褥瘡予防に効果的です。

4 ○

5 × むくみがある場合は水分制限が必要です。

 

 

問題37 訪問リハビリテーションについて正しいものはどれか。 3つ選べ。

 

 医療保険においては、主に急性期のリハビリテーションを目的とし、介護保険においては、主に回復期のリハビリテーションを目的としている。

 要支援者に対しては、要介護状態になることの予防に重点が置かれたリハビリテーションを中心に行う。

 訪問看護ステーションから理学療法士や作業療法士が訪問する場合には、訪問リハビリテーションに該当する。

 退院又は退所後の在宅生活における自立性の向上を図るため、一定の要件の下、利用者の状況に応じたリハビリテーションを行った場合には、介護報酬が加算される。

 指定を受けられるのは、病院、診療所又は介護老人保健施設に限られる。

 

私の解答

 

1 × 急性期、回復期リハビリテーションは医療保険で対応され、維持期リハビリテーションは主に介護保険で対応されます。

2 ○

3 × 訪問看護ステーションから理学療法士や作業療法士が訪問する場合には、訪問看護に該当します。

4 ○

5 ○

 

 

問題38 通所リハビリテーションについて正しいものはどれか。 2つ選べ。

 

 要介護4以上の者は、身体機能の回復が見込めないため利用できない。

 通所リハビリテーション計画は、介護支援専門員の指示に基づき各職種が共同して作成する。

 通所リハビリテーション費には、食事提供加算、入浴介助加算等が認められる。

 通所リハビリテーション費の個別リハビリテーション加算は、理学療法のみが対象となる。

 通所リハビリテーション費の延長加算は、所要時間が8時間以上の場合に認められる。

 

私の解答

 

1 × 要介護度による制限はありません。

2 × 通所リハビリテーション計画は、介護支援専門員でなく、医師の指示に基づいて作成されます。

3 ○

4 × 理学療法だけでなく、作業療法または言語聴覚療法も対象となります。

5 ○

 

 

問題39 介護老人保健施設について正しいものはどれか。 3つ選べ。

 

 計画担当介護支援専門員は、入所者の施設サービス計画を作成する。

 介護保険施設サービス費は、医師・薬剤師及び看護・介護職員の配置割合により格差を設けている。

 介護老人保健施設の在宅ケアを支援する機能として、短期入所生活介護、通所リハビリテーションがある。

 計画担当介護支援専門員は、入所者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討し、その内容等を記録しなければならない。

 介護老人保健施設を退所し、引き続き介護療養型医療施設に入院した場合には、介護報酬上、退所前連携加算は算定できない。

 

私の解答

 

1 ○

2 × 介護保険施設サービス費は、看護・介護職員の配置割合により格差を設けていますが、医師・薬剤師による格差は設けられていません。

3 × 短期入所生活介護でなく、短期入所療養介護です。

4 ○

5 ○

 

 

問題40 介護療養型医療施設について正しいものはどれか。 3つ選べ。

 

 介護療養型医療施設の利用者には、介護老人保健施設の利用者より要介護度の軽い者が多い。

 介護療養型医療施設の指定は、原則として、病室単位で行われる。

 計画担当介護支援専門員は、定期的に入院患者に面接しなければならない。

 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成にあたり、サービス担当者介護の開催、担当者に対する照会等により、担当者から意見を求めなければならない。

 指定を受けられるのは、療養病床を有する病院・診療所、老人性痴呆疾患療養病棟である。

 

私の解答

 

1 × 介護療養型医療施設の利用者には、介護老人保健施設の利用者より要介護度の重い者が多いでしょう。

2 × 原則として、病室単位でなく病棟単位です。

3 ○

4 ○

5 ○

 

 

問題41 加齢の影響を特に受けやすい臨床検査指標として適切なものはどれか。 3つ選べ。

 

 経口糖負荷試験による値

 血小板数

 クレアチニンクリアランス

 肺活量

 GOT

 

私の解答

 

1 ○ 高齢者では耐糖能が低下しており、経口糖負荷試験では負荷後の血糖は高値を示します。

2 × 高齢男性では血小板数の減少が認められることがありますが、青壮年者とあまり変化はありません。

3 ○ 腎機能低下によりクレアチニン値が上昇しますが、高齢者ではたとえクレアチニン値が正常でもクレアチニンクリアランス(糸球体ろ過率)が低下することがあります。

4 ○ 加齢により肺活量は減少します。

5 × 肝胆道疾患、心筋梗塞、筋疾患で上昇しますが、加齢による変動はないといわれています。

 

 

問題42 痴呆性高齢者について適切なものはどれか。 2つ選べ。

 

1 日本における痴呆のほとんどは、脳血管性痴呆である。

 アルツハイマー型痴呆は、片麻痺、知覚障害、言語障害を高頻度に伴う。

 痴呆性高齢者への療法的アプローチとしては、回想法やリアリティ・オリエンテーション等がある。

 痴呆性高齢者に対する介護において、最も困難な問題となるのは、ADLの低下である。

 グループホームにおけるケアは、生活の継続性や日常の生活感覚を保つうえで、有効とされている。

 

私の解答

 

1 × アルツハイマー型痴呆と脳血管性痴呆で、日本における痴呆の75〜80%をしめます。

2 × 片麻痺、知覚障害、言語障害を高頻度に伴うのは、脳血管性痴呆です。

3 ○

4 × 痴呆性高齢者に対する介護において、最も困難な問題となるのは、高齢者虐待ではないでしょうか。

5 ○

 

 

問題43 適切なものはどれか。 2つ選べ。

 

 インスリンの自己注射を行っている場合には、食事摂取量の低下による低血糖に留意する。

 人工透析には、大きく分けて血液透析と腹膜透析があり、このうち在宅で一般的に行われるのは血液透析である。

 要介護者が通常の食事摂取量を確保できない場合には、成分栄養経管栄養療法を積極的に導入する。

 在宅酸素療法は、在宅人工呼吸療法の一種である。

 救命処置における「心肺蘇生のABC」とは、気道確保、人工呼吸、体外心マッサージをいう。

 

私の解答

 

1 ○

2 × 在宅で一般的に行われるのは腹膜透析です。

3 × 可能な限り経口摂取を続け、どうしても食事摂取量を確保できない場合には、成分栄養経管栄養療法を導入します。

4 × 在宅酸素療法と在宅人工呼吸療法とは別の療法です。

5 ○

 

 

問題44 介護保険の給付の対象となる訪問看護として正しいものはどれか。 2つ選べ。

 

 70歳。剄髄損傷。排尿障害のため導尿を必要としており、家族に不安があるため訪問介護を希望している。

 67歳。末期の悪性腫瘍。最期を家で過ごしたいと、訪問看護を希望している。

 72歳。脳出血で右片麻痺。リハビリテーションの結果退院したが、高血圧もあるため訪問看護を希望している。

 60歳。初老期痴呆。介護老人保健施設から退所して在宅での生活となるが、家族に不安があり訪問看護を希望している。

 74歳。特定施設入所者生活介護を利用中。喘息のコントロールのために訪問看護を希望している。

 

私の解答

 

1 ×

2 ×

3 ○

4 ○

5 ×

 

 

問題45 介護保険の給付の対象となる居宅療養管理指導として正しいものはどれか。 3つ選べ。

 

 褥瘡のある利用者に対し、看護師が訪問してその処置を行った。

 脳卒中後遺症のある利用者に対し、歯科医師の指示に基づき、看護師が訪問してむし歯予防のためのブラッシング指導を行った。

 義歯が合わず咀しゃくがうまくできない利用者に対し、歯科医師が訪問して義歯の調整を行った。

 嚥下困難のため流動食を摂取している利用者に対し、医師の指示に基づき、管理栄養士が訪問して栄養指導を行った。

 医師が、褥瘡のある利用者の居宅を訪問し、訪問介護事業者に対し、介護方法についての情報提供を行った。

 

私の解答

 

1 × 医師の指示に基づいていないため給付対象になりません。

2 ○

3 × 医療保険での給付となります。

4 ○

5 ○

 

 

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