第132号 2010年12月 長野県歯科保健推進条例 長野県議会は、9月定例県議会に歯科保健推進条例案を議員提案し、10月6日、全会一致で可決、10月21日、公布施行されました。 経緯
長野県歯科医師会は、長野県議会に歯科保健活動の重要性を説いた結果、2008年10月、全国初の超党派による長野県歯科保健衛生対策議員連盟(歯科議連)が結成されました。条例制定に向けて、大学教授等を招いた研修会や他見視察などを行った後、具体的な条文作成のため、2009年7月、歯科議連の下に歯科保健条例制定検討調査会が設置されました。12回の検討調査会で歯科保健推進条例案が決定、2010年10月6日、9月定例県議会に提出・可決され、10月21日、公布施行となりました。 同様の条例を制定している自治体は、新潟、北海道、長崎、静岡、島根、千葉、岐阜、愛媛、佐賀、茨城の1道9県のため、全国で11番目の制定となりました。本来は国レベルの歯科口腔保健法の成立が待たれていますが、国政の混乱から未だ日の目を見ない状況のため、各県で条例制定が進んでいました。 なお、国の歯科口腔の基本法として、「歯科口腔保健の推進に関する法律(いわゆる歯科口腔保健法)」が、2011年8月2日可決・成立、8月10日公布・施行されました 前文 条例は、前文と14の条文から構成されています。 前文では、歯は単に食物を咀嚼するというだけでなく、食事や会話を楽しむなど豊かな人生を送るためにも重要であり、生涯にわたって健康でいきいきと自立した生活を送ることができるために、歯科保健対策を更に充実させ、「健康長寿県
長野」を将来に継承していくことを謳っています。 基本理念(第2条) 県民は自ら歯及び口腔の健康づくりに努めること、長野県は、地理的特性である高齢者が多く住み医療機関へのアクセスが不便な中山間地域であっても、生涯を通じて必要な歯科に関する保健医療サービスを受けることができる環境整備がなされることが明記されています。 県の責務(第3条) 長野県は、県民の歯及び口腔の健康づくりの推進に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、実施する責務を有することとされました。 歯科保健推進計画(第8条) 長野県知事は、歯科保健推進計画で歯及び口腔の健康づくりに関する基本的な方針、施策、目標等について定めることを義務付けられ、計画は5年ごとに見直されることになっています。 基本的施策の実施(第10条) 幼児期や学童期におけるむし歯予防対策に極めて重要なフッ化物応用の推進が明記されました。ちなみに、2009年3月、「小学校等におけるフッ化物洗口の集団実施の推進」を県議会において決議しています。 また他県の条例にはない、たばこによる歯及び口腔の健康被害の防止対策、糖尿病等の生活習慣病の予防対策も明記されました。 |
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