70号 2005年10月 アイスクリーム頭痛

 

 

アイスクリームやかき氷など、冷たい食べ物を急にたくさん食べると、頭がキーンと痛くなることがあります。この頭痛をアイスクリーム頭痛といいます。これは俗称ではなく、ice cream headacheという正式な医学用語です。

しかしなぜ、冷たいものは口の中なのに頭で、しかも冷たさでなく痛みとして感じるのでしょう? これには2つの説があります。

ひとつは、「神経に間違った情報が伝わるから」という説です。冷たいという刺激は、三叉(さんさ)神経などの中枢神経を通じて脳に伝わります。本来は口の中が冷たいという情報だけが脳に伝わるはずなのですが、刺激が強すぎると、神経の中継場所で情報が混乱してしまうようなのです。冷たさを伝える神経だけでなく、痛みを伝える神経も刺激されてしまうのです。しかも痛いのが口の中でなく、こめかみやおでこの裏あたりという、場所まで間違った情報が脳に伝わってしまうのです。

もうひとつは、「頭の血管に、一時的に炎症がおきるから」という説です。冷たいという強い刺激が引き金になって、頭の血管が急に太くなって血流量が増えると、頭の血管に軽い炎症が一時的におきるからといわれています。食べて数十秒くらいたってからキーンと痛くなるのは、炎症がおきるのに時間がかかるからという説明です。

 

どちらの説にしても5分以上は続くことがなく、からだにも悪い影響は残らないと考えられています。

 

 

 ところで、世界的には「アイスクリーム頭痛」でも、日本人には「かき氷頭痛」の方がピッタリの名称だと思うのは、私だけでしょうか?

 

 

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