あんしん配達通信マガジン(月刊)


★格上げ情報

10月6日付けで、日本格付研究所(JCR)とFitchは、下記の通り、保険金支払能力格付、保険会社財務格付を引き上げました。

<日本格付研究所>

●第一生命 AA−[新] ← A+[旧](1段階アップ)
●住友生命 A  [新] ← A− [旧](1段階アップ)

「AA」:債務履行の確実性は非常に高い
「A」 :債務履行の確実性は高い

<Fitch>

●日本生命 AA[新] ← AA−[旧](1段階アップ)

「AA」 :保険金支払能力は非常に高い。
      いかなる経済および事業環境の悪化に直面しても、保険金支払能力が受ける影響は非常に小さいと考えられる





★読売ウイークリー“医療保険の5つの「謎」”

これまでも、生命保険(および金融商品)に「うまい話」はない、と口を酸っぱくしてアドバイスしてきたわけですが、いかんせん“どこの馬の骨”かも分からないFP風情では、圧倒的な物量(TV−CMや新聞広告、DMに折り込みチラシ等)を誇る保険会社(生命保険と誤解するような傷害保険を勧めている損保会社もあります)には、所詮「ごまめの歯軋り」でしかありませんでした。
マネー雑誌をみても、どれを選んだら「お得」かは特集されても、まず老後の不安に対しての選択肢は「保険」しか提示されていませんでした。
もっとも、雑誌も新聞もTV局も、広告が収入源な訳ですから、消費者金融と同様に優良顧客である生命保険会社の商品に、残念ながらケチを付けるわけにはいかないでしょうが。

ところが、今週発売の「読売ウイークリー」(10月22日号)の特集記事“医療保険の5つの「謎」”は、一歩踏み込んだ内容となっています。
これまでも、例えば、「医療保険は入ってはいけない」(ダイヤモンド社)といった書籍はありましたが、同じレベルの内容を週刊誌でコンパクトにまとめて掲載した意義は大きいと言えるでしょう。
ただし、では医療保険として、何が必要な条件(なくてはいけない条件)で、何が不要な条件(なくても良い条件)なのか、それについての回答がない点は、大きな減点といえるでしょうが。

であっても、ぜひ、立ち読みでも良いので、ご一読してみて下さい。
興味を喚起する意味で、内容を箇条書きにしてみましょう。

Q1.「無事故ボーナス」はトクなのか?
A  ボーナス分を貯蓄したほうが得

Q1.「誰でも入れる」保険は入らないとソンか?
A  夢のような保険に見えるが・・・

Q1.「終身タイプ」は一生涯安心か?
A  「終身」でも保障には限度が・・・

Q1.「がん保険」はすべてのがんをカバーできるか?
A  保障対象外のがんも

Q1.「女性向け」保険は買いか?
A  不安があっても必要性は高くない

●CMやパンフレットの表現はここに注意

一番に上げるべきは、「傷害保険」(けがの保障)を「保険」と表現することで、「生命保険」に誤認させているCMやパンフレットがあること。
あるいは、死亡保障を病死の場合ではなく、事故死の場合の病死より多くなる保険金額で表示しているCMやパンフレットがあること。
この点は、記載が漏れていて残念です。

●賢い医療保険の選び方

せっかく「CMやパンフレットの表現はここに注意」で、“保険は賢く選ぼう”についてきちんと突っ込んでいるのに、同じページの上段に、「賢い医療保険の選び方」とタイトルを付けるとは、“何をか況んや”です(センスを疑うとともに、記事の信憑性も問われかねません)。
ここでは、解約返戻金のある医療保険を選択肢の一つに挙げていますが、医療保険の解約返戻金は、原則、生きているうちには活用しないものですから、“賢い”というより“机上の空論”というべきではないでしょうか。
なぜなら、医療保険を解約することで解約返戻金は受け取れますが、老後になって入院リスクが高くなってから、本当に解約しますか?
予定通りに生命保険が使えるくらいなら、そもそも人生に生命保険は不要ですよ(いつ何が起こるか分からないから、生命保険に加入するわけで)。

●「がん保険」加入時の5つのチェック

診断給付金に関して、原則は1回のみしか受け取れないことの記載がありません。
また、現在、「複数回」「何度でも」診断給付金を受け取れるがん保険があることや、「複数回」「何度でも」の大きな違いについても記載がありません。付け加えると、そもそもがん保険自体が「上皮内がん」に対応している商品と、がん保険自体は「上皮内がん」に対応していないけれど、特約を付加することで「上皮内がん」に対応できるものといった商品性の違いについても、言及して欲しいところでした。


以上で、「医療保険」の特集は終了ですが、110ページから3ページにわたって“簡保「騙し」のテクニック”という記事も掲載されていて、今週の読売ウイークリーは生保特集号の趣です。
さて、その内容ですが、これまで郵便局では「団体割引」の契約を不適正に募集してきたため(例えば、生命保険会社では考えられないよう、団体の実態がないものまで、割引を適用してきた)、民営化を前に不適正な団体割引が解除されてしまい、保険料がアップしてしまう契約者の怒りの声が取り上げられています。

元々割高な簡保の保険料が、さらに6%(年間で言えば、約0.8カ月分)もアップするのですから、それは契約者もびっくりするでしょう。
簡保の職員(セールス)の法令遵守意識は、その程度ものということは、以前から有名でしたから、驚くほどのことではありませんが。
本来なら、保険会社の不払いと同等の事件なのですが、そもそも簡保は「保険業法」ではなく「簡易保険法」が適用され、監督官庁も総務省では、厳正な対処も難しいでしょう。

いずれにしても、契約者側も、うまい話に乗せられて、必要のない保険につきあいで加入したことが、そもそもの間違いだったわけですから、それを経験に、いらない保険には加入しないことを肝に銘じていただければと思います(でも、きっとTV−CMを見て、安くて良い保険があると勘違いして、乗り換えてしまうんだろうなあ。それが最悪な対処であっても)。
まあ、「国が保証しているから」、この郵便局職員がよく言っていた“セールス・トーク”が、やっぱり信用できなかった、と思うのは私だけでしょうか。

http://www4.plala.or.jp/anshin/kampo.html

ちなみに、私が考える医療保険とがん保険の選択基準は、以下の通りです。
参考になるでしょうか。

http://www4.plala.or.jp/anshin/iryo+gan.html





★ムーディーズ格上げ情報

ムーディーズは、10月19日付けで、三井生命の保険財務格付を、引き上げました。

●三井生命 Baa2[新] ← Ba1[旧](2段階アップ)

「Baa」:支払能力が適切である保険会社に対する格付け。
       しかし、長期的にみた場合、確実性を支える要素のいくつかが欠けているか、その性格上、信頼性が不足している部分がある
「Ba」  :支払能力に疑問がある保険会社に対する格付け。
       これらの会社の保険契約債務支払能力はやや低く、したがって将来の支払に関して安全性が十分でない場合もある


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