回答
- 質問
- 頭痛で困っています。CTやMRIで異常がないので何も心配ないと言われたのですが、どうすればいいでしょうか?
- 答え
- 頭痛のうち大部分は生命には別状のないいわゆる良性の頭痛です。
しかし検査で異常がないので心配ないといわれても、充実した楽しい生活ができなくなり大変困ってしまいますね。
頭痛の種類
良性の頭痛には大きく分けて2種類あり、それぞれに治療法があります
- 片頭痛(血管性頭痛)
ズキンズキンと脈打つような痛みが急に始まり数時間続くもの。
頭痛が始まる直前にピカピカした星のようなものが見えたり、視野の一部が見えなくなることもあります。
治療として昔からエルゴタミン製剤やアスピリンなどの消炎鎮痛剤がよく用いられますが、最近、予防薬やトリプタン製剤も使えるようになり、発作の頻度が高い患者さんにとっては朗報になっています。 - 緊張性頭痛(筋収縮性頭痛)
締めつけられるような持続的な痛みが一日中、毎日のように続くもの。
後頭部、首スジや肩の筋肉が硬く凝ることにより頭部に痛みを生じるものです。
頚椎の病変、うつむき姿勢、精神的ストレスなどが原因となります。
凝った筋肉をやわらげたり血行を促進させる治療を行うことによって、大幅に症状が良くなります。
改善が不十分な時には、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤を併用することもあります。
危険な頭痛について
一般的に、急に起こってきた頭痛には注意が必要です。
例えば、クモ膜下出血では突然頭痛が起こることが特徴で、頭痛が何時何分から始まり、その時自分は何をしていたかをはっきり述べる事ができる程です。
脳梗塞や脳内出血でも発症後、数分から数時間で頭痛を生じます。
髄膜炎や脳炎の頭痛もかなり急激に始まり、半日から数日以内に頭痛がピークに達します。
一方、慢性に経過する頭痛でも徐々に悪化する場合は注意が必要です。
脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、一部の髄膜炎に伴う頭痛がこのタイプにあたります。
次に他の症状を伴う頭痛にも注意を払う必要があります。
吐気、発熱、麻痺、感覚障害、意識障害、めまい、ケイレンなどを合併している時には、重篤な病気の可能性が高く、一刻も早い検査と治療が必要となります。
危険な頭痛かどうかを見極めるためには、CTスキャンやMRIといった脳の画像診断や脳脊髄液検査をおこない、異常がない場合には、ひとまず安心と考えて差し支えないと思います。