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演奏会の例
公開講座の時間配分と、思い出深い演奏会の例を紹介します。
公開講座の企画や受講を考えている方の参考になれば幸いです。
平家琵琶鑑賞茶会
New!
旗本邸平曲会の疑似体験
法華頓写疑似体験
奉納演奏
公開講座(Power Point)
民家
琵琶茶会
6人で語り分け
美術講演会(スライド)
公開講座の時間配分(90分の場合)
約60分前 開場入り、楽器設置、会場や進行の確認、着替え等
対象人数が多い場合は、
PowerPointを用いた講座
を推奨しています。
00分 主催者から講座趣旨の説明、講師(私)の紹介。
05分 自己紹介、「琵琶」の説明、「平家詞曲」の特徴。
15分
「祇園精舎」
冒頭の語り
20分
「鱸」
内容の解説と語り
50分
「那須与一」
内容の解説と語り
85分
「桜」
唱和
90分 質疑応答、おひらき
楽器や会場の整備・片付け、着替え等に約30分
Copyright:madoka
初版:2004年5月21日
公開講座の留意事項
句組
:わかりやすい内容の句、季節か土地に関わる句、
拾物と節物を入れる、「○○最期」「○○被斬」「○○炎上」を避ける、など。
解説
:平家琵琶の特徴、平家物語全体からみてどこの句なのか、
登場人物は誰なのか、旧暦や季節のこと、舞台の地理的なこと、など。
Copyright:madoka
初版:2006年9月22日
平家琵琶鑑賞茶会
2008年6月14日(目白バ・ロック音楽祭/相伝十周年記念)
法福寺・琵琶茶会
をさらに昇華させた内容です。
非公開邸宅の大広間を茶室に見立て、茶席券と鑑賞券を用意しました。
壁面保護のため火が使えないので熱湯を風呂釜に入れ、
畳の保護のため長板を用い、茶席(客席)には毛氈を敷きました。
当日配布物には、進行とお願い事項を明記しました。
【前半:茶席(竹生島に見立てて)】
銘々皿でお菓子を差し上げ、すぐに皿を引きました。
茶道口(画像の1)にて、秘事の前奏曲「七つ撥」を、鳴り物の代わりに弾きました。
私に続いて点前が入り、点前が始まると同時に
「竹生島詣」
の一節を語り始め、
正客のお茶を点て終わるのと同時に語り終えました(語る速さを調節しました)。
半東が正客にお茶を出した後、道具、平家琵琶と茶人、琵琶床の飾り方を説明しました。
床:瀟湘八景(近江八景の代わりに)/香盒:荒磯/花:芍薬/花入:竹籠
違い棚:『平家音楽史』初版本、撥掛け、平家琵琶
風炉先屏風:欄間/茶入:平棗「波」/茶杓:猩猩/火箸:治郎兵衛作・七宝透 銀象嵌
茶碗:赤楽「七福神」/皆具:黄高知/菓子:目白 志むら「薯蕷饅頭」/茶:辻利「萬風ノ昔」
【後半:茶席後(客亭主に得手あらば…)】
『南方録』書院の項目の図を応用して広間の違い棚を飾り、
客か亭主が茶席の後に平家を語る、という趣向にしました。
解説ののち、
「那須与一」「鵺」「上日」
を語りました。
この企画は、地元に根ざした音楽祭という大きな原動力、会場の理解、
そして難しい条件に対応できる茶道の社中なくして実現できません。
演者には、点前の順序や速さを把握しながら語る技術が求められます。
おかげ様で平家琵琶と茶道との関連がわかる意義深い会となりました。
多くの方々のご協力とご理解に、この場を借りて御礼申し上げます。
Copyright:madoka
初版:2008年6月18日
幕末・旗本邸の平曲会を疑似体験
2007年12月18日
嘉永三年(1850)十月十九日、楠美太素の日記を参考に、
旗本・那須資礼邸で行われた平曲会をイメージした企画です。
文化庁登録有形文化財の「苔香居」(京都市)のご協力で実現しました。
参勤交代中の弘前藩用人
4名
が、午後に弘前藩邸から程近い旗本那須資礼の家に参る。
那須家
用人
の案内があり、
那須資礼
の点てた抹茶をいただく。
麻岡検校
が指貫袴に紫の直衣という姿で、平曲を語る。同僚
1名
が勤務を終え到着。
麻岡の弟子、松平主殿頭の医師・
大木弁庵
と公儀御台所御賄方・
青山弥惣右衛門
も同席。
暮れになり、御酒、牡蠣、仙台公より到来の塩鶴の御吸物など、ご馳走が振舞われる。
夜10時頃に解散、楠美太素は同席した同僚宅に立ち寄り余韻を楽しみ、12時に帰宅した。
15:00 「苔香居」開場
16:00 呈茶(私が茶室で“点て出し(たてだし)”をしました。)
お客様は建物とお庭を散策。庭の落葉で秋の名残を楽しみました。
17:30 平家琵琶について、本日の催しの趣向について
17:40
「康頼祝詞」
解説と語り
18:10
「海道下」
解説と語り
18:55
「上日」
の唱和
19:00 食事の準備
19:20 高級料亭の仕出し弁当を堪能
「海道下」中の、蝉丸と源博雅の話、お能の「熊野(ゆや)」の場面について
能楽や謡の知識が豊富な参加者と盛り上がりました。
21:00 おひらき
この企画は、苔香居のように江戸時代の情緒と茶室を備えた建物が望ましく、
演者とスタッフに茶道や懐石の知識が求められます。
嘉永三年の参加者は10人余り、今回は13人。
お蔭様で先祖が満喫したひとときを疑似体験することができました。
Copyright:madoka
初版:2007年12月26日
法福寺・「法華頓写」疑似体験
2007年4月14日
江戸時代に行われた幕府の法要「法華頓写」をイメージした企画で、
私が平曲を語る中、参加者が般若心経を一斉に写経するという体験型講座です。
本堂に机、写経セット(下敷きと用紙)、筆ペン、クリップ(文鎮の代わり)を置き、
最初に住職から写経に関するお話を賜り、全員で般若心経を読経しました(約10分)。
それから私が平家琵琶の特徴と
「康頼祝詞」「卒都婆流」
の内容を解説(約15分)、
私が語り始めると同時に参加者が写経をはじめました。何人かの方は聴衆に徹しました。
また、皆さんが写経に集中していらっしゃるので、私は小さな声で静かに語りました。
参加者がひととおり写経を終えたのを見計らって語りの時間を調節して終わり(約50分)、
写経を回収、ご本尊様に納め、供養の経の代わりに般若心経を皆で唱えました(約10分)。
最後に
「桜」
を唱和し、疑似体験はおひらきとなりました(約5分)。
写経と読経の後は参加者の集中力も高まっており、「桜」は調和のとれた合唱となりました。
写経したものが住職によってその場で供養して頂けるという貴重な機会にもなりました。
この企画は「お寺の本堂」が望ましく、経机や写経セットの準備が必要です。
演者にも「法華頓写」に関する知識、声の大きさや語る速さの調節力が求められます。
Copyright:madoka
初版:2007年4月16日
横浜三渓園・旧燈明寺本堂
2006年9月15日
開園100周年記念事業 "晴れ舞台"(重要文化財・旧燈明寺本堂無料提供公募企画)として
NPO法人日本民家再生リサイクル協会が主催したイベントで演奏しました。
旧燈明寺本堂は移築されたものですが、ご本尊様もいらっしゃいましたので、
奉納演奏の形式に致しました。(外陣の両側が聴衆の席です。)
床敷の外陣中央に可動式の畳を2枚敷き、そこで語りました。
後ろには白地の屏風を立てました。
イベントの性質上、約30分の解説・演奏と10分の休憩を設け、
出入り可能な時間を設けました。
質疑応答も、その時に行うことができました。
旧燈明寺本堂のかつての所在地(現・京都府相楽郡加茂町)を説明し、
月見の名所が出てくる八坂流
八坂流「訪月」
を語りました。
園内には旧燈明寺三重塔もありますので、三重塔の建築構造と
語るときの曲節「初重」「中音」「三重」の音域についても紹介しました。
蜩や秋の虫の声、烏の会話、風の音、室町時代の建物、平家を語る声と琵琶の音。
中世には、このような空間で平家琵琶が語られていたことを確信しました。
13:30 主催者からの紹介
13:32 自己紹介、琵琶の説明、平家詞曲の特徴。
13:40
「祇園精舎」
冒頭の語り
13:45
「那須与一」
内容の解説と後半の語り
14:00 休憩
14:10
八坂流「訪月」
内容の解説、「三重」の話、前半の語り
14:30
八坂流「訪月」
朗詠や今様の解説、当該部分の語り
14:40 休憩
14:50 平家詞曲の特徴の確認。
14:55
「那須与一」
聴き所・聴き方の紹介、一句通し語り
15:35 おひらき
Copyright:madoka
初版:2006年9月18日
花園大学京都学講座
2005年8月1日
花園大学が毎年夏に開講している一般社会人向け公開講座に招かれました。
テーマは『源義経とその時代』。大河ドラマブームもあり、500席のホールが満員となりました。
解説は同志社女子大学のときと同様、Power Pointを用いました。
同日、福原京に関する講演がありましたので、
八坂流「訪月」
を語りました。
また2チームでの
「宇治川」
群読は、500名の参加とあって、大迫力でした。
Copyright:madoka
初版:2006年9月22日
同志社女子大学東京講座
2005年5月28日
同志社女子大学が年に二回、東京で開講している公開生涯学習講座です。
日本女子大学と同志社女子大学が単位交換制度を行っていることから、
学長経由でお話を頂きました。
会場は浜離宮朝日ホール、定員200名とのことで、
Power Pointを用いた解説をし、演奏はマイクで集音することにしました。
Power Point操作時は、私は演台に移動し、
演奏時にはPower Pointの画面を消して、スクリーン前で語りました。
15:15 主催者から講座趣旨の説明、講師(私)の紹介。
15:17 自己紹介、「琵琶」の説明、「平家詞曲」の特徴。
15:25
「祇園精舎」
冒頭の語り
15:30 直前の講演(白拍子)と関連した話題
15:40
「千寿前」
内容の解説と語り
15:55 同志社女子大の京田辺キャンパスと、宇治川の地理
16:00
「宇治川」
内容の解説、群読体験、語り
16:35 同志社女子大の今出川キャンパスと朝日ホールの位置
京都と江戸にあった当道座の役所と、年中行事
16:40
「上日」
唱和
16:45 講演終了
Power Point導入により、地図やキーワードの解説が容易になり
広く浅く明確に、内容を紹介することができました。
Copyright:madoka
初版:2006年9月22日
庭園ギャラリー(民家)での演奏
2004年5月15・16日
朝日カルチャーセンター(名古屋)
の企画で、 覚王山の「庭園ギャラリー いち倫」にて
「五感に響く、平家琵琶の世界」という公開講座を担当しました。
(朝日カルチャーセンターHPの「講座リポート」にも紹介されています。)
講座の会場は、床の間のある6畳、北側の7.5畳、東側の4畳、廊下です。
40名を収容するのが限界で、受講希望者が多かったこともあり、
2日間開講することになりました。
レイアウトには悩みましたが、最終的に図のようになりました。
床の間の前から斜め前の壁に向かって語るのは不思議な感覚でしたが
適度な広さ(約20畳)でしたので、音響に問題はありませんでした。
90分の時間配分は、「公開講座の例」とほぼ一緒でした。
朝日カルチャーセンターの配慮で、配布資料の紙の色を一枚ごとに変えて下さり、
「次は黄色い紙を出して下さい」などと説明でき、円滑な講義ができました。
Copyright:madoka
初版:2006年9月20日
法福寺・琵琶茶会
2004年4月17日
「平家琵琶を嗜んだ茶人なら、こんな茶会を催したのではないだろうか?」
という私のイメージ(時間配分や人の出入りなど)が、
富山県宇奈月町のグループと現地の茶道の社中の協力で、実現しました。
次に書くことは、茶道を習っていないとわかりにくいかもしれませんが、ご容赦下さい。
宇奈月町法福寺の会堂の八畳間を「四畳半と床の茶室」として使いました。
炉は無いので、季節は少し早いのですが風炉を置きました。
「床」には花は飾らず、中央の柱に軸を掛けました。
正客・次客が「にじり(画像の2)」から、点前が「茶道口(1)」から入り、
通常通り点前を始め、茶入れや茶碗を扱い始めた頃に、
私が琵琶を持って「茶道口(1)」から入り、
「桜」
を語ります。
花を飾らずに、耳で花を感じていただこうという趣向です。
茶碗は正客が直接とり、茶碗を返す頃に私の語りが終わり、
次客が茶碗をとったところで、正客と私が問答を行います。
次客が茶碗を返したところで、私は琵琶を床に飾り、「茶道口(1)」より出ます。
点前は通常通りに終わり、正客と次客は琵琶を拝見して、「にじり(2)」より出ます。
聴衆は、この様子を、庫裏の「客席部分」から眺めました。
舞台上の点前ショーみたいになっては興ざめですので、
私が席を出た頃に、水屋から数茶碗で抹茶が振舞われました。
こののち、本堂に移動して、あらためて
「鵺」
を語りました。
Copyright:madoka
初版:2006年9月19日
最勝院五重塔での「語り分け」
2003年5月24日
五重塔は寛文7年(1667)年の建造物で、国指定重要文化財です。
廃仏棄釈頃より本尊は行方不明とされており、平成15(2003)年春に本尊を迎え入れ、
その開眼供養の御開帳に伴い、奉納演奏の許可を頂きました。
御住職様の法要に続き、4人の相伝者を含む6人が、
「鵺(祝儀)」
を「語り分け」しました。
「語り分け」は、通常2人で、曲節ごとに担当を決めて語りますが、
今回は「説明」「鵺」「頼政」「右大臣」「義家」「仲綱」をそれぞれが担当しました。
Copyright:madoka
初版:2006年9月18日
サントリー美術館・第319回美術講演会
2002年9月28日
2002年9月10日から10月20日まで開催された
「源平の美学 ―『平家物語』の時代」展の一環で、
美術講演会の講師を務めました。
100名を定員に対して、聴講希望の応募は400名を越え、
多めに当選通知を出したところ、ほぼ全員がお見えになり、
関係者を含めて120人余りが、会場のサントリービル会議室を埋めました。
会議室という空間と人数の都合上、マイクを使っての講演・演奏にしました。
「美術」に対する講演も求められましたので、
修士論文で勉強した屏風絵と、卒論で取り組んだ合戦装束の知識をもとに、
出品作品に描かれた「敦盛」「那須与一」「高倉天皇」を考察しました。
所蔵者の許可が得られたものについては、屏風絵の当該場面を
美術館側が接写撮影して下さり、スライドを用いた解説が実現しました。
聴講の皆さんには、ずいぶん窮屈な思いをさせてしまいましたので、
「上日」の一部分を唱和することで、少し発散していただきました。
会場には彦根城博物館の平家琵琶(銘「初音」)と
北条政子が奉納したという金銅琵琶が展示されていましたので、
最後に琵琶の部分名称やチェックポイントをお話しました。
注:金銅琵琶は奉納のために楽器を模して作ったもので、
弾く目的の楽器ではありません。絃や撥も金銅製です。
14:00 主催者からの紹介
14:05 自己紹介、平家詞曲の特徴、曲節の説明。
14:15
「祇園精舎」
冒頭の語り
14:20
「敦盛最期」
内容の解説、屏風絵スライド解説、一句通し語り
14:55
「那須与一」
内容の解説、屏風絵スライド解説、一句通し語り
15:25
「紅葉」
内容の解説、肖像画スライド解説、「上日」の語り、唱和
15:30 琵琶の説明、おひらき
Copyright:madoka
初版:2006年9月18日
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