我が家の蔵書を少しずつ紹介します。
当サイトは「Amazonアソシエイトプログラム」に参加しています。 平家詞曲 『平家音楽史』、館山漸之進、1910年(復刻版:芸林舎、1974年) 参勤交代で四代に渡って修得した平曲の口伝・秘伝と、関連史料・資料に基づく大著。 平曲の歴史や音楽のしくみ、歴代の伝承者のエピソードなど、内容は多岐に渡っている。 『平家詞曲相伝の家―弘前藩士楠美家の人びと』、鈴木元子、北の街社、1999年 著者の父と館山漸之進は従兄弟。弘前藩主の命で楠美家が平家詞曲相伝の家となった経緯、 津軽の史実で確認できる江戸時代初期の先祖から現代までの系譜などを紹介している。 『平家の音楽―当道の伝統』、薦田治子、第一書房、2003年 レビュー 『平曲考』、金田一春彦、三省堂、1997年 口伝・秘伝にとらわれず、音韻学の観点で譜の「歌い方」の解読を試みている。 館山甲午師の学者に対する教授法や、その受け止め方が垣間見える。 平家正節 『尾崎家本平家正節』、渥美かをる、大学堂書店、1974年 レビュー 『平家正節語彙索引―節ハカセ付き語彙集成』、奥村 三雄、大学堂書店、1983年 『尾崎家本平家正節』大学堂書店(1974年)の索引編。 第一部は「平家」「京」「ケリ(助動詞)」などの語彙が平家正節の節博士(語るときの節回しの譜)と ともに参照できる。アクセントの研究者には便利か。 総索引でないことが惜しまれる。 第二部は『日本古典文学大系平家物語』岩波書店と『尾崎家本平家正節』の対照表。 平家正節の間の物(あいのもの=通常の語りでは省略する部分)や異同の箇所がわかる。 盲人、当道制度 『日本盲人社会史研究』、加藤康昭、未来社、1974年 レビュー 『当道座・平家琵琶資料―奥村家蔵 』、渥美かをる他、大学堂書店、1984年 レビュー 平家物語 『繪本平家物語』講談社 安野光雅による絵とあらすじ。 『読む。平家物語 CD book』文学と表現研究会 嵐圭史の声で味わう平家物語。 『CD-BOOK声で楽しむ「平家物語」名場面』講談社 拙著です。詳しくはこちら。 タイトル、著者、出版社、発行年 レビュー 実在の伝承者が登場する書籍 レビュー レビュー その他 『琵琶綺談』、夢枕獏、日本出版社、2006年 琵琶にまつわる不思議な話を集めた短編集。 さまざまなジャンルの琵琶が一冊の中で競演し、独特な空間をあやなす「綺談」となっている。 小松和彦の書き下ろしは、「耳なし芳一」と同様の民間伝承にまで言及している。 平岩弓枝は異国の琵琶の願いを、岡野玲子は楽琵琶の気持ちを、よく代弁している。 加門七海は旧暦の月の満ち欠けと盲僧琵琶の共鳴孔の名称を巧みに使っている。 赤江瀑は現代の薩摩琵琶奏者の死を、夢枕獏は能「檜垣」をふまえた笹琵琶の話を、ドラマ風に描く。 中島らもは中国の琵琶の話を切れ味の良い怪談に仕立てている。 小泉八雲の「耳なし芳一」は平家琵琶を想定した、最終話にふさわしい不朽の名作である。 楽器や音の描写には多少の虚構があるが、その分、読者は心の中で自由に競演を楽しめる。 レビュー |
●参考文献 | 内容の転載・引用を希望の方は、必ずご一報下さい。 |