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「一つの花」(東京書籍 4年下)一字読解 授業記録
「一つの花」(東京書籍 4年下)修正した一字読解の発問

 4年生「方言」(東京書籍4年上)を一字読解で授業する

 『方言と共通語』(4年上 東京書籍)で「向山型一字読解」の授業を行った。
 指導時間は2時間。
 「音読」に1時間。もう1時間が「向山型一字読解」である。
 私にとっても、もちろん子どもたちにとっても、初めての「向山型一字読解」の指導であった。
 そうであるにもかかわらず、私が担任する4年生のクラスの単元テスト(正進社)の平均点は「98.7」であった。
30人中100点が26人。90点が4人である。

第1時

 第1時は、「音読がすらすらできるようになる」ということが目標である。
 この指導法は、伴一孝氏の講座や授業ビデオから学んだ。
 題名の横に鉛筆で○を10個書かせる。
 まず、教師が範読する。
 最後の「漢字」の部分、下の「新出漢字」、「読み替え漢字」まで読む。

  教科書を最初から最後まで目で追っていた人は、1つ○を塗りなさい。

 このように指示し、赤鉛筆で○を塗らせる。これ以降も1回読むごとに塗らせる。
 次に、「追い読み」をさせる。
 教師が「あいさつのことばを集めたとき、」と音読し、子どもたちがそれに続く読み方である。
 形式段落2〜3を読んだら、次の指示をする。

  全員起立。今読んだところを自分で1回読んだら座りなさい。

 このように音読を変化させると、子どもは飽きない。
 続いて「スピード追い読み」をする。
 私が読むスピードを上げる。同じように子どもは追う。「一気に読む」という感じである。
 「起立して1回読む」のもやる。
 「ようい。スタート。」と声をかけ、座った順に「1位。2位。3位。・・・・・・・・。」と言っていく。
 これはまだ早かった。何人かの子どもがつまずいた。早く読もうとして、間違えていた。反省点である。
 後にやる読み方を先にやって、慣れてから「スピード読み」に移るべきだった。
 今度は、「教師と子ども1文交代読み」である。
 最初の1文は教師が読む。次の1文は子どもが一斉に読む。また教師が1文読むという方法である。
 2回目は教師と子どもが交代する。
 続いて、「教師と子ども1人1文交代読み」である。
 教師が1文読む。次に1人の子どもが1文読む。また教師が1文読むという方法である。
 前の列から順番に1人ずつ読ませていく。全員1回ずつは読ませる。
 この後、「教師と子どもスピード1文交代読み」をする。教師と子どもが交代して2回行う。
 ここまでで合計10回読んでいることになる。
 更に「1文交代で1人ずつ音読」をさせる。
 最後に「熊本弁クイズ」を4つした。
 「がまだす」(がんばって働く)
 「ばってん」(しかし)
 「すーすーすっ」(ひんやりする)
 「とっとっと」(場所などをとっているんだよ)
 「ぎゃん、ぎゃん、ぎゃん行くとよか。」(ポストのところを右に行って、2つめの信号を左に行ったところですよ。)

第2時

 第2時が「向山型一字読解」である。
 チャイムが鳴り終わる。すぐ次の指示をする。

  全員起立。「方言と共通語」を1回読んだら座りなさい。

 続いて「1文交代読み」をする。全員に読ませる。

  ノートの新しいページを開けなさい。「方言と共通語」と書きます。

 「書けました。」という声が聞こえる。「早い子は賢い。」と誉める。

 ノートの一番上に番号を書きます。黒板のように(私が板書してみせる)@〜Sまで書きなさい。
 これから先生が問題を20問出します。(「え〜。」との声。)
 みなさんは答えだけを書きます。問題は書きません。

  第1問。題名は何ですか?書けたら手を挙げなさい。

 「方言と共通語です。」

 その通り。漢字で書くのですよ。「ことば」は書きません。
 できた人。はいよくできた。○をつけます。間違えた人は直しておきます。

  第2問。「メダカ」のことを東北のある地方では何と言いますか?

 「うるめです。」

  その通り。○をつけなさい。

 このように問題を出していく。同じようなリズムでやることを心がける。
 以下、次の問題を出した。

  第3問  メダカのことを東北のある地方では何と言いますか?
        (ざめこ)
  第4問  同じことばでも、何によって意味がちがうのですか?
        (土地)
  第5問  「こわい」は東京ではふつうどんなときに使うのですか?
        (おそろしいことがあったとき)
  第6問  「こわい」は北海道や東北地方では、どんなときに使いますか?
        (つかれたとき)
  第7問  それぞれの地方には、その土地の人たちの間で使われていることばや言い方を何と言いますか?
        (方言)
  第8問  方言にふくまれることばや言い方の中には、どんなものとどんなものがありますか?2つ書きなさい。
        (いくつかの地いきで使われるもの、ごくせまい地いきでだけ使われるもの)
  第9問  全国的に使われ、どの地方の人たちにも通じることばを何と言いますか?
        (共通語)
  第10問  共通語はどんなことに使われていますか?4つ書きなさい。
        (ラジオのニュース、テレビのニュース、新聞、教科書の文章)
  第11問  ラジオやテレビのニュース、新聞、教科書の文章に使われていることばは何ですか?
        (共通語)
  第12問  今日では、共通語はどのように広まっていますか?
        (全国的に)
  第13問  よその地方に旅行したときことばが通じないことがよくあると思う人は○、ほとんどないと思う人は×と書きなさい。
        (×)
  第14問  方言はしだいにどうなってきていますか?
        (なくなりつつある)
  第15問  方言はどんなところに使われ続けていますか?3つ書きなさい。
        (ふだん使われることば、言い方、ことばのアクセント)
  第16問  わたしたちは、どんな努力をしなければならないのですか?
        (共通語を正しく身につける)
  第17問  それとともに何を大切にしなければならないのですか?
        (方言)
  第18問  同じ土地で育った人どうしが、生活の中でどうするために方言は欠かすことができないのですか?
        (気持ちを伝え合うために)
  第19問  お礼を言うときに言う「ありがとう」は方言ですか?共通語ですか?
        (共通語)
  第20問  お礼を言うときに言う「まいど」は方言ですか?共通語ですか?
        (方言)

 ほとんどの問題で、ほぼ全員の手が挙がる。
 子どもの表情は、「当てて欲しい」という顔、顔、顔である。
 なかには、「当たりたいから」といって、次の問題を予想している子どももいた。フライングである。教師が問題を出す前に、ノートに書いているのである。(それが合っていることもあった。)
 これはこれでいいことであると思った。教科書をよく見るからである。
 子どもたちは45分確かに集中していた。全員のノートがきちんと書けていた。

文責 東田 昌樹

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