義肢の詳しい説明   装具の詳しい説明   トップページへ戻る 


 義肢と装具が一緒の物だと思っている人が多いと思いますが、義肢と装具は別の物なんです。以下に概念と分類を示します。

1.義肢(prosthesis)

切断により四肢の一部を欠損した場合に、元の手足の形態又は機能を 復元するために装着、使用する人工の手足。(JIS 用語)

義手(upper extremity prosthesis)上肢の切断に用いる義肢。(JIS 用語)
義足(lower extremity prosthesis)下肢の切断に用いる義肢。(JIS 用語)

◎構造による分類

@殻構造(外骨格)義肢 (exoskeletal prosthesis)
甲殻類の肢体の構造と同様に、義肢に働く外力を殻で負担し、同時に、 この殻の外形が手足の外観を整える構造の義肢。(JIS 用語)

殻構造大腿義足。

支持部にはアルミニュウムを使用しています。
革を張って外装を整えています。

殻構造下腿義足。

この写真は、懸垂装置を取り外している状態です。

支持部は木製、外装は熱硬化性樹脂で整えています。


A骨格構造(内骨格)義肢(endoskeletal prosthesis)
人間の手足の構造と同様に、義肢の中心軸にあるパイプ、支柱などで外力を負担し, プラスチックフオームなどの軟材料の成形品を被せて外観を整える構造の義肢。(JIS 用語)

骨格構造下腿義足(PTB支持式)

左から、内構造、外装を被せた状態、そして懸垂スリーブを取り付けて完成の状態です。

◎装着時期による分類

@訓練用仮義肢 (temporary prosthesis)
装着して動作を行うためにアライメントを検討しうる力の伝達部材と訓練用仮ソケットを組み合わせた義肢(JIS 用語)
A本義肢 (permanent prosthesis)
ソケット、力の伝達系、外装など義肢のすべての部分が長期間の使用に耐えるように製作した義肢。 (JIS 用語)

2.装具 (orthosis)

四肢・体幹の機能障害の軽減を目的として使用する補助機具。(JIS 用語)

◎体系別装具の分類

@医療用装具
医学的治療が完了する前に使用する装具 又は純粋に治療の手段の一つとして使用する装具。(JIS 用語)

A医療用仮装具
簡単な材料を用いて短時間で作ることのできる医療用装具。(JIS 用語)

B更生用装具
医学的治療が終わり、変形又は機能障害が固定した後に日常生活動作などの向上のために使用する装具。(JIS 用語)

◎機能による分類

静的(静止的)装具 (static orthosis)
動的(機能的)装具 (dynamic orthosis)

@固定用装具
ある一定の肢位に身体の一部を固定するために使用する装具 (JIS用語)

A支持装具
一定の肢位を維持するために使用する装具。固定用装具と同様に使用することもある。 (JIS 用語)

B矯正用装具
変形を矯正するために使用する装具。(JIS 用語)
C免荷装具
下肢にかかる体重を減少させるために使用する装具。(JIS 用語)
D歩行用装具
歩行の際に使用する装具。(JIS 用語)
E立位保持用装具
起立のために使用する装具。移動が可能なものもある。(JIS 用語)
F夜間装具
変形の予防や矯正のために夜間就寝時又はベッドでの安静時に使用する装具。(JIS 用語)
G牽引装具
牽引を目的に使用する装具。(JIS 用語)


義肢の詳しい説明はこちら

装具の詳しい説明はこちら

トップページへ戻る