私の生活空間の放射能汚染状況調査体験記(3) 2014.4.3

事故から3年たっての測定結果から見えてきたもの


 福島原発の事故から三年たった。
 放射性セシウムの半減期は、7年ほどのものと30数年ほどのものの二種類。今回放出された放射性セシウムの多くは、半減期7年ほどのものだから、おそらく半減するには10数年かかると見られている。そして3年たてば、およそ3割程度は自然に減るものと見られている。
 ただし場所によってこの状況は異なる。
 地上に降った放射性物質は、地上の細かい土砂や埃とともに、雨風で移動する。従って雨風で移動した放射性物質が集まるところでは、放射線量が高くなる。

 こうした知識を元にして、自分の生活環境の放射線量がどう変化したかを確かめてみた。

 4月1日と2日。最初は自分の家の周りと長尾5丁目で、前回測定した場所を再測定。次の日は、ちょうど妹の住む生田に行く用があったので、生田駅周辺で前回測定した場所をそれぞれ再測定。その測定結果は、「kiroku1」と「kiroku5」に掲載した。

 再測定結果からわかることは以下の通り。

 1:多くの場所では、およそ3割程度放射線量が低下している。これは地面でも地上でも、そして排水溝の泥などでも低下している。

 2:しかし特定の場所では逆に放射線量が高くなっている。たとえば我が家の雨樋の下で、雨水がたまるところの地面や草むら。倍以上になっている。

 つまり通常は3年ほど経過したので3割ほど放射線量は低下しているのだが、以前として雨や風で放射性物質が移動するため、移動したものが集積する場所では逆に放射線量が高まっていることを示している。
 関東は冬から春にかけて強風が吹き荒れる地域である。雨が少ない時期だから地面は乾燥している。そこに強風が吹き荒れるわけだから、地面に降った放射性物質が風に舞いあげられて広く拡散して、再度地面に落ちる。
 家の屋根にはこうして再度拡散した放射性物質が降り積もり、そこに雨が降って雨樋に落ち、雨が漏れ落ちた場所に再集積するわけだ。

 今回測定した場所では、我が家の雨樋の下だけが、危険性が増していた。
 それ以外の場所では、自然と放射性物質の内部崩壊によって、予想される経年変化どおりに、放射線量が低下していた。

 この結果からわかることは、3年前でも除染しなければ危険な程度ではなかったのだから、除染せずに自然に減るのを待つという選択は正しかったのだ。今後も継続的に放射線量を測定しながら、状況を見ることについては変わりない。

 なお、食糧品についての対応は事故後、半年たった時期とは少し変えた。
 関東全域でも放射線量は経年変化で低下している。そして地面に降った放射性物質は、よく耕した田畑ならば、地下30センチ以下に沈んでいることが予想される。従って葉物野菜ならば、放射性物質が風で舞い散る時期を除いて、関東でもほぼ安全であろう。そしてこれは多くの根菜類についてもいえる。
 しかし広く地面の中に根を伸ばして、地中から栄養分を集めるもの。つまり果樹や竹、そして蓮根、さらにキノコなどは例外である。
 そしてこれらからは依然として、関東地方でもかなりの放射性物質が今でも検出されることは、各地での検査結果から明らかである。

 このため葉物野菜や根菜類は、関東でも可とし、果物・タケノコ・蓮根などは、関東地方を除く他の地方のものを、依然として購入する必要があるだろう。
 乳製品や肉類も同様に考える。


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