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海自祭の華、護衛艦展示です。
護衛艦とは……ぶっちゃけた話、ふつうの海軍でいうところの駆逐艦。
専守防衛を旨とする海自が「駆逐」をするのはまずいということなんでしょうな。
昔の駆逐艦は水雷艇や潜水艦をプチプチつぶすように戦っていたそうですが、現代の駆逐艦はミサイルなどを装備した水上戦の華となっています。
汎用護衛艦とは、対潜魚雷・対艦ミサイル・短距離対空ミサイルなどを装備し、オールマイティな戦闘能力を求めた艦艇です。
たかなみ型は去年就役したばかりの最新鋭艦。
それでは、艦首側からご案内。
艦首には日の丸。錨の鎖も見えます。
ミサイル万能時代の最新鋭艦といえども、艦載砲は備えられています。
これは54口径127ミリ(5インチ)速射砲。「おおなみ」にはこれが艦首に一門だけ装備されています。
対空・対艦・対地と幅広く使え、しかも一発あたりのコストはミサイルと比較にならないほど安い。
左下にいる子供と比較すると、その大きさがわかるでしょう。かなりの大きさがあるはずですが、艦全体から見ればあまり大きく感じないのは不思議です。
速射砲の後ろに鎮座するのが、VLS、CIWS、そして艦橋です。
手前のでかい箱(柵つき)が、Mk.41 VLS(垂直発射システム)。
VLSはミサイルサイロを小さくして束ねたような形のミサイル発射装置。露出型の発射装置に比べ、レーダーに映りづらいとか、耐弾性に優れるとか、連続発射が容易だとか、色々なメリットがあります。
「おおなみ」のVLSには、RIM-7 シースパロー短距離艦対空ミサイルと、RUM-139 VLA(垂直発射アスロック)が装填されています。アスロックについては後述。
その後ろにそびえるのが、Mk.15 ファランクスCIWS(近接武器システム)。
CIWSは、艦に迫った脅威を撃退するための、最後の砦。バルカンと近接レーダーを組み合わせ、対艦ミサイルなどの差し迫った脅威を迎撃します。
新しいモデルでは対艦攻撃機能も加わったそうですが、自衛隊の艦はどうなのでしょう……?
さて、今回は「おおなみ」の艦橋が公開されていたので、入ってみましょう。
艦橋の内部はこんな感じ。予想していたよりも面積はありましたが、まあ、こんな感じかな、と。
かつて艦橋といえば艦の頭脳でしたが、現代では戦闘指揮の中心がCICに移ってしまったので、操舵室といった位置づけのようです。
手前は航法ディスプレイ。レーダーやGPSなどの情報が統合されて表示されます。
奥は舵輪。排水量4,600トンの艦だというのに、バスのハンドルよりも小さいですな。まあ、フライバイワイヤみたいに電気式なんでしょうけど。
艦橋から艦首を眺めたり。速射砲がポリゴナルな形状で、レーダー反射面積を意識しているようです。
艦長席。意外にも窓際にありました。
なぜか赤と青のツートンカラー。キカイダーですか? 理由を聞いておけばよかった……。
航法席。海図などがひろがっています。
中央にあるのはGPS(全地球測位システム)。現代の航法には不可欠なものとなりました。
艦橋後部からマストを見上げます。
信号旗の束。こういうものを見ると、フネなんだなあと思います。
艦橋の下にあるチャフディスペンサー。
敵の対艦ミサイルに積まれたレーダーに対し欺瞞をおこない、逃れるのが目的です。
甲板に戻り、艦腹部にある短魚雷発射管。
発射時には管を海面に向け、圧搾空気で対潜魚雷を打ち出す仕組みです。
対艦ミサイルが発達した現代では、魚雷といえばほとんど対潜魚雷を意味します。
そしてこちらが、艦対艦ミサイル用の発射筒。(写真左、後部マストと後部煙突の間)
新型艦の「おおなみ」は、もっぱら国産の90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)を運用します。
後部甲板。艦尾には旭日旗が。
整備ハンガーや離着艦誘導設備を持ち、対潜ヘリコプターを「運用」する能力があります。
ベアトラップ(着艦拘束装置)。ヘリのワイヤーを引っ掛けてたぐり寄せ、安定した着艦をおこないます。
離着艦指揮所。
というわけで、護衛艦「おおなみ」でした。
長かった……。
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