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ミサイル護衛艦とは、中〜長射程の艦対空ミサイルを装備し、艦隊防空を主な任務とする艦です。
とはいえ、対空以外の能力も充実し、汎用護衛艦に見劣りするものではありません。
はたかぜ型は昭和の末期に就役した第三世代ミサイル護衛艦で、第四世代であるこんごう型イージス艦に比べると見劣りしますが、任務の重要性に変わりはありません。
ちなみに小説『亡国のイージス』に登場する「いそかぜ」は、はたかぜ型の三番艦(実在しない)で、改装によりイージスシステムを搭載したという設定になっています。
イージスシステムとは、フェイズドアレイレーダーやVLSなどによって、多数の空中目標を同時捕捉・同時迎撃するシステムです。
(例外として、タイコンデロガ級の一部にはVLSが装備されていなかったそうですが……例外ということで悪しからず)
どうやら『亡国のイージス』映画版は、この「はたかぜ」でもロケがおこなわれるらしい……。
艦橋はセットを組んで撮影するそうですが、VLSは他の艦のを使うんでしょうか。
(訂正:映画の撮影には「みょうこう」を使ったそうです)
「はたかぜ」をミサイル護衛艦たらしめているもののひとつ、Mk.13 ミサイル発射システム。
一発発射した後、発射レールの下にあるマガジンから素早くミサイルを再装填し、連続発射できるようにしたものです。
しかし現在では、複数のミサイルをほぼ同時に発射できるVLSが普及したため、旧式感は否めません。
(それ以上に深刻なのは、誘導用レーダーのパラボラアンテナが二発分しかなく、三機目の敵が現れたときに手が出なくなることですが……)
もともとはRIM-24 ターター艦対空ミサイルを発射するために開発されたので「ターターランチャー」と呼ばれることもありますが、実際のところターターはとうの昔に退役しており、現在ではその後継である RIM-66 スタンダード艦対空ミサイルが装填されています。
弾体は公開されていなかったから、写真とは関係ないんですけどね。
そしてMk.13の後ろにそびえる、54口径5インチ速射砲。
先の「おおなみ」に装備されていた砲とサイズは同じですが、四角の角を落としたような形状は、まだレーダー反射面積が意識される以前の設計であることを匂わせます。
砲座は、Mk.13の発射管制室を兼ねています。
Mk.13を監視するための覗き窓が見えます。
マストには3組のレーダーアンテナが見えますが、上の四角が索敵用で、下のパラボラふたつがSAM誘導用です。
Mk.13と5インチ砲の位置関係は、こんな感じ。
さらにその後ろ、アスロック発射装置。
アスロック(ASROC)とは、Anti Submarine ROCketの略で、対潜魚雷をロケットエンジンで飛ばし、遠く離れた敵の潜水艦を素早く雷撃できるというものです。
この露出型アスロックランチャーでは、RUR-5という旧型の弾体を使います。
そしてこちらが短魚雷発射管。
アスロックを使うまでもない(使えない)近距離の敵を雷撃するために使います。
「はたかぜ」のSSMキャニスター(艦対艦ミサイル発射筒)。
「はたかぜ」就役当時は国産のSSMが実用化されていなかったため、もっぱらRGM-84 ハープーンを装備しています。
SSMキャニスターの手前にあるのが内火艇(備え付けのモーターボート)。
後部甲板から上構を眺めます。
左右のCIWSや、後部にも装備された5インチ砲が印象的。
少し引いて、艦尾からの後部甲板。
「はたかぜ」の後部甲板は、いちおうヘリコプターが離着艦できるようになっているものの、誘導設備もなければ整備設備もなく、「運用」することはできません。
あくまで一時的な離着艦用のスペースなのです。
やはり日本の艦には旭日旗。
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