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2009年■真鶴番場浦にて■M60

作品2009年05

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キャンバスに油絵の具

自然を現地でありのままに描くのは、はやらなくなってしまったが、恩師の川上尉平先生は、現場主義であった。家で手を入れるのは厳禁である。ご都合主義で自然を変えるのも禁止である。
先生は言われた「自然には神の宿っている場所が有る、そこを探せれば、絵は半分できたようなものだ。」

自然を忠実に写すのは、至難な技である。太陽はどんどん動いていく、影はそれにつれて動いてしまう。海は潮の満ち干きがある。天気だって同じではない。風も吹いたりやんだりする。
しかし、それは表面の変化である。そんなものに惑わされてはいけない。どっしりとした岩、ゆったりとした海、生き生きと繁る植物。大地の存在感をしっかり表現するのだ。

つもりはそうでも、頼りになるのは、目に見える変化していく表面なのである。
自然のありのままをしっかり見つめ、虚心坦懐に粛々と描いていくのみである。
ちゃんと描けることができますようにと願いながら。

この作品は、職美展に出品するが、3日後に搬入なので、乾かす時間も有るので時間切れになった。
今日は天気が悪く、潮も高かったので前回までの絵にあった伊豆半島と岩が消えてしまったが、現場主義では、しかたないところである。

自然を描くのは実に難しいと思う。5月11日から始め、正味8日描いたが、表面をなでているぐらいしかできていない。
力がないのが残酷に証明されてしまうのだ。